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美味しいと楽しいを味わうランチ〜2月のスパイス一汁一菜

2月18日。初めてスパイス一汁一菜を提供した。去年の夏から試作を始めて、半年ほど経っていた。

試作を繰り返していた場所での提供はなくなったが、その後、エストニア料理屋さんが千歳烏山のコミュニティカフェななつのこさんを紹介してくれた。

12月の説明会に参加して、2月からのランチ提供が決まった。

お正月も旧正月も終わり、いよいよ本番が近づいた。前々日まで予約ゼロだったが、誰も来なくても、とにかく10食用意して、提供しようと決めていた。
「予約まだありません!」とSNSに投稿したら、ありがたいことに「行くよー」と嬉しい連絡を(義理堅い)エストニア料理屋さんや友人たちからもらった。食べる人の顔が見えてくると、下拵えする私もドキドキからニマニマに変わる。翌日会える友人たちの顔を浮かべながら、サンバル用の野菜と、ふろふき大根をゆっくり炊いていた。

けんちん汁か筑前煮にしか見えないけれど、これがサンバルになる。

当日朝。あまりの荷物の重たさと、できるだけ階段を避けて渋谷駅で乗り換えるという難題のため、途中で息絶えるのではないかと思ったが、無事乗り換えでき千歳烏山に到着した。

かわいい看板。

最後の調理を終えた頃、カフェの看板をじっと見るひとが店内に入られた。いちばん最初のお客さんは、ママと赤ちゃん。

撮影 えびちゃん。
手書きのメニューは真美ちゃん作成。

その後も、ベビーカー押したママさんがぽつりぽつりと来られ、注文してくださった。そんなママさんたちをみて、昔の自分を思い出した。

子どもがベビーカーに乗っていた頃、外食といえばうどん屋か座敷のある居酒屋。私が食べたいものでなく、子どもが好きなものか、子どもも食べられる料理がある店ばっかりやった。

自分がいちばん好きなものを食べられない。今思えば、それだけで「よう頑張ってる!」とあの頃の自分に言ってあげたくなる。

注文してくれたママさんたちに、あの頃の自分がちょっと重なった。

スパイス料理好きやけど、お子さん小さいとなかなか食べにも行きにくいよね。自分が作る料理でも、つい、お子さんたちや家族の好み優先させてしまうよね。でも、ママさん自身が好きなものを選んで食べるってめちゃめちゃ大事。

ママさんたち、ありがとうございました。またスパイス料理食べたくなったら、ふらっと来てくださいね。

コミュニティカフェななつのこは、コーシャハイム千歳烏山にあり、利用されるのはそこの住人さんや近隣の方たち。そんなカフェに、横浜から来る私たち。住人でもないわ、初対面やわ、料理はスパイス一汁一菜なんてようわからんわで、不安に思われていたかもしれないが、ななつのこ金曜日スタッフさんは朝から笑顔で迎えてくださった。

「渡邊さん、関西の方ですか?」から話が始まり、(かなりニッチな)関西ネタで盛り上がった。千歳烏山で、まさかこんな話するとはねと三人で大笑いだった。ありがたいことに、ランチも注文してくださった。

白いご飯にのせて食べたい!と言うてくださったキーマカレー。


お昼過ぎた頃、男の子とお洒落なかわいいママさんが来られた。

スパイス一汁一菜と、息子さんのお昼ごはん用に常設カフェのメニューをいろいろ注文してくださった(カフェのスタッフさんが用意してくださる)。

こちらのレシピ本も人気の料理家 今井真実さん。

お口に合うたか、どうなのか。ドキドキしていた。ちょうどお客さんも途切れて、店内も人が少なくなった頃、真実さんの席へ行ってみた。

ますみさん、美味しいです!
スパイス料理なのにやさしくて、塩加減もめっちゃ私の好みです!
あとね、お野菜の煮え方がちょうどいい。だいこんの具合もよかった。
水とちょっとの昆布で前夜に炊いた大根。手間はかけていないが、時間かかった。

さすが人気料理家さん。味わいポイントと感想がプロ。そして、

全部美味しくて、すごく好き!

と絶賛いただいた。好きは最強である。調子に乗りまくって、

今大人気の料理家今井真実氏絶賛!!


と、『全米が泣いた』くらい使わせてもらいますとご本人に伝えておいた。
自信無くなったら真実さんのこの言葉何度も見よう。

ニコニコとPOPとメニュー持ってくれた真実さん。ありがとうございます。

私のスパイスカレーなど何度か食べてくれてる友人たちからは、「美味しかったー!」と全肯定してもらった。いつもありがとう。

左は千歳烏山にご縁繋いでくれたエストニア料理屋さん。


茅ヶ崎から来てくれたえびちゃん↓↓

食べた方から、「美味しい」が聞けて、笑顔が見れた。嬉しかった。

そして、それは彼女がいないと味わえないことだった。

私は密かに望んでいたことがあった。お客さんも、一緒にカフェに立つ私たちも「楽しかった!」を味わえることだった。

【人は食べたものでできている】 そう、これ当たり前のことだけれども ますみちゃんを見ていると ますみちゃんの作ったご飯を食べた人は 間違いなく健やかになる。 エストニア料理のけいこさんから ご紹介頂いて ますみちゃんが作るのは 「ななつ...

Posted by 矢野 真美 on Saturday, February 19, 2022

カフェの説明会から試作などがっつり関わり、相方となってくれた。彼女がいなければ出来なかった。
彼女のこの投稿文を読んで、「ますみちゃんがやるなら手伝うよ」ではなく、ガッツリ参加して楽しんでくれたのがわかり、嬉しかった。巻き込まれてくれて、ありがとう。しばらく、巻き込まれてください。絶対楽しいことになるから。

食べたひと、関わってくれたひと。
美味しいと楽しいを提供できてよかった。
実は私がいちばん楽しいを味わったかもしれない。

真美ちゃん作。


みなさま、ありがとうございました。

来月のスパイス一汁一菜ななつのこ登板は、
3月11日金曜日。
みなさんに美味しいと楽しいを味わっていただけるように、まずは私がその両方を味わって準備しておきます。

美味しいはしあわせ「うまうまごはん研究家」わたなべますみです。毎日食べても食べ飽きないおばんざい、おかんのごはん、季節の野菜をつかったごはん、そしてスパイスを使ったカレーやインド料理を日々作りつつ、さらなるうまうまを目指しております。