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つくると食べるから始まる縁〜スパイス一汁一菜ランチ提供10回を終えて


「もうおでんはやらない!!」

千歳烏山駅の改札を出て、私は朝イチで相方真美ちゃんに愚痴った。2日前から仕込んだおでんの具は、お汁を吸って予想通り重さを増していた。その重さを考えて、具材決めたのになぁ。
だが、愚痴って喋って歩いたらすっきりして、いつも通り。「おはようございまーす!」とスタッフさんににこやかに挨拶。

12月9日金曜日。今年2月からつきいちで『スパイス一汁一菜』なるランチを提供してきたが、この日でつきいち提供は一旦終了。最終回やし、12月やしと考えて、こんなメニューとなった。

私と一緒にキッチンに立ってくれる真美ちゃんは、「ますみちゃん、天才!」と私の料理を絶賛してくれる。絶賛の気持ちはありがたく受け取っているが、私は自分のことを『天才』とは思えない。
毎月旬の野菜を考えて、野菜の知識豊富な真美ちゃんに相談。レシピめっちゃ検索して、スパイス、時には塩麹や味噌を使うアレンジポイントを探して見つけて、作りながらまたアレンジ。
ひとりで料理と向き合い、真美ちゃんに試食してもらい改善点見つけて、またひとりで仕込み、お客さんに食べてもらう。手と頭動かす時間をたくさん経て、やっと閃く。なんなら、当日料理してて閃く。
「天才やったら、もっと要領とコスパええんちゃうやろか」と思うのだ。

そんな私の手と頭を動かしていた時間は、当日食べてくれるお客さんには関係なくて。美味しい状態で食べてもらえるよう、真美ちゃんにたくさん助けてもらいながら提供する。

真剣なふたり。なみちゃん撮影
スパイスのりたまとさつまいもケーキは、最後なのでおまけ!

最終日はニット教室のみなさん、カフェの常連さんや私の友人たちが予約してくれて、当日朝にはほぼ完売(ありがたい)。だったが、ふらりと来られた、小さなお子さん連れたお母さんにも食べていただけた。よかった。ふらりと来て、食べてもらう。予約して食べてもらうのとおんなじくらい、私は嬉しいのだ。私たちの料理を通して、偶然出会ったそのひとと少しつながった気持ちになれるのだ。

東京都世田谷区千歳烏山。横浜生まれ育ちの真美ちゃん、大阪生まれで8年ちょっと横浜在住の私、二人にとって初めて訪れる土地だった。見知らぬ土地、知り合いがひとりもいない場所に行き、食をつくり提供する。私たちの人柄もやってきたことも、何も知らない人たちに食べてもらう。だからこそ、嘘なく、まっすぐに作らなあかんと思ってきた。

つくると食べるから始まる縁。

そんなご縁を教えてもらい、体感できた。

お顔はぼかしましたが、
みなさんお手製のセーターはぼかしなしで!

何年もご縁してきた親しい友だちも来てくれた。
私たちをよく知るみんなにも、まっすぐ作る。
「ますみちゃんのごはんは美味しい」
とあちこちで言ってくれる、信頼してくれているからこそ。
そして、食べている時、食べた後も楽しそうにしているみんなを見ると、しあわせになるのだ。

都民と神奈川県民。
いちばん遠いひとは茅ヶ崎!
ほんとにありがとね。
なみちゃん撮影

何度も来てくれはって、最後も来てくれたスパイス仲間さん。

リアルでご縁してきた人だけでなく、このnoteやツイッター、note仲間とのグループチャットでご縁結んできた、この方にも食べてもらえた。

「初めましてだね」とミユキさんに言われて、ああそうだったと思い出した(笑)。なんだか初めての気が全くしなかった。初めて食べてもらう私のスパイス料理が、変化球のおでんになってしもたけど。また食べてもらえる、なんなら一緒に作れる機会も、これからきっとあるはず。

お土産のおうどん、ありがとう!めっちゃ美味しかったよ!

地域に根ざしたこのコミュニティカフェで、最初に私たちを受け入れてくれたのは、金曜日担当のスタッフさんたちだった。お客さんが少ない時はランチに食べていただき、応援してくれた。お互いが慣れた頃、スパイス料理にも慣れてもろて、楽しみにして下さるようになった。本当にありがたかった。ありがとうございました。

5回食していただいたので、
真美ちゃんからプレゼント!

このご縁をつくってくれた、最初の最初はこちらの方。

彼女からのお声かけから始まったのだ。ほんとにありがとう。

真美ちゃんも私も、実は都内に毎月出向いて提供(私は料理、真美ちゃんはワークショップ)するのは初めてだった。横浜や神奈川は遠いけど、都内ならと来てくれる友人もいたし、この場所だから出会えた方もいた。

先月来てくれた売れっ子料理家今井真実さん。

いかんいかん、12月9日のことだけ書こうと思っていたのに、10回分まで広がりそうだ。そろそろ畳もう。最後に。

若干巻き込まれ事故的に、私と毎月千歳烏山に通うことになった真美ちゃん。さらには、毎月手書きのお品書きも書いてくれて。当日彼女がお客さんに料理持って行き、明るく話している姿を見ていたら、

真美ちゃんは、私の料理とお客さんを繋いでくれた人やなあ。

と思った。彼女は時々「私、人見知りだよ」と言うが、私は嘘やと思っている。ほんとにありがとう。来年以降も絶対またやろうね。

筆文字展も開催した。
私と真美ちゃんの名前にある字

ここには書かなかったけど、ツイートで告知するたび、リツイートしてくれたり、コメントくれたみなさんも、ほんとにありがとうございました。

全10回の料理と振り返り。を、書く前に、まずは最終回のお礼noteでした。

美味しいはしあわせ「うまうまごはん研究家」わたなべますみです。毎日食べても食べ飽きないおばんざい、おかんのごはん、季節の野菜をつかったごはん、そしてスパイスを使ったカレーやインド料理を日々作りつつ、さらなるうまうまを目指しております。