新良実寿人

調剤薬局で働いてる薬剤師です。 日々の仕事の中で起こった出来事や、記録しておきたい事の…

新良実寿人

調剤薬局で働いてる薬剤師です。 日々の仕事の中で起こった出来事や、記録しておきたい事のメモとしてブログを書いていきたいと思っております。 少しでもどなたかの参考になれば幸いです。

最近の記事

薬の他に何かできることはありませんか?

「先生から、これ以上は良くならないと言われて…」 患者さん(女性)は味覚・嗅覚障害で耳鼻咽喉科に通院。 味覚は戻ってきたが、嗅覚が回復しない。コーヒーなどの香りが感じられない。 しかし医師に経過を話したところ、冒頭のように言われ、ショックを受けたと薬局で涙ぐまれました。 私が「嗅覚は完全に失くなった訳ではないと思います。セカンドオピニオンもありだと思いますし、時間はかかるかもしれませんが、希望を捨てることはないと思います」とお話ししたところ、少し落ち着いて帰られました。

    • かまいたち濱家さんが薬剤師に謝罪

      先日、お笑いコンビ・かまいたちがテレビ番組で、調剤薬局で薬剤師が症状を聞いてくるのは「イライラする時間」「全然いらん時間」と発言し、S N Sで炎上した結果、番組公式サイトだけでなく、濱家さんも自身のX(旧Twitter)で謝罪したことが話題となりました。 この件を知って、薬剤師としてはやはり残念に思うとともに、濱家さんの素直な謝罪には個人的に好感を持ちました。 しかし一方で、かまいたちお2人の感覚も理解できます。 「何で診察時に話したことをもう1回話さなあかんねん」

      • 震災とモバイルファーマシー(移動薬局車)

        今回の能登半島地震では、多くの方々が被災されたことに対しまして、心からお見舞い申し上げます。 DMATを始めとする医療支援が行われる中、日本薬剤師会からは各地の薬剤師会に対して、被災地への薬剤師班の派遣依頼がありました。 私個人的にはこの活動に参加できませんでしたが、この場を借りて、薬剤師の活動の一端を紹介できればと思います。 神奈川県では、横浜市薬剤師会の災害対策医薬品供給車両(モバイルファーマシー、移動薬局車)が1月10日に石川県に派遣されました。 車両は2019年に

        • アラミスト点鼻液(2)

          前回の記事からの続きです。 アラミスト点鼻液(フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液)を使う上で、患者さんに説明しておきたいポイントを挙げます。 ①毎回よく振ってから使うこと。薬液は粘り気のある懸濁液で、よく振ることによりサラサラの液体になる。そうすることで噴霧されやすくなり、レバーの抵抗も減る。 ②手の力が弱い方は両手で持った方が良いなど、使用者に合った持ち方(押し方)を選んでもらう。 ③立てて保管すること。横にしたままだとノズル中の液が漏れたり詰まったりしてト

        薬の他に何かできることはありませんか?

          アラミスト点鼻液(1)

          初めての記事は、私のペンネームの由来となった医薬品について。 アラミスト点鼻液(フルチカゾンフランカルボン酸エステル点鼻液)は私自身も使ったことのある薬剤で、花粉症などに対する優れた効果を実感していました。 しかし薬剤師の仕事として扱う上で不満だったのが、使用方法を説明するための製剤見本が途中から入手できなくなったことです。 この製剤はデバイス(点鼻の器具)が非常に特徴的で、他の点鼻薬にはない、横押しレバー式なんですね。しかもそのレバーが固くて(重くて)、高齢者や女性、

          アラミスト点鼻液(1)