29日目 平穏の日曜日

日が射して、気持ちよさそうな朝だ。暑くなるだろう。病院の中はエアコンがきいていて、常に快適に過ごせるけれど、季節を感じることが難しい。肌で感じたい。陽の光、風、土の匂い、鳥のさえずりが遠い。

日曜日の病院はいつもより静かだ。リハビリや検査がお休みになり、看護師さんも少ない。ある程度、自分で時間をコーディネートできる。することはだいたい一つ、リハビリだ。

手や指が腫れてパンパンに膨らんでいる。右手で左指をつまんで、一本ずつ折ったり伸ばしたりする。ちょっとほぐれたら、左手の力だけでグーパーできるよう、動かす。毎日、毎日繰り返す。手首は固定されているので、今できるのは指のリハビリなのだ。

リハビリの休憩に、漫画を読んだりする。現実から少しおでかけ(現実逃避)。息抜きも必要だ。眠くなってくるが、夜眠れないと困るので、できるだけ起きていられるように気を付ける。少しだけ絵を描いてみる。

ちょっと退屈になってきた。すると夫がお見舞いに来てくれた。おしゃべりをする。おしゃべりってツクヅク大事だと思う。気分転換、リフレッシュ。外の世界と繋がれる。

最近はベッドの横の足を下ろせるようになった。足をおろして座るのは楽だ。ただ、背もたれがなくなるのと、肘を直角に曲げて固定してある左手の置き場がなくて、肩がこる。たまに体勢を変えて、楽な格好を模索する。

日曜日のお楽しみ、大河ドラマ。オープニングを見るのがいつも楽しみだ。

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