アナログで伝える~はじめての文通~
ひとりの時間が増えたことによって、どう過ごすかを改めてゆっくり考えるにはいい機会なのかもしれません。
いくつかきっかけが重なって、このタイミングで絵葉書を送ることになり、手で「かく」ことの意味を新たに見つけたような気がしています。
ここで一旦お手紙を出すまでの因数分解。
①相手に送る絵葉書を選ぶ
②手紙の文章を考える
③切手を貼って投函する
これまでの人生を振り返って、絵葉書を買うことはあっても、誰かのために出したことはないので、そもそもどうやって出すのか、いくらかかるのかからの出発でした。
①相手に送る絵葉書を選ぶ
今回は向こうから来たお手紙の返信ということで、絵葉書を買うところから手をつけました。
文房具屋さんの手紙コーナーをこうやって眺めるのもはじめての経験。
季節のものから、キャラクターメインのもの、封筒タイプ、袋とじのはがきなど、その種類の豊富さに驚きです。
「デジタルとアナログのバランスをとりたい」
とのことで始まった文通で、ちょうど目に留まったのは活版印刷された絵葉書。
絵柄も3色刷りでシンプルだけども、郵便をテーマにしたイラストで直感でこの絵葉書を購入しました。
どんな紙がいいか。
どんなデザインがいいか。
手元に届いたとき、どんな驚きがあるか。
そんな想像をしたながら「選ぶ」という時間。
楽しいです。
②手紙の文章を考える
買った絵葉書を机の上に置く。
相手の気持ちを想像しながら、どんな言葉を添えるかを考える時間がはじまる。
ひとりの時間が誰かのための時間に変わる瞬間。
それは確かに絵葉書を選ぶところから始まっているけれども、ここからは楽しみだけでなく、緊張感も生まれる。
一度筆を入れてしまえば、修正できない作業。
字を間違えないように、斜めにならないように慎重にかく。
でも考えすぎると、これはこれできれいに書けないので一定のスピードが必要。
twitterは140文字以内、Instagramは136文字以内。
逆にFacebookやLINEは無制限だけども、長い文章は読みづらい。
限られたスペースに、改行の見やすさも考慮して文字を入れていく。
何を伝えようかな。
届いたときには、どんな季節柄だろうか。
読み返したくなる内容かな。
ここでしか伝えられないことって…?
筆を選び、言葉を「選ぶ」時間。
書き上げたときには不思議と気持ちがすっきりしています。
③切手を貼って投函する
絵葉書を買い、文章が書き終わり、住所も宛先も終われば、残るは投函のみ。
そういえば絵葉書を送るには何円必要なのか。
調べてみるとはがきとと同じサイズ・重さであれば、63円で良いみたい。
サイズが少しでも違うと定形外となり、料金が変わってくる。
ここは心配になって郵便局から直接出すことにしました。
「63円です」
その言葉を聞いて、ほっとして料金を支払うと、
「切手は貼られますか?」と言葉が返ってきた。
「大丈夫ですよ」と反動で答えてしまったので、切手を貼る機会を逃してしまった。
よく考えると、切手を「選ぶ」こともできたと気づく。
なんだか最後の最後で手を抜いてしまった感じがして、ちょっと後悔しました。
「選ぶ」時間
絵葉書を「選び」、言葉を「選び」、切手を「選ぶ」。
選ぶということは、何かと何かを迷って、決めるということ。
SNSのコミュニケーションでは、決めることや調整することや、リアクションしないといけないことが多すぎて、なかなか取れなかった時間。
今年の個人的なテーマが「生活に彩りを。一秒一秒をより豊かに。」なのもあり、ぜいたくに悩んで迷って、選ぶ手間ひまも、なかなか楽しそうです。