雪国のワインを探す旅 ~ 山形ワイナリー探訪 ~
こんばんわ(^○^) 3000円ワインの民、ますたやです♪
さて、冬の足音がとおざかり、春の気配がちかづいてきました。
午後5時の明るい空、暖かさにゆるむ穏やかな空気。そしていつのまにか足を踏み入れていた、無限鼻水地獄・・・・・・
そんな小さなできごとの重なりが、わたしたちに春のおとずれを感じさせています。
春。わたしの大好きな季節がやってきます!
この無限鼻水地獄さえなければ、いや、無限鼻水地獄の民になってでさえ、1年のうちでもっとも心が弾む季節、それがわたしにとっての春です🌸
そんな風に、今か今かと春を待ちわびているますたやなのですが、あのですね、冬、長いんすよ。
だいたい、クリスマス終わった頃からそろそろ春を待ち始めるわけじゃないですか。そうすると、1月くらいにはだいぶ待ちくたびれてくるんですよね。まだ冬?みたいな。冬長くない?みたいな。
冬、飽きたね・・・
そんな思いが、全ますたやのなかを駆け巡っていたある冬の日のこと。
とある天啓によって、次のワ旅の目的地が告げられたのです。
ということで今回の記事は、まだまだ雪深い山形県への #ワ旅 です。バッカスの声に導かれ、出会ったワインと、出会った風景。
ワインでも片手に、どうぞごゆるりとお付き合いくださいませ。
▶ 車窓から見える雪景色が、夢みたいに美しかったです。
それでは山形へのワ旅の、はじまり、はじまり~🍷
山形県とワイナリー
山形県は、山梨、長野、北海道に次ぐ、4番目にワイン生産量の多い県です。さくらんぼをはじめとしたフルーツ王国としても名高い山形県は、もともと生食用のデラウェアの栽培が盛んだったそう。今でもデラウェアを使ったワインは、日本一の生産量を誇ります。
ワインの生産量では4番手にとどまる山形ですが、実はかねてより「買い葡萄用(買われ葡萄)」の葡萄農家が多い土地だったのだそうです。今回うかがった「久保手地区」の周辺は、まさに「買い葡萄」用の葡萄栽培が盛んだった地域で、大手のワイナリーにたくさん葡萄を卸してきた歴史があるということでした。悠久感がすごい!
▶ ねとらぼの投票では、なんと人気第1位の山形県!おいしいワインがたくさんあること、みなさんよく知ってらっしゃるんだなぁ…!
さらに、日本で2番目に古いワイナリーである酒井ワイナリーさんをはじめ、実は「ワイン造り」のまちとしても長い歴史を誇る山形県。
日本で最古と言われるマスカットベーリーAの樹が植えられている須藤ぶどう酒工場(紫金園)さんでは、こどもたちがこの樹にぶらんこを吊り下げて遊んでいるんだってさ。
なんていうか、葡萄とともに育つ感ハンパないな、山形…!
ただ、水はけをもとめて山の斜面に作られた葡萄畑は、厳しい体力が求められます。高齢化によって一時は離農が進み、ワインの生産量も落ち込んでいたようです。
現在では、2015年から各地区ではじまった「ワイン特区」政策によって、新しいワイナリーの設立もはじまっています。
老舗のフルーツ王国山形は、これからの日本ワインを支えるかなめとして、ますます注目していきたい地域なんですね!🍷
高畠ワイナリー
最初におとずれたのは、高畠ワイナリーさんです。創業は1990年。
高畠さんはですね、なんといっても、いかにもワイナリー!っていう感じで、安心します。
いい意味で観光スポットというか、親子連れでも安心して来れる雰囲気というか、ちょうどよくゆるくてちょうどよく大きい、そんなワイナリーに行きたくなることって、あるじゃないですか。
こちらでは試飲販売や、おいしいソフトクリームが売られていたりして、「ゴールデンウィークで遠出した帰りに、ちょっと立ち寄りたいワイナリー」感が愛おしい。
「お父さんは車だから飲めないね~」ってこどもに言われちゃうんですよね。そんで、売店スタッフからワインお好きですか?って聞かれて、葡萄品種についてちょっと語ろうものなら、「パパいっつもビールばっかじゃん!」とかって暴露されたりしてね。
泣ける…;;頑張れお父さん…;;長旅の運転、お疲れさまです…;;無事にうちに帰りついたら、おいしいワインが待ってますよ…!!;;
ベルウッドヴィンヤード
翌日おとずれたのは、かみのやま地区のベルウッドヴィンヤードさんです。
「鈴木」さんがされているので、「ベル(鈴)ウッド(木)」なんだって。へー!
タクシーの運転手さんが道すがら、誇らしげに教えてくれました。町ぐるみで応援している感じ、なんだかわたしまでほっこりしちゃう。
実はベルウッドさんに行くまえに、同地区にあるタケダワイナリーさんに向かったのですが、タケダさんは冬季期間中、土日祝日はお休みされているとのこと。
そのままタクシーの運転手さんにご協力いただいて、ベルウッドさんまでドナドナと運んでいただいたのでした。ありがとうございました!
もともと、同じ山形県内にあります朝日町ワイナリーにいらしたという鈴木さん。なんと45ヘクタールものデラウェアの畑を引き継いで、2019年から買い葡萄での醸造を開始されたそうです。
2020年からはようやく、自社畑の葡萄を使ったワインの醸造をはじめられたとのこと。ピノノワールをはじめとした、ヨーロッパ系の国際品種も栽培されているそうで、これから樹齢があがってくるのが楽しみなワイナリーさんですね!
鈴木さんの控えめな親切さに居心地のよさを感じつつ、まったりタクシーを待ちます。
迎えに来てくれた運転手さんがさっきと同じ方で、「待ってあげればよかったね~」なんて言われて、みんなでほくほく。心温まる空気に包まれながら、この小さなワイナリーをあとにしました。
有限会社さいとう葡萄酒(金渓ワイン)
さて今度は電車で赤湯地区まで移動しまして、さいとう葡萄酒(金渓ワイン)さんへと向かいます。
営業時間の確認のため事前にお電話をしたのですが、電話に出てくださったおばあちゃまが、「はいはい、今わたしがいますからねぇ、あいてますよ。気をつけて来てくださいねぇ」と、山形の独特なイントネーションを響かせながら、めちゃくちゃ親切に教えてくださいました。行きます!
お店では、さきほどのお電話のおばあちゃまが、親切にワインについて教えてくださいます。にこにこ笑顔のおばあちゃまに、思わずこちらもにこにこしちゃいます。
現在、醸造は息子さんがなさっているそうで、「この写真が息子なのよ~!」とにこにこ教えてくださいました。こりゃ、自慢の息子だ…!
ワインを買ったあとは、「このあたりは、ワイナリーがいくつもありますからねぇ、あちこち巡っていらしてくださいねぇ」と、やっぱりにこにこしながらお見送りしてくださいました。
問答無用ににこにこしたい方は、ぜひさいとう葡萄酒さんへ!
なお、このさいとう葡萄酒さんのすぐお近くには、日本で2番目に古い「酒井ワイナリー」さんがあります。この日は休業されていましたが、記念にぱしゃり。
赤湯地区は、徒歩圏内にいくつかのワイナリーが集まっているので、あたたかな季節のワイナリーめぐりなんて、とってもよさそうです!🍷 春が待ち遠しいですね~🌸
[番外編]結城酒店 赤湯温泉店
さて、時間的にあと1軒まわれるかな…?と考えながら歩いていると、町中でふとこんなお店を見つけました。
バッカスに導かれるように入店したのは、赤湯葡萄酒蔵ゆうきさんです。
この酒屋さんが… すごかった。
まだ見ぬワインを求めてふらりと入店し、棚をしげしげと眺めているわたしのもとに、すっ…と近寄って来られたお兄さん(※店長)。
タイトな黒エプロンに、黄金色の葡萄バッヂが輝いています。
「――時間、あります?」
その言葉が意味するところを、わたしはこのあと、はっきりと目の当たりにすることとなりました。
「この店のいいところは、いろんなワイナリーさんのワインをひととおり試飲できるところ。この店の悪いところは、僕の話を長々と聞かなきゃいけないところ」と言いきる店長。
さっそくワインを注ぎながら、「赤湯地区のワイナリーの歴史から言いきますね」と、赤湯地区のワインについて、ゼロからすべてを教えてくださいました。す、すげー…っ!
おなじ品種をつかい、別のワイナリーが作ったワインを飲むという、なんとも贅沢な飲み比べ。
伝わってくるのは、赤湯地区のワイナリーさん、そして農家さんへの大きな愛…!
そんなめちゃくちゃ楽しい試飲が終わったあと、気づくと店長は消えていたのでした。・・・・・え、さっきのはなんだったの?バッカスだったの?
(※あらさっきのはうちの息子なのよ~!と、店番を代わられたお母様が笑っていらっしゃいました。どうもほがらかがちだな山形美人たち…!)
ちなみにこちらのお店、関東ではなかなか手に入りにくくなってきた、グレープリパブリックさんやイエローマジックワイナリーさんのワインが、ほぼひととおりそろってました。品ぞろえもバッカスなみ。
おいしすぎる道草を食ったことで、だいぶ時間が差し迫ってまいりました。
帰り際に、イエローマジックワイナリーさん(店舗販売なし)を写真におさめ、いそいで特急に飛び乗ります。
そして、冷え切ったからだとあたたまった心、大切なワインたちをリュックに詰め込み、特急列車の心地よい揺れに身を任せながら、無事に帰路へとついたのでした――
ワ旅の終わりに
こうして実際に山形に行ってみて、わかったことがあります。
それは、みんながワインをふつうに愛しているということ。
タクシーの運転手さんが語る、葡萄畑の歴史。お宿のソムリエが教えてくれた、おいしいワインの数々。ワイナリーのお母さんたちが語る”うちのワイン”の味。そのどれもに、「ふつうの愛」が感じられるんですよね。
「ああ、さいとう葡萄酒さんね」って、その言葉のはしばしに「近所のあのひと」感がにじむんですよ。
地元のワインをふつうに飲んで来たし、たぶんこれからもふつうに飲んでいく。ワインとともに育って、そして次世代を育んでいく。
そんな「ふつうの繰り返し」が、いつのまにか歴史を作ってきた、山形のワインにはそういう「あたりまえの愛」が、溶け込んでいるのかもしれません。
また雪が溶ける頃にうかがいたくなる、暖かなまち、山形県。
雪国の春は、きっともうすぐそこまで来ています。
▶ 身体はすっかり冷え切ったので、わたしが愛用している足の裏用のほっかいろ、置いておきます。(広告)
今日の記事はここまで!読んでいただいてありがとうございました♪ 平和で穏やかな日常が、これからも永くつづいていきますように🍷
それではまた次の #ワ活 か、#3000円ワイン でお会いしましょう!3000円ワインの民、ますたやでした^^
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■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)。夫婦で1本を分けあって飲みます。3000円ワイン以外のワインについては、Vinicaにて夫が更新中。2021年、夫婦でJ.S.A.認定ワインエキスパート取得。夫はワイン検定講師もつとめます。これからもおいしいワイン、いっぱい飲むぞ~!
twitter:@3000wine_tami
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ワイン好きなゆるへたアルパカが、ゆる~くしゃべってます。日常的なゆるーいワイン会話にどうぞ。
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