映画「砂の器」無料公開を見て、いま一度ハンセン病について考える

一ヶ月ほど前に書いた日記に映画「砂の器」について少し書いたのですが

2週間限定で無料公開されています!

久しぶりに見たのですがやはり素晴らしい作品ですね。終盤の宿命が流れる中で真相が明らかになっていく様子と、親子の歩く姿のせつなさと美しい自然という映像が展開していくのは今見てもやはりすごいですね。

若い頃見た時も感動しましたが、大人になった今改めてみると町の風景やファッション、小物などもすべてが懐かしくて、昔は何とも思わなかった事に感慨深くなれるほどに時が経っている現実にも驚きました。

蒲田が地元なので、操車場や駅ビル、駅付近の街並みがこうして映画の中に残っているのが嬉しい限りです。

こちらの動画がとてもわかりやすくて面白かったです。


「砂の器」と言えばハンセン病。

劇場公開から50年経っているにも関わらず、差別というものがいまだに変わらず残っている事、SNSなどの普及で差別や偏見が一瞬して広がる(あるいは悪意を持って拡散させようとする)ので、差別の歴史や現状、どうしてしてはいけないのかを常に人は学び続けないといけないと思いました。

(9) ハンセン病患者・元患者やその家族に対する偏見や差別をなくそう

法務省では「啓発活動強調事項」というものを掲げていて、その中にハンセン病に関する項目もあります。

こうした事を明記し、繰り返し強調しなければいけない状態にある事が本当に恐ろしく、国会議員などが差別発言を繰り返してもお咎めなしというあたりからも、差別が野放しになっている事がわかります。

「温泉に入るより早く骨つぼに入れ」とか「お前たちの行く所は、あの世だけだ」、「お前たちは人間ではないので、人権はない」、そういったことでしたね。非常に露骨な誹謗中傷でした。

140人ほどの元患者が暮らす恵楓園に2022年、ハンセン病問題の歴史を伝える歴史資料館が開館した。そこにはがきの山が展示されている。大半が匿名で、「はじ人間どもへ」「人権を武器にゆすりたかり」などと記されている。入所者を中傷する言葉で埋め尽くされた手紙約300通のレプリカだ。

50年経って街並みは綺麗に変わって生活も便利になりましたが、差別だけがずっと残り続けているこの国、少しでも変えていくにはどうしたらよいのか、見た後にいろいろ考えています。

若いころ読んだ北條民雄さんの本をもう一度読んでみます。

2025年9月27日~12月27日、国立ハンセン病資料館では企画展「手紙からみる療養所の暮らし」(仮題)を1階ギャラリーで開催します。
療養所に隔離された少年が13才から19才まで(1961年10月~1967年7月)家族に宛てて書いた手紙には、菊池恵楓園・長島愛生園での暮らし、ハンセン病の治療、社会へのあこがれ、社会復帰への熱意や不安が記されています。
少年が家族へ書いた手紙から、隔離政策によって受けた被害と隔離を生き抜いたハンセン病回復者の強さを読み取ります。ぜひご来館ください。

来年開催される企画展の情報があったので、来年の手帳にメモしておきました。

様々な証言、正しい知識、そうしたものをしっかり自分の中に入れていきたいと思います。

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