身体よ身体よ

身体よ 身体よ
饒舌の彼方へ逃げ果せるな

もつれた脚のがさつきで
山道駆けた躓きの律動
暗がりでなぞった母音の調べ

歌え歌え 吃音の
新しい国の歌を


滑らかなコンピュータ共の
整然国家の子音の見張り
流暢な朝は 夜が夜でなくなった合図


振り切れ
饒舌の対岸から

ふるさとのことばの杭を打て

言い淀んだ身体で
新しい国の歌を歌え

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