モヤモヤ感情の対処法 〜自分をリスペクトすると心が軽くなった話〜
私はどうやら怒り爆発までの導火線が長いようだ。
これまで本気で怒ったことはたぶん1度か2度ぐらいしかないし、何かあっても「そこ、怒る場面でしょ」と人に指摘されて初めて、あー、やっぱりそうだったかー、と後になってからモヤモヤする有り様。何か変だと薄々気づいていても「相手も悪気があるわけじゃないだろうし」という謎のお人好しパワーが働いて、そのモヤモヤが本格的な爆発に達する前に自然鎮火させてしまう。
いつも怒ってばかり、よりは良いのかもしれないが、そのモヤモヤに向き合わないこと、つまり「なかったこと」にしてしまうことは、実は自分に対するリスペクトが足りない行為だったらしい。
怒らないお人好しは利用されやすい
― そりゃあそうだ。相手にとってはとても都合が良い。これまで私はたぶん善人に囲まれ過ぎていたのか、ただ単に鈍感過ぎて気付かなかっただけなのか、自分の親切心が利用されている!と強く感じたことはなかった。いや、感じたとしても自分の中でうやむやにし、事なかれ主義を貫いてきたんだと思う。
それがここ最近立て続けに「やっぱりちょっと酷くないか?」と感じた出来事があり、そのことが何かにつけ私の気分を暗くさせてきた。
鈍感な私が(やっと)憤りを感じたぐらいだから、もう既に末期症状。きっと他の人だととっくの昔に怒り爆発、荒れ狂っていたかもしれない。
それなのに、この期に及んで得意のお人好し=ナイーブさを働かせ、自分の中でも「まあまあ、その時は相手もたぶん困ってたんでしょう。今さら怒ってもしょうがないし、なんなら感情をコントロールする修行ができる良い機会じゃないか」とすら思っていたぐらい(何という苦行!)。一生懸命に無理な消火活動をしていたわけである。
神アドバイス
そんな時、知人Mにそのことをちょっと愚痴ってしまった。嫌なモヤモヤを感じ始めてから既に数ヶ月もたっており(ああ、私の鈍さよ)、もう過去の出来事としてその知人に話をしたつもりだったのだが、彼女のリアクションは違った。
「ちょっと、それアカンよ!
自分を全然リスペクトしてない!
相手に伝えないと、今すぐにでも!」
と喝が入ったのだ。
Mは続ける。
「あなたが何も言わない限り、相手はこれからも同じようなことをずっと繰り返す。その度にあなたはモヤモヤを抱えて自分自身を消耗するだけ。
相手に親切にしたことを後悔してるでしょ?自分がナイーブだった、と。
でも人に親切にすること自体は素晴らしい行為で、そこを否定してはいけない。良いことをしたんだ、と自分を認めるべき。
逆にズルいのは人の親切心を利用した相手の方よ。それに対して何も言わないでいるということは、ズルい相手に屈して自分を蔑むこと。それはやめた方がいい。自分をリスペクトしないと。」
確かに。純粋にその人のためを思ってやったことが利用された挙げ句、親切心を持った自分に非があると思うなんて、自分を粗末に扱うにも程がある。
神アドバイスだ。Mの頭に後光が見えたかと思ったぐらいだ。
目からウロコが落ちた。
急に強くなる
私はさっそく行動に出た。相手にどう思われようと関係ない。間違ったことはしていないのだから自信を持とう。感情的になるのだけは避けて、淡々と自分の思ったことを述べるのだ。
私の親切心を利用しているな、と感じる人物は実は2人いて(どんだけ我慢強いねん私、苦笑)簡単そうな方から始めることにした。
ちょっと怖気づいて文章で伝えてしまったが、言いたいことは言った。
喉のつかえが取れたような気がした。
そして2人目。こっちは根深い。被害も大きい相手だ。
(この人のエピソードを話した時、知人Mは「はあ~?!?」と言って頭から湯気が出るぐらい怒った、笑)
その人と会う機会があり、話を持ち出そうとしたら上手くかわされた。2度目のチャレンジは別の日に電話で。電話は私が一番苦手とするコミュニケーションツールだ。顔を見て話さないと言いたいことがちゃんと伝わらない気がするからである。言語面の不安もある。でもやむを得ずそういうシチュエーションになってしまったので仕方ない。
腹をくくって話をした。感情を交えずに淡々と。
「あなたが私にした行為を私は非常に残念に思っている。信用できなくなってしまったので、今後あなたと協力関係を続けて行くことはできない。」
その後の相手の弁明にはところどころに嘘が感じられたけれど、最終的には謝罪の言葉が出てきてこっちが驚いたぐらいだ。
電話を切ったあと、気付くと着ていたTシャツが汗びっしょりになっていた。
自分へのリスペクト
自分で言うのもなんだが、すごい達成感だった。相手に謝罪してもらったからではない。自分は何も間違っていない、と自信を持ち、ともすれば相手の感情を害するかもしれないような内容のことを臆することなく伝えることができたこと。こんなことは生まれて初めてかもしれない。自分の感情とタッグを組んだ瞬間に、なんか急に強くなれた気がした。
まるで憑き物が取れたかのように心が軽くなったのを感じた。
トラブルが起こるといつも、きっと自分にも非があったんだろう、相手にも事情があったんだろう、などと考え、自分に厳しく相手に甘くすることで折り合いをつけてきた。しかし自分の感情の一番の理解者は自分自身なのだ。
自分が自分の味方になってあげないといけないのに、他人の感情ばっかり気遣って自分をなおざりにしてきたのかも。いつまでたってもモヤモヤが消えないのは当たり前だ。気づかなくてごめん、自分。
自分の感情と自分自身が協力し一体化すると強くなれる。
何かあった時に真っ先に自分を否定し、落としどころを着けようとしてはいけない。自分自身をまず認める。怒りの感情を持ったって構わない。感情的に怒鳴り散らすのは違うかもしれないけど、負の感情もひっくるめて認める。自分を抑えてまで「良い子ちゃん」でいる必要はないのだ。
そして可能であれば、そんな自分を不当に扱った相手に対して、不快に感じたことを堂々と伝える。
それが自分へのリスペクトだと学んだ。
思いもかけず自分自身のこれまでの悪い癖が露呈して、それがハイスピードで一気に克服できたように感じた。改めて自分を大事にしないといけないなと気付いた出来事だった。
P.S. Mさんありがとう🙏
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?