
仕事は人生のすべてじゃない?それでも「頑張りたい」私がいる理由
「最近、なんだか仕事との距離感がよくわからない……」
そんなモヤモヤを抱えていませんか?
「働きすぎる社会はイヤだけど、実はもっと承認されたいかも?」と揺れ動く気持ち――今回の白米FM(仮)では、ゲストのライトニングさんと一緒に、この“働き方”への複雑な想いを思い切り語り合いました。
「仕事なんてほどほどでいい」と言う人もいれば、「やるからには全力!」と燃える人もいるし、両方の自分が混在している人もいる――何が正解なのか? そもそも正解はあるのか? そんなモヤモヤを少しでもほぐすきっかけになれば嬉しいです。
※この記事は、日米のIT業界で働く友人同士で対話したポッドキャストの内容を元に文章化しています。実際の音声へのリンクは最後に掲載しておきます。
ライトニングさんってどんな人? —— 白米FMを聴きまくりの“謎ゲスト”
白米FMへの愛がすごい
ライトニングさんは、今年6月頃から白米FMの過去回を一気に聴き込み、Spotifyの再生ランキングで2位を記録するほどの熱量を発揮。「モヤモヤがそのまま垂れ流されてる感じが面白い」と語り、ふたり(ショーン・とよだ)の消化不良気味トークに妙な魅力を見出していたらしい。
理系から哲学へ、波乱の経歴
もともとは化学専攻で危険な実験もしていた
SEとして働き始めるも適応障害で休職
休職後に読書・哲学・エッセイに目覚める。千葉雅也さんの『現代思想入門』や國分 功一郎さんの『暇と退屈の倫理学』が刺さりまくり
マルチ商法に騙されかけた体験エッセイを執筆し、周囲に衝撃を与える
そんな波乱万丈の経歴を持つ彼が、職場の社内SNSで哲学好きな人を探していたところ、ビジネス哲学芸人(僕)の存在を知り、白米FMリスナーになった――というレアな流れで今回ゲスト参加に至ったわけです。
働き方への違和感とモヤモヤ
なぜ「働き方」をテーマに?
ライトニングさんが読んでいた本
『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』
『静かな働き方』
どちらも「ガチで働きすぎるのは辛い」「自分の軸をしっかり持って緩やかに働く」的なメッセージを含む。一方でライトニングさん自身は「ほんとにそうかな? 私はもっと仕事で承認されたいかも?」と逆の気持ちも感じているという。
仕事と人生が侵食し合う怖さ
漁師とビジネスマンのたとえ話(“足るを知る”型のゆるい働き方)にもツッコミどころが。ホントにそれで満足できる人もいれば、高級ワイン飲みたい人もいるし……
インテグレーター vs. セパレーター: 仕事とプライベートを完全に区切るのが得意な人(セパレーター)と、一体化しながら生きる人(インテグレーター)がいる
ふたり(ショーン・とよだ)はインテグレーター寄り。
ライトニングさんはセパレーター気質だけど、本当は仕事とプライベートが程よく結びついた“理想形”を求めている。
全身全霊? それとも程よく?
会社はどうしても「もっと頑張ってくれ!」「成果を上げろ!」とハッパをかけがち
「そこまで全力で働く意味ある?」とモヤモヤする一方、実はライトニングさん自身も「やるなら承認されたい」と思っている――“もっと仕事で成果を出したい気持ち”が隠れていた。
“仕事”を楽しむには何が必要?
承認欲求を認める
働くモチベーションとして、大きいのは「誰かに認められること」だったりします。でもそれを口に出すのは恥ずかしかったり、失敗するとダメージが大きいから防衛する傾向も。
素直に「褒められたら嬉しい」と受け止めると、仕事への意欲が高まりやすい
隠してしまうと「頑張る意味が見えない」状態に陥るかも
自分が望む“全力”の度合い
コントロール感がカギ: 同じ長時間労働でも、会社に強要されると苦痛。でも自分の意思でやっているなら充実感を得やすい
一度振り切るのも手: 中途半端に抑え気味だと「自分はどこまでできるか」見えないまま。100%突っ込んでみて、疲れたら調整するのが案外合う人もいる
読者へのヒント —— 仕事を考える上での3つの視点
承認欲求を受け止める
“認められたい”のは自然。そこを素直に見つめるだけで行動や選択が変わるかもしれない
“全力”は自分基準で
社会や会社が求めるペースに合わせるだけでなく、自分が納得する形で全力を出すかどうかを決める
別の軸を持つ・作る
仕事が好きでも、仕事一辺倒は息苦しい。逆に仕事を切り離しすぎると承認機会が少なくなる
複数軸を行き来できると、人生が少しラクになり、かつ刺激も得られる
白米FM的・オススメの本
白米FMのふたりからライトニングさんへのオススメ本として2冊が紹介されました。
『仕事ができるとはどういうことか』(楠木健・山口周)
仕事とは何か、何を“できる”と呼ぶのかを徹底的に掘り下げる一冊
『Atomic Habits(邦題:複利で伸びる1つの習慣)』(ジェイムズ・クリアー)
習慣形成論だが、アイデンティティと行動の関係を解説し、バーンアウトを避けながら成果を出すヒントになる
まとめ —— 自分の“働きたい”を素直に見つめる
意外と「もっと働きたい自分」もいる
社会や周囲は「働きすぎよくない」と言うかもしれないが、自分の内側では「やっぱり承認されたい」「達成感を得たい」と思う気持ちもある
全身全霊か、ほどよくか……
大事なのは“自分がコントロールできるか”。嫌々やらされるのと、自分の意思でやるのでは充実感が違う
承認を否定しない
「褒められると嬉しい」自分を認めると、次の一歩が踏み出しやすい
ライトニングさんは、「働き方」へのモヤモヤを抱えながらも、実は「もっと承認されたい」自分を発見しました。仕事をやめたい気持ちと、でももっと評価されたい気持ち――そのせめぎ合いが人間らしい葛藤。私たちの仕事観も、そこにヒントがありそう。
仕事と人生が絡み合うからこそ味わい深い。
そこで出てくるモヤモヤや矛盾を、どう受け止めるかが「働き方」を決めるうえでの鍵なのかもしれません。ぜひあなたも、雑談やノートに「実は私、もっとこうしたいのでは?」と書き出してみると、新しい気づきがあるかもしれませんよ。
こちらの記事の、元となった対話音声はこちら↓
白米FMとは?
日米のIT業界で働く小学校からの友人2人が、最新トレンドから古の哲学思想まで気ままに語り合う人文知系雑談ラジオ。
コテンラジオ、超相対性理論、a scope等に影響を受け、一緒に考えたくなるような「問い」と、台本のない即興性の中で着地点の読めない展開が推しポイントです。
移り変わりの速い時代だからこそ、あえて立ち止まり疑ってみたい人。
他者の視点や経験を通して、物事に新しい意味づけや解釈を与えてみたい人。
自分の認知や行動を書き換えて、より良く生きる方法を一緒に探求しましょう。
※ポッドキャストの文字起こし版へのリンクはこちら(LISTEN)