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masutaka
2020年2月10日 10:34
昭和六十二年の春、建築現場の工期がないため残業続きで疲労感が抜けない毎日が続いた。さらに、季節の変わり目もあって夜になると喘息を発症し、煙草を吸うことも出来ないようになった。無理して働いたのも訳があった。もうすぐ、子供が生まれることで期待と不安が入り混じって気が高揚していたのだ。そして出産費用を稼がないという焦燥に駆られていた。 妻から子供が出来たと結婚前に告げられていた。妊娠八か月になるお