リハビリテーションという概念について
リハビリテーションは、専門職が提供する「技術」として認識されていることが多い印象を受けます。そのためか「リハビリテーションを受けた」という表現をよく耳にします。しかし、このような言葉の使用は妥当なのでしょうか。
大学受験の小論文対策をすべく、情報収集をしていた際に出会ったのが「リハビリテーションの哲学」という本でした。「リハビリテーションとは、立ち直りの哲学である」という文面を見て、衝撃が走ったのを昨日のことのように覚えています。リハビリテーションとは、自身のさまざまな経験を肯定的に捉えるまでの一連のプロセスを意味する言葉であり、当人に帰属する概念であるというのが筆者の主張です。言い換えれば、リハビリテーション専門職は、障害当事者のリハビリテーションを支援する人、といえるのではないでしょうか。
人生において、「喪失と獲得」は万人に共通するライフイベントであり、リハビリテーションとは、障害の有無に関わらず、生涯を通して誰しもが経験する過程であると筆者は考えています。