落ち葉拾い
小さな紙袋を持って公園へ。
春に爛漫と咲いた桜の樹の彩づいた葉がはらはらと散り落ちて、風が吹けば葉っぱの雨が降る。
好きな色味を見定めて葉を拾い、袋の中に入れる度に、かさり、と音がする。何やら小さな秘密の宝物をポケットに入れるようで、内緒の秘密ができたようで楽しい。
集めた葉を我谷盆に盛る。
創り出すことをやってみたくて習ったのだが、下手くそな上に完成に至っていない。丁寧にヤスリをかけて磨き、角を削ぎ、艶を生み出す作業が必要なのだけれど、手付かずのまま二年が過ぎた。それでも、こんなふうに何かを盛れば、楽しい味わいを見せてくれるから嬉しい。
忙しいでしょう?とよく訊かれるけど、そうでもない。仕事ばっかりしている印象なのかなと思うけど、そうでもない。お仕事もさせていただいているし、人にも会うし、オンラインでも色々あるし、積読チョモランマにも登り続けているし、コーヒーも飲むし、ドライブにも行く。やりたいことはたくさんあって、じっとしてないこともあるけど、意外と引きこもってこんな彩葉遊びに興じていたりもする。
生産性なんか何にもないかもしれないけれど、この色が美しいと思えるくらいには感受性が動く。人のカウンセリングやコンサルティングに携わる限り、いや、そうでなくても、私の前に座る人の思いをしなやかに受け止めるためのアンテナは大切に磨きたいと思う。
などなどなどなど思い巡らせているうちに、公園は冬支度に入っていく。
よろしければサポートをお願いいたします。サポートいただいたお金はクリエイターとしての活動費(主にコーヒー豆代)に使わせていただきます。