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[3000円ワイン]ソムリエの神業〈スペイン/赤ワイン〉

どこからともなくキンモクセイの香りが漂ってくる季節になりました。

びっかびかの夏のあいだ、「泡、泡、白、泡、赤、泡、白」みたいな感じで全然赤ワインの消費量があがりませんでしたが、ようやく赤ワインを心から欲する、いい季節がやってきました。

そしてここに来ての、日中の涼しさ。というか、寒さ。

「たまには重い赤が飲みたい」

そう、近所のソムリエにお願いしたところ、オススメされたのが今回ご紹介する #3000円ワイン です。


ところで。

実は我々は最初、イタリアワインコーナーを眺めていたんですね。
アマローネっぽいやつとか、プリミティーボの重そうなやつとか。それで、もう最後3本くらいに絞って、棚の外にまで出し、最終決定のために眺めながら、ソムリエに声をかけたんです。

「重い赤がほしい。どれがいいと思う?」

そしたらソムリエはしばらく考えて、「なんの品種がいいの?」と質問を重ねてきました。えーー、品種か~…

「品種は…なんでもいいけど、ひさしぶりにフランス以外がいい」

いやいやいや、えーーー!ワイン関連資格まで取っておきながら、なんという要領を得ないコメント!
品種はおろか、あろうことか国まで「フランス以外」ってそんな…!

で、ここまで来たらふつう、イタリアから選びませんか?わたしたちが今選んでるのは、確かにどれも「重い」赤ワインなんですよ。もう閉店間際だし、お客(わたし)は「重い赤」って言ってるし、そのうちのどれかで選んだって、わたし的にはまったく文句はない、というかおそらく満足なわけです。

でも。我らのソムリエは違った。

閉店間際の暇な店内を颯爽と横切り、「スペインとかどう?これ、まだ飲んでなかったよね」と、新たなご提案をくださったのでした。

ラ アタラヤ デル カミーノ 2020[¥3630]

<ワインdata>
国:スペイン 種類:赤ワイン 品種:ガルナッチャ ティントレラ 85%/モナストレル 15% ヴィンテージ:2020 生産者:ボデガス・アタラヤ インポーター:株式会社 稲葉

<バランス>
酸味★★★☆☆ タンニン:★★★☆☆ 香り:★★★★★

というわけで、まずは色からどうぞ!

どーん

濃い、濃い、紫。とにかく色が濃い。向こうは全然透けないし、このワイン、オレンジかかる気がないんじゃないかとさえ思うほど。

香りは最初にどん、と果実の香りが来ます。でも、樽というよりも、ジューシーな赤系フルーツの感じ。ここにスミレやバラみたいな華やかな香りも加わって、「うわ~~」と思わず声があがります。う、美味そ~~!

味わいもまさに香りの通りで、濃いフルーツをぎゅぎゅーっと絞った感じです。アルコール度も15%と高いので、ほのかに甘やかな雰囲気もあります。

でもこれがねぇ、甘ったるいわけじゃなく、ちゃんとすいーっと酸が伸びるんですよ。だから全然、「重っおも」にならない。むしろちょっとだけエレガントで、「美味ぇ美味ぇ」とするする飲んでしまうんです。き、危険な香りだ……!

結果、重い赤!そして肉!という楽しい晩ご飯になりました。
さすが稲葉さんインポートもの、「濃い」の質がわたしに合ってる~!

チーズはスペインのケソセットをチョイス

それにしても、この夜のソムリエもすごかったなぁ……!

相手の「ニーズ」に合うワインを選ぶのがソムリエの腕のひとつだとわたしは思っているんですが、実はお客(わたし)って、自分の「シーズ(隠れたニーズ)」に、気づいてないことも多いと思うんですよね。

だって「重い赤」って言ったときに、バローロの重さとジンファンデルの重さは違うし、スペインとイタリアの重さだって、やっぱり違うと思うんです。

そこを『いや、こいつ今、”重いワイン”って言ってるけど、選んでるワイン、イメージ違うんじゃね?』と気づき、ちゃんと「シーズ」に合わせたワインを選んでくれる。なんというソムリエの神業。

はー、これだからソムリエってほんとプロフェッショナルでかっこいい。あ~、またご近所のワインショップに、貢ぐ予算があがってしまうじゃないか……!(本望)

ソムリエのすごさを感じて心がほくほくすると同時に、とりあえずわたしはもっと勉強しろし、と思った夜でもありました。「フランス以外の重い赤」て。(広い………!)


さ、今日はこれからワイン会に行ってまいりまーす!美味しいワイン、飲めるかな?!(^○^)🍷

それでは、また次の記事でお会いしましょう!3000円ワインの民、ますたやでした♪

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■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)、夫婦で1本を分けあって飲みます。2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得、2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパートを取得、現在はWSETLevel2を英語で挑戦中の、ワイン大好き夫婦です!

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WineBarやどり葉 店主|ますたや
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