Chapter4 ビジョンづくりが楽しくなる夫婦コーチングと夫婦ブレスト
★コーチングにブレストって……発想が面白い! 舛田光洋
これまで、Chapter1~3で、夫婦で同じ未来ビジョンを描くことで絆が深まることがわかっていただけたと思います。
「うん、うん、なるほど。そうすればいいのね」
と思ったけれども、いざ実践となると壁がいっぱい出てきます。
それを乗り越えるための方法が、Chapter4で語られています。
夫としては、こんな手を使われていたのかと、手の内を知ってしまったときには、ちょっとびっくりしましたが、それでも妻はいつも僕の話を聞いてくれるので、ご機嫌に過ごせています。
振り返ってみると、結婚当初はよくケンカしていました。なんで妻はこんな憎たらしい言い方しかしないんだろう、おれの気持ちなんかどうでもいいのか、まったく話の通じない人だ、などなど、いろんな感情が入り乱れていました。
それでもケンカが長引くと、自分も言い方が悪かったかな、こんなはずじゃかったのに、もっと優しい言葉を掛けていれば良かったな、と反省はするものの、素直な気持ちになれなくて自分にイライラして……。
ある時から、妻がコーチングとブレストを夫婦間に用いだしてから、こんな無駄な感情に振り回されることがなくなりました。
不思議ですね。
先日妻に、「コーチングを僕に使いはじめたとき、君の感情はどうやってコントロールしていたの?」と聞いてみました。すると、妻はこういいました。
「ノートにあらかじめいつも陥ってしまうパターンを書き出し、その逆のパターンを考えてシミュレーションを何度もしたかな」
なるほど、努力の賜物だったのですね。
この章では、夫婦お互いの意識を同じにするための段階をわかりやすく書かれています。
僕もこの章を読んで、妻にやってみると、やっぱり妻もごきげんになったので、男女問わず、仲良くなるためには超オススメです。
そして心が一体となったら、ブレストで夫婦の希望の未来をどんどん描いてく方法も述べられています。これは本当に楽しいですよ。明るいふたりの未来を想像できれば、夫婦はずっと仲よしでいられますね。
コラムでは、ついつい陥ってしまう「夫婦げんかのメカニズム」を詳しく解説。メカニズムを知ってしまえば、なぜいつもケンカしてしまうんだろうと悩むことはありません。これだけでも一読の価値アリです。それでは本文をどうぞ。
Chapter4 ビジョンづくりが楽しくなる夫婦コーチングと夫婦ブレスト
♦パートナーに伝えるのって、むずかしい!
7つの夫婦ビジョン、いかがでしたか?
私たちならこうしよう、ああしようと、アイデアがわいてきて、早くビジョンをつくりたくなってきたことと思います。今すぐパートナーに電話をかけたい。そばにいるなら、すぐにでも伝えたいという気持ちでしょう。
次のステップは、「パートナーに伝えること」ですね。
しかし、これが一番むずかしいのです。伝えるとき、舞い上がった今のテンションでは、ほぼ100%失敗します。
たとえば、パートナーにテンション高く「映画行こうよ、映画!」と提案されて、いいなと思っても、つい「えー。どうしようかな……」などとテンション低く答えてしまったことはありませんか? 悪気はなくても、相手のテンションの高さについていけなくて、つい反対意見を言ってしまうこともあります。夫婦を長年続けていると、このような経験をよく繰り返ししているものです。
そこで、相手を自分と同じ意識にするための「伝える技術」から始めましまう。
伝える失敗の最大の原因は、相手と自分との間には、意識の格差があることを、前提にしていないからです。まず、これを知らなければいけません。
たとえば、今のあなたの気持ちを、ビルの2階までのぼってきたくらいの高さのテンションだとします。本のタイトルを見て、最初は興味をそそられて、「はじめに」を読み、目次をパラパラ見ながら、買うか買わないかという最大の決心をしました。1200円という壁を乗り越えて、もしかしたら損をするかもしれない、そんな感情を乗り越えてこの本を買いました。
読んでいるときも、最初はそれほど気分は乗らなかったかもしれません。しかし、読み進めるうちにだんだん内容を理解し始めて、2章を読んだあたりで、「なるほど」という気持ちになってきました。
そして、今あなたは「わかった!」という気持ちになっています。
しかし、夫は、妻は、どうでしょうか。
相手はそのテンションでないことは明白です。
本を手にとるまでのテンションにさえなっていません。
まだビルの1階にいる人に対して、あなたは「20階に行くよ」という話をしようとしているのです。相手はびっくりしてしまいますね。
相手の状況や気持ちなどを気にせず、むしろよかれという気持ちで20階行きの話を、一方的にまくしたてるように話してしまいがちです。
このパターンで行くと、どんな反応が返ってくるかというと、相手はネガティブな意見を言います。
自分の知らないところで相手がテンションを上げてしまっていること自体がおもしろくないし、それを押しつけられるのもおもしろくないのです。
ですから「おれは最近、疲れているんだよね」「今日は仕事でこんなトラブルがあってさぁ」など、まったく違うことを話してくることでしょう。
少し心にゆとりのある相手であれば、話を聞いたうえで、その話の分析を始めたりします。でも「それはどのくらいお金がかかるの」「時間ないんだよね」など、結局ネガティブな意見を言ってきます。いずれにしても相手の提案をつぶすために、自分の土俵に引きずり込もうとします。
そうなると、あなたは「なぜわからないの!」と裁く心が出てきたり、そのうちに「この人はだめな人」というレッテルを貼ってしまいます。最終的にはケンカをして「もういい!」となります。よくあるパターンです。
おいしいお茶でも、100度で差し出せば、相手はやけどをしてしまいます。60度くらいに冷まして出すと、おいしいと喜ばれます。
♦夫婦間の意識の格差を埋める夫婦コーチング
この意識格差を埋めることができるのが、「夫婦コーチング」です。
ビジネスの場で、コーチングというものが話題になりましたが、簡単に言うと、質問をすることによって、相手の能力を引き出す(引き上げる)方法です。
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