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傘がきかない 下から上に雨が降るようなこの時代 今までの考えで作られたものが通用しなくなってきている
耄期の男たちの謀略で動いている国に 恐ろしい三つの「ぼう」が渦巻いている 暴力、傍観、そして忘却で人々が倒れていく
あの頃は良かったという古びた箱をいつか手放さなくては 時間が経つほどにひどく重くなるから 抱えたままでは前に進めないし遠くまでは行けない
男は国のために戦いなさい 女は国のために産みなさい 私たちのために働きなさい
諦めへの招待状が絶え間なく私宛てに届く やめてしまえば苦しむ事も悩む事もなくなると 卑屈な私からの招待状が隙あらば目の前に置かれる
ユートピア シャングリラ アルカディア たどり着くのは無理だろうか 命の頁を途中で閉じてしまったら 消えてしまいたいと願う心の宿痾 周囲の視線はこの上なく激しいtorture 街が動き出す朝が近づいてきたら 重力とロープで私らしい最期の描写
苦しむ人たちの怒りがこの上なく沸き上がりついに堤が切れた 何をしても変わらないから無駄だと諦めていた「放棄」が 健やかな未来を私たち自身で決めるための「蜂起」に変わる瞬間
情報が溢れる溟海を漂い続け いつまでも除去される事のない機雷名「差別」 時が経っても人を傷つけ命を奪う
病床に横たわる痩躯 もうすぐ空に消えるのがわかる この上なく透き通った明けの三日月
時の流れで色が深まり 傷もまた味わいとなる 革手帳のような人になりたい
効率良くやろうと考えすぎて時間を使ってしまう 執着を手放す事にいつの間にか執着している 自分らしく生きる事にこだわりすぎて己を見失う
本を読むと心に水が湧き それが池に川に湖に 果てしなく広がる海になる 頁をめくるたびに心がほぐされ 水と空気が奥深くまで入ってくる 本とは私を豊かに育てるための耕耘機
放縦と専横が交差する どす黒い点に存在する者 それは居丈高で厚顔無恥な政治家 誠実である、命や生活を大切にする、想像する力を持つ 言葉の重さを知り、人々の役に立つために正しく使う それができない人は政治をやってはいけない
凍えるような世界の中にいても 暖流が流れる島のように 小さな花を咲かせていたい