生まれて初めてガチの野良猫を保護した話①
ガチの野良猫を保護しました。ガチの、というのは「お外で生まれた赤ちゃん猫」などではなく、野良猫歴数年の、人間にほぼ馴れていない、顔を見たらシャーッと威嚇して逃げていく、そういうタイプの猫って意味です。大変だったぶん考えることも多かったので、まとめてみようと思います。
出会いは、事務所近くの公園
はじめてその野良猫と会ったのは、2019年9月ごろ。夜、用事を終え、事務所の近くの小さな公園を通りかかると、水飲み場に、ぼろ切れのような丸まったなにかが見えました。
まったく誰がこんなとこに…って、ん? よく見るとこれ、ぼろ切れじゃなく…猫…?
近づくと、猫は顔を上げました。
病気なのか、目の周りがひどくむくんでいて、オレンジ色の膿のような大きな目ヤニが、べったり。毛は、絡まって固まったものが、邪魔そうにいくつもぶら下がっています。体はとても小さく、ああきっと迷子の子猫なんだ、と思いました。
「だいじょうぶ?」
思わず声をかけて近づきました。が、そこはさすがガチの野良猫。さっきまでぐったりしてたのが嘘のように、パッと立ち上がり、しばらく私をじっとにらんでいたかと思うと、あっというまに植え込みの中に走って消えていってしまいました。本当に、目にもとまらぬ速さ。
なんだか、とんでもなく具合が悪そうだったけど…あの子、だいじょうぶなのかな。その…命とか。
気になって、かといってなすすべもなく、とっさに近所のコンビニで猫用のおやつを買って、公園に戻りました。でも、しばらく粘ってみても、その日はもう、猫に会うことはできませんでした。
数日後。
私は事務所に行ったついでに、ダメもとであの公園を覗いてみることにしました。まあ、きっともういないよね……って、い、いる!?
その水飲み場、君の定位置なの?というかよく見たら君、耳がボロボロになってるじゃない。ちょっとこっちおいで。病院いこ。
…なんて私の言葉が通じるはずもなく、やっぱり猫は植え込みに逃げて行ってしまいます。水飲み場なんていう、結構目立つ場所でしゃがみ込んでる割には、警戒心が強く、植え込みに入り込んだら最後、頑として出て来てくれません。
でも、2回会ったことで、この子はもう「通りすがりにちらっと見かけた猫」じゃなくなってしまいました。だって私はもう、この子がどこにいるのか知ってしまったから。うーん…困ったな。
そしてはじまる根くらべ
この日からしばらく、私と猫の(正確には、私と、協力してくれることになった夫と、猫の)根くらべのような関係が続きます。
公園を覗きに行くと、3回に1回くらいの割合で、この子に遭遇します。あるときはベンチの下、あるときはゴミ箱のふち、あるときは植え込みから顔を出して。おやつを差し出すと、きっと空腹なんでしょう、とっても食べたそうにはするのですが、人間が怖いらしく、大胆に近寄ることはできない様子。そっと置くと、30分くらい迷ったのち(長い!)、そろーっと出てきて、パッとくわえてどこかに逃げていきます。
うーん。すごい警戒心。我が家の4匹の猫たちも全員元野良だけど、子猫のあいだに保護されたうちの子たちとは、野性味がまったくちがう。仲良くなれる気がしない。だけど、膿のようなひどい目ヤニは相変わらずだし、気づけば、鼻もぐずぐずいってる。毛の絡まり方もひどい。病院に連れて行ってあげたい。でも、身体能力が高すぎてとても捕まえられない。
こういうときって、どうしたらいいの!
我が家の猫たちとのエピソードはこちらに。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?