主題:近代剣劇(小説?) の設定

#創作 #設定 #剣戟 #現代風

最終更新はデータ上2018年10月7日。
近代に於いて銃に成り代わる刀剣を主体とした
紛争をテーマにした活劇もの。
例によって別の作品から波及若しくは影響させた語句があるやもしれない。
某メカ戦士の設定宜しく銃火器を封じるため半ば強引な設定で
多少穴があるような気もするが深くは考えまい。
タイトルは仮称のままで余り妙案浮かばず。


*割と関係ない今更の補足
 突発的な雑多のキャラクターなどを除いて大体がその名称は
 基本、歴史や他言語、神話などの名称から
 着想を得て意味のある言葉にしています。
 巷間には疎いがその時々に鑑賞していた
 アニメなどから影響を受けることも多少見受けられる。
 設定のストックはまだありますが、次回は未定.
あと私情ですが最近通信環境が劣悪になっているので普通に作業すら危ぶまれております。


 【剣の列 -the swashbuckler-】
 ―1st chapter―
時代はある一定の文明水準に到達した以降停滞の見える近未来。
中央政府が発令した世界統合宣言により各国は統一され新たに
首府"クルーシャル"を中心に幾つかの国家で再編された新時代が幕を開けた。

犯罪が多発する街、ランベントタウン。古くから銃社会として根付いた背景のある
この土地では数多くの悪人が銃器を手に暴挙を振るっていた。警察は
膨れ上がる犯罪者に対処しきれずやがて衰退し、
世界の中枢都市であるニューボレアスまで治安の悪影響が及んでいた。

その風潮に煽られるように統合政府への反抗意識が再燃し、
主要都市の間でも燻りが見え始めた。それは戦争への発展を意味し
遂に世界統合後の大戦が起きようとしていた。
そんな緊迫極まる中、誰がいつどのように発明したかも分からぬ
阻害装置"REG"が戦場で使用され事態は一変する。

投入された戦う道具は殆ど無力化され争い合っていた各国は
武力を失い、冷戦へと推移するしかなかった。
しかしその数年後にはREGの範疇外である白兵戦が重要視され、
自国の防衛戦力として採択する国家が増え
いつしか剣術者と呼ばれる存在が兵士に成り代わっていった。

REGの出現で、剣士や騎士といった中世を想起させるような
風化したはずの文化が時代を逆行するかのように再び甦りつつあった。

 -Concept-
技術の発達で時代は変わる。
各地で絶えず続く内戦はある一時を境に消失する。
ありとあらゆる近代兵器が無効化された世界で
凄絶な白兵戦が始まる。
:ビルが立ち並ぶ街中で繰り広げられる中世のような戦い

 ―2nd chapter―
数々の事件を経て、"REG"の開発者である
悪魔の子等"ヴィスコンティ"を追い詰めた剣の列。
しかし土壇場で首謀者とされる存在を逃してしまう。取締役との協力体制によって
"REG"の制御基盤を回収、豺虎の暴走で破損するも一応の解析を完了。
"REG"による混乱は収束したかに見えた。だが、その半年後"REG"によって
制定された"統括的紛争抑止協定"は破棄されようとされ
仮初の平和は壊れようとしていた。

 ~登場人物~
 [葛野九(くずのひさし)]
特殊な狭心症と喘息を患っており突発的に胸の痛みや咳き込む発作が起こる。
運動も苦手で病弱なため幼少期から友達がおらず、一緒に遊べないせいで
孤独に大きなトラウマを抱えている。最新治療用のインプラントを埋め込んでいるが
なぜか動作しないはずの"REG"領域内で反作用が起き、活性化することで
一時的に頗る健常・健全な状態になる。これは先天的な
特異体質のせいだと分析されているが詳しくは分かっていない。
日霊に適応したパワードフォーム"ミスラ・イリス"によって
相乗的に身体能力が強化され常人離れした運動能力を発揮できる。
銀箭に助けられたことをきっかけに剣の列の特務隊員となる。
 〔日霊(ひるめ)〕
所持者との対話などが可能な高知能swordsman。高次swordsmanの特徴である
刀剣一体型で"日霊"自体が剣でもある。AIとは思えないほど人間味があり
使い手の意思に応じて切れ味が変化するなど未知の部分が多い。
手入れ要らずで刃毀れしても刀身が時間経過によって再生する。
 [二葉芝蘭(ふたばしらん)]
九の同級生。学級委員でもあり何かと世話を焼く。
実は剣術者の指南役で専用のパワードフォームを着用すればかなりの実力がある。
軟弱な九を嫌っているが親戚でもある真木の手前それなりに面倒は見ている。
少女の膂力の無さをカバーする剣術所作の一種"一葉の構え"や
剣舞を参考に独自に作り上げた二葉流剣技と形式的な模範剣術を使い分ける。
 [大綱豺虎(おおづなさいこ)]
本部に所属する監査取締役。評議会の意向に背くことが多いが独断が許されるほど
その敏腕は評価されている。九の隣人で何かと縁がある。
特級のHJ。異常なほどの電波阻害を先天的に持ち合わせ妨害に関しては圧倒的。
しかしそのせいで抵抗のあるswordsmanシステムでさえ使用できない。
特別な装置で電波阻害を抑制し、普段はHJの性質を抑えている。装置を併用して
阻害電波を集中し強力にすることで電磁フィールドを張ることが出来る。
電磁波の制御は困難だがビームのように放射したりも可能。
遠隔武器が基本的に使用できない現在の戦場で例外のように射撃出来る。
HJの特性を武器に転換している間はその強力さからパワードフォームも機能を停止する。
(パワードフォーム自体は装着したままなので単に重量級の防具となる)
鎮圧では電磁攻撃を主体とし、白兵戦闘では電磁力を巧みに調整しつつ
パワードフォームで殴打や防御などを織り交ぜて戦う。格闘センスにも秀で
一見すると完全無欠だが連携が苦手で混戦になると色々と雑になる。
九を重要人物として監視する一方で坊やと呼び、度々揶揄っている。
 [麻薙信太郎(あさなぎしんたろう)]
快活な性格で九の小学校時代唯一の友人。(信太郎が強引に友達扱いしていた)
一年生から同級が続いたが六年生の途中で突如転校し九とはそれ以降会えずにいた。
父の研究を手伝う形でパワードフォームの試作品の運用実験に協力。
父の事故死をきっかけに試作の汎用型パワードフォームを暴走させてしまい
取締役に一時拘束される。その後孤児として少年院に預けられたが
剣術者を志し銀箭の道場を頻繁に通っていた。後継者を探す利剣が
その才能に目を付け剣法兵団に誘う。剣法兵団の頃は無名で
利剣から与えられたswordsman"Sinclair"しか使っていなかったことからシンクレア、
短縮してシンと呼ばれていた。剣法兵団の所属期間は短く、直後に
ジェイに適性を診断され、現在はベネファイスの末席に加わっている。
ベネファイスでは例外を除いて一般的なswordsmanに依存しないため槍型の専用武器
ソードランシーを扱う。上辺は何も考えていない直情タイプだが実は
内面では深慮しており意外にも慎重。裏表無く純粋に気性を捉え、その波長の合う
九を無二の親友として立場を違えても味方する。剣術者の技量も高く
天才的にして努力を怠らないが過去の事件からパワードフォームを着用することを嫌う。
 [ベアード・フルブロウン]
自製の連装式ガンバイアルを得物とする孤高の戦士(自称)。
何処にも属さず剣術者が乱立する現在にガンバイアルという非実用的な武器を手に
無法の剣法兵団や巨悪に立ち向かう。敬愛する父を排斥した政府を基本的に
信用しておらず、その麾下組織にも不信感を抱いている。
九の特異性に着眼し彼をキーパーソンと見て、陰ながら見守っている。
男装しているが実は少女でベアードは父の名前であり、実際はフリムという。
 -特殊取締対策課"剣の列"-
 [剣羽銀箭(つるぎばぎんせん)]
剣の列隊長。軍隊経験のある剣術の師範。支配体制が変わった
国政の一変後、退役し地元で小さな道場を開いていたが白髯にスカウトされる。
 [白髯(はくぜん)/シルバーホワイト]
かつて剣法兵団設立時に副長として名を馳せた老人。一度は現役を退いたものの
今でも活力に満ち溢れ、最前線の精鋭部隊である剣の列に自ら加わる。
隊内では一応スペシャルアドバイザーの立場にある。
その昔、全盛期はマリウスに伯仲する実力を持っていたと言われ、柔の剣を得意とし
特に刹那の抜刀術は極まっていた。現在は衰えたが技巧は更に増している。
 [シラハ・アマツキ]
豺虎の同僚で元取締役。剣術者としての適性が高かったため
取締役から剣の列へと異例に抜擢された。脇差を扱う俊敏な近接戦闘や諜報に長ける。
 [刀 刃(ダオ・レン)]
獄と同郷の剣術者。常に冷静で多様な刀剣を曲芸のように扱う。
平時は礼儀正しい好青年だが高揚すると口調が荒々しくなる。
 [霧矢隼(きりやじゅん)]
入隊試験を成績首位で通過した期待の新人。配属間もないが検挙率も高く、
実力はトップだが実務に余り勤しまない銀箭や立場的にも別格の白髯、
庶務等も卒なくこなすシラハと剣術者としてエースの刃といった面々に
引けを取らないほど活躍している。実は九の後輩だが隊内では先輩。
 [鉄刀木(たがやさん)]
謎の多い剣術者。白髯が助っ人として加入させたらしいが
常に簡易パワードフォームを全身に纏い、素性は分からない。
本来は一時的な契約だったらしいが人手不足もあって残留している。
住民票には多賀谷という名義で登録されている。
後に正体が投獄中であったエイス・ギルトのカサンドラであると判明する。
 -剣法兵団-
 [タウゼント]
剣法兵団の創始者。剣術者こそ至高という偏った思想を持ち、
強者絶対主義の下日々の研鑽を怠らない。単独で千の軍勢を相手に返り討ちにし
紫銅ですら一目置くほどの傑物。その考え方から善悪には依らず
団員の起こす悪事も黙認している。結成当初の白髯と並ぶ初期メンバーで
事実上の団長だが現在の指揮はアルフローレに一任している。
力を極限に追求した剛の剣を使う。かつてはグリム・ブリック(実名)と呼ばれていた。
 [利剣(りけん/リージアン)]
銀箭の兄弟子。タウゼントの掲げる強者絶対主義には賛同しているが
最近の剣法兵団の悪性な側面に内心では当初の理念との違いを感じている。
自身が極めた剣技の後継者を求め、その素養がある信太郎を弟子としたが
彼の純粋さに悪影響が出る前に早々に剣法兵団の退団を勧めた。
 [アルフローレ/アルフロース]
剣法兵団の(名目上の)統率者。タウゼントを支持しており考えに
多大な影響を受けている。普段は女性的で自由なアルフローレという人格だが
団員を統率する際は威厳と冷徹さのあるアルフロースという人格になる。
タウゼントの理念からか強者であるならば善悪は問わず兵団に迎え入れる。
 [フューネラル]
悪事を働く剣術者集団を束ねる人物。レイピアの扱いに長け相手の攻撃を
往なしながら戦いを支配する戦法を得意とする。狡猾で残忍な悪意に満ちているが
配下や協力者には比較的紳士。
 [バルクヘッド]
フューネラルの部下。取り分け優れた剣術者で
元々は用心棒のような役職に就いていた。超大な大剣を常に背負っているが
半分装飾のようなもので実際に使うことはない。大剣は攻撃を受け止めるだけに用い
基本は長剣や短剣を駆使する。swordsmanは大剣に備わっており
鞘と連動して装備した武器に作用する。
 [猩 猩緋(シン・シンフェイ)]
早期にパワードフォームに着目し大規模勢力となった悪のシンジケートの首魁。
剣術者以外のメンバーには強奪したパワードフォームを与え戦力を強化している。
エイス・ギルトとも手を結んでいる。本人は曲刀の使い手だが実戦では
罠や謀計を武器とし、滅多に使わない。刀家とは浅からぬ因縁がある。
 [猯(まみ)]
猩緋の側近。剣術者ではないものの常人には扱えない特殊なパワードフォームへの
適性が高く、運用効率も一際優れている。
 [メイルファクション]
フューネラルの派閥とは別の悪人の一団を率いるボス。
メイルファクションとは渾名のようなもので本名は不明。
パワードフォームで補強した腕で刀剣を投擲する豪快な戦い方をする。
 [カルプリット]
メイルファクション傘下の幹部。
 [ターンコート]
旧ベネファイス(騎士団)に属していた騎士の一人。前任のブラックロッドを殺害した
という重大な背信行為で追放、牢獄送りとなったがメイルファクションの起こした
暴動に乗じて脱獄。その縁で剣法兵団に加わる。
 -エイス・ギルト(八人の罪人)-
 [アルシン・エイトフォールド]
A級の罪人。エイス・ギルトを発足させた張本人。
 [エンドディール/ヴェイカント]
B級の罪人。不法な取引で富を得ては犯罪組織に助力する悪質なテロリスト。
正体は初代グラントリスの近衛師団を連れていた戦隊長ヴェイカント。
行軍遠征の後に一代目オジェを謀殺した黒幕。
 [カサンドラ]
C級の罪人。独特な剣術を扱う逸れ剣術者。特異な周波数を持った微弱なHJでもあり
swordsmanを短時間だけ使えるが不具合が生じる。
基本的には己の力しか信用していない。その特性で豺虎と感応現象が起きた。
カサンドラは裏の世界で与えられたコードネームで本名は不明。
幼い頃より数々の暗殺術を教え込まれ多くの要人を葬ってきた。
剣の列によって捕縛され、投獄直前に白髯との一騎打ちに敗れたことで
彼を心なしか尊敬するようになり罪人の中では模範囚で白髯の手回しもあって
特例的に減刑された。白髯が保護者のような立場となる条件で剣の列の
メンバー、鉄刀木として配属される。その際、白髯からの教導で剣術を正統にしている。
罪科としては同様の獄の方が大きいが彼女の背後に猩緋などの巨悪が潜んでいたこと、
剣術者としての脅威の高さを考慮して等級が上となっている。しかし、指導次第で
更生の余地ありと判断され罪人の中で唯一釈放扱いとされている。
 [獄(ユー)]
D級の罪人。主に要人暗殺を専門に請け負う殺し屋。
 [ハードヘッド/石火(シーフォ)]
E級の罪人。数々の牢獄を破壊して脱獄を繰り返してきた犯罪者。
獄と同じ中華系マフィアに属していた男で過去に大事故で瀕死となるが
闇医者によってパワードフォームの部品を組み合わせて蘇生させられ
その後遺症か人格が歪んでしまった。本来生体的素材ではない
パワードフォームの部品が骨格まで入り込んでいるため非常に強靭で
素手でコンクリートを容易く粉砕できる。
 [高原(たかはら)]
F級の罪人。詳細不明の伝説的ハッカーでREGのシステムを模した類似品を
何種類も作り出し犯罪組織に流通させている。
自作のパワードフォームと無人戦闘兵器を幾つも所有する。
偽装に偽装を重ねた結果本人でさえ自分が分からない。
事件の収束後、国家に貢献することで減刑という条件の下、
パワードフォーム及びswordsmanの開発チームに参加した。
 [ヘムロック/長谷部獨(はせべどく)]
G級の罪人。偶然危険な有害物質を生み出したことでそれを悪用し、
大量虐殺を行った異常者。行いに反して警戒等級が低いのは知能犯である以外は
(他の者と比べて)極まった危険性が少ないからで当人自体の脅威もさほどない。
後にハーレと接触しその知識を買われて計画に加わるが最終的に
HJなどの実験体とされ超生体兵器"ヘムロック"となる。
 [セレン・ザ・ミレニアム]
S級の罪人。過去、グラントリスに選ばれニューボレアスの危地を救った英雄だが
初代オジェが裏切りによって謀殺されたことで評議会と蟠りができ、失踪。
マリウスの不在を狙って議事堂を襲撃しその首謀となったことで罪人とされる。
しかし失踪後と前では別人のように豹変したと言われている。
 -グラントリス(三大剣士)-
 [オジェ・ディステイン]
"双剣のオジェ"の異名を持つ凄腕の剣客。称号は聖賢。
粗忽な態度とは裏腹に非常に賢しく、知識人である。
切っ先の欠けたバックソードと高級な短剣を常に装備している。
オジェ・ディステインの名は偽名でオジェは代々継がれる名前。現在は二代目。
グラントリスに選出されてからは以前の情報を秘匿し、本名は不詳。
グラントリスも併せれば三つの称号を持っており、双剣を得物としているが
二種だけでなく複数の刀剣を器用に使いこなしその種類も問わない。
単純な力量では紫銅に、潜在的な技量ではグレイブに劣るが
怜悧な判断力と小手先に長けた技巧派でその腕前は伝説的だった一代目を
凌ぐと言われている。飄々としており自由奔放だが頼り甲斐はある。
初代との関わりは余りなく、名を継いだだけという接点で特に両者の面識や関心はない。
 [太刀風紫銅(たちかぜしどう)]
一刀源流最強の男。称号は驍将。生粋の武人で剣術道場の師範として君臨。
かつての銀箭も門下生であり、道場は文化的側面が強かったが
当時から刀剣の扱いに関しては右に出るものはいなかった。
評議会には肯定的だが盲従せずマリウスの勅命以外では滅多に動かない。
積極的に市民の依頼を聞き、民衆の支持は最も厚い。
 [グレイブ・スティール]
グラントリスの一人で最も異端とされる剣術者。元は銃の名手で紛争が多発していた
地域で傭兵のような生業をしており長年各地で転戦したがREGの普及で
銃が使用不能となったことで一時は鳴りを潜めていた。偶然にも
新鋭swordsmanのテスターに選ばれ適合したために頭角を現し
グラントリスに名を連ねるほどに成長する。
剣を刺突し、持ち手を返すような独特の戦い方をする。
中央政府の回し者と称されるほど評議会に従っているが
一族の仇敵であるブラックロッドに接近するべく利用しているに過ぎない。
 -パーラメント・ベネファイス-
 [イルズ・ブラックロッド]
現ベネファイスの団長。ブラックロッドは団長職に与えられる名称。
灰色のフード付きコートを法衣とし、黒の儀仗を持つ手には革の手袋を嵌め
厳かな印象を受ける人物で騎士団長としては異例の非剣術者。
少数精鋭となった現在のベネファイスにおいて熟練の剣術者を圧倒する
技量を持ち、他を圧する威圧感が凄烈で智弁やプレッシャーにおいて
史上最高と評される。剣術者ではないが儀仗の扱いや方策において他を圧倒する。
武器でもある黒杖は仕込み刀となっているが法外の執行以外では抜刀しない。
 [ジェイ・スティーリー]
旧体制のベネファイスの頃から属している古株。知らぬ者はいないほど
高名な剣術者でswordsmanを使わないことでも有名。
本来、剣術者に必需なswordsmanを使わない部分を補うべく
パワードフォームの部品を取り入れている。日夜至高の剣を求め研鑽している。
 [アスカシオン(紫苑飛鳥)]
筆頭騎士。その麗しい外見と凛々しい姿から特に女性市民に人気が高い。
常に男装しているため度々間違えられているが実は女性。
一言でいえば高潔。正義感に溢れ決して驕らず弱者の味方であり続けるが
それ故に敵も多い。クウェイルは殻を破れば最高の女と評している。
 [クウェイル・ガードナー]
世にも珍しいナイフ専門の剣術者。時には短剣も用いるが大体が元来は武器の用途
ではない道具や調理用のものが多く戦闘向きではないナイフを得物とする。
ベネファイス拝命時に支給された鉄槌を誇りの象徴とし、長大遠征以外では
ほぼ背負って携行しているが当然使うことはない。ジェイからは方向性を間違えた
天才的な阿呆と呼ばれ、アスカシオンからは剛毅で(良い意味でも悪い意味でも)
真似できない傑物と言われている。屈強で、修道騎士の訓練教官を担当する
際には普通の刀剣も使用しておりその技量も高いことからナイフに拘りさえしなければ
もっと強いと指摘されることも屡々。ナイフでも一応swordsmanは使用可能。
 -その他-
 [マリウス・イーサー]
剣聖の称号を持つ伝説の人物。結成当初の初代グラントリスの頂点にいた男で
現在でも最高峰と評される。グラントリス崩壊直後に隠遁し一線を退くが
前任の議長に推薦を受けて評議会の最高議長となる。
ベネファイスの最高指導者も兼任する。
 [グランス・アンコード]
剣一本で立身することを目標に各地を旅する流浪人。
打倒グラントリスを掲げ、マリウスを理想としており我流剣術はまだまだ荒削り。
後にウェルスの計画に利用され、過酷な試験を経てVSW-01のテスターとなる。
その際に人格に支障を来しておりウェルスの傀儡となっていたが
オジェや信太郎の活躍で正気を取り戻す。
 [シーナ・フェリシティ]
パーラメントの修道騎士。クウェイルに師事して複数の短剣を使いこなす。
俊敏さが持ち味で実力も相当だが殺生はしない主義で未熟が残る。
 [ハーレ・ガストリー]
評議員の一人。ベネディクトに次いで発言力がある。
実は秘密裏にREGを転用した兵器計画を立案しており水面下では
後天性HJを生み出す研究にも加担している。
 [ベネディクト・トラスティ]
評議員の一人。前議長でグラントリス発足などにも携わった。
次世代の発展を見据え、マリウスに後を任せるも一議員としての助力は惜しまず
国家や政府の土台を築いた曾祖父に倣って多忙なマリウスを支えている。
 [鹿角砦千五百(ろっかくさいちいお)]
swordsmanシステムを考案した技術者。
 [御空真木(みそらまき)]
総合看護センターに勤める少女。九の看護も担当しており歳は近いが
お姉さんとして振る舞うことが多い。芝蘭とは家が近所で幼馴染。
 [眞田豊秋(まだとよあき)]
九の同級生(浪人しているので一年先輩)。将来技師になるか、取締役になるか
決め倦ねていたが空に飛び級で引き抜かれて取締役見習いとなる。
(選考理由は単に人手不足であるから) 同様に人材不足であった監査取締役の補佐に
偶然回され、何故か豺虎の付き人のような扱いを受ける。
 [空(うろ)]
取締役を管轄する政府の役人。神出鬼没、素性不明で言動も怪しげだが
膨大な数の犯罪者リストや関係者、剣術者など無数の人事情報を把握している。
 [一島乾二(いちじまけんじ)]
九の後見人。縁戚の保護者であり幼少期に親を事故で失った九の親代わりでもある。
swordsman普及以前は刀匠の一面もあった。
 [紙鳶(しえん)]
正体不明の技師。パワードフォームの修理と改造を趣味・稼業とし、
REGやswordsmanなどにも詳しい。
 [麼(かすか)]
正体不明の辻斬り(を自称する剣術者)
凄腕であるが何処か間が抜けており、天然気味。
 [イーズ・ワース]
評議員の一人。議場に滅多に姿を見せず重大でなければ音声のみの出席も多々ある
謎と悪い噂が絶えない人物。しかし、政治的施行や立ち回り、その手回しは辣腕で
政府にとっては無くてはならない傑物。
 [ウェルス・ベアリッド]
表向きは大企業を統括する富豪。実際は利害が合えば巨悪にも加担する死の商人であり
趣味の範疇を超えた逸脱した"製品"を生み出しては裏市場で取引している。
数人の優れた技術者集団を私的に擁し、自らもswordsman等に関する技術を持った
生み出す天才。常に水面下で動き、長らく沈黙していたが
評議会崩壊を口火に国家転覆を企てる。
 [セオフォン]
逸れ剣術者たちを統率する武装組織"天の一座"の首領。
 [ティエン]
"天の一座"の幹部の一人。
 [イータ]
"天の一座"の幹部の一人。
 [ナイゴン]
"天の一座"の幹部の一人。
 [フィフ]
"天の一座"の幹部の一人。
 [マルカー・アリデッド]
外界の中心地、中央国家の実質的な指導者。
 [マシム・アルタルフ]
中央国家の大臣。まだ若く未熟なマルカーを補佐する立場にあるが
その実、野心家で利己的な目的で少数精鋭という現体制を築いた張本人。
 [イクリール・ミンリアル]
マルカーの側近にして近衛師団を率いる団長。
文武に長け、あらゆる武器を即座に使いこなす。
 [ミラク・シアラー]
近衛師団の一員で優秀な狙撃手。平時はマルカーの侍女として身辺警護に就いている。
 [デネボラ/シャマリー]
外界を統べる女王。表向きはマルカーが統治しており、陰の支配者であるが
実際の政治的中枢の要でそれ以外の"後始末"といった裏方の統括的な指示も行っている。
 [黒い女/エレクトラ]
 [炎の男/ハリス・ムル・リジ]
正体不明の外交官。全身を炎で包まれた状態で発見され、焼死体と思われていたが
何らかの力で存命しており、常に不燃性の包帯を巻いている俗称、ミイラ男。
 [フォーミダブル]
 [ルースレス]
 [リモース]
 [デバステイト]
 [ブルワーク]
 -第86独立部隊-
 [セルペンティス/アザー・スハイル]
通称"蛇"と呼ばれる部隊長。全てにおいて完璧な結果を残し、目撃者すらも容赦なく
処理する冷徹な人物。元は数々の戦場を渡り歩て来た傭兵のようだが
その素性は多くの謎に包まれている。裏の界隈では伝説となっている存在で
中央政府の勅命を受けて非公式に暗殺を請け負う執行者としての役割も担う。
 [リンクス/タニア/イル・プリムス]
通称"猫"。コードネームはリンクスだがそれとは別に隊内ではタニアと呼ばれている。
多重人格者で作戦行動中は気紛れながらも確実に目標を遂行する
リンクスとして振る舞い、時には無感情で任務をこなすタニアとなる。
何れにしてもその素顔とは裏腹にセルペンティスに
次ぐ実力者であり生身でもパワードフォームに渡り合う。
 [ミラ/フェッカ・アウストラリス]
通称"羊"。ミステリアスな少女。隊内では後方支援を担当し、自身が設計し
携帯端末に搭載した高知能AI"ソティス"を用いた電子工作を得意とする。
無人のパワードフォームを複数同伴しそれらを巧みに制御しながら作戦遂行する様から
傀儡師との異名がある。前線に赴くことは少ないが白兵戦の実力も相応にある。
 [フィルク/アリオト・アルシャイン]
通称"烏"。取り分け扱いが難しいとされる特殊なパワードフォームへの適性が高く、
それらと元来習得している身軽さが相俟って常人離れした軽やかな動きを見せる
近接戦闘のプロ。配属以前はフリーの殺し屋紛いで社会的地位も無かったが
部隊発足時にセルペンティスが直々に目を付け、スカウトされた。
 [ゲンマ/フルド・ディバイン]
補充隊員。旧取締役であった執行部隊の所属で潜入工作を専門とする密偵。
主に隊に先んじて敵地偵察を行い戦力把握や事前工作、時に陽動や奇襲を受け持つ。
 [ウルトゥル/イルドゥン・イェド]
欠番。緊急時にのみ招集される非常勤の隊員で新型パワードフォームなどの
テスターでもある。ボアスパイア本来の使い方としては最も扱えており、
その巨躯と相乗して部隊の威圧的なイメージを定着させており、
セルペンティスと対になる表の畏怖として喧伝されている。
 -蒼の戦列-
 [六合一(りくごうまこと)]
二儀四天王の一人にして戦列のリーダー格。
 [五種八(いつくさよう)]
二儀四天王の一人。
 [四王七(しおうなの)]
二儀四天王の一人。最年少で剣術者と認可された天才児。
 [三枝(さいぐさ)]
二儀四天王の一人。秘密主義であり、普段は組織の事務作業をしている為、
新参者や一部の幹部以外には単なる雑用係のようなものと思われている。

 =用語=
 <REG(Rarefied Encumbrance Generator)>
近代兵器(射撃用途の武器)やそれらに関わる機能などを完全に無効化する装置。
元々は広域ジャマーの要領で阻害するだけだったがどういうわけか
射出する類の武器に対して干渉するようになり動作に不具合が生じる。
(手動の拳銃であっても撃鉄が起こらなくなるなど)
効果が最大化したREGの影響は銃火器だけにあらず何かを射出する道具、
ボウガンや木製の弓であっても無力化させる。
最新銃器と違って従来のものは動作はするが満足な性能は引き出せず
殺傷能力や効果は極端に劣化する。これはREGが発する磁気や波動といった影響を
受けて弾丸などに、より強い抵抗が加わるためである。
 <剣術者>
刀剣の類を扱う者で特に戦闘行為を行う当人を指す。
より明確な定義ではswordsmanを使用する戦士を表わす。
 <パワードフォーム>
主に剣術者が着用する生体強化衣類。REG影響下の戦場では
生身での白兵戦が主体となるため、現代の鎧となる防具が必要であり
それを衣服として、身に付けることを前提に追求した結果開発された。
 <swordsman>
剣術者の使う標準兵装システム。基本的に
刀身の中核と柄に至るまで組み込まれており刀剣の運用性を向上させている。
通常、刀剣との一体で運用されるがシステム自体は他の装身具でも利用できる。
その多くが白兵戦の向上を基本とし、パワードフォームと併用し身体補助を行う。
汎用swordsmanには名称がないが一部の専用swordsmanなどには固有名称がある。
目下開発中の試案段階である高次swordsmanは単なる制御システムではなく
そのものが刀剣として使用できるコンセプトとなっている。
swordsman機構の外殻となる部分はそれそのものが鈍刀のように鈍器として
扱っても十分なほど耐久性がある。(実際に戦場の残留物には剣が粉々に
砕けていてもswordsman部分だけは無傷で残っていることもある)
 <名前持ち(ネームド)>
REGの影響で集団戦術の有効性が低下した現在の戦場では
実際に勝敗を決する個人が重要視され、傑出した数人が
多大な戦果を上げるとして特に実力があり危険視される一部の剣術者は
異名が付けられる。最高位のグラントリスはその呼び名と共にそれぞれ称号があり
如何に世界が注目しているかが瞭然である。
 <ランベントタウン(Lambent Town)>
大陸の東側に位置する新興都市。工業に秀で時代の先端を行き、
パワードフォームなどの発祥地でもあるが治安は悪化の一途を辿っている。
 <ニューボレアス(New Boreas)>
北方都市。交易が盛んで移住者や往来が多く、他の三都市よりも広大で
活気があるため現在では中枢都市とまで言われるようになった。
 <クルーシャル(Crucial)>
大陸の中心にある統合的多文化国家。巨大な白い十字架がシンボル。
ここを起点に十字方向(東西南北)に四大都市がある。
無数の文化形態を一纏めにしたがそれに馴染めず結果的に
国柄ごとに文明水準の異なる区画分けがされている。
 <サウザーロット(Souther Lot)>
クルーシャルから南にある都市。都市内陸まで湾岸がある凹地の地形で
他の都市より最も海が近く海産が盛ん。REGの影響下を脱すべく外海に出て
戻ってこれずに海賊となるケースもある。
 <フェイボニア(Favonia)>
クルーシャルから西にある都市。統合後の他の都市に比べると文明が遅れていて
長閑な街並みが特徴。比較的肥沃な土地柄を利用して自然を保護する側面が強い。
他の都市に比べて争い事からも縁遠いが実際には武器工廠が多く点在し、
兵器の密輸や開発が秘密裏に行われている。
 <ラビッシュシティ(Rubbish City)>
大陸末端にある少数国家群が連盟して興した小都市。
中央政府の支配下から脱しておりほぼ無法地帯となっている。
 <剣の列>
自警を目的に結成された精鋭の剣術者による取り締まり集団。
本来は取締役がその任に就くが民間の多目的な遊撃組織として誕生した。
発足はクルーシャルだが本拠はランベントタウンで活動の場も
ランベントタウンの警邏が多い。どのような場合でも民間を優先し、
民事組織の意味合いが強く政府の意向には従わないこともある。
 <剣法兵団>
剣術者で構成された組織。元々は傭兵のような形式で剣術者を斡旋・仲介していた。
剣術者の数が飛躍的に増加したことから末端まで含めると
悪事を働く者も多くなり最近では"剣の列"からの摘発対象となっている。
構成員の多くはニューボレアスにいるが実際の本拠地はサウザーロット。
 <エイス・ギルト(Eighth Guilt)>
何らかの罪を負って国を追われた八人。アルシンの呼び掛けで集まり
利害の一致から協力関係にあるが罪人であるため仲間という意識はない。
ラビッシュシティとの境界線の外れにある廃墟をアジトとしている。
 <グラントリス(GranTris)>
抑止力の象徴、国家勢力の表象、高名による治安と統治を目的に
最高位の剣術者数名(三人)に与えられた特別な称号。最初に
マリウス、一代目のオジェ、かつてのセレンが選出され
オジェ(一代目)の死をきっかけにセレン、次いでマリウスが称号を返上したことで
空席となったがその後に現在の三人が選ばれ太刀風紫銅に続いてオジェ(二代目)、
グレイブがグラントリスとなる。基本的に中央政府傘下
統制評議会の取り決めで使命を与えられるが個々の力量が一国以上に匹敵するため
政府にも強制力はなく、あくまで依頼という形式を踏まえている。
現代においてここまで個人が尊重された事例はREGによる剣術者の重要性が
認知されたという背景があったからこそだろう。
 <中央政府>
世界各国の首脳が参加し、その上で合議される議題を公正に判断し執り行う機関。
完全中立で国家間の調停や仲裁、国際裁判などにも関与する。
ここでの決定が大陸延いては世界の総意となる。
 <統制評議会>
ニューボレアス上層の高層街区に在所する政治的決定権を持つ議会。
中央政府の下位組織でクルーシャル以外の四大都市に大きな影響力を持つ。
 <取締役>
この世界での取締役は地域又は政府直下の警備・捜査官、巡査的な意味合いを持つ。
監査取締役はその上級職で評議会直属の精鋭が就く。
何れも剣の列や剣法兵団と対等するような剣術者或いはそれに匹敵する力量がある。
お役目仕事でどちらかというと政府寄りだが豺虎のような例外もある。
 <パーラメント・ベネファイス(Board of Rod)>
主に評議会の警務を担当する近衛騎士団。元々は現代における騎士の組織で
現在は数名程度になっているが当初は多数の修道騎士が属していたため、
パーラメント(群集)という名が名残としてある。その下位組織には修道騎士の
構成員がいるのでパーラメントという名称自体はそれらを指す。
今では(精鋭のことを)単にベネファイス(高位の聖職者)と称する。
団長となる人物は儀典警護が使命となり、長は黒い儀仗を授かることから
黒杖官と呼ばれ、それに肖って"杖の盤"とも呼ばれる。
(ベネファイスが整列する様が台上の駒のようであるから)
同じ範疇ではあるが役割の似た取締役とは度々対立している。
黒杖官を除き、一部の権限は監査取締役と同等で競合する。
 <HJ(ヒューマンジャマー)>
近代的に特別視されるようになった人間兵器の一種。
原理としては人間個人に"REG"が備わっているようでREGの装置一式を必要としない。
しかし制御は出来ず能動的にON/OFFを切り替えられないのでスイッチの役割を持つ
補助器具を要する。(当然自分を含めた周囲の電子機器を阻害するので器具は手動)
多くが後天的に特殊な手術を経てHJとなるが稀に天性の素養もある。
多くの場合、HJはその性質を使う使わないにしろ著しく寿命を削り、心身を蝕む。
 <統括的紛争抑止協定>
中央政府が令した軍事等の行動の禁止条例。表向きはあくまで協定であり、
盟約の下、施行されており強制的な拘束力は高くない。がREGの出現で
武力崩壊した現在において表立って軍事力をひけらかすのは忌避され
多くの国家が賛同している。これによって内紛を含む紛争は殆ど無くなったが
法的範疇の及ばない旧時代の戦法を取り入れた新たな戦乱が始まった。
 <天の一座>
新興宗教にして、疎外された剣術者たちを寄せ集め武装組織としても頭角を現した一団。
 <第86独立部隊>
死の執行部隊としても恐れられる中央政府の制御下を離れ独立した権限を持った小隊。
過去の軍部の流れを汲み、その殆どは解体・壊滅したが存在を抹消されながらも
秘密裏に存続していた。裏では政府高官の一部と繋がっておりその密命で
事件の"処理"を一任されている。特筆すべきはパワードフォームを物ともしない
破壊兵器の携行が認められている点でそれを扱う隊員も優れる。
 <シリアルズ(serials)>
ある機関主導の下、特定的な遺伝子調整や後天性手術などによって
剣術者及びパワードフォームへの適性が一際高く設定されている存在。
蒼の戦列の幹部である二儀四天王の面々が該当する他、九や芝蘭(正確には二葉家の血筋)
も関係している。研究機関創設者は乾二の父に当たる一島教授。
潜在的に能力が高くswordsmanへの抵抗が無いため性能を引き出しやすい。
 <外界>
中央政府の統括する大陸の外側にある世界の総称。
 <中央国家>
外界の中心に位置し、圧倒的支配権勢を有する巨大国家。及びその連盟組織。
 <蒼の戦列>
中央国家傘下の特殊軍事集団。独自の権限を持ち、それを公的に認可されている。
中央政府側からすると騎士団や取締役を総括した組織に相当する。
 <ソードランシー(SwordLanci)>
槍の穂先に刀身が付いたような言わば槍版銃剣といえる代物。
槍を直接使うという提案はswordsmanが普及する以前から考えられていたが
肉薄する戦闘が主体となる以上、特に間合いの重要な槍では迂闊に取り回しできず
使い勝手は玄人志向であるとされ、ちょっとしたリーチの利点だけでは
大きく戦局は揺るがなかった。しかし、部分的にswordsmanを導入でき
尚且つ槍の長所である長柄を活かすため開発されたのがこのソードランシーであり、
依然として熟練者相応という問題は残ったがswordsmanを運用できるとあって
注目を集めた。が、すでに多くの剣術者が自分用のswordsmanを使いこなしていたために
あまり普及せず高次swordsmanが公となる頃には忘却された武器の一種となった。
信太郎が使う物はギミックが搭載されており、槍を展開しそれに合わせて刀身を
突出させ幅広の大剣として振るうことができる。基本的な材質も強化されている。
また、携行用に不使用時は折り畳み或いはパーツを分割可能。
 <ガンバイアル(GunVial)>
携帯用の小瓶(バイアル)に特殊な火薬などを込め内に満たした液体燃料と外部から
加わる衝撃で激しく混合することで急激に膨張し爆裂する武器。
ただし火薬量の変質で小瓶自体の破片が飛散する可能性は
極めて低く、跡形もなく粉々となるので爆発力自体が威力となる。
この時、与える衝撃用の投擲が長らく課題であったがベアード(父)は単独で
専用の細い鋼索を繋げ、それを引き金の代わりとして揺らすことで爆発を
発生させることに成功した。(その分、鋼索の伸びる距離までとなる)
遠距離武器の使用が困難になった戦場で投擲に始め、試行した一部の使い手たちが
生み出したREG状況下での原始的武器の一種。それを原型とした現代の形式では
ある程度洗練されており、飛距離はそれほど出ないものの間接兵器として
十分な性能が実証された。しかしこれらを適確に扱うには相応の技能が必要で
世間的にもあまり認知されていないので実戦的ではないといえる。
フリムの使う連装式ガンバイアルとは主にベルトに備わるホルダーに連なるように
格納された複数のバイアルのセットを指し、通常のもの以外に目眩まし目的で閃光効果
のあるバイアルや麻酔、催眠効果のある霧を内包するバイアルといった多種がある。
また、すべてが繋がってる状態で同時に爆発させることも可能。
使い勝手はヨーヨーを投げる要領に近く、誤れば自分に向かって爆発してしまう。
 <<投擲武器の模索>>
REGの出現当初、その性能を把握し切れていなかった兵士の中には射撃武器は不能でも
(手榴弾のような)投げる武器ならば有効ではないかという認識があった。
歴史を遡るようにギミック的なものから果てには礫を利用する原始的手法にまで
基づき、試行錯誤されたが殆どがREGの第二段階における影響を受け、
命中、若しくは効果的に機能するまでに著しく劣化・弱体化し凡そ武器としては
成り立たなくなっていた。結果、剣術者をより助長させ刀剣に頼らざるを得ない
状況となったがガンバイアルという極めて限定的な成功例はある。
 <零級軍刀/新式官給刀>
swordsman普及以前に軍事組織が佩刀していた刀剣。
 <ボアスパイア/ショートパンチャー>
第86独立部隊のみが使うことを許された破壊兵器。基本は携行可能な
短い槍状の武器、ショートパンチャーを根幹としアタッチメントとして
大型の螺旋砲身を持つボアスパイアを装着する。ガンバイアルの成功例を基に
爆発的推進を利用して内部の尖端を撃ち出すパイルドライバーのような武器だが
REG影響下を考慮し、運動エネルギー自体は最短で最小に留まっている。
しかしながら現行のswordsman運用を前提とした刀剣類と比較して一撃の破壊力(威力)は
大きく、耐久力が高いパワードフォームでなければ破砕できるほど。
本来の用途は主に瓦礫の撤去や破砕活動に際する救助道具だが第86独立部隊の使う
ボアスパイア装備型は極めて破壊的で危険な兵器である。
 <ラスタバン/エルナト>
セルペンティスの専用装備である強化型ボアスパイア。ショートパンチャーも
エルナトと呼ばれる別格のものに変更されており破格の威力を有する。
針のように細く、刺突に特化しており通常のボアスパイアに比べると
攻撃範囲は限りなく狭い。
 <<剣術者の基本装備>>
剣術者はswordsmanとそれに対応した刀剣、さらにパワードフォームを装備するのが
基本となる。swordsmanシステム自体は別個で装身具の中に秘蔵するよう
搭載されることも多く刀剣一体型でない限りは必ずしも刀剣やそれに付随する鞘などに
swordsmanが存在する。それを駆動させることで白兵戦の向上を行うが
swordsman同様、それ以上に刀剣も重要。刀剣は常に携行する、佩刀する物であるため
携帯性を優先して着用型装備(パワードフォーム等)の背面に備え
通常時は刀身が現出せずに柄の部分だけで装備する。
 <<swordsmanとの併用>>

 ~swordsman(constant)~
 <Sw-ord1/Sw-ord1:S"オールズ">
 <Ensis>
 <Saiph>
 ~swordsman(inherence)~
 <日霊>
 <韶光>
 <一葉>
芝蘭が使うswordsman。
 <白露>
 <魔訶>
 <小柄白浪>
 <竟>
 <flawless>
 <Sinclair>
固有のswordsmanの中では比較的量産のものに近く癖がなく扱いやすい。
悪くいえば凡庸なシステムで剣法兵団では新兵の入団試験などで使われる。
逆にこの標準システムで刀剣の性能を引き出せれば剣術者の才能があると
証明でき、利剣が信太郎にこれを与えたのも素質を測る為である。
 <VSW-01(zealous ardent/icily)>
これまでのswordsmanとは異なる全く新しいdiverse systemを基に開発された
複合兵器の試作型。正式にはVersatile Sword Weapon(VSW)と呼ばれている。
刀身に炎を纏わせるfervent modeと電流を生じさせるblitz mode、
更に二度目の改修の際に氷結の刀身形態"ice up"modeが追加された。
機械的ギミックが施された鞘との連動で刀身の溝を起点に特殊な技術で
炎や電撃、冷凍の刀身を作り出しそれらを使い分けることで単なる刀剣という武器が
兵器にまで変貌させた。扱いは難しく、一歩間違えば使い手を危険にする代物。
異なる現象に耐えうる素材は大変貴重で生成も困難であるため補修が出来ない。
その為最終的には機械と複合金属な部分が大半を占め、本来の刀身を補っている。
 <Ainalhai>
セルペンティス用に調整されたswordsman。名前の通り、秘蔵兵器である"蛇の目"を
作動することで一時的に近接したswordsmanの機能を掌握し停止させることが出来る。
通常はラスタバンに組み込まれているが、ラスタバンの影響範囲内であれば
帯剣した他の刀剣でも作用する。
 <Prior/Posterior>
タニア用に調整されたswordsman。
 <ovis>
ミラ用に調整されたswordsman。
 <Corvus>
フィルク用に調整されたswordsman。
 <Alkalurops>
 <Alkor>
 <Veritate>
 <Medius>
 <Merga>
 <Terebellum>
 <Khambalia>
 <Mesarthim>
 <Algjebbah>
 <Caiam>
 <venator>
 <Brachium>
 <Marfik>
 <Kornephoros>
 <placidus>
 <Alsciaukat>
 <regia>
 <callous>
 <inundant>
 <irresistless>
 ~powered form(massproduct)~
 <P-PF(汎用試作パワードフォーム)/PF0(零号パワードフォーム)>
最初期に開発されたパワードフォーム。実験的な意味合いが強く
人体に直接装着できるような状態になかったが模型を使ったテストを
経てPF001が作られ、後のパワードフォームの礎を築いた。
 <PF001(先行初期型パワードフォーム)/PF-01(I型パワードフォーム)>
初期のパワードフォーム。より実用性を求めて改良されたPF-01は
一般にも出回り一部の軍事関係者が大いに興味を示したが
耐久性が向上するにつれ増える重量の問題を解決できず実戦向きではないとされた。
 <PF-02(Ⅱ型パワードフォーム)/PF-02:r-IV"クランプダウン">
最も生産され広く流通している標準的なパワードフォーム。
PF-01の頃より格段に軽量化に成功し、余り嵩張らず機能性と着心地を両立した
「装甲する衣料」という当初の謳い文句を体現するに至った。
正式な呼称よりもⅡ型の通称が定着している。汎用的で個人に合わせて
多様なカスタマイズが施せるためⅢ型が普及した現在でも根強い人気がある。
特別製である"クランプダウン"は取締役のために開発された専用モデル。
 <PF-03(Ⅲ型パワードフォーム)/PF-03:MoA"ブレイヴ"/PF-03:SF(C)"ウォーマン">
現在の主流であるパワードフォーム。これまでの一体型を廃し、パーツごとに
細かく分かれていることで部分的に装着することが可能となった。
剣術者向けに調整・改造されたものは大きく分けて二種類あり
"ブレイヴ"は一般的な剣術者が主に使用し、"ウォーマン"は玄人志向で
剣法兵団や剣の列の面々がそれぞれカスタマイズして装備している。どちらも
swordsmanと連動して機能することが特徴で、通常の物との大きな違いがある。
 <プラケイト/PFU-4GP>
次世代の汎用パワードフォーム。プラケイトとは商標名であり、型番はPFU-4GP。
通称、第四世代型パワードフォームと呼ばれる。
 ~powered form(original)~
 <ミスラ・イリス>
"虹の契約"を意味する神秘的なパワードフォーム。製造者や製造法などは不明で
何の目的で作られたかも分かっていないが日霊によってのみ作動する。
ポテンシャルは最新パワードフォームを超越し、潜在的には
無限の動力を持つという。最大稼働時には七色の輝きを放つ。
 <白銅>
二葉家御用達の職人がPF-03:MoAを参考に作り上げたオリジナルのパワードフォーム。
素材に希少金属を混ぜ合わせた独自の作法で作られているため文化的にも貴重。
装甲衣類としては元来の鎧に近く一見するとⅡ型以前の一体型装甲のようだが
ちゃんと各部に分かれている。当主が銀箭に譲渡しようとしていたが調整されて
芝蘭が着用することとなる。見た目に反して少女でも扱える軽量さも持ち合わせている。
 <マイトレーヤ>
 PF-03:JC"サイコ・スペシャル"
特級のHJである豺虎のために開発されたパワードフォーム。
ベースはPF-03で特殊な素材でHJを緩和しており完成している部品は腕と脚部のみ。
監査取締役になった祝いに紙鳶が作り始めたが犯罪組織の抵抗が激化し、
すぐ必要になったので豺虎が勝手に持ち出し碌な調整もされていなかった。
(豺虎は微弱な電波を放ち強引に自分に適合させた)
紙鳶の気紛れから試作した上、豺虎が返しに来ることもなく完成することはなかった。
が、突発的に存在を思い出した紙鳶が未完成だった他の部位を未塗装、未調整ながらも
完成させ豺虎に贈ったが基本的には腕部だけを携行するので滅多に使われない。
一人で武装カンパニーを壊滅させたときにその報復と背後にいたシンジケートの
手回しで数百の破落戸に包囲された際に豊秋が持ってきて始めて全身装備した。
幾度か豺虎不在の折に紙鳶が改造を加えており都度、HJへの耐性が上がっている。
因みに名称の"サイコ・スペシャル"は紙鳶が便宜上名づけたもので
豺虎当人は全く納得していない。普通のHJならキャンセラーが十分に作用して
HJ能力に邪魔されずにパワードフォームとして機能するが豺虎は強力過ぎるが故に
一定許容範囲を超えると停止し、ただの重たい装備になる。
復旧も豺虎が電磁波を用いて都度、再起動させていたが後に
破損したパーツを補修した際に紙鳶が組み込んだ装置で
停止の限界値が底上げされ、停止しても少し経てば自動で復旧するようになった。
また改修後は軽量化も施され武器の代用としての使い様もしやすくなった。
 <アスピディスケ>
 <アクベンス/アクベンス・アクラブ>
第86独立部隊が着用する規格外のパワードフォーム。通常装備型のアクベンスは
非常に攻撃的な"鎧"であり、防御性も高いがその真価は近接した際の衝突性能にあり
各部に爪を模した鋭い部位が備わり生身で相対した場合、それらが凶器ともなる。
後により堅牢さを増した重装甲のアクベンス・アクラブが配備された。
各員の特徴に合わせて調整されており、特にボアスパイアを使った際の反動の低減に
注力された造りで、威圧的なフォルムからは相対する者に畏怖と厳めしさを与える。
 <コル・ヒドラエ>
セルペンティスが執行任務時に着用するパワードフォーム。多層構造で
内側は普通の衣類と遜色ない。最大の特徴は多少損傷しても内部の中核が破損しない限り
再生するという点にあり、柔軟な耐久性を誇る。
 <ハイドラス>
余りの性能の高さから数々の実験で装着者を事故死に追いやってきた不名誉な
新型パワードフォーム。スペックは高級だが完全に性能を引き出すことは難しく、
殊に出力調整が難儀で度々暴走していた。計画も凍結される寸前だったが、
安定性を図るべくアクベンスの余剰パーツを部分的に
流用してフィルク専用のパワードフォームとなった。
 <ラスアルグル>
 <プルケリマ>
 <シュルマ/シュルマ・トゥレイス/シュルマ・スパーバ>
ミラがコントロールする無人稼働前提のパワードフォーム。
高度なAI"ソティス"によって統御されておりovisとも連動している。
外形はドレスを模した女性型。
 <サダルスウド>
 <プリジパティ>
 <ベラトリクス>
 <ラス・アルゲティ>
 <ファーヴニル>
 <アラドファル>

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