山から霧が降りるのを見た
実に静かな夜
木は眠る
風は止まる
雪は 全て覆う
完璧な夜
外に出る
川沿いをゆく
山から霧が降りるのを見た
川の音は雪に吸い込まれる
冬は全てに沈黙を強いる
沈黙が欲しく
奥へとゆく
完璧な静止を見る
頭を霧が覆う
遠くの街灯にモヤがかかる
涙のようでもある
吸い込む
夜の色と霧の不明瞭さはお互いを求めつつ
混じることがないと知る
全ては灰色の下で
静かな音が鳴り響いていた
山から到来した霧の中
静かな 轟音を聞いた
「身体の川に言葉をながさねばならぬ」
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