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朝からマーラー最後の交響曲9番を聴いて涙する。92歳の指揮者の悟り!
執筆するときには、音楽をかけていることが多い。
バッハのように心の波を収めるような曲や瞑想に適した曲をかけていることが多い。
今日は、気分的にモンテヴェルディが聴きたいと思って、アップルミュージックを開いてみると、
新着のコーナーにマーラーの交響曲9番があった。
指揮者はヘルベルト・ブロムシュテット、ドイツのバンベルク交響楽団。
ブロムシュテットさんもかなり長い間活躍している指揮者、何歳くらいになったんだろうと調べてみると、
今年92歳!
長身でシャッキっとしているので、そこまで高齢とは思わなかった。
2年くらい前に、ベートーヴェン全集もだしていたはず。
ブロムシュテットさんのマーラーは珍しく、サンフランシスコ響とのマーラーの交響曲第2番くらいしか録音はされていない記憶がある。
NHK交響楽団とは何曲か最近演奏しているみたいだけど。
マーラー交響曲第9番は、僕の中でもとてもとても大切な曲。
20歳の頃、パンクロックからユーロビートまで幅広く音楽を聴いてきた僕が、はじめてこの曲を聴いたときは、衝撃すぎて震えが止まらなかったのを思い出す。それから、クラシック音楽の世界へ深く入っていった。
マーラーが自ら完成させた最後の曲。
最終楽章の最後は、あの世に旅立つように音が消えていく。
90代のブロムシュテットさんはどのように演奏するのか興味がわく。
第1楽章から聴いてみると、感想としては背筋が伸びるようなシャキッとした演奏、情感を込める感じではなくて、スコアを忠実に隅々までスッキリとそのまま、何の飾りもなく鳴らしている感じがする。だけど、唯物的じゃなくて、感動がある。
ブロムシュテットさんのお父さんは聖職者というのを聞いたことがあけど、そう、忠実に淡々と神の声を伝える神父?牧師さんのよう。
とてもとても90歳を超えた人の演奏とは思えない。
元気だなあ。
そんなふうにして、ある意味新鮮なマーラーを第3楽章まで聴きすすめていき、最後の第4楽章がはじまったとたん、急に涙が流れました。
これはなんだろう。
この魂を震わせるのは、
祈り、
神への屈託のない祈り、
なのだと思いました。
この世のあらゆる執着は取り除かれ、音楽とともに光の世界へ溶け込んでいく体験ができた。
高齢の指揮者の到達した悟りは、心の深いところに訴えてきます。
少しでも長生きして、少しでも多くの演奏を録音をしてほしいです。
できれば、実演に接したい。
NHK交響楽団とのマーラーの9番最終楽章の動画がありましたので貼っておきます。