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初体験5:韓国文学を読む
「ようこそ、ヒュナム洞書店へ」
ファン・ボルム著
今の私の心にピタっとはまり、慰められ、そして勇気づけられました。
一言で言って最高に素敵な小説です。
〈あらすじ〉
ソウル市内の住宅街にできた『ヒュナム洞書店』。
会社を辞めたヨンジュは、追いつめられたかのようにその店を立ち上げた。
書店にやってくるのは、就活に失敗したアルバイトのバリスタ・ミンジュン、夫の愚痴をこぼすコーヒー業者のジミ、無気力な高校生ミンチョルとその母ミンチョルオンマ、ネットでブログが炎上した作家のスンウ……。
それぞれに悩みを抱えたふつうの人々が、今日もヒュナム洞書店で出会う。
年齢も立場も違うけれど、ヒュナム洞書店に集まるのは、悩みはあっても少しずつ自分以外の誰かを気遣い、慰め、いつの間にかそばにいて支えてくれるような人ばかり。
この本にも出てくる言葉「いい人が周りにたくさんいる人生」が、いかに豊かで自分を成長させてくれるのかということに気づかされます。
とにかくふつうの人々(登場人物)の交流がとても温かく、素敵です。
韓国と日本の違いを感じる部分も多々ありますが、それを含めて楽しく読むことができました。
今、何かに迷っている人や悩んでいる人、ちょっとお疲れ気味な人はぜひ、読んでみてください。
心があったかくなります♨
そして、この物語の最初のほうにでてくる文章を紹介させてください。
いま、彼女がある空間を心地よいと感じるかどうかの基準はこうだ。身体がその空間を肯定しているか。その空間では自分自身として存在しているか。その空間では自分が自分を疎外していないか。その空間では自分が自分を大切にし、愛しているか。ここ、この書店は、ヨンジュにとってそういう空間だ。
私はこの文章を読んで、今月退職してからの自分の方向性を「見つけた!」と感じました。
私はこんな心地よい空間作りがしたい。
誰かにとってのヒュナム洞書店になるような空間を作りたい。
図書館で借りて読みましたが、この本はぜひ購入して手元に置いておきたいと思いました。
いい本に出会えて良かった。
人も本も、出会いって大事ですね。