素人ですが

複雑怪奇な著作権というのは正しい認識だとおもいますが、少しでもなんとかしたければ個人が自由に使用できる著作権法第30~49条あたりに列挙されている「例外規定」を読むことがよいとされています。美術史たんさんはe-govの法令データベースの著作権の項目はすでに御覧になりましたでしょうか。
さらに法文を離れた部分については

・写真の著作権の判例
・モノの肖像権の判例

についてほりさげるといいとおもいます。

写真の著作権については「撮影シチュエーションゲットの苦労も含めて写真の創作」という慣例がある。つまりシチュエーションやアイデアは著作権は保護しない。
ある判例では、最初にすごい廃墟建物の写真があった。それをおなじ写真家同士でみれば、どこの角度からどの時刻でとれば霧がかかって幻想的な廃墟写真が撮れるかの知見が得られるわけです。で、この知見から別の写真家が同じシチュでとった(ヒントにしたため依拠性がある)ら侵害だといって訴訟をおこしたが、たしか裁判所は同一著作とはみとめずに負けたと思います。
またネットで灯台にうちよせる波の写真を2人の別人がアップしてCGで修正しただけとしか思えないほど似ていたケースでは、同じ日に30メートルほど離れて同じ望遠カメラでとったので同時発生した別の著作物ということが調査で判明しました。
つまり撮影シチュエーション確保の苦労は著作権では保護されないが、写真そのもののコピペは侵害になりますし保護されています。
また文化財の保護などの口実であれば写真撮影が(美術館運営者が委託した撮影者以外は)禁止されるのも、すでに指摘されているとおり、既得権としてみとめられています。これにも合理的な理由があることがあり、たとえば古い油絵では鮮やかな画像を読みとろうとして強いフラッシュやレントゲンX線を宛てることで油絵具の油部分の劣化でひび割れ・褐色化が進む事象や顔料の分解退色が発生して歴史的価値が低下することも考えられるため禁止といわれればなるほどとなりますし、唯一の精密な公式写真は美術館が著作権を買い取ったのだといわれればライセンス料を払う以外は手がないでしょう。
一方で「目垢がついて商業的価値が下がる」というような乱暴な論理(よくある)による禁止はいかに文化庁とはいえ保護していないしこれからもしないだろうと考えられます。なお、いくら撮影しても分解が発生しない大塚美術館のタイル製レプリカは実際撮影しほうだいです。膨大な名画が所蔵されており毎日1枚の絵を撮影しても4年くらいはかかるとおもいます。

さらにものの肖像権があります。平等院鳳凰堂の写真は土地所有者が許さないという例。法的根拠がないので著作権侵害の訴えとしては負けたが、それでもさらに土地所有者は、私的契約として入場者は写真をとるな(写真をとるのであれば不法侵入をしたとみなす)と主張しています。
麗子像なども麗子が生きていたら肖像権(肖像権というのは著作権とは別もので、基本的人権の一部であり法文は憲法にまでさかのぼる)の侵害で訴えられたら負けるんじゃないかと個人的には思っています。
同様に、モノ撮りでも批判・侮蔑のための写真公開は合法であってもファン心理から炎上は必須であるとおもいます。たとえば、市販食玩フィギュアにおかゆをぶっかけて「かゆうま」などといってふざけた撮影をしたとすると喜ぶファンと怒り心頭になるファンが両方想定できます。つまり実際のところ複雑怪奇なのは「著作権以外の部分」であって筆頭が「合法な厄介ファンの不愉快という指摘」かと。

一応著作権だけについていえばおおもとの著作権法の「例外規定部分」であてはまるものをさがすとよいでしょう。
A:「オークションなど販売目的のサイト掲載やカタログ」「美術館が用意するカタログ」が用意してあり、所有者から使用者に利用許諾されたプラットフォーム側なら、委託された中としてひっくるめてつかっていいよね的なことになっている。
B:「学校(公立・国立系であって塾は含まない)は教育のために用いるならつかっていいが使用許諾をとらなくていいだけで事後的にお金は払う」となっている。
C:「グーグルスニペットは合法」という規定もあるのでグーグルスニペットを直接ツイッターからリンクさせ表示させる方法もあるかもしれない(動的urlの場合はすぐ使い物にならなくなるかもしれないが)。
X:ウィキペディアグループはコモンズで自前の合法な写真をとりそろえている(青空文庫の画像版のような感じ)や大塚美術館の所蔵物といった、著作権フリーとわかっているレプリカ画像を使う。


このどれかに当てはまる体裁をととのえるか、あとはあらたに「公認バッジ付教育ツイッターアカウントによる使用」というどてっぱらに穴をあけるような例外規定を新たに作るか。
美術史たんさんは有名なツイッターアカウントの運営ができるとなればセミプロレベルであろうかと存じます。一方でわたしはクラシックな意味での絵画鑑賞に全く詳しくないので美術館や厄介ファンなどが追い詰められ反撃に出る可能性もあり、どういう「いやがらせ」「スラップ訴訟」があるかは予測ができませんので手は出したくないとしか思えません。

もし自分のやっていることがジャンルのためになるという自信があるのなら、自分なりに法律を探し論理を組み立ててがんばってください。



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