医療従事者の「もう少し良くなります」とクライアントの「良くなる」の感覚の違い
例えば脳梗塞片麻痺の場合、回復は6ケ月がプラトーと言われている。例外はあれど、一般的には6ケ月を過ぎると著しい回復はなかなか見込めないのが現実。
すでに発症から数年経っているクライアントにPTやOTが「もう少し良くなると思いますよ」と伝える事って良くある。
この時の”もう少し良くなる”というのは、『硬くなった足首の関節が、ストレッチを継続することで数センチ可動域が広がり、今よりも若干動かしやすくなると思います』のレベル。
だけどクライアントの”良くなる”は「元の状態になる」を意味している。
ここに大きなギャップがある。
リハビリテーションの専門職としては、少しでも改善させたいと思う。だからポジティブに伝えようとする。でもそれはクライアントにとってネガティブな情報になる可能性がある。
頑張っても数センチしか動きが変わらないのはクライアントにとって治らないも同然かもしれない。
相手の思いを想像して共感できていないからギャップが生まれる。
クライアントはセラピストに”良くなる”と言われたから治るまで訓練を頑張る。人生の目的が訓練になってしまう。何のために良くなりたいのか。
あなたが思っている程は治らないよと伝える責任
言いにくいけど誰かがちゃんと伝えなきゃいけない。
きっと遠回しには何度か言われてるんだろうけど、それでは伝わってない。
それならAIに任せたらいい。どの程度治るのかをコンピュータが具体的に提示する。プリントアウトすれば後で何度も読み返せる。
”治る”を拗らせてしまっては先に進めない場合があるから
”治らない”を認識して、前を向けるようにするのもリハビリテーション