40日目 退院の条件

左手の中指の骨が欠けていたことが判明して2日がたつ。時間がたってしまったことと、細かい骨であることから、この先もとどおりになることは難しいという。完全に曲がらないわけではない。今は少し痛みがあるし、かたいけれど、使えるようにしてみせる。

今日はシャワーの日で、全身さっぱりする。髪の毛もふわっとして、気分がいい。

明日はとうとう骨盤のCT検査がある。この結果で、骨盤手術をするか、しないかが決まる。手術がなければ、創外固定を少しずつはずし、次第に荷重をすすめていくプランに移ることができる。

退院できるようになる状態とは、生活ができることだ。歩けなくても、助けがある環境であれば家に帰れる。私の場合は、夫と共働き二人暮らし。今歩けない状態で帰っても、日中家に誰もいないし、自力で生活ができないので、退院はできない。今私が入院している理由は、そういうところにある。

昼食は夏らしく、冷やし中華がでる。食事で季節を感じる。

3種のリハビリを終え、夕食までの時間は塗り絵をして過ごした。見事なペンだこができた。

夕食は入院以来初の揚げ物だった。タラのフライだ。病院食にも揚げ物がでるのか。

今日はあとは寝るだけだと思っていた。仕事が忙しくなってきた夫は来ないだろうと思っていた。トイレからベッドに戻ると、看護師さんがやってきて「面会が来てます、お通しして大丈夫ですか」と声をかけてくれた。あれ、誰だろう。待合ロビーから出てきたのは、いとこ(弟)だった。つい先日結婚したいとこの弟。(とどのつまり彼もいとこ。)まさか来てくれるとは思わなかった。彼は遠くに住んでいるし、いとこと会えるのは長期休みの時。年に2回くらいなのだ。「思ったより元気で安心しました」結婚式であった親戚たちの様子、いとこの奥さんが料理上手という話、大学での勉強の話しをする。

そのうち夫も来てくれた。洗った洗濯物を持ってきてくれ、洗ってほしい衣類やタオルを持って帰ってもらい、いとこを駅まで送ってくれた。

ついつい話をしすぎた。喉を使いすぎてしまった。喉の穴はあいかわらず閉じる気配が感じられないので、しゃべる時はガーゼの上から穴を指でふさぐ必要がある。このスタイルはしばらく継続。

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