小紋の格は何で決まるのか?
皆さんこんにちは。いよいよ寒くなりましたね。こうなると、過ごしにくい季節ですが、なんだかやっと季節が動いてくれたような、そんな安心感も持てる季節です。
本日のお話は、小紋の格についてです。小紋と言っても、種類が大変多い着物で、どれを何に着たら良いのか、まようこともありますよね。そんなわけで、小紋には、どんなものがあるか、解説していくことにします。
まず初めに、小紋と言ってもすべての小紋が同じ順位ではありません。順位べつにわけると、3つのグループに大別できます。
1.礼装にも使える小紋
2.礼装ではないが、外出着として、広く使える小紋。
3.完全に遊び着の小紋。
このうち、江戸小紋と呼ばれるたぐいは大体1に、飛び柄小紋などと呼ばれるものは、3に属します。
1.礼装になる小紋。
こちらの小紋は、帯次第では、礼装としても使用できる小紋です。ただし、身内や親戚の方の、結婚式であれば、振袖や留袖のほうが、良いと思います。また、基本的には弔事には、使用しません。身内以外の方の結婚式、あるいは、パーティーやコンサートウェアとして利用できる小紋です。こちらの小紋に該当するのは、鮫小紋とか、通し、行儀などを隙間なくビッシリいれた江戸小紋と言われるものが該当します。それも一部に鮫小紋を使っているのではなく、全体を鮫小紋などでビッシリいれたものです。例えばこんな感じ。
こちらは鮫小紋ですが、遠目からでは、無地に見えますね。この無地に見えるのも大事なポイント。元々は、武士のユニホームとして使用されており、柄がはっきりわからなくなるほど、細かく柄を入れることが当時はステータスだったようです。だから、細かければ細かいほど、格が、上がるというわけ。こういうタイプであれば、礼装としても使えます。ただ、ちょっとばかり地味すぎというのも確かです。現在は、他の選択肢もありますので、わざわざ若い方が鮫小紋を着る必要はないですから、無理しなくて良いです。
ただ、茶道や邦楽などを習っているひとは、器や楽器より派手にしてはいけないという観点から、江戸小紋の着用が義務付けられることもあると思います。そのときは、社中の方針にしたがってください。
2.礼装ではないが、様々な用事に使える小紋。
このタイプは、式典などの礼装には着用できませんが、コンサートウェアとか、美術館とか、様々な用事に、着用できる小紋です。総柄小紋とも呼ばれます。
そうなる条件は、柄が小さくて、できるだけ隙間を作らずびっしり入れてあることです。
例えばこんな感じの小紋が該当します。
見てのとおり、ちいさな花がらを隙間なくビッシリ敷き詰めてあります。見分けるポイントは、染めるのに、どれだけ手間がかかるかということ。細かい柄であれば、大変手間がかかるというのは、想像しやすいのではないかな?とおもいます。このような感じの小紋は、袋帯を締めれば改まった用事にも使えますし、半幅帯を締めれば気軽な用事にも使え、いわゆる優等生的な小紋ということができるでしょう。ただ、蝶などの縁起が良くないとされる柄は、用事によっては、避けた方が良いかもしれません。
3.遊び着としての小紋。
軽い食事会や、気軽なイベントに参加する場合に限り、着用される小紋です。
こちらの小紋は、一つ一つの、柄が大きく、隙間がたくさん開いているので、飛び小紋と呼ばれています。
隙間が多いタイプの小紋は、例え柄が小さくても、飛び柄小紋として扱われることが多いです。
このタイプは、改まったところより、ちょっと気軽にきてみたいなと思うときに着られます。使う帯も半幅帯や名古屋帯が中心になりますね。
こんな感じのものが該当します。
いかがでしたでしょうか。
小紋と言っても3つのタイプがあることはおわかりいただけましたか?
着物の種類分けは本当に難しいですが、それが逆に着物選びの楽しさになると思います。適当にこれで良いやではなく、用事の内容をしっかり考えることにも繋がります。相手のことや、周りの人のことを考えるというのは、とても大事なんだよね。だから、そのためにも、小紋の使い分けをしたいものです。