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バイバイとお辞儀な年頃

従兄弟の子どもと道ですれ違ったときの話である。

その子どもは、小学校高学年くらいの女の子。
ぼくはいつものように、
「おーい」と言って手をふった。
それに気づいた女の子が、
こちらに向けて手をふり返す。
手をふるとすぐに「あっ」という顔をして、
恥ずかしそうに手をふるのをやめて、
小さくお辞儀をした。

そのバイバイとお辞儀をする女の子の姿が
とてもかわいかったのです。
手をふるのをやめたのは、
きっと、お姉さんになってきた証拠。
ぼく(おとな)のことを「おとな」と
認識しはじめたからでしょう。

まれに芸能界で子役を演じる「こども」は、
芸能界の「おとな」に対して敬語を使用して話しますが、
多くの「こども」は、敬語なんて使用せずに喋り、
「おとな」と対等な関係にあります。

ほんのちょっと前までは、
「いっしょにあそぼー」と喋りかけてきて、
鬼ごっこを一緒にやったり、
大縄を一緒に跳んで遊んだり、
「こども」と「こども」の関係でした。

バイバイは「こども」のメタファー、
お辞儀は「おとな」のメタファー。
今まで対等に遊んでいた「こども」の中に、
少しづつ「おとな」の成分が増えていっている。

成長していく姿に、すこしさびしい気持ちと、
うれしいという気持ちが入り混じります。

バイバイよ、さようなら。お辞儀よ。こんにちは。
バイバイよ、いつでも顔を出しておくれ。

それでは、今日も、明日も、明後日も、いい1日を。
「こども」→「こどな」→「ことな」→「おとな」
の「こどな」な瞬間でした。

MONKEY CLIMB | モンキークライム

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マスダ ヒロシ
1年半、世界76カ国の旅から帰ってきて、ウェブマガジン「The U」をはじめました。自由をつくるメディアです。インタヴューやコラムがあります。ぜひ、遊びにきてください。http://theu.jp