雨と雷と風と雲とお陽さま。
視えない大気を可視化するように、
秋の匂いが充満する空に紋様が浮かぶ。
追いかけて、振り仰ぎ、
追いついて、見失い、
呼び声に応えて、掌中に収める。
あの雲の向こうに夜が在る。
あの空の向こうから朝が来る。
それを報せに来たものが、
埋もれた五感を呼び醒ます。
深い眠りから覚めて最初に視るものは、
生まれ落ちた時に
握り拳を開いて手放した魂のカケラ。
ーそれは希望であり笑顔であり慈しみであり愛。
ーそれは目で耳で鼻で唇でいのち。
ーそれは苦しみ。哀しみ。喜び。怒り。楽しみ。
やがて長い長い、長い夜にも必ず朝が来て、
私は私が私であることを思い出す。
そんな、気配。
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