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先日のパフォーマンスの様子

■概要
日本の芸能の起源は折口信夫曰く、民家に一年に一回やってくる神「まれびと」に由来しているという。まれびとに食事を振る舞いもてなし、そして踊りと音楽を披露して地面を踏み固め、まれびとの力を借り土地の精霊や悪霊を地面の下に押さえつけた。その催しが芸能の起源になっているという。

今回はいまの生活都市には存在しない「まれびと」を想像して、丁寧に心を込めて食事を作りまれびとをもてなして、ゆっくり地面を踏み固めていくということを行う。

料理は自然を相手にした行為だ。食材は自然物なので鮮度や温度などの状態により、レシピを守っても同じ味には決してならない。
料理をすることは最も身近な自然に素手で触れる行為だと思ってる。料理を通して自然と繋がり、地中に潜む我々の起源にアクセスすることを試みたい。

■全体の流れ

①用意する 5分〜10分
・カセットコンロの設置
・風避けの作成
・鍋の配置
・食材の配置
・まれびとを呼ぶ横座の設置
・身体の配置を決める

家のものたちが催しのために結界のようなものを作るイメージ。ダンスの動きはでないが身体は意識する。
動きはゆっくり確実に丁寧に動かして設置等を行う。設置の動きに伴い軽く身体を動かすのもあり。余韻で動かすイメージ

②米を炊き始める 2分
一番重要な米の準備をするので、二人がかりで行う。神聖で厳かなイメージ。
一人が鍋を持ち、もう一人が米を手で掬い鍋に入れていく。ゆっくり丁寧に、腕の動きは柔らかい円を描くように掬い入れる。全て入れたら水を注ぎ込む。そして鍋を持つものが火を点火させる。
身体の質感はゆらゆらと稲穂のような。

最初は中火で沸騰後弱火

③汁物を作り始める 3分
汁物の準備。身体の自由さを楽しみつつ準備する。
身体をコンタクトさせながら汁物を作る。
火の通りにくいものを先に入れて水から火にかける。
身体は液体と固体の間の質感。ゆっくり重なったり離れたりしながら汁物の準備をしていく

④踏 3分〜5分
ゆっくりコンタクトを解除させながら重心は低く立ち上がる。
やさしく、丁寧に、確実に地面を踏み固める動作を、するかしないかのぎりぎりを攻める。
もちろん動きたければたくさん動いてもいい。自分の調子に合わせて。自分の身体の声を聞く。

⑤米、汁物の様子を確認する 10分くらい
ゆっくり丁寧に米と汁物の様子をみてあげる。じっと見つめてあげてもいいし、かき混ぜまてあげてもいいし。一緒に寝てあげてもいい。
身体の質感はtake careという感じ。食材を、火加減を、料理の色を身体で気にかける。目だけではなく、骨盤やあばら骨全体で見てあげる。

汁物良いタイミングで葉物野菜やきのこ系をいれる。味噌も。

⑥焼き物 5分
米が炊けたら火から下ろして、蒸らす。その間に焼き物を焼いていく。肉か魚。
最も捧げ物感がある。自然の食材をそのまま活かすので、荒々しい。
地面を踏む動作などを取り入れて、踏み固めつつ跳躍運動をする。

⑦盛り付け 5分
完成したら盛り付け。最も緊張感ある瞬間。
焼き物→汁物→米 の順番で盛り付けていく。
どれも二人がかりで丁寧に盛り付けをして、横座に置いていく。

身体の質感は低重心で丁寧な感じ、高級割烹の90歳の女将さん。

⑧宴 5〜10分くらい
横座に料理を置いておもてなしの準備が出来たら、宴を開始する。
フリーパート。気持ちよくなる感じで、身体の喜ぶ動きをしながら、地面を踏み固める。
食材や料理のありがたみや喜びを感じる。まれびとが来てくださって、おもてなしを出来ることを幸せに感じる。

終わりのタイミングは決まってないが、程よいところで終了。

黒田健太の服がフラッシュに反射して光る
黒田健太の服がフラッシュに反射して輝く
黒田健太の服がフラッシュに反射して光る

撮影:misa shinshi
パフォーマンス:黒田健太、ますかわサタン怖い

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