第4期将棋V名人戦 B級猪組 アクセラ戦
負けましたああああああああああ。゚・(ノД`)人(´Д`)人(Д` )・゚。
うん。悔しいです。。。
もちろん絶対勝てるなんて甘い考えは持っていなかったですが、本気で戦って負けるとこんなに悔しいのですね。今まで、好きなだけで本気で将棋に打ち込んだことはなく、一宮の中では生まれて初めて正面から将棋に向き合って挑んで負けたので、負けるとこんな気持ちになるんだなと思いました。
せっかくなので自戦記なるものを書いていこうと思います。
対局前
お家に帰ったのは対局開始の2時間以上前の19時前。そこから勝負めしのカツカレーを食べて準備万端と思いましたが、この待つ時間が辛い、、
なんていったって初めてのガチの将棋大会で、かつ中継まで入るんですよ!?そりゃ緊張しますって。。さらにカツカレーが思いのほかボリューミーで消化にも時間がかかる。。。
緊張から胃がおかしいのか単純に食べ過ぎで胃がおかしいのかすら分からない状態でした。
そんな中、飛び込んだこのツイート。
嘘やろ?こんなん将棋やってる場合やないやん
はい。この瞬間、すべての緊張は吹き飛びました。
その後、推しが泣きながら謝っている配信をみて一宮の心はぐらぐらになりもはやこのあと何を控えているのかすら分からないありさま。
おかげで対局前はそれほど緊張することなく対局に臨めたと思います。
20時45分にDiscordサーバに入ると、中継担当者の四宮式さんと聞き手の熊田クリスピィーさん、そして対戦相手のアクセラさんが先に揃われていました。
「絡んだことあるあくたん(アクセラさん)が居てよかったー!」と思ったのも一瞬で、よく考えると、、、
あれ?Discordでお話しするの初めてなのでは、、、?
この瞬間、一宮のPassiveスキル「人見知り」が発動。さらに人数が4人と「大人数×」まで同時に発動し、一気にコミュ障ゲージがMAXに。
でも、お三方とも何かしらの配信を聞いていたので、普段、画面の向こう側にいらっしゃる方々とお話しするのはとても新鮮で不思議な感じでした。
21時になり放送開始。するとやっぱり緊張します。式さんも配信前のVCの緩い感じから一気に配信者モードに切り替えてキチッと司会をされる。緊張感が高まりこっちも緊張してしまう。そんな感じでした。
あくたんはさすがになれているのでインタビューの受け答えもスムーズです。一宮の印象を「トークが軽妙で頭の回転が早い」と答えてくださった瞬間、一宮が思わず心の中で「あくたああああああああああああああん、すきだあああああああああああああ」となったのは配信に乗っていませんように。。
対局の先後は決まっていたので一宮が先手です
作戦について
さて、一宮の配信をご覧いただいた方ならお分かりかもしれませんが、この一週間何の戦型でいくかをめっちゃ悩みました。インタビューでも答えましたがあくたんは攻めが鋭いのが特徴だと思っています。一方で一宮もどちらかといえば攻め将棋。逆に言えば受けには自信がありません。そのため「先手の利点を生かし一宮側から攻められる将棋にする」を最優先に作戦選択を行いました。
そこで選んだのが角換わり棒銀。早繰り銀と迷ったのですが指しなれているのは棒銀だったのでそちらを選択。おそらくはプロでいうと後手が正しく受ければ先手不満な局面が多く採用されていないのだと思いますが、「アマチュアでは関係ないでしょ」で採用しました。
序盤の10手ぐらいまでを語るともっと長くなりそうなので割愛しますが、19手目、2六銀までは想定局面。ここからあくたんが6四歩からの腰掛け銀なのか7三歩からの早繰り銀を選ぶのかが事前の調査からは分かりませんでした。
選択されたのは7三歩からの早繰り銀。「棒銀には早繰り銀」という将棋界の風潮もあるので当然の選択かなと思いました。6三銀型の方が個人的には指しやすかったので残念ではありましたが、想定の範囲内ではあったのでそのまま仕掛けます。棒銀の基本である1筋からの開戦でから1筋に歩を打ち合った29手目の局面が下の図。想定では1九角だったのですが6四銀と上がる手。この瞬間は正直、チャンスかなと思ったのですが意外と上手くいかないものですね。この銀が最後まで大いばりだったと思います。
開戦と痛恨の一着
1二香成に金を引いて同成香、同金、8四香、1二飛車の局面が下の図。この局面は対局中は、「銀と桂2枚の交換になったし指しやすいかな」と思いました。ただ8一の桂馬をとった成香の活用が難しいなという印象はあり形成はまだまだ難しいかなと思いました。ただ、対局後の感想戦やdlshogi先生の見解では難しいんですね、、、形成は五分との見解でなるほどと思いました。ここから先手の飛車がいじめられる展開になります。
一宮が本局で一番後悔したのが下図の次の一手です。5六飛と6六飛で迷ったのですが、かなり勘違いしていました。角換わり棒銀でよくあるのは3三の銀が4四にいて、そこから3五銀と飛車取りにあがる手です。一宮もこの瞬間、そう勘違いしており、後手の持ち駒を銀と香の2枚だと思っていたんですね(実際は銀打ちなので香のみ)。そのため6六飛だと5五銀で飛車が詰むと思い5六飛としました。(ただ2枚持っている想定だと5四香、6六飛、6五銀で飛車は捕まっているので、読み抜けが酷いです)
この局面で1二の飛車が1六の歩を守っている効果に戦慄しました。なかなか見ない形だったので形勢判断を誤っているなと思います。(すくなくとも下の図では先手が悪いというわけではないですが良くはない。むしろ先手番のことを考えると人間的には良くない気もする)
ちなみにdlshogi先生の評価です。3五銀までは五分で5六飛でガクンと落ちています。。単に6六飛でも先手良しとはっきり言えるかは一宮の棋力だと怪しいです。その後の5五桂が見えていなかったので攻め辛さをずっと感じていました。
攻めと受けのバランスから感じた棋力差
5六飛、5四香、6六飛、5七香成の局面が下の図。ここで3九金が見えなかったのは酷いですね。。。それで後手の角がすぐ捕まるという訳ではないですが、馬が大いばりの展開だったのでその展開は遅らせることができたはずです。部分的には知っている金よりなので気づくべきで、攻めの手ばかり考えた結果、受けの手が指せませんでした。この辺りは一宮の弱点だと思っていて、攻守の切り替えやバランスが著しく悪いので是正していきたいところです。
そして本局のハイライトが下図です。6六香に4二玉と上がった手。これは一宮がもっとも感心した一手です。銀を逃げる手しか考えていなかったところに玉を上がられ、さらに玉型もかなり安全になっている素晴らしい手だなと思い、この局面でこれは難しい将棋になったなと思いました。1分将棋でこういう手を指せるあくたんは凄いです。一宮が理想とする攻めと受けのバランスがいい将棋をされました。棋譜からはそれが読み取れなかったので、失礼な言い方ですがかなり成長されていると思います。
以降、終局までそして敗北
以降、本譜はまだまだありますが、以降は後手が攻め、先手が受けるという一番やりたくない展開になってしまいました。一番対局前に恐れていた展開になったので苦しかったです。以降はdlshogi先生もずっと後手良しの評価でした。なんとか攻め合いの展開に持ち込みたかったのですが、後手玉への迫り方が分からなかったですね。感想戦で熊田さんが指摘された6四角から馬を作って上部を安全にする指し方は考えもしなかったのでこういう手を選択肢の一つとして思い浮かぶようになりたいです。
敗北の瞬間はやっぱり悔しかったですね。アクセラさんの強さが目立った対局で会心譜ともいえる将棋だったと思います。大変失礼ながらこんなに強いとは思っていませんでした。間違いなく研究会や裏の努力の成果だと思います。もっと一宮も準備できなかったかと考えるとなおさら悔しいですね。
(この玉型、一宮が大嫌いなあの形ににている。そうか、だから負けたのか)
終わりに
というわけで初戦は敗れ0-1となりました。A級への昇級が目標のなか4局しかないうちの1局を落としたのでかなり苦しいです。ただ、こんなに真剣に将棋を指すことは生まれて初めてで、苦しいし悔しいし逃げ出したい感じもしますが、得がたい経験なので気を取り直して次局に臨みたいと思います。
また、配信中に一宮側の回線が落ちるというトラブルもあり関係各位にご迷惑をおかけしました。この場を借りてお詫びいたします。
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