忙しい人のための、フランス「ワ旅」ダイジェスト ~ 2022 été ~
2022年夏。わたしたちますたや夫婦は、フランスへと旅立ちました。
われわれの想いは、ただひとつ。
大好きなワインが生まれた大地を、この目で見たい…!
そんなわたしたちのミーハー心を、フランスの大地は快く受け入れてくれました。
人に、文化に、食に、そしてワインに出会うたび、たくさんの発見と感動をもたらしてくれた、懐の深い国フランス。
忘れたくないたくさんの思い出を、あたたかさを、そして心の揺れを、ここに書き記して行こうと思います。
さて、そんなフランスワ旅記事第1回目は「フランスワ旅ダイジェスト」と題しまして、今回のフランスワ旅の、ハイライトをお伝えしていきます。
なんせ、ほんと、めちゃくちゃすごい情報量です。到底1記事にはおさまりそうにありません。し、なにより読むのにも時間がかかります。
お忙しい現代人のみなさまに、そんなお手間をかけるわけにはいきませんので、まずはここでダイジェスト版フランス旅を、さくっとお楽しみいただけたら幸いです!
記事はこれから時間をかけて、少しずつ更新していきます。こちらの記事をお読みいただき、気になったパートがありましたら、どうぞ記事の更新をお待ちください😊ワインでも片手に、まったりお読みいただけたら本望…!🍷
▶というわけで、忙しくない人はこちらからどうぞ
それでは、忙しい人のためのフランスワ旅ダイジェスト、はじまり、はじまり~👏
北極フライト、そして渡航について
現在すべての飛行機は、ロシア上空を飛ぶことができません。このため、ロシア以外をぐるっとまわって行くことになるのですが、今回は北極上空を通る航路となっていました。北極だってよ?!
これはこれでおもしろい航路なのですが、おかげでフライト時間が伸び、現在、東京・羽田からパリ・シャルルドゴール空港までのフライト時間は、直行で約14時間。その分燃油サーチャージ代も上がりますし、なんせ円安の影響で渡航費は高いです。
ちなみに今回の渡航費は、ふたりで往復75万円。たっ………………(絶句)
平時がひとり往復20万円くらい、時期をはずせば10万ちょっとで行けると考えると、まあ、その、ちょっと頭おかしいことをしている自覚はあります。
わが家は今回、2年半分の想いのたけをすべてお金に乗せましたが、ふつう行かないっす。行かない。おとなしく日本にいればグランクリュ買える。
ということで、まっとうな心の持ち主のみなさんは、せめてもう少し円安が落ち着くか、航路がどうにかなるまで辛抱したほうが、現地で使えるお金が増えます。
なお、気になるコロナ情勢についても先に触れておきます。
フランスは現在、世界でもっともコロナに対してゆるい国と言われています。(諸説あります)
8月から入国時の審査はいっさいなくなり、現地でもワクチンパスポートや陰性証明書の提出を求められることはありません。そもそも話題にもあまりのぼらず、「かかったら寝る、治ったら出て来る」という感じで付き合っているようです。(現地ガイドさん談)
7月に一度、感染拡大のピークがありましたが、そのときもマスク着用義務には至らなかったよう。なので、みなさんもちろん、ノーマスク。(※メトロや病院では、マスク着用が強く推奨されています。)
でも、わたしたち日本人がマスクをしていようが、していまいが、もはや誰もまったく気にしていません。チラとも見られない。
むしろ普通に話しかけて来ますし(「ねぇ写真撮って!」とか。「ベビーカー押して!」とか)、「それぞれが好きにすればいい」という、とてもインディビジュアルな雰囲気を感じました。
これはフランス旅中ずっと感じていた心地よさで、「わたし」が「わたし」の気持ちを大事にすることを、それぞれが大事に思っていることがよく伝わってきました。
それはたとえば、急ぎの申請書類があるのに、18時過ぎるとまじで連絡がつかなくなる………とか、そういうこともひっくるめて、インディビジュアルな国、フランス!
壊れたものは、壊れたまま。言われた時刻はだいたいの目安。どうやってこれで国がまわってるのかな???と思うのですが、お互い様なのでまあ、文句言いながらやってるんだろうな…と、想像します。文句を言うのも自由。でも、言われてやらないのも自由。
そんな感じなので、コロナ対策もそれぞれっていう感じでした。いちおう(名残なのか)アルコール消毒とかは置いてあります。出ないけど。
日本人であるわたしたちは、フライト72時間以内のPCR検査の「陰性」結果がないと日本に入国できないため、いちおう気を付けて過ごしました。
残念ながらわたしは本当のお金持ちなどではなく、ただ貯蓄を減らしてフランスに行ったので、これからもお賃金を稼がねばならんわけです。このためにも、フランスでの隔離生活は、避けられる分は避けたい。(それでも感染したときのため、仕事はある程度調整しておきました)
ということで、このあたりは渡航前にいちばん気になっていたところだったので、最初にお伝えしました。これからフランス、および海外に行かれるみなさんの、なにかの参考、もしくは勇気になりましたら幸いです!😊
ボルドーの町と、ワイン
ボルドーへは、パリからTVGで約3時間。ボルドーにお昼前につき、翌日の夜にボルドーを立つ日程です。
ボルドー旧市街は、小さく穏やかな町。特に朝は静かでしたが、どうやらフランス人は始動時間が遅いようで、本格的に賑やかになってくるのは午後をまわってからです。
なにせ夜の9時くらいまで太陽がぴかぴかしているので、夜が本当に長いんですよね。そりゃあ朝寝坊、するわな、と思います。
初日はもちろんここから。ボルドーの新名所、ワイン博物館シテ・デュ・ヴァンです!
ガロンヌ川の左岸に建つこの独特な風貌は、デキャンターの形を模しているそう。中は体験型の施設になっていて、こどもから大人まで楽しめる工夫が凝らしてありました。
いやこどもの世代からこんな博物館に来れるとか、ワイン英才教育感がさすがのボルドー…!!
日本の話題もちらと出てきたりして、ちょっと誇らしげに思ったりして。
ガロンヌ川を見下ろす最上階でいただくボルドーワインは、なんというか、控えめに言って最高でした。(語彙)
「この赤ワインは、そこに流れている川(ガロンヌ川)の、左側で造っている美味しいワインなのよ」という説明をいただきましたが、いやもう、今世紀最大の地産地消感でしたね…なんせ「そこの川」て…!(合ってるんだけど…!)
ボルドーには一泊し、翌日はボルドーワイナリーツアーに参加しました。日本語ツアーだったので、参加者はわたしたち日本人夫婦と、イギリス在住の日本人&中国人の女子ペア。
ガイドさんも日本人ですが、フランスには2006年から住んでおられるとのこと。むちゃくちゃワインにもフランスにもお詳しくて、本当におもしろい話をたくさんうかがったので、それはまた、次の記事でお伝えします🍷
ということで、最初に向かったのは、ボルドー右岸、サンテミリオンの町です。
この町が、めちゃくちゃ可愛くてメルヘンな素敵な町だったんですよねぇ…!ちょっと見てください。
は~ため息が出る…ほんとに可愛い。高低差もあり、町の上からはサンテミリオンの町が一望できました。遠くに広がるブドウ畑に、胸がきゅんとしちゃいます。
サンテミリオンでは、グランクリュクラッセBである「シャトー・フィジャック」のお隣のドメーヌ、「シャトー・ヨン・フィジャック」にうかがいました。
現在サンテミリオンでは、格付けの見直しがおこなわれています。ヨン・フィジャックもおそらく次の見直しでグランクリュに入れるだろう、とのこと。なぜならこれらの格付けは「申請」によっておこなわれており、申請が棄却される場合は「追試」みたいなことが行われるんですって。
「うちには追試の連絡が来ていないから、ということは……ね?」と、ほがらかに話してくださいました。なるほど、ということは、買っておいたほうがいいってことかな…?
続いて、サンテミリオンからメドック地区へと移動します。サンテミリオンからメドックは意外と遠く、高速道路を使って40分ほどかかりました。
メドックに入ると、延々とブドウ畑が続きます。小高い丘だったサンテミリオンと比べると、メドック地区の「平地」さはかなり際立ちます。
そして、次々と目に入って来る有名格付けシャトーの数々…
通りすぎて行くシャトーが全部有名すぎて、だんだん「ふ~ん、あれがシャトー・パルメか~へ~」といった感じで、いちいち驚かなくなるという脳のバグが起きます。メドックは、脳がバグる町。そんなのあたし、初めて知った…!
メドックで訪問させていただいたのは、ボルドー格付け5級の「シャトー・オーバージュ・リベラル」でした。
2014年からビオディナミ農法に完全に切り替えたそうで、現在では「アンフォラ」で熟成させたワインをファーストラベルのワインに用いるなど、先鋭的、というか、原点回帰のワイン造り方をされているそうです。
ビオディナミの生産者から、直接ビオディナミについてかがうのは、実はこれが初めて。こうしてボルドーの格付けシャトーでさえ、日々の探求を怠らないのだなあ、と深く感じ入りました。
すごいなぁ、この土地で、あれらの王道ワインが作られているのだなぁ…!かっこいいなあ…!
ボルドーツアーは本当に情報量が多く、ものすごい学びの量でした。たとえばサンテミリオンの町の地下が、実は「空洞」になってるって、知ってました…?わたしは知らなかった!
普段はメモを取らず、覚えている範囲で記事化しているわたしですが、さすがに今回はものすごくメモりました。まさに大人の修学旅行ですよほんと。なにしにフランス行ったって、研修に行ったんですよわたしは!(違う)
ボルドーの町で飲むボルドーワインも、もちろん最高でした🍷あったかくて、穏やかで、賑やかな町、ボルドー。
なお、ボルドーを立つ日にひと波乱あり、ボルドーの町をスーツケースとワインを抱えて45分間爆走した話については、またの記事でお伝えします。まじで焦った。
ブルゴーニュの町と、ワイン
さて、中1日のパリを挟んだあとは、再びTGVでブルゴーニュに向かいました。こちらもTGVで約2時間。乗り換え時間が短いのにも関わらずTGVの遅延が入る、というハラハラ展開もありましたが、なんとかボーヌの町に到着!
ボーヌでは、英語のワイナリーツアーに参加しました。ツアー参加者は、アメリカ人の仲良し3人親子、イタリア人のイケてるカップルと、足の短い日本人ますたや夫婦というメンバー構成。
アメリカ、イタリア、日本という、ワイン産地がそろって、ブルゴーニュを巡ります。なんて不思議な巡り合わせ…!
ブルゴーニュでは、3つのワイナリーを巡りました。
プリミエクリュを飲んだり…
コルトンシャルルマーニュ(グランクリュ)を飲んだり…
クロ・ド・ヴージョ(グランクリュ)を飲んだり…
と、試飲の概念破壊がすさまじい道のりです。
とはいえやはりといいますか、なによりも一番感動したのは、やはりここ…!
ロマネ・コンティの丘!
右を見てもグランクリュ、左を見てもグランクリュ、見渡す限りのグランクリュのど真ん中で、深呼吸。最高 of the 最高……!(語彙)
畑のまわりはあぜ道で、道はかなりガタガタ。同乗していたイタリア人美女は、途中気持ち悪くなってました。そう、このあたり、道はとっても「アンカンファタブル」。こんなことも、行ってみてはじめてわかることだなあ…!
途中に立ち寄ったニュイ・サン・ジョルジュの町では、とっても素敵なランチタイムが過ごせました。
通りをはずれて入ったお店でしたが、元気なマダムがたどたどしい英語でにこにこサービスしてくれます。
小窓からはシェフのご機嫌な口笛が。ふと目が合うと、「Bonjour?」とご挨拶。なにその洋画み……!!!
こんな、小さなひとつひとつの出会いが、わたしの中に積み重なっていきます。
もうブルゴーニュは、「知らない」場所じゃない。あの優しいマダムや、ご機嫌なシェフや、ゆるいガイドのおじさんがいる、「知ってる」場所なんだ…!
こんな風に、ひとつひとつの場所を「知っていく」ことが、ますますワインへの愛おしさを深くしていきます。きっと次にブルゴーニュワインを飲むときに、「あの人」の笑顔が、思い浮かぶんだろうなぁ…!
そして、フランス旅がはじまる
というわけで、忙しい人のためのダイジェストフランスワ旅、いかがだったでしょうか🍷
後半わたしのお腹がへって、かなり駆け足でのご紹介となりました。これからはじまるフランスワ旅記事も、どうぞお楽しみに😊
ああ、フランス、本当にいい国だった。等身大で、自由で、親切で、いろんなものごとを受け入れていく、懐の深い国フランスよ…!
それでは旅の余韻を噛みしめながら、3000円ワインの民ますたやの、フランス旅のスタートです!お楽しみに!🍷✨
え、もう仕事だって…?
社会復帰、無理…!(する)
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■ ますたやとは:
関東在住の30代、3000円ワインの民(たみ)。ワインは週に約5本(休肝日2日)、夫婦で1本を分けあって飲みます。2021年J.S.A.認定ワインエキスパート取得、2022年コムラードオブチーズ認定。夫もワインエキスパートを取得、現在はWSETLevel2を英語で挑戦中の、ワイン大好き夫婦です!
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