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煤けた天井の木目しか看取ってくれなかった この安アパートは世の中と隔絶された独居房 徐々に形を失い虫の住処に変わっていく自分 遠く離れた親に知らせがいくのは何時だろう 氷河の世代の頭上には星のない極夜が広がる クレバスに消えた人達の元へ緩やかに旅立つ 骨壷で里帰りをすると言うこの上ない悲しみ 冬枯れの山をもう一度生きた眼で見たかった