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真澄 / 24歳 / 過去の重荷から未来を創る挑戦者

私は真澄、24歳。双極性障害と診断され、いくつもの波を越えてきた。波が高く荒れる日も、静かで穏やかな日も、その全てが私の人生の一部。障害者雇用を経て、現在は福祉関連の職場で新たな一歩を踏み出している。

私は幼い頃から「人の役に立ちたい」と思っていた。けれど、自分自身のことでさえ解決できない日々が長く続き、挫折感に苛まれる日も少なくなかった。それでも、精神薬を使わない生き方を選び、自分の心と向き合う方法を模索してきた。

中学生の時、両親が突然の離婚。家族の中で頼れる大人がいなくなり、姉として家族を支える役割を担った。その頃から、家族の中で重い責任を感じながら過ごした。弟の宿題を見てあげる、両親に代わり家計の帳簿を管理する——そんな毎日だった。高校時代には部活にも入りたかったが、結局は毎日家事やバイトに追われて通えなくなった。その結果、友達とのつながりは薄くなり、孤独を感じることが増えた。

私は自問自答を繰り返してきた。両親が離婚した理由も、なぜ自分だけがこのような重荷を背負わされたのかも、わからないまま大人になった。だからこそ、今は幸せを自分で作る方法を学びたいと思っている。

私の趣味は料理。特にパン作りが好きで、酵母の育て方を研究しながら新しいレシピを試している。最近では、地元の農家から新鮮な材料を仕入れるようになり、パンのクオリティが格段に上がった。

また、日本酒も私にとって大切な楽しみだ。地元の小さな酒蔵を巡り、独自の風味を楽しむのが好きだ。冬の夜、熱燗を片手に友人と語り合う時間は何物にも代えがたい幸せだと感じる。

よく過去の自分と現在の自分を比べる。壊れた家庭の中で頑張っていた10代の私は、今よりもずっと強かった気がする。けれど、本当に強さとは何なのだろう。私は思う。「一人で背負う強さ」ではなく、「誰かを頼る勇気」が真の強さではないか、と。

現在、私は「男女平等」について深く考えている。女性だからと言って負担を一人で抱える必要はない。けれど、家庭環境から植え付けられた「私がやらなければならない」という感覚が抜けず、自分を追い込むことも多い。それを少しずつ手放すため、パートナーと日々対話を重ねている。

トラウマも、私の一部だ。湯船で怒られた記憶や、母からもらった隠れたおやつの思い出。良いものも悪いものも全てが、私の中に深く刻まれている。でも今は、そのトラウマさえも受け入れながら、周りの優しい人々に支えられて生きている。

子供の頃、泣くことを許されなかった私に、今は涙を流してあげたい。トラウマが癒える日は来るかもしれないし、来ないかもしれない。けれど、私は前を向いて生きていく。そう決めたから。

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