システィーナ礼拝堂の門外不出の秘曲ミゼレーレを盗んだのは?
1760年代、バチカンのシスティーナ礼拝堂には、門外不出の秘曲がありました。
グレゴリオ・アレグリによって作曲された『ミゼレーレ』です。
この曲は、旧約聖書の詩篇を基にした作品で、復活祭の前の週に3日間だけ歌われる特別な曲だったそうです。
この曲に関わる演奏者も、教会の外に楽譜を持ち出すことはもちろん、写譜することも禁じられ、この禁を破ったものは破門されるという、まさに門外不出の秘曲です。
それほど厳重に守られている曲というのは、霊的パワーが強いことを意味しているわけです。
当時も、なんとかこの秘曲を盗み出そうと多くの人が挑戦したようだけど、誰も成功することはできなかったようです。
秘曲!何という神秘的な響きでしょう。
門外不出の秘密の曲ですよ。
そこまで言われると、もう聴きたくてしょうがなくなります。
それが現代では、なんと聴くことが出来るのです。
楽譜も手に入ります。
それは、1760年代に盗まれたからなのです。
犯人は、12歳の子供。
そうなんです。
当時12歳のモーツァルトです。
父レオポルトと世界中を旅して回っていたモーツァルトは、ローマを訪れた際に『ミゼレーレ』を聴いてしまうのです。記録では2回聴いたと言われてます。
その2回で暗譜して、楽譜を完成させてしまったのです!
これには、ローマ教皇も驚き、破門どころか、モーツァルトの天才ぶりを大絶賛!
100年以上守られていた禁令は撤廃されたのです。
それでは、モーツァルトが盗んだおかげで聴けるようになった、秘曲「ミゼレーレ」をお聴きください。
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