【実践研究】言葉を知るのって面白い!言語感覚を自分から獲得する学習者の育成
その人が話す言葉には、その人の性格や考えが表れていますよね。でも自分では、自分の特徴について気がつかないものです。どうしてかと言えば、それは僕たちが、日本語のネイティブとして、自分の言葉を振り返るような機会がないからだと思います。
国語の授業では、新しい言葉や知らなかった使い方を教えてもらう機会が多くあります。でも、もうすでに知っている、自分では当たり前だと思っている言葉の使い方が、もしかしたら間違っていたり限定的だったりするかもしれない、と考える機会は多くありません。例えば「改良」と「改善」という言葉の違いを、あなたは説明できますか?
感覚的にはわかっていても、自信を持って説明をするのは難しいですよね。そんな時辞書を引いてみるのも良いですが、もっと実際の例文が見られたら、使い分けが細かくわかるのではないでしょうか。
そんな例文を見られるのが、大規模な言語データベースである「コーパス」です。この研究では、子どもたちが言語のデータベースをいじってみて、ある言葉について「こういう使い方もあるのか」とか、「こういう言葉と一緒に使われることが多いのか」とかいった発見をしてもらう授業実践をしてみました。
「言葉を知るのって面白い!」と思いながら、知的な好奇心がくすぐられるような授業になったらいいなと思っています。
増田一暁(2022)「高等学校国語科におけるコーパスを活用した語彙学習の実践ー類義語を題材にした授業実践の効果と課題ー」『人文科教育研究』第49号,pp.49-60
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筑波大学機関リポジトリ https://tsukuba.repo.nii.ac.jp/records/2006562