[3000円ワイン]セラーのワイン、いつ起こす?(今でしょ)〈日本/シャルドネ〉
熊本ワインファームがつくる、「菊鹿」の樽熟シャルドネ2020を飲みました。
わたしは2021年に、熊本県の菊鹿ワイナリーにうかがってます。菊鹿ワイナリー、綺麗なんですよね〜。広さはこじんまりしてるんですが、天井の高さとディスプレイのおしゃれさに、思わず深呼吸したくなるワイナリーです。
なにせ空は広く、畑は美しく、季節柄、鮮やかな夏のコントラストが最高でした。やっぱ現地で飲むワインって最高だよな〜!と、ソフトクリームをべったべたにこぼしながら、にこにこしてた思い出がよみがえります。まず手元を拭け…!(あと机…!)
ちなみにこのときは、2019ヴィンテージの樽熟シャルドネを試飲しました。樽熟シャルドネ2019はその後、2022年日本ワインコンクールの部門最高賞を獲得。それだけでも品質の高さと人気の高さがうかがえますが、実はこのときは正直、樽の強さがちょっと目立つかな~と思ってました。
試飲のお相手をしてくださったソムリエールからも、「ちょっと置いておくと、もっといいかも…」とお話をいただき、素直なわれわれ夫婦はセラーのなかで、菊鹿シャルドネ2019をこんこんと眠りにつかせていたのでした。
ところが昨年の11月。仕事場に出勤してロッカーをあけると、なんとそこに菊鹿シャルドネ樽熟2020が、入ってたんですよねぇ…。
こわいな〜、こわいな〜、…というわけではなく、わたしの上司が熊本出身で、今度帰省するときワイン買ってくるね!と、事前に言われていたんでした。そういえばそんなこと言ってくれてたな。ありがてぇ、ありがてぇ…!
こういうとき、ワイン好きを公言してて良かった〜〜〜!と、思います。思います、じゃねえわ、心からありがとうございますだわ(おでこを地面につけながら)。
そういうワケで我が家には絶賛、菊鹿のシャルドネの2019と2020が揃い踏みとなったわけでした。
どうするよ、これ。
あいつ(2019)、まだウチで寝てんぜ…?
菊鹿シャルドネ樽熟成2020[¥3630(税抜き)]
<ワインdata>
国:日本 種類:白ワイン 品種:シャルドネ ヴィンテージ:2020 生産者:熊本ワインファーム インポーター:―
<バランス>
酸味★★★★☆ 糖度:★★☆☆☆ 香り:★★★★☆
さて振り返って、現地で飲んだ2019年樽熟シャルドネは、樽香がけっこう強かった。なんというか、キビキビしててちょっと苦みを感じるほどというか。テイスティンググラスで飲んだことも影響してるかと思いますが、「こりゃ、今じゃないかもな…!」感がありました。
菊鹿って、NV(ノンヴィンテージ)のシャルドネも出してるんですが、わたしとしてはこちらのほうが、味わい的にもお値段的にも(2000円台後半)手が出しやすく「今飲んで、すぐ美味しい日本ワイン」として、長らく推しとなっておりました。
ちなみにこちらはやはり人気みたいで、今、公式ページからじゃ買えなくなってます。どこかの催事でまた会おう。
そういう感じで、いったん眠りについてもらった菊鹿2019。ワインっていっかい(セラーに)寝かしつけちゃうと、今度は一体いつになったら起こせばいいのかわからなくなるんですよね~…。ここまで待ったんだから、もうちょい待とうか…まだ今日じゃなくていいんじゃないか…なんて言ってるうちに、見事にセラーの肥やしと化しはじめていました。
ここに、彗星のごとくやってきた「2020年」ですよ。あれでしょ、ほんとはこの子も、しばらく寝かせたほうがいいんでしょ?しかし、我が家はワインを多頭飼いしない派。気持ち的には、「おなじワインいるな」という感じになってきました。
こうなると、そろそろどっちか1本は飲みませんか?!という気持ちがむくむく湧いてきまして、もう「週末」を言い訳に飲んじゃうことにしました。ええい、ワインを飲むタイミングなんて、飲みたいときが飲みどきなんですよ…!
というわけで、まだ若いかもしれない2020年ちゃん、いってみましょう!
お~~~美しい。
外観はほんのりと黄金色がかり、とろん、とした酒質がうかがえます。机に反射する金色がいい。すごくいい。期待通りにふんわりのぼる樽香は、「ひょっとしてこれ、いいワインなんじゃ…?」感を盛り上げます。
香りを出そうとブルゴーニュグラスにしたのが奏功していて、グラスに注いだ途端からレモンやみかんのような柑橘の香りが開いて来ました。樽香だけではない、綺麗な華やかさを感じます。おっ、いいぞいいぞ、その調子!
さあ、くちに含んでみましょうか……
おおぉ、うわ〜〜、こんな綺麗だったっけ菊鹿って…!
樽香は、しっかりあります。ありますが、それに負けないほどシャープであとを引く酸と、ゆったりとした柑橘系の果実味がとても心地いい。雑味はほとんどなく、味の個性がしっかり感じられて、つまりこれっていわゆる、美味しいワインだな?
若いとはいっても樽もなじみはじめてはいて、やや繊細な口当たりとあいまって上質さが感じられます。これ、ブラインドで飲んだら、日本のシャルドネとは言えそうにない。ていうかふつうに、「産地?フランス…?」とか、言いそうまでない…?
まだ若干樽のほうが強いので、ほんとはもう1、2年置けるといいのかな〜とは思いましたが、それでいうとほら、うちにいるじゃないですか、もう1年寝た子(2019)が………!
というわけで、セラーの気重さが減ったばかりか、2019年との邂逅さえも楽しみになった2020年ちゃんとの出会い。
ワインは飲みたいときが飲み頃、これは胸に刻んでおこうと思います!だって、飲み物だし!
2019年も、いつか飲んだら報告します!(※3000円ワイン)
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■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)、夫婦で1本を分けあって飲みます。2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得、2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパートを取得、現在はWSETLevel3を英語で挑戦中の、ワイン大好き夫婦です!
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