虚物語を紡ぐ・・・参政党
2023年8月の参政党党首 松田学氏のX の投稿でトランス脂肪酸の話が出ていた。
国会議員である神谷氏を通じて党としてトランス脂肪酸に関する質問主意書を出しておりその解説動画なのだが、解説している吉野氏・・・これを観てまぁ毎度のトンデモでした。
質問主意書はこちら
https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/syuisyo/211/meisai/m211117.htm
端的に言えば諸外国ではトランス脂肪酸の摂取量の規制をしているのに日本はなんでしないんだぁぁぁぁ!って内容に政府は「いや、調べたけど日本国内での摂取量は基準下回ってるやん?なんか問題ある?」という話
しかし、主意書どうこうより動画内でアドバイザーで参政党から参議院議員選挙や大阪府知事選挙にでていた吉野氏の説明がまさに詐欺師の手法、赤色国家お得意の事実をつまんで間違ったナラティブを作り出して語っていた。
このあたりを掻い摘んで記録しておきたいと思う。
まず最初にトランス脂肪酸は植物性の油、一部の動物性の油に含まれていて多量にとると心臓病のリスクが高まるが、日本人はそこまで摂ってないのでリスクは低い
この後の話も含めて一番参考にしたのはここ
https://www.maff.go.jp/j/syouan/seisaku/trans_fat/t_wakaru/index.html
吉野氏はおおよそ以下図の様な話をしています
ただ抜け落ちているのはこの工業的な製造方法におけるトランス脂肪酸の生成量は微量である点はなにも言っておらず、食物油にトランス脂肪酸が含まれていて危険!と・・・あげく元々はミシン油を大量生産するために生まれた製法として、機械油が売られているかの様な言いぐさまで・・・
困ったものです
この工程で酸化するため、還元しなくてはならず水素を添加すると説明しているのですが・・・これも正しくない
では大量にトランス脂肪酸が生成される工程はなにか?
→水素添加と呼ばれる工程
あれ?さっき正しくないっていったやん!となりますが、違うんですよね
水素添加は二重結合した部分に水素を添加して単結合化することで増粘するこの目的は油をマーガリンみたいにするってことです
この時、単結合になり切れないで残った二重結合で水素の位置が変化してトランス型と呼ばれる形に変化してしまうんですよね、一部ですよ
この工程を通るのはマーガリン、ファストブレッド、ショートニングといった食品で、過去食品安全委員会で無作為に調査した結果からも明らかです。
海外ではショートニングなどを使用した菓子類も多く食べられているので日本で同じ状況とは考えにくいですね
吉野氏はたくみに事実を織り込み食物油全体が悪であるかの様なナラティブを作り上げていることがよくわかります
あとこれはひどいな・・・と思ったのはトランス脂肪酸が癌の原因になるかのように語られていた点。心疾患については疫学的にわかってきてるけど癌は・・・
まとめます
吉野氏の手口
トランス脂肪酸
トランス脂肪酸の多量摂取はよくない(正しい)
植物油の製造工程でトランス脂肪酸が発生(正しい)
製造工程で水素還元をするため(正しくない)→水素置換の工程の副産物
とにかく食物油が危ない(正しくない)→水素置換の工程がある食品に気をつけよう
というわけで、正しい情報をちりばめながらデマを作り出すというやり口で、それなりに知識がないとだまされても仕方ないのですが・・・
悪質ですね
最後にメーカーのためにも付け加えるとWHOの勧告を受けて国内の油脂メーカーはかなり努力をしています
どうですか?最近のマーガリンは水素置換をそもそもしてなかったりします
油は人間にとって重要なエネルギー源でもあり、完全に0にするのは逆に身体に悪いです。
バランスの良い食事を摂り、よしりんの摂取はほどほどに
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