主題:アクション(ジャンル問わず) 「黒という少女の未完の軌跡」Vol.1
少女”クロ”(通称)を主体とした作品群 の設定
ノベライズだけでなくゲーム(ADV)展開も想定して考案された
所謂スターシステム。
方々のtxtに飛散しており度々重複表現や冗長に煩瑣化してしまっている。
最古のtxt更新では2010年~2012年辺り。
書いた本人でも雑然として把握できておらず、
作品自体が異なる可能性もあるが設定を一纏めにしておく。
作者名は架空で便宜上のHNのようなもの。
*雑多な細かい設定で少ないものは省く
 ̄― ̄が別のtxtへの遷移を示す
――――――――――
Dagger Black. -breakdown
=キャラクター=
[くろ]
孤島を中心とする名も無い国に住む主人公。
その国の悪い影響を受け、暗殺術を誰からも
教えられずに一人で会得し、生き延びる為に悪行も行った。
人に殺意を抱いたきっかけは
自身が親を殺害した事にあるがそれは誤りで、
本当は政府の特殊部隊によって意図的に工作された
人為殺害したのを恰も自分が殺してしまったかのように
錯覚させただけで実際には殺していない。
18歳の誕生日(一年前)に路地裏ですれ違った謎の人物が
落とした懐中時計に隠された暗号から
東京に何らかの真実があると知る。
隠された真実を得るため、定期的にパトロール
している船艇に密航し、東京を目指す。
くろの最も優れた点は
感情に左右されにくいところである。
元来、恐怖心というものを
あまり感じたことがないため
一般人ができないことを平気でこなせる。
また、状況を把握する能力に優れ、
瞬時に周囲の状態を判断し、
近くにある道具などを利用する。
名も無い国に電灯が存在しないため
一部ではまともに光が無く、
目が慣れている所為か夜戦が得意である。
[八雲翔]
東京都江東区に在住する一般の学生。
実は特級狙撃手に認定されているほどの
狙撃の腕前があるが、日常生活では特に
活用できないため隠している。
視力は低いが何故か狙撃は命中する。
高校二年生だがしっかりしているため
大学生によく間違われる。
[相模圭吾]
特殊工作員として東京に潜伏している諜報執行者。
幾つもの顔を持つ四重スパイで偽装するのが得意。
戦闘に関しては専門外だが、逃走や撹乱は超一流。
外部特殊考察課から派遣され、くろを
名も無い国から東京へ導く仕事を引き受ける。
(オルゴールの落とし主。円滑にくろが
東京へ到着するよう陰で暗躍した)
が、その後
移り気やすい性格故に外課を脱する。
[久方旭]
東京の裏手にある小さな神社を参詣するのが
日課の修道少女。
[貴島奈由]
相模をおにいちゃんと慕う幼女。
よく公園に遊びに来るが
外部と何らかの関係があるようだ。
[殿田都]
ティッシュ配りのお姉さん。
翔とは親戚の従姉でよく居候している。
酒癖が悪く、可愛いものを見ると触りたくなる。
(くろも例外ではない)
翔繋がりでくろと遭遇するが、
くろの良き理解者となり、何かと世話を焼く。
[伊藤]
どこにでも現れる神出鬼没のガイド。
颯爽と現われては解説する。
翔のクラスメイトである
伊藤晃哉にどことなく似ている。
[vesper]
外部の凄腕諜報員。曲芸などで鍛練し、
アクロバットな動きを体得している。
vesperというのは宵の明星を
表すコードネームである。
天原が高額で雇った用心棒でもある。
[ブラフマン・ホワイト]
外部の首脳。政府の高位高官でもあり、
重大な議会にも参加するほどの重役。
ブラフマンとはヒンドゥー教の神で、
コードネームのようなものであり、本名ではない。
[アートマン・ブラック]
統合中央管理外局局長。実質的なトップであるが
表舞台に立つことは殆どない。
政治の中枢には天原一頼が、
組織の管理はブラフマン・ホワイトが
担っているため基本的には陰の存在である。
実際アートマン本人を知る者は一人もいない。
[天原一頼]
アマハラ。中央局の首相にして、
くろの親殺し計画を企てた人物。
あの人と呼ばれている。
外部による名も無い国の実験を行い、
それによって新たな独立国家をつくることを目的とする。
外部の総裁であるブラフマン・ホワイトと関わりが深く、
噂では天原自身がブラフマンであるともいわれている。
[青沼正治]
外課の課長代理。本来は補佐を担当するが
長らく外課を管轄とする総理が不在だったため
実質的に指揮する立場にある。
相模の上司に当たる人物。身勝手な
老人たちを纏める立場にあるため苦労が絶えない。
[老人たち]
正式な名称はなく、圭吾は単に老人と呼んでいる。
外課の構成員で元々は外部やその他の組織の
トップあるいは大きな権力を持っていた
エリートだが、老いと共に徐々にその
勢力を弱めていった。外課所属に
落ち着いてからは陰で暗躍するようになり、
持ち前の情報網を駆使して天原を出し抜こうと企てている。
[赤]
アカ。外部の特務実行部隊所属の元殺し屋。
フリーの殺し屋だったが歯止めが利かなくなり、
精神崩壊の寸前まで追いやられた。
統合中央管理外局によって捕虜となるが、
裁判は議員の裏取引によって延期となり、
結果的に有罪判決がなされないまま
長い投獄生活を送っていた。
外部の主権を有するブラフマン・ホワイト等によって
一時釈放となり、表向きには精神に異常をきたし
牢獄内で自害したとされたが事実を隠蔽し
ある研究機関へと引き渡される。
そこで、人体実験の延長線の被験者として
過酷な実験を受け、肉体改造の結果
大柄な体躯と驚異的な身体能力を持つことになる。
但しあくまで局所的な作業であったため
実際に異変が起きたのは"赤"自身に起因する。
結果的に常人離れした能力を獲得したが
その代償として主に言語部分の能力を損失し、
言葉を発すること、相手を認識すること
殆どの思考能力の低下が後遺症として残った。
それらを改善するために特殊なサポーターを
装着しているが完全ではないため
やはり会話をすることはできない。
よって、脳に直接働きかける特別な音波を
利用して会話を成立させる。
ブラフマンが天原に"保険"として契約している。
ビルに侵入したくろによって撃退、
その後高層ビルの屋上でくろと再び遭遇し
翔の手助けもあり瀕死に追い込むが逃亡。
逃げた先に待ち伏せていた圭吾によって倒される。
[ヴェルデ]
緑の悪夢と呼ばれた無名の傭兵。
以前、大きな戦乱に巻き込まれ
欧州の軍事勢力に協力していたが
対する反乱組織の増援により
劣勢になると傭兵であったヴェルデは
早々に見限られ、戦死扱いとされた。
その後、生きながらえるも属していた組織
から追放され、記録を抹消される。
言わば死人同然の人物である。
ブラフマンと対立するアートマンが
疲弊していたヴェルデを救援し、
以後従属させているが
ヴェルデ自身は他者を一切信用していない。
幾度かくろと対峙するも旭の持っていた
御守りを見て、旧友を思い出し
アートマンを裏切る。
が、ブラフマンの指示で天原が
送ったvesperによって殺害される。
[紫]
ツー。あらゆる武術を極めた中国人。
ブラフマン直属の護衛として雇われている。
実年齢は70歳程だが老いを感じさせない。
アカとヴェルデの失敗により、退路を断たれた
ブラフマンが時間稼ぎのために刺客として送るが
アートマンの反乱により、混乱した
外部の隙を突いて最終的に翔の狙撃によって倒れる。
=世界観=
[名も無い国]
法が及ばない独立地帯となった名も無い国は
犯罪者達が跋扈し、
平気で殺人をするような輩が増殖していた。
様々な事情から追放された人々や
住む場所がない放浪者たちは名も無い国に
移住し、それぞれ独自の生活をしている。
無法化地帯であるが故にトラブルも多いが
大きく分けて3つの区域が存在し、
中にはちゃんとした自治体制で治められている
場所もある。良くも悪くも自由な国である。
[江東区]
通称、"エントランス"と呼ばれる都の入口部分。
[統合中央管理外局]
政治的概念を纏め、行政を行う機関を一体化させたもの。
この作品の世界においてはこの中央外局が政府となる。
俗称として統合局や中央管理局、中央局、単に中央と呼ばれる。
[外部]
正式名称は、外事情報統治処理部。
主に外役の管理やその運営、
外交の交渉作業を担当する。
が、本来の役割は政府が表立って
できない悪事を極秘裏に行う組織で
政府の本性の隠れ蓑となっている。
[外部特殊考察課]
通称、外課。外部に属する世界を俯瞰的に
観察・考察し、異常を逸早く察知し、
その対策を提案する特殊な議会のようなもの。
オカルト好きの老人たちによって立ち上げられた
個人的な私設組織だとも言われている。
放置された名も無い国の内情を知り、
さらには現政府の腐敗を打開すべく
救済処置として相模などに特命を持たせるが、
失敗に終わる。救世主として
くろが選定され、あるいは何かの
流れを変えるきっかけとして期待している。
[白きテオリア]
物語の中枢に見え隠れする謎の文書。
外局の上層部に属する一部の重役や
外課の老人たちがそれぞれ所有している。
特筆すべきはアナテマの一文であり、
白書の随所に見られる災いの言葉は
人間同士による殺し合いや
未来に起こるであろう崩壊について書かれている。
尚、アナテマとは滅ぼすや呪われるなどと
訳したギリシア語でテオリアは
静観するといった意味のギリシア語である。
観想白書と呼ばれているが白書とは
報告書という意味ではなく単に白い装丁がされているから。
=補足設定=
:名も無い国とは
:翔の狙撃について
翔は二年半前に射的の練習をしていた頃、
始めの内は単なる遊びでしかなかったが、次第に
風の流れと弾丸の当たる位置のずれなどの誤差を
直感と状況判断により、精確に割り出し
距離に応じてある程度の狙撃が可能だと
独自の法則を発見する。
ある日、いつものように射撃訓練を行っていた
翔は
現行の最新式銃器を狙撃に特化したカスタマイズをし、
その最大射程であるギリギリの距離に標的を配置、
超長距離からの精確な射撃と標的の特定部位
を狙撃できるかどうかを判定する。
:相模という人物
相模圭吾には複数の人物が存在する。
いわゆる、同一人物なのだが
書類等情報の上では5人いることになっている。
圭吾の性格は飄々としてつかみどころがなく
何でも器用にこなす秀才だが、
元々は裏取引によって親に売られた
孤児院の一人で名も無い国に送られる。
名も無い国での生活が四年程経過したある日
同じく売り飛ばされた子供たちのグループの
リーダー的存在だった少年に諭され、
国を出ることを決起する。
その子供集団の半数近くが捕まってしまうが
圭吾は何とか無事東京へと戻ってきた。
しかし、リーダーの少年も居なくなり
件の自責から国への反抗心を密かに宿していた。
その後、努力によってあらゆる組織と
密接に関わり様々な情報や知識を取り入れた。
すべては世界を根本的に変革させるため、
名も無い国という存在を認めないために。
 ̄― ̄
Redeemer Remind ~黒の想い出
=作品概要=
プロローグである「Dagger Black.」の続編=本編に位置する作品。
東京に潜入したくろが中央局によって
抹消された"東京消失事件"から1週間後。
独立した外課によって救助されたくろは再び東京へと現れる。
=登場人物=
☆黒衣の少女
常に黒っぽい服装をしていることから見たまんま
"くろ"と呼ばれる少女。東京消失の際に、中心部に
取り残されたが老人たちの陰の助力と翔によって救出され、
翔の生命と引き換えに生き延びた。爆発の影響で、
記憶の半分を欠落するも、圭吾の誘いもあって
"自由独立結社"に協力する形で真実を追う。
○境残夜(さかいざんや)
境真神社の神主である境鏡司朗に引き取られた孤児。
両親を失ったショックから記憶障害を引き起こし、
過去の記憶が曖昧で自身の本名すら知らない。
八雲翔とどことなく似ている。
○沼沢麗(ぬまさわれい)
青沼の親戚に当たる沼沢家のお嬢様。
自社の運営・経理担当だが自ら動くことが多い。
○百世/千夜(ももよ/ちよ)
境真神社の境内でよく見かける幼女。
どうやら二重人格らしく昼間は人懐っこい性格の百世で
夜間は寡黙でミステリアスな千夜になる。
○相模圭吾(さがみけいご)
外課課長の青沼の命令で出張していた為
東京消失事件に巻き込まれずに済んだ。
青沼の意志を継ぎ、新設した組織、"自由独立結社"
通称、自社の情報主任を担当する。
○久方旭(ひさかたあさひ)
榊の言い付けで東京を離れていた為、生存。
消失事件から2週間後に榊と旧知の仲であった
境鏡司朗の下へとやってくる。
以後、残夜と同棲することに。
△境鏡司朗(さかいきょうしろう)
境家28代目当主にして境真神社の神主。
まだ若いが日々の心労と人格故に老けて見られる。
近所ではかがみさんと呼ばれているらしい。
ぶっきら棒で家庭的ではないが、面倒見がよく頼れる。
△ジョン・オーカー(John Ocher)
組織の壊滅により、幸いか命を狙われることはなくなった。
実験データをすべて抹消するために機関の施設を巡っていたが
データは既に何者かの手によって全て破棄されていた。
くろが生存していたことを知り、自社に技術協力するようになる。
□天原一頼(あまはらかずより)
元中央局管理者の首相。東京消失事件により、痛手を負った
天原派の勢力は徐々にその権力を失い、
新生政府もアルバスに乗っ取られてしまう。
アルバスからはSolverと呼ばれている。
□アルバ・アルバス(Alba Albus)
地球再生計画を極秘に進行させている白の傍観者。
くろを黒い救世主と呼び、老人たち以上に固執している。
□Raven(闇の狩人)
くろを狙う歪の執行者。恐らくVesperであると思われる。
□躑躅(つつじ)
断罪のアザレアと名乗る赤き執行者。
アルバス直下の特殊行動部隊に属する。
□紫陽花(あじさい)
浄化のハイドレインジアと名乗る蒼き執行者。
重度のナルシシストで自分と慕っているアルバス
以外の他者はすべて無価値と考えている。
本名は鳴海彼方。
△シェール・ラセット(Shale Russet)
アルバスの側近で、立て直された研究機関の最高責任者。
△レディッシュ・アスター(Reddish von Aster)
くろの過去を知る、唯一生存しているバーツの知人。
◇アトラ(Atra)
謎の少女。くろを同一視しており、困惑させる。
△アダム(Adam)
研究機関によって極限まで人間の可能性を追求させた
宿主の第一被験者、"1stAnswerer"にして機関の総統。
本名など自らの素性を自分自身知らない(実験による影響)
―
=世界観/梗概=
紛争が相次ぐ地域では未だ戦火は消えず、
それ以外の場所でも互いを牽制し合ういつ終わるかも
不明な冷戦が繰り広げられていた混沌の時代。
当り前の日常の陰では格差に苛まれ、飢餓や貧困が拡大し
誤った政治による身勝手な統治によって世界は衰退していった。
そんな様々な問題を抱えたまま世界は変遷する。
名も無い国と呼ばれ、祖国を追放された者達の楽園であった
その領域も権力を誇るだけの存在に淘汰され、
居場所を失った人々は何処かへ消え去った。
楽園が変貌したその一方で日本は独自に政府を統一化し、
煩雑化していた政治を改めることで改革を求めた。
国民は現状を受容することしかできず、
ただ流される毎日の中で
変わらない日常と変わるべき世界を欲した。
平穏が続くと思われた矢先、僅か刹那の間に、
首都が、東京が地球上から姿を消した。
その傷が癒えぬまま闇が世界を蝕んでいく。
暗躍する影と共に黒衣もまた、静かに次の舞台へと上がる…
――
=情報=
[境真神社]
さかいまじんじゃ。境家が代々奉る由緒ある古ぼけた神社。
広大な敷地には二つの屋敷があり
その内一つは残夜達が衣食住している。
朝霞神社と同じく鎮守の森と似た環境がある。
東京とは少し離れた場所に位置し、独立した地域なので
首都機能を失っても周辺と比べ、被害はさほど受けなかった。
[東京消失事件]
中央外局の上層機関(主に天原直属の組織)が独断で決行した
首都放棄作戦の最終段階。予てより第二の首都としての機能を
秘密裏に移譲していた名も無い国に機能を移し、
東京を壊滅させることで自国の態勢を一から立て直すことを
目的とする一方で、他国への牽制や警告も含まれる。
原初計画の本筋とは別の裏の計画として存在していた
地球再生計画の一環である首都放棄作戦は、
予想より早い段階で断行された。
(それについては天原も予測していなかった。)
故に、機関の大半が巻き込まれ一般的被害も甚大、
計画の見直しを余儀なくされる。
東京消失については、作戦の沿って製造された
超大型加速器を数台連結させ、同調したシステムで動作する
"ノバ・エクスプロージョン"(擬似新星爆発)によって
東京一帯を一瞬で消滅させる現象の誤作動によるもので、
本来は被害を最小限に抑えつつ、首都である東京という
犠牲を表面的に見せることで、反対派を強制的に沈黙、
外国に対し敢えて弱みを見せることでどのような対応を取るか
見極めることを意図とした作戦だったが
装置の誤作動による予想外の被害とそれを引き起こした
組織内の不穏な動き(裏切りなど)が事後として残った。
[擬似新星爆発]
ノバ・エクスプロージョンは一歩間違えれば地球そのものに
多大な影響を与えるほどのハイリスクなシステムだが
より動作を安定させるため素となるエネルギーを分割して
配分し、リスクを抑え、安全性を高めることを目的として
一箇所に複数の大型加速器及び関連機材が持ち込まれた。
本来、ノバ・エクスプロージョンは仮説であるブラックホールの
存在を明確化するために計画されたもので
人為的にブラックホール(のようなもの)を作り出し、
空間を歪曲させる程の大きなエネルギーのうねりを
互いに衝突させることで異次元の衝撃波を発生させ、
その波を制御することで無限のエネルギーとする。
という意図が含まれていたが、天原等はこれを掌握し、
原初計画及び再生計画を行うための装置として利用しようとした。
実験の場所を提供するという名目で実験に立ち会った天原は
試験的にマイクロブラックホール(一時的なもの)を生成することに
成功した現場を見て、出力を増加させ、個体ではなく
複数で制御すればより高い精度が得られると考え実行に移す。
[消えた人々]
ノバ・エクスプロージョンによって消失した人口は
都内の総人口13157428の内、約13000000人に及ぶ。
それ以外の157428人は消息不明か東京を離れていたために
巻き込まれずに済んだ幸運な人たちである。
意図的な工作により誤作動した装置が
高レベルで出力されたため爆発の規模が予想を超えて
甚大な被害を生む結果となった。また、
東京以外でも爆風により霧散したノバ・エクスプロージョンの
副次的産物である脳に直接的に影響を及ぼす微粒子が拡散し、
最悪の場合、人格破綻や記憶喪失といった症状を引き起こす。
[自由独立結社]
首都を失った時点で強制解体となった中央局の傘下である
外課も解散の例外ではなく、青沼と老人たち亡き後、
正治の親戚である麗と圭吾によって組織された。
[異端の果て"アナフェマ"]
アルバスが名も無い国を白きテオリアに則って命名したもの。
[エオスの門]
エオスの扉とも。暁の門を意味する。
白きテオリアの隠された最後の章に記述された
永遠の楽土"天の庭"(そら―アトリウム)へ昇るための門。
ギリシア神話の女神、エーオースをモチーフとしている。
[project AXIA]
アクシア計画。アルバスが望む再生と淘汰の果てにある
無によって成り立つ世界を創造する大いなる意思。
Axiaとはギリシア語で価値のあるものと言う意味。
[解答者]
解答者にはAnswererとSolverの二種類がある。
AnswererはSolverの下位概念で複数を指す。
一方、Solverは解答者の最上位で常に単数である。
解答者になるには幾つかの方法・手段があるが
尤も確実なのが知識を一定以上習得し、且つ真理を得ること。
宿主の実験データは解答者の記憶情報などから導き出される。
[宿主]
しゅくしゅ。エオスの門を潜れる唯一の存在。
解答者によって得られた結果に基づきAXIAの実現を図るべく
研究機関によって実験が繰り返された。
基本的には通常の人体と何ら変わりない。
効果にはそれぞれ個体差があるが生存能力、適応力、
精神力、危機回避能力などの向上が挙げられる。
副作用として長期的な寿命の短縮や身体機能の劣化
が起こりうる危険性も考慮される。
―――
=前作の引用/排除項目=
:テロ集団Blank Noiseは存在せず
:研究機関と中央局は秘密裏に関係を持つ
:白きテオリアは原初計画と
もう一つの計画のシナリオの一部
:アナテマの記述・概念は消去
:前作終盤でくろは研究機関のデータから
真実の一片を知るが、ノバ・エクスプロージョンの
記憶障害によって殆ど忘れている
:人物の縮小化
*以下ネタばれ?*
{境残夜と八雲翔}
東京消失事件でくろを逃がすために犠牲となった翔は
ノバ・エクスプロージョンに呑みこまれ、消息を絶つ。
同じくして境真神社に辿り着いた残夜は不可解な存在だった。
時期的にノバ・エクスプロージョンによる記憶障害と
重なる症状と、八雲翔に酷似した外見・性格から
同一人物を示唆する描写も点在するが真相は明らかにされていない。
しかし、仮に残夜が八雲翔であるとすると時差があることになる。
ノバ・エクスプロージョンの向こう側から生還した翔なのか
あるいは別人なのかはプレーヤーの想像次第。
{三人のハンター}
Ravenはもはや人を逸脱した戦闘能力と生存能力を有する一番の強敵。
正体はかつて天原に雇われていたvesperと名付けられた人物だが
その経歴は特級の曲芸師から紛争に参加する
特殊部隊の隊員と多彩にして実戦経験も豊富。
紫陽花は殲滅と救済を担当する執行者で
アルバスの指示で時に殺人、時に人助けをする。
(アルバス曰く調停には善悪が必要という理念に基づく
躑躅は主に、諜報と工作を担当する執行者で
潜伏時の偽名は榊明秀。計画始動以前は朝霞神社で
神主として過ごしていたが神主としての知識と
情報収集能力を買われアルバスに
救命されたのをきっかけに協力する。
[百世と千夜]
鏡司朗が言うには鏡に囚われた異界の住人。
百世と千夜は別人であるが、同一人物でもある。
まるで鏡に映したかのように瓜二つだが
出生などそれぞれ異なった点が数多く存在する。
しかし、似てるのは外見だけなのか、といえば
そうではない。精神的には百世が大人になった
姿が千夜であり、千夜が子供になった姿が百世なのだ。
突然現れては突然消える、摩訶不思議なことが
彼女たちの周囲には起こる。近所の人に聞いても
そんな子供はいないと揃って言う。
一種の幽霊である線も捨てきれないが
幽霊で片づけるにはどうも現実味がありすぎる。
そんな存在が百世と千夜である。
[朝霞の巫女]
[彼方と旭]
朝霞神社に住まう以前の旭は両親を早くに亡くし
親戚の伝で辺境の小さな学校の校長に引き取られ、
特別に校内の一室を貸し与えそこを自室としていた。
同じ学校のクラスメイトであった鳴海彼方とは
当時周囲に壁を作っていた旭にとって
初めての友達だった。その頃の彼方は
自分主義のナルシストではなく
他人を思いやる熱血少年だった。
―――
【RBR(Revision Break Reminder):冷灰の世】
=概要=
「リビジョンブレイクリマインダー:れいかいのせ」
はDB(Dagger Black.)からRR(Redeemer Remind)
に至るまでの省略されたエピソードや
細かく描き切れなかった世界観を補完するべく
背景的な組織や人物に焦点を当てた外伝作品である。
第一章「試される若き意志」では
圭吾の過去とそれに連なる事件を描く。
第二章「見えない意図の傀儡たち」では
老人たちや天原に関連する人物達を描く。
第三章「凍てつく世界には」では
vesperの過去と組織の真相が明かされる。
それぞれの合間に挿入される本編部分では
明日葉を主人公として物語が進行する。
=Character=
○沼沢明日葉(ぬまさわあすは)
麗の姉。RBRの主人公的存在。
東京八家の一つである沼沢家次期当主候補。
正義感溢れ、記者を目指す女学生。
が、飽きやすい性格のため趣向がしばしば変わる。
○天道院帆奈(てんどういんほな)
明日葉と幼馴染の典型的お嬢様。
明日葉を信頼しているが最近では
妙に冷たい態度を取る(分かりやすいツンデレ)
○地霧恭介(じぎりきょうすけ)
東京八家では珍しい若き男性当主。
本人は当主など興味はなかったが祖父が病死し、
後継ぎがいなくなったため止むを得ず役目を引き受ける。
常に冷静で、基本的に無口なため
帆奈からは退屈な人と称されている。
○雷動昶(らいどうあきら)
男のような名前のボーイッシュな女の子。
○風見藍(かざみあい)
病弱で影が薄いため、いつも一三と一緒にいる。
○水瀬一三(みなせひとみ)
女王の名が相応しい気品溢れる女性当主。
○火苞庵(ひづといおり)
人懐っこい少女。次期当主の中でも
特に秀でており、天性の才能を持つ。
○明山大吾朗(みょうざんだいごろう)
東京八家の重鎮。現東京八家当主の中でも
最も年輩だが、老いを感じさせない威圧感がある。
だが、何事にも厳格というわけではなく
自身が認めた人物や子供に対しては比較的温厚。
□式部徼(しきべきょう)
元中央局の"管理者"の一人。天原を支持する一方で
独自の思惑に基づき行動し、組織崩壊の際も
即座に見切りをつけて組織との関係を絶った。
アルバスと同等の手腕があり、当初は互いに
再生計画の進行のため暗躍していたが
予定より早く強行された再生計画の始動に伴い
天原派を始めとする数々の人員が被害を被り、
計画が白紙に戻ったことでアルバスに全権が委ねられる
ことを恐れた天原から直々に原初計画の再開を命令される。
既に勢力として衰亡している天原派を見限り、アルバス側に
付くのが当然の事態だが、式部は多数の他者と
同じ道のりを歩むのを嫌い、アルバスへの対抗意識から
原初計画を水面下で蠕動させていく。
□吉村近重(よしむらちかしげ)
このえと呼ばれる式部の専属秘書。
亡国の元エージェントで隠密行動に長ける。
式部の指示で各地の研究施設のデータを抹消した。
△リーダー(峯川彰人)
一章の「ロスト・チルドレン」で
圭吾たちを統率していたリーダー格の少年。
△網谷信成(あみやのぶなり)
三章の「ちっぽけな戦場」で登場するVesperの所属する
特殊戦闘小隊の隊員。特別編成で入隊したVesperを敵視している。
△貴田毅(きだつよし)
特殊戦闘小隊、通称"特戦隊"の隊長。
歴戦の猛者で数々の紛争を生き抜いた男。
無茶を押し通す熱い魂を宿すがどこか抜けている。
△久賀暁(くがさとる)
Vesperの仮の姿。
名を持たないVesperにとって偽ることは造作もない。
傭兵として特殊戦闘小隊に配属され、前線に送り込まれる。
=Word=
[東京八家]
とうきょうはっけとは
天道院、地霧、雷動、風見、水瀬、火苞、明山、沼沢
の八つの名家から成る中央の各地域を
領有(独占ではない)している家柄のこと。
その内の沼沢、明山両家は過去の業績から特別視されている。
(故に八卦に由来する名を持つ八家の中でその両家だけが
後ろについている。{山と沢})
[管理者]
中央局や外部などの上層的な一部の幹部クラスの構成員は
それぞれ管理者と呼ばれ、個別に特権が与えられる。
例外であるアルバスを除き、
天原や研究機関を纏めるアダムが最上位に位置していた。
次席で式部など本編では登場しない人物が挙げられる。
[特殊戦闘小隊]
寄せ集めの傭兵集団である混合部隊の一つ。
殊にこの小隊では日本勢力の管轄で日本人で構成されることが多い。
各地の紛争地域などに派遣されては
前線で戦争の拡大を阻止するため戦う。
寄せ集め故か、切り捨てられることもある。
 ̄― ̄
Heiland Saviour(ハイラントセイバー)
~あらすじ~
ストーカーを趣味とする高校生、小野部式夜は
ある事件を境に、昔見ていた夢をまた見るようになった。
二年に進級し、ストーカーの疑いは解消されたものの、
学校最大の問題児、『成島』や謎の上級生『舞華』に
振り回されつつも、夢の真相を探っていく。
*旧設定(現在は干渉せず)
―登場人物
-Main Character-
[くろ](Atra アートゥラ)
黒衣の救世主。謎の組織によって生存能力が極限に高められた存在で
通常の人間と違い、瀕死に至るほど逆に生還する確率が高くなる。
感情の希薄により、恐怖心が曖昧なため、死線を軽々しく超越する。
本来、非力である少女だが相手の弱点となる部位を本能的に
知っているため、僅かな力で強大な敵を倒すことができる。
謎の組織直属の実験部隊の一つである"十字聖女"に所属していたが
無人島でのサバイバル生活中に嵐に見立てた妨害工作に遭い漂流する。
その際に記憶の大半を失い、東京港湾に到着する。
微かな断片的記憶の中から計画を阻止するため組織の情報集めを開始。
行き倒れていたところを麗に助けられ、以後世話になる。
[沼沢麗]
別荘を幾つか所有するご令嬢。しかし単なるお嬢様ではなく、
屋敷を飛び出し、貧乏生活を送るなど、どこか異質である。
昔馴染みの神社でよく手伝いをしており、
性格は良くてツンデレ、悪くてヤンデレ。
何処から仕入れたのか謎な銃火器を保管している。
百合っぽいところがたまにある。
[境残夜]
毎晩公園周辺を徘徊する不審な青年。
麗とは幼馴染であるが不可解な行動を取るため
麗からは変態と称されている。
適当に攻撃を受け流し、致命傷を避けるので妙に打たれ強い。
しかし体力がなく、長時間戦えない他、防御以外はへたれ。
くろが居ないパートでは出番が多く、且つ少ない男性キャラだが
異性に対しては無関心というよりかなりの鈍感で
純粋な子供の心が常にどこかにある。
以前、くろが一度実験の一環として街へやってきたときに
偶然知り合い公園を気に入ったくろに「この公園はいつまでも残る」
という約束を立てた。(故に深夜のパトロールをしている)
[朝日野耀]
妙にハイテンションな猫愛好家。
くろが視界に入ると撫でずにはいられない。
無駄に銃の扱い方に詳しかったり
何処からともなく現れるなど謎が多い女性。
-Sub Character-
[榊香奈枝]
外れにある古い神社の神主。東大を余裕で通過できるほどの
秀才なのだが基本的に怠惰で酒癖が悪いためだらしない印象が強い。
唯一の欠点は視力が低いことらしい。(眼鏡は滅多に掛けない)
錆びた日本刀を残夜にあげるが
貴重な名刀ということで耀のコレクションとなっている。
[吉浦大吾郎]
麗と残夜の親戚に当たるおっさん。無駄に暑苦しい
私立探偵(?)で事件があればすぐ駆けつける。
事件がなくてもやってくる。
元爆破解体工事のスペシャリストらしく爆発物の扱いに長ける。
[田畑誠二郎]
残夜の親友。女の子を口説くのを目標としているが
未だ達成されていない。リア充を気取っているものの空回りしている。
麗からすれば普通にしていれば格好悪くないという。
-Extra Character-
[隊長]
謎の組織実行部隊の隊長。
カウンターキルという相手の動きを見極め
柔と剛が一体化した攻撃を用いる元特殊部隊出身の凄腕。
[副長]
謎の組織実行部隊の副隊長。
隊長と同じく海外などで遠征していた特殊部隊の一員で
戦闘経験も豊富。公園に侵入した際に残夜と交戦する。
プロの実力を見せつけ、時間により撤退するが
再戦時では裏をかいた残夜の作戦により敗北する。
―設定
季節は冬。ちょうど休みが始まってクリスマスに向けて
誰もが心躍らせるそんな日々。
再会は嵐のように、冷たい雨が離別を生む。
一人は約束のために
一人は生きるために
いま、そこに 君がいる。
[十字聖女]
 ̄― ̄
設定 確定データ
=人物補完=
~Main Character~
○???(くろ)
名も無き少女。隔絶された名も無い国で育ち、
生きるためにサバイバル技術を独習した。
その過程で独自の暗殺術を身に付け、
身軽さを利用した恐れのない行動を取る。
知性と運動能力の高さから
何らかの遺伝的処置を施された可能性がある。
本当の自分を見つけるために、過去を追う。
Atra aer Ater(アトラ・アエル・アーテル)
というのが一応の本名であり、
ドイツ、スペイン、日本、ロシアのクォーターだが
表面的に見れば日本人の血を濃く受け継いでいる。
くろの特長として、サバイバビリティ能力が
常人と比べると突出していることが挙げられる。
本来、人間は環境への適応に多少ならず
時間が掛かるものだがくろは瞬間的生存能力が
高く、短時間で適応が可能である。
習慣として記録された情報は人間の生活において
何よりも強大な武器となる。
夜戦に特化しているのはくろが幼少の時より街灯が少なく、
夜は特に暗かった名も無い国で育ったためその生活に
慣れたためである。
{髪型:セミショート~セミロングの中間辺り 黒髪
,ネコっ毛が多少混じる,ポニーやサイドなどなんでも似合う}
{瞳:琥珀色に近い感じ,月光の反射だと青っぽく
日光の反射だと赤っぽく見える}{誕生日:不明}
{18歳:見た目幼い}{血液型:AB}{基調:黒}
{格好:黒い粗衣→現地調達}{身長:156cm~程度}
{体重:約50.7kg}{特徴:猫のように素早くかわいい}
[武器:PAダガー/Metaba-Custom/夜宵]
-くろ-
治安の悪い環境である名も無い国での生活から
他者への信頼性に乏しくなり、
疑心することが多くなった。
良く言えば慎重であり、それが肉親のように
密接な関係になった存在であっても油断はしない。
幼少期からそのような精神性を確立しているためか
一般的に気を張り過ぎて思いつめるようなことはあまりない。
冷静で怯えることもないが、その一方で
長らく愛情に飢えており、時折少女らしい言動も発する。
見た目通りか弱い少女であるが、
戦闘に関しては相手の動きをよく観察し、
冷静に分析した刹那、相手や環境を利用した
柔術の原理に適った戦法を取る。
故に如何に怪力がある大男が相手でも
逆にその力を利用して戦うので全く問題にならない。
また、身軽さを活用した素早い動作や
アクロバティックな体技が得意である。
暗殺術も会得しており、
まさに隠密作戦などに適した人材である。
また、夜間での行動に慣れているため
夜戦による奇襲が得意である。
―
○八雲翔(やくもしょう)
東京市街都立高校に通う学生。
特に才能があるわけではないが強いていえば
射撃センスに長けている。正確には
位置が不明確であっても精確に命中させる
直感のような技術であり、射撃の仕方も
我流なため翔本人しかできない手法である。
クラスでも目立たず消極的なため孤立しがちだが
本人は大して気にしていない(というより気付いていない)
生まれてすぐに親を亡くし、一人暮らしをしている。
(実際は七夜などがしょっちゅう来る)
自炊はできるが掃除は苦手。
油断するとすぐ部屋が汚くなる。
くろに一目惚れするが似たような境遇であることに
共感したことも一因かもしれない。
―
△相模圭吾(さがみけいご)
独立した機関に属する特級諜報員。
自由奔放で無気力的だがいざとなれば
頼りになったりならなかったり。
主に相手の裏をかくことが得意で
情報の改竄や撹乱を専門としている。
銃火器の扱いには詳しいが
実際に使ったことはないらしい。
翔の遠い親戚の知人でもあり、
よく田舎に顔を出すため翔とは面識がある。
外部の特務諜報員として外課に配属。
青沼や老人たちからの命令を受け、
仲介からの仕事を遂行する。
―
○久方旭(ひさかたあさひ) *
翔のクラスメイト。家に近い朝霞神社の神主とは
古くからの付き合いで幼少期に亡くなった
親の代わりのように接している。
特別活発ではないが自然が好きで
環境保護運動にも積極的に参加している。
幼い頃より神社に参詣した結果
神道に博学となり、御火鑽具を携帯している。
―
○琴葉理乃(ことはりの) ×
圭吾が保護した少女。
くろのことを知っているらしいが記憶が曖昧。
―
△九行董子(くぎょうとうこ) ×
表向きは情報機関の事務員だが
その正体は圭吾曰く"同業者"
実際には諜報員ではなく、自己欲求を
満たすために行動している特異な一般人
という表現に近い人物。
過去に従軍経験(看護研修生として)があり、
一時期は医師を目指していた。
―
□天原一頼(あまはらかずより)
統合中央管理局局長。
実質的な政治の中枢を担う人物。
―
□vesper(ヴェスパー)
サーカス劇団を転々として過ごした幼少期から
紛争に巻き込まれ、傭兵のような
生活をしていた青年期を過ごし、
数々の修羅場を生き抜いた人物。
―
~SubCharacter~
○佐瀬七夜(させななよ) ×
翔の義姉。翔の通う高校のOBでもある。
掃除や洗濯の手際はいいが
料理が壊滅的に下手という典型的な女性。
常にマイペースで1テンポ遅れてるため
巻き込まれるとのんびりしてしまう。
序盤は出番なし。
○伊藤大助(いとうだいすけ) ×
翔の友人。隣のクラスにいる。
情報通で独自のルートから色々な情報を持ってくる。
序盤は出番なし。
△榊明秀(さかきあきひで) *
朝霞神社の神主。元高校教師らしい。
△青沼正治(あおぬませいじ)
外部特殊考察課、通称外課の課長。
圭吾と同期の敏腕エリートで、
若くして課長を務める。
△阿川翔吾(あがわしょうご) ×
翔の幼馴染の親友。不良だが根はいいやつ。
△前谷法二(まえやほうじ) ×
□平本和人(ひらもとかずと) ×
旧穏健派平和自治団体のメンバーで
天原を支持する融和派議院。
失踪した住民のデータを調べ、
調査書を作成するにあたって
自ら現場へ足を運び、事件を追っていた。
私用で港に立ち寄ったところ、
最近不審な船艇が夜な夜な何処かへ向かっている
との情報を聞き、その場所を探索するも
カモフラージュされた名も無い国を発見できず。
その後、江東区で小型船艇に乗船していた
失踪者を見かけ、情報を照会したところ
名も無い国を発見する糸口を見つける。
件を保守目的で天原に報告し議会での権力も向上した。
△ジョン・オーカー(John Ocher)
研究機関の研究員。バーツ主任の意志を継ぎ、
計画の阻止を図るが失敗に終わる。
暗殺者に襲撃されたところをくろが助け、
以後くろを陰ながら支援する。
▲バーツ(Baht) *
研究機関に属していた科学者。
本名はバーツ・アエル・アーテル。
くろの実父でドイツとスペインのハーフ。
遺伝子の変化による人間への影響を
専門に研究し、複合的遺伝を後天的に
得ると特定条件下において適応性の向上が
認められることを発見する。
■ブラフ・アートマン ×
白きテオリアの実際の作者。
観想白書自体には出版者や
詳細な情報が一切ない。
△放浪の技師 ×
グラス・リバーセルという偽名を使い、各地を放浪しつつ
鍛冶から機械技術を応用した幅広い活動をする技師。
元々は研究機関の専門技術顧問だったが組織解体の際に離反し、
以後組織復活後も参加せず、独自に暗躍している。
□アルバ・アルバス(Alba Albus) *
BNを統括うする人物。研究機関の一部である
"Candere"と呼ばれる組織に所属していた。
くろが3rdAnswerer(AAA)と呼ばれることに対し、
アルバスは2ndAnswerer(AA)と呼ばれた被験者である。
△アダム(Adam) *
白きテオリアの終章にあるハヴァの預言にある救世主。
となるべき存在だったもの。正式な呼称は存在せず、
研究機関からは1stAnswerer(A)と呼ばれていた。
―
***
以下背景構成等
~名も無い国の誕生/原初計画~
名も無い国の発生は偶然にして必然である。
名も無い国は当初、国家を追放された人々によって
つくられ、その当時まだ小さい規模ながらも
次第に移住者が増え、国として機能するようになった。
国として拡大した名も無き地に目をつけた
資産家はその土地を買収しようと企てる。
国家追放の大罪を許す代わりに国を明け渡す
という条件に最初は困惑するものの、
国民はその条件を呑むしか選択肢はなかった。
こうして、一人の資産家が一国を手に入れるが
政府の上層高官はそれを良しとせず、
密命を持たせた諜報部隊を送り込んだ。
その任務は内情の視察という名目の裏に、
君主を暗殺するという謀略が見え隠れしていた。
その後指令通り、君主となった資産家は暗殺され
名も無い国は支配されない無法地帯となった。
この一件から秘密裏に処理が進行し、
名も無い国は事実上存在しない場所と黙認される。
資産家を擁していた一派とそれに反抗し、
暗殺指令を出した一派が属していた
政府の強硬派が議会での権限を徐々に失い、
衰退していくと共に
名も無い国の存在は忘れ去られていった。
しかし、名も無い国へかつてのように
居住する者達が現れ、統治者のいない
不安定な国は時の変遷の陰で国として発展していた。
そんな名も無い国が注目され明確化されるように
なったのは凡そ現在から5年ほど前のこと。
歴史の陰に潜んでいた名も無い国を発見した
一人の政治家はその土地を利用し、
第二の首都をつくる計画を企てていた。
それこそが原初計画である。
~名も無い国の建国/国の実態~
名も無い国は太平洋沖東京港湾からある程度離れた
無人島を基に建国された隔離国家である。
移住し始めた最初の段階では酷く荒れ果てた土地で
広大ではあるものの
人が住める環境とは言い難いものだった。
重大な責任ミスを上司から押し付けられ解雇された
優秀な学者を筆頭に様々な事情から国を追われる
形となった人々がそれぞれに知恵を出し合い、
建国に至るまで実質最低でも60年以上は掛かった。
だが社会での希望を失った彼等にとって
自由を象徴とする名も無い国はまさに夢の楽園で、
それに賛同する者も多く次第に協力者は増加した。
幸いにも土台はしっかりしているため
その上に環境を作るだけの話だが問題は
当面の食糧確保と建国材料だった。
試行錯誤した結果小型船艇で一定時間毎に配送を
繰り返すのが現実的であると結論に達するが
知識と技術はあっても身分が末梢された
追放者にとってそれは容易なことではなかった。
全体を纏めた一時的な指導者として名乗りを
上げた莫大な遺産を有する政庁の元役員は
セーフハウスを提供し、そこを本拠地として
建国計画を進めた。さらに、かつての伝手により
予定より早く建国に着手できる状態が整い、
無人島へ上陸しては、作業をする毎日が流れた。
それは辛く、決して楽しいものでもなかったが
彼等の精神は途方もない大きな理想を実現
させるその過程そのものを受容し、
その意志は拡大していった。
こうして誕生した名も無い国は秘密の楽園となったが
裏で動向を探っていた先述の資産家が
名も無い国を取り上げると
彼等はまた、絶望の世界へと戻ることとなる。
~腐敗する世界/絶望の連鎖~
名も無い国を作るきっかけとなった追放問題は
当時としては珍しいものではなかった。
その当時の財政は度重なる各地の紛争と
様々な被害から発生した債務が基準を超過し、
国家としての価値の水準が低下したことで
他国との差が生まれた。
差を縮めるために今まで以上に
利権に執着するようになった社会は
各企業の上層部だけを残し、淘汰すると
下っ端を容赦なく切り捨てる圧政を行った。
財源の確保に専念する余り、
正常な判断力を失った政府は政治を
都合良く改変し、国民の生活は苦難なものとなる。
その後国民による反抗運動が勃発するが
これを予見していた政府の防衛機関がすぐさま阻止。
暴動を単純な暴力であると解釈し、逆に民衆を煽り、
発生する反乱分子をその都度拘束しては
送還に対し課金を設け、さらなる利潤を追求した。
最終的に国家の内情が外国に露呈すると
自国が危ういと懸念され、事態は次第に収束するが
この時期の政治は酷く腐敗していたことが指摘され、
後の政府大改革を引き起こす引き金となる。
だが一方で他国も大きな問題を諸所に抱えていた。
その一つとして隣国である一大国家では
大規模なテロ事件が相次ぎ、さらにその両隣が
長期的な冷戦の緊張状態にあることから
救援を望めず、独立した対処が必要となった。
膠着した状況を打開するため、大量の
特殊部隊が導入されたがテロ組織は既に
外国への進出を果たしており、無駄となる。
~政府大改革/新生社会~
政府が旧政治構想を廃し、新たに作り上げた新生政府。
その中核を担うのが統合中央管理局であり、
下位構成として外部や外課などに分けられる。
従来の複雑化していた煩雑政府を改め、
1つに纏めることでより管理・統治の効率の
向上に成功した。先述の腐敗した面から
一変して一年後に発足された計画案から
新総理として天原一頼が就任すると同時に
大改革は起こった。一部では天原により、
予め仕組まれていた出来事だという噂もあるほど
手際のいい対応で現在の社会性が維持された。
~原初計画と謎の研究機関~
原初計画の目的と概要は第二の首都を作ること
だが、これは首都機能が麻痺し、
制御できない事態に備えての保険である。
首都としての役割を担う最低限の施設などを
確保し、別の場所に配置することで
半永久的に活動が可能であると考えられた。
また、相互に補う拠点としても原初計画は
社会という世界を保持するのに必要なことだといえる。
天原にとってはこの原初計画の
自身の大いなる野望の一歩に過ぎず、
別の思惑を持って計画に賛同している。
その原初計画の裏では各地に偏在する
複数の独立した組織である研究機関が存在し、
計画遂行のため名も無い国で不正な実験を行っている。
原初計画の候補として挙がった一つに
名も無い国があり、これを発見したのが天原である。
~BlankNoise~×
先述の大規模テロ事件を引き起こした国際的なテロ集団。
初期メンバーである幹部を除けば世界各地に
かなりの人数の人員が潜んでいる。
テロの目的はその都度変化したり、
時差や組織内でのずれが度々起こるが
規模が不明確な為、統率されている組織というより
意識が共感した人々による個別の集団といえる。
よって直接的な命令を下すリーダーもいない。
しかし、組織性が無いにも関わらず
その行動は計画的で無駄がない。
冗談で加わった輩もいるが結果的に早死にする
だけで残った人員達の技能は上昇している。
拡大した組織の同時多発テロは一国を中心に
行われると国家滅亡の危機に瀕する程
危険度が高く、世界的に指名手配されているが
組織の人員が膨大で対応が完璧ではない。
実質的な総帥である人物曰く
「個々が無意識下で一体化する不完全な組織」
であると発言しており、中身は
ただの烏合の衆である場合も多い。
最近では極秘裏に依頼を請け負い、
処理する傭兵のような集団となっており、
研究機関からの依頼で結託して、
名も無い国での活動も行っている。
~アナテマ~×
白きテオリアに記された禍の予兆。
"大いなる闇"と比喩された不明の存在が
齎す変革とも、破滅ともいわれている。
BlankNoiseの一部ではこのアナテマに
則った犯行を行う者もいるほど
局所的に影響がある。
~Candere~×
キャンデラとは、研究機関の中でも特異な特殊組織で
原初計画の中核を担っていると言っても過言ではない。
他の研究機関がBlankNoiseを利用してテオリアの
シナリオ通りに事を運ぼうとする一方で
Candereは別の思惑を持って独自に暗躍している。
くろに試験的に生存適応能力向上のための実験を
施し、一時的な産物にも関わらず後天的に
くろはサバイバリティ能力を習得した。
このことから、実験は成功と認められ、
原初計画はくろの出現によって加速することなる。
=未知なる鉄片=×
アダムの欠片あるいはハヴァの断片とも呼ばれる
光輝く鉄の塊。厳密では外見上鉄に見えるだけで
実際は鉄ではない。
―
[くろについて]
くろは常人と比べれば明らかに戦闘・生存能力に秀でている。
その理由は先述の機関による適応能力の強化だけではなく、
幼少期からの環境による影響だろう。
[BNについて]×
BlankNoiseは実質的に表面化した組織ではなく、
裏側で暗躍している準テロ集団である。
ここでいう準テロ集団とは、テロという行為自体に
単なるその定義以外の別の意図を目的とし、
テロになり切れていないことを指している。
つまり、表立った行動を起こさない秘密結社であるといえる。
[ActNumbers]×
BlankNoiseの実動部隊であるActNumbersは
若い学生たちによって構成された特殊な部隊である。
本編では敵対勢力というより中立の立場で
結果的にくろ達を助けることもあった。
外伝でのポジションはメインキャラクターに
引き上がり、荒廃した学校を舞台に
大規模作戦に参加する様が描かれる。
[白きテオリア]
序章である「堕落の星」を含む、
「第一章 追逐されし者」から始まり、
「第二章 新たな故郷」
「第三章 迫害の脅」
「第四章 安住を求めて」
「第五章 見えざる密謀」
「第六章 意思の超越」
「終章 すべてのものへ」
の七部で構成される。(原本の新約版)
オリジナルのテオリアでは
それらが纏められ、序章と終章を含む四部構成となる。
図らずとも名も無い国誕生のエピソードと
重なる部分も多く、意図的に工作した可能性も高いが
真相は定かではない。原初計画にとっては
重要視される資料の一つでもはや神話という
価値さえなくなったこの白書に固執するのは
天原と協力者の共通の事件による影響かもしれない。
{迷彩式短剣"Proximity Assassin"}
通称PAダガー。くろの一般的な武器で最も使用頻度が高い得物。
カスタマイズ性にも優れあらゆる状況に対応できる。
当初は武器の密売人から強奪した旧いロンデル・ダガーを
ベースとした改良品であった短剣を放浪の技師が
貴重なパーツと交換に改造を施したもので全体的に暗色、
ステルス効果はないが迷彩のようにカモフラージュされている。
基調は黒で夜戦には持って来いの武器ともいえる。
意味は間近の暗殺者で、近接戦闘を重視したつくりだが
アタッチメントパーツの交換と追加により、
リーチを調整することも可能である。
{夜宵}×
やよい。日本刀の村正(実質は別物)をベースとした最新鋭の刀剣。
原初の刀、天国を現代に復元するのが目的だが
本来の刀のイメージとは違い、機械的な部分も多い。
その原型として製造が難しく3回程度しか衝撃に耐えられない
ボロの日本刀が何本かあったがくろはそれらを使い捨てに
最終的に放浪の技師によって夜宵を渡される。
―
:製作にあたって
<必要事項>
・くろという人物自身
・根幹としての時代背景としての
名も無い国と関連した事象すべて
<物語の本筋>
くろが真実を知り、復讐を果たす過程で
もう一つの真意に気付く。
最終的に自立し、翔等との交流も経て
人間的生活に復帰する。
<作品の目的>
・くろという絶対的人物を記憶させる
・人生において大切なものを問う
<留意すべき除外対象>
・BN設定全般及び関連人物(または修正)
・謎の研究機関設定及び関連人物
・原初計画
・アナテマ関連
・鉄片設定及びそのシナリオ
以上は、過度な飛躍が認められる可能性が高い
故に本筋からの脱線の際には、抹消する項目とする。
 ̄― ̄
=変更点=
統合中央管理外局→統合中央局
―
=追加キャラ/変更キャラ=
-DB-
□池辺克則
外部長。天原直下の配下だが悉く切り捨てられる。
△マッドダイン・アークレイ
外課の"老人たち"の一人。滅多に姿を現さないが
中央局に迫る程の権力を有し、その資産力も高い。
青沼の父親とは旧知の仲で息子である正治にも協力的。
△ヘンリー・オッズ
外課の"老人たち"の一人。老人たちの調整役。
△素顔さん
外課の"老人たち"の一人。
いつもニコニコ笑っているが本性は気が知れない。
素顔さんとはコードネームで素顔が無い故の素顔さんである。
仲間内ではノーネームと呼ばれる。
△ダークマン・リードナー
外課の"老人たち"の一人。黒魔術を信奉するオカルトマニア。
△天瀬幸恵
天原の専属秘書。不在時の代理も務めるがその場凌ぎである。
=新規ワード=
[ヒジュラの日]
移住する日の意。原初計画の最終段階である
東京破棄の前段階に該当する。
[局地的波動集束装置]
通称、LUF-Device(Localized Undulation Focused device)
研究機関が独自に開発した特殊装置。
震動(振動)の情報を探知・計測し、瞬時に
観測・予測データを演算出力する。というのはオマケ程度の機能で
実際は、それらの情報を基に自然的エネルギーを抽出、
エネルギーを圧縮し、集合体として集束させることで
最小でフェムト(femto)レベルまで凝縮化できる。
(理論上の仮定にすぎない)
本来の目的は様々なエネルギーを空間上から抽出し、
解明することにある。原理として、
限定的な空間に存在するエネルギーの内、
特定の範囲のものを波動として捉え、そのうねりを
一点に集束することによって抽出することが可能となる。
現時点で試作段階であり、圭吾が試運転を命じられた
二代目試作機である"LUF-D:SV"は
(SVとはsupervisionやsailing vesselなどの意味)
早められた原初計画の一環として、名も無い国の
環境データを収集するために製造された試作一号機と違い、
いずれ来るであろう"崩壊"に備えて用意されたものである。
効果作用として、抽出したエネルギーを反循環させることで
生じる局所的範囲での歪曲フィールド(見えない壁のようなもの)
の形成や生命活性剤の拡散による生命維持能力の向上などが挙げられる。
尚、生命活性剤は霧の状態で放出され、
怪我の治癒能力が上昇したりする一方で
過剰に摂取すると意識不明となり、その状態でも身体は
停止しないため(脳の一部停止)自殺の要因ともなる。
歪曲フィールドが取得し、蓄積したエネルギーの有効利用で
余った余分な分を生命活性剤として利用する仕組み。
圭吾の特命は設置されたLUF-D:SVの回収だったが
廃工場の異端の空間に影響を受け、LUF-D:SVが単独で稼働。
生命活性剤が近辺に霧散し、充満していたため
一連の幽霊騒ぎのような事件を引き起こすきっかけとなった。
[コードブレイカー]
仮想データバンク、及びその周辺機器の総称。
研究機関が以前から開発していた大質量の高次情報を
蓄え、携帯性を重視するために媒体としては小型化且つ
容量自体の確保にも成功している。ヒジュラの日による
名も無い国への首都建設に必要な文明情報を
高い水準で保ち、重要な資料やデータを残すためのもの。
コードブレイカーとは暗号解読の意味で
蓄積された情報を暗号化し、隔離する一方で
様々な暗号の解除を行うため名付けられた。
 ̄― ̄
RR~HS
#Refine
[クロ/アトラ]
[アウリル・サーニー]
[ハイゼ]
―――――
*初期設定2
☆クロ(黒衣の少女)
記憶を失った少女。黒髪に黒衣が印象的。
どんな窮地に陥っても生還する生存適応者。
単体での戦闘能力は武器の仕組みを理解すれば
瞬く間に使いこなし、素手の状態でも
相手の隙を突いて十分に対応できる。
組織に居た頃は"アートゥラ"と呼ばれていた。
○境残夜(さかいざんや)
クロとの約束を忘れず、守り続ける準主人公。
それまでは地形や作戦によってなんとか敵を撃退していたが、
暁雲との戦闘で無力を思い知らされ、ブロンズ(望)との一件で
瀕死となり、偶然にも耀の血を吸収したことで復活。
一時的だが、クロを超えた強大な力を手にする。
その後、力を失い普通の人間に戻るが後遺症で
身体機能が麻痺してしまう。人格を取り戻した望により
汎用人型機械の調整治療施設で処置を行った結果
復帰するも望は自分の命を繋ぎ止めていた機械を
失ったことで他界してしまう。クロたちの前に
再び登場した残夜は望との誓いを果たすため
無力な人間のままで、約束を守ることに全力を注ぐ。
○沼沢麗(ぬまさわれい)
○榊香奈枝(さかきかなえ)
-謎の組織-
□???(Lady Bright)
黒衣の女性。赤、ブロンズと共にクロの障害を任されている。
その正体は、麗の姉である沼沢明日葉。通称、LB。
彼女のクールで強く、凛とした姿に残夜と麗も憧れていた。
耀の持つ特異な遺伝子を組み込むことで
超常的な能力を持った人間を作り出す
生体実験の影響で地毛がブロンドに変色した。
適合しているので実際の実力でいえばクロより強い。
□ブロンズ
大柄な男。赤とよく一緒にいる。
因みに、ブロンズとは不定期なコードネームで
呼称されることはほとんどない。
その実態は、大型機械に取り込まれた望の仮の姿。
(麗を助けたりする行動も望の意思によるもの)だが、
本来の望の人格は封印され、組織の命令に忠実な傀儡となっている。
赤により、"裁き"を受けた望が組織によって回収され、
"再利用"の検討の結果、試作型の汎用人型兵器の
実験として 運用されることになる。
望が回収される前まではただのマシンとして、機能していたが
動作も不安定でコアとなる望が搭乗するまでは
動くことすら儘ならなかった。(屋上に現れた際、
組織の構成員が遠隔操作して、回収している)
このことは赤やLBも知らない。
□冥(オプスキュリテ)
異端の黒衣として知られる殺人鬼。
麗たちを執拗に襲った。
異能の力の程度は最も低く、質も悪いが
培った経験と狂気を超越した殺意が何よりも相手を戦慄させる。
オプスキュリテとはフランス語で闇を表す。
敵じゃない敵の描写が多い当作品では
珍しく敵であることを強調したキャラ。
度々バッドエンドに絡んでくる狂気っぷりだが、
ハッピーエンドでは奇術師として実際には人一人殺していない
事実やクロに敗れた後、手品師として活躍するとかしないとか。
□淵瀬百世(ふちせももよ)
黒衣の女の子。どことなく幼少期の麗に似ている。
性格に起伏があり、活発だったりネガティブだったりする。
□暁雲(ぎょううん)
すべてが謎に包まれた黒衣の介在者。
耀から受け継いだ異能の能力を持つ黒衣たちの中で
最も戦闘的に特化した最強の人物。
組織からはVesperと呼ばれているらしい。
□地霧尊(じぎりみこと)
残夜のクラスに転校してきた謎の転校生。
組織の諜報員で、学生とは思えない知識を有する。
女装が似合うほどの美少年で常に落ち着いた態度を取る優等生。
□天道耀(てんどうあかる)
組織の総帥的な立場である不可思議な人物。
自分以外の他者すべてをおもちゃのように考えている。
複数の偽名を持っており、本当の素性を知る者はいない。
外見はクロそっくりでクロは耀のクローンともいえる存在。
"オリジナル"てしての異能の力を宿しており、
クロの能力はそれの半分にも満たない。
その能力は誰よりも優れているが性格は子供と大人の両端である。
単純な思考は子供っぽいが、悟りの境地では転じて大人びている。
構成員からはお嬢様や長などと呼ばれている。
-色付き(カラーズ)-
□銀(シルバー)
謎の組織と対立する集団、"色付き"の創設者。
老年の紳士で滅多なことでは争いをしない。
本人は否定しているが紛れもないロリコン。
持ち歩いている紳士の杖にはマシンガンが内蔵されているとか。
□紫緑青(ツー・リュイラン)
"シルバー"がマリアと呼ぶ少女。
中国出身だが生まれてすぐ日本で生活していたため
本人は日本人だと思っている。
寒がりなのだが、動きやすさを重視して薄着でいることが多い。
(そのため、冬場はコートを何枚も着用している)
危機回避能力に長け、シルバーに教わった
ショートレンジでのハンドガンによる戦闘や狙撃までこなす。
可愛い外見で油断していると痛い目に遭う。
また、赤はランと呼んでおり、勝った例がないらしい。
□赤(レディッシュ)
現在は組織傘下のため、厳密には元カラーズである。
昔はポルトガル語でヴェルメリオと呼ばれていた。
独特な口調が特徴的だが、普通に喋ることもある。
また、カラーズに所属していた頃までは普通の口調だったらしく
緑青と対面したときに指摘されている。
組織に入って、耀の遺伝子を受け継いだことにより
超人的な身体能力を手に入れたが頑丈で運動適性が高いだけで
特別な力は持っていないが先天的に風を読む素質があり、
屋上から飛び降りた際に、着地時の衝撃を和らげたのは
風の軌道に乗ったから、と考えられる。
クロを追ってLB、ブロンズと共に残夜たちの前に現れる。
当初は望を殺した相手として憎む残夜だったが
麗を助けたり、クロに加勢するなど不可解な行動を取る
赤の姿を見て、考えを改める。組織に所属していた
目的は"色付き"に情報を流すためだったが、
尊によって裏切りを知られると(耀は既に気付いていた)組織を脱却。
"色付き"でも組織でもなく誰にも縛られない存在として活動する。
-Other-
○網田望(あみだのぞむ)
△薇鳳仙(ウェイ・フォンシェン)
緑青の育ての親。
○明上綺羅(あけがみきら)
香奈枝の従妹で麗のクラスメイト。
常に明るくハイテンションだが、組織に関与している
素振りを見せるなど謎も多い。
○沼沢あずは
麗の母。出張づくしでなかなか帰ってこない。
△?
傍観者。退屈な世界と称して、世界の滅亡を望む。
組織に秘密裏に協力しているらしい。
―設定―
[黒衣]
[銀の短剣]
"黒衣"が持つ銀色の短剣。
組織に配属された下層構成員(下っ端)以外の
黒衣に支給される。
超硬合金を応用した特殊合金を用いることで
接触時に刃にかかる負担を低減、耐久性の維持に成功した。
且つ軽量であり、携帯性にも優れるため扱いやすい。
また、"赤"やクロなどはこの短剣に独自のカスタマイズを加えている。
クロの物は使い続けた結果、(摩擦による)天然の鍛錬によって
窪みや鋭利な部分ができ、それらの一点をそれぞれ利用すれば
多用途に使用できるようになっている。
"赤"の物は先端が平らとなっており、刺殺することはできない。
[介在者]
介在者とは、組織に所属する"黒衣"を纏った人物を指す。
この単語を知っている人間は少なからず組織と関わりを持っている
証拠でもある。組織からすればクロも介在者であると言える。
本来の意味は、すべての事象に介入し、調停を行う存在。
"裁き"を与える執行者でもあり、不適格とみなされた
組織のメンバーの後始末を主な任務とする。
[組織]
[色付き]
色付き《カラーズ》は、組織に対抗するために
シルバー等によって組織された秘密結社である。
組織との抗争などによって現在は少数となってしまっている。
[汎用人型兵器]
人間に代わる代替労働者、ロボットを作ることを目的とした
プロジェクトの試作段階として、あらゆる状況に対応できる
機械機構を人の形に似せて創り出したもの。
[生存適応者]
耀のオリジナルから、唯一耀が有していない能力、
"必然の生還"に適合した存在。現時点でクロ以外に顕現した例はない。
必然の生還とは、どんな状況・状態からでも必ず生還できる
適応力である。それは死に直面した耀が発動した最後の異能の力、
"生命の否定"に対しても有効で、一度は死者となったクロも
復活した。(精神が亡くなっただけで実際に死んだわけではない)
[オリジナル]
耀は生まれた時から特別な存在だった。
普通の人間が1年掛かることを僅か一日足らずで習得し、
人間として超越した耀の遺伝子は複雑に交錯し、
常人離れした非現実的な能力を有するに至った。
それは、単なる偶然で起こった出来事なのか
人間の持つ可能性が集約され一つとなった存在なのか
オリジナルの発生因子はまさに奇跡ともいえる確率で耀に宿った。
歴史の偉人達の中にはオリジナルと似た特別的な
能力を有した人物たちもいる。それは人によって個人差があり、
耀の場合は万物の超越・万象の理解だった。
万物の超越、とはあらゆる存在に対して優れた能力である
ということと、万象の理解とは、すべての事象の理を知識する
ということで、ある一人の人間が一生を掛けて
得られた知識を、耀は既に得ている。
また、ある一人の人間が一生を掛けて自身を極限まで鍛練し
会得した技術や能力を耀は瞬時に得ることができる。
が、本来の進む成長速度と相容れぬ能力の肥大化によって
耀の体は蝕まれ、異能の力を使うごとに確実な死は近づく。
―――――New
~メイン~
○くろ
明日葉の襲撃によって、麗たちを助けるため
一騎打ちをするも、追い詰められ瀕死となる。
その後、目覚めたときには何も無く
死んだと思っていた自分さえ、生存していた。
(生存適応者としての能力といえる)
そのとき、
死後の世界に一瞬、足を踏み入れることになり、
異次元を跳躍したことで、後述の"赤"が
"ねじれ"の空間から抜け出すきっかけを作る。
一度生死の境を彷徨ったことで精神的にも
負担がかかり、記憶がさらに、欠落してしまう。
残された記憶の中から"夜"というキーワードを
手がかりに夜の街を駆ける。
残夜と遭遇する以前の元のクロに戻ったようで
サバイバル能力が極めて高く、警戒心バリバリの状態。
○小野部式夜
本編部分の準主人公。
最初につくっていた半円の飛行物体とは、
道隆曰くフリスビーみたいなもので、
ストーカーアイテムの一つ「尾行君21号」らしい。
○(境残夜)
赤との激闘の後に、死亡したかにみえたが
実際は空間歪曲の影響で式夜の記憶と一体化しており、
魂に近い形で現世に留まっている。
クロとの出会いによって式夜の中から
再び復活するかもしれない。
○近江道隆
式夜の友人。同じポジションだった網田望同様
不可解な行動を取ることも多く、謎に包まれている。
○兎洞鳴
麗の親友。式夜と同じ学校に通い、
麗と似た、それ以上のツンデレっぷりを発揮する。
○沼沢麗
神社の消失によって香奈枝と同じく、
覚醒した頃にはすべてが終わっていた。
残夜の自宅もろとも家が消滅したので、
実家に帰郷している。
世界から消去された残夜の記憶を
一般人ながら僅かに保有している唯一の人物。
○成島竜一(木内一太郎)
式夜と同学年。厄介事の中心人物で輝紡学園の
誇る二大タイフーンの一人。不良じみた
噂が絶えない成島は、実は既に死んでいる人物で
昔の輝紡学園の土地にあった旧い学校の生徒だった
成島竜一が亡霊として現れたといわれているが
実際は親切心溢れる好青年、木内一太郎の
もう一つの人格として形成されてしまった
本来いるはずのない人間である。
成島の性格は非常に好戦的で短気。
常に物腰低くして物事に当たる一太郎とは
真逆であり、怖いもの知らずとはまさに
成島竜一のことを指す。下手をすれば感状が希薄な
クロ以上に、恐怖心とは無縁の存在なのかもしれない。
○桐村舞華
式夜の先輩にあたる上級生。成島竜一と並び、
二大タイフーンと称される所以は、
出会ったら最後、面倒事に巻き込まれるからである。
血の気の多い成島とはまた別に、ある意味
恐ろしい人で、物凄く情報通。
この世に知らないことはほとんどないと自負している。
独特のマイペースに引きずり込まれた時には既に遅し。
何らかの事件に首を突っ込んでいる状況であり、
逃れることは不可能だといわれている。
○天道耀
黒衣たちが狙う"姫"である。
~サブ~
○榊香奈枝
神社で明日葉に襲撃された後、
目覚めた頃には既に神社も無く
つてを頼りに輝紡学園の教師になる。
式夜のクラスを担任として、
だらだらと先生を演じているが、
連絡が途絶した麗を心配して
事件に巻き込まれていく。
○紫緑青(ツー・リュイラン)
○銀(シルバー)
カラーズはオーカーによって事実上崩壊し、
せっかく集めたメンバーも散り散りとなった。
残った緑青と共に、クロを仲間に勧誘するため
再び街へ現れるが・・
~七人の黒衣~
□黒衣の女(沼沢明日葉)
□オーカー
一日三度の睡眠が日課の自称、紳士。
カラーズの集団を一夜で壊滅させたほどの実力者で
恐ろしいくらい凄腕の殺し屋らしい。
眼鏡の男と共に、同室にいた一人で寝ていた。
オークル・レス・レグールが本名。
□オプスキュリテ
黒衣の少女。クロに似た風貌だが、クローンの一種と考えられる。
丁寧な言葉遣いを心がけ、何事も冷静に対処する。
一度、式夜が霧中の交差点で見かけた黒衣の少女は
クロではなく、オプスキュリテである。
部屋に駆け込んできた黒衣。
本来は桃色の髪で、幼気な少女だった。
研究施設では主任からローシャと呼ばれていた。
□亜九斗/辰(あくと/しん)
常に怠惰、無気力な黒衣の青年。赤の後輩で、
再会した際に、口調が普通に戻っていることに違和感を感じていた。
眼鏡の男に突っ込まれていた奴。亜九斗は本来
非戦闘要員だが、亜九斗の裏の人格である辰は
寡黙でいて、戦闘能力も非常に高い。
□マラキア(眼鏡の男)
□???(マリー・ジェニファー)
女性らしい。眼鏡の男と共に、同室にいた一人。
"赤"が黒衣七人衆(便宜上の呼称)を抜けたために
後釜として配属された。
□チェル(чер)
詳細が一切不明な"ダミートラッカー"(偽りの追跡者)の一人。
元々はブロンズを調整のために、一時研究施設へ送還し
抜けた穴を埋めるために黒衣として昇格された名も無い構成員だったが
不安定なブロンズに代わり、目覚ましい活躍を見せたため
組織の上役達に評価され、そのまま黒衣七人衆へ配属される。
名前はロシア語で黒を意味する。
普段は冷静だが感情が昂ると好戦的になり、言動も荒々しくなる。
氷と炎という相反する二つの概念が混在する凍焔使い。
凍てつく炎に焼かれた者は精神まで燃え尽きるという。
~その他~
□赤(レディッシュ)
残夜との戦闘後、空間歪曲によって"ねじれ"に
呑みこまれ、消息を絶つ。その後、
クロの足跡を辿って現実世界に帰還。
協力者である鳳仙の依頼で、
"姫"奪還のため、輝紡学園に潜入する。
以来、式夜を陰ながらサポートすることも。
赤崎圭吾という本名?を持つ。
△薇鳳仙(ウェイ・フォンシェン)
*****
[組織]
謎の多い秘密結社。謎だらけで明確にされていないが
組織は三つの層から成り立つ。
最下層に末端、及び通常機関の一般構成員を置き、
続く中層に黒衣と、黒衣の上位階級があり、
上層に研究関連の人員と、立場上の指揮権限を持つ上役たちがいる。
[黒衣]
[七人の黒衣]
黒衣の集団から選ばれた七人の黒衣。
組織構成においては中層で、通常の"黒衣"と同列に扱われるが
実際は階梯的に七人の方が上である。
[輝紡学園]
[結界]
[介在者]
[闇の使者]
[ダミートラッカー]
 ̄― ̄
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【梗概】
世界は、ある一時を境に不安定な社会を監視する複数の結社によって成り立っていた。
結社は"教会"と呼ばれ、互いに占有する資源・土地・人民を巡って
"聖戦"を行い、日々密かに争いを繰り広げ 真相を知らぬまま人々は
管理された環境に怯えて暮らした。"教会"の一つである
『十字教会"クロスレット"』に属するバルカと名乗る少女は
荒れ果てた大地に降り立ち、最初の"聖戦"に赴いた。
幻想と現実の交差する虚実の世界で起こる見えざる聖戦。
今、リアルファンタジックノベル 開幕―
- ~メインキャラクター~
[Atra]
本名:不明 {偽名:バルカ・シャンディーニ}
異名:黒い雷光
身長:153cmくらい
年齢:10代
国籍:不明 (名も無い国)
所属:サルタイアー → 無所属 → クロスレット
髪型:黒色/ロング...|瞳:黒色|
得物:刀/拳銃・短剣
「わからないままなら、それでいい―」
本編の主人公。名も無い国では名前を剥奪されるため、
実名もわからないが、名前の必要性を感じたアリスが名付けた。
<容姿>
背丈はそれほどなく、少女の形容に近いが雰囲気は大人びている。
とにかく黒を基調とし、服装まで暗色を好む。
(衣服についての関心や知識が乏しいため基本的に思慮しない)
<性格>
淡泊でいて寡黙。冷静を通り越して毅然としているが
名も無い国で育ったため、世間知らずで常識に疎い。
必要最低限の言動しか介さず、基本的に他人との接触を避ける。
<特色>
戦闘技術については誰からも教わったこともなく、独自に本能的に修得したもので
殊に暗殺や夜戦といった裏面で暗躍する戦法を得意としている。
黒い雷光と称されるように、素早い身のこなしで身軽な技能を発揮でき、
戦う相手の意表を突く行動を無意識に取る。アクロバティックな戦い方は
見る者を惹きつけ、鮮やかな手際で相手を圧倒する。
<過去>
幼少期に過酷な環境である名も無い国で育った経験を買われ、
聖魔教会パナギア直属の聖堂神官から勧誘されてサルタイアーの
巡見修道女として各地を旅する。(初代教皇の息女である
聖女リベルを除いて、当時の修道女としては最年少)
第二十四回目の聖戦において、見習いの称号を付されたまま、
観戦する者として参加。サルタイアーの十字教皇タンタレアが殉教したことで
一時解体となった組織から放逐され、流浪の身となる。
その後、中央都市グランダムに流れ着き、城下町の下層で生活を始める。
<現在>
サルタイアーが再編成されて間もなく、新たに設立した教会、クロスレットの
神父アロンが巡礼の途中で遭遇し、保護のためにクロスレットへ招待しようと
パナギアの大聖堂に推薦状を送る。本人も同意した上で、正式に
クロスレット所属の使徒となった少女は階位の高い修道士たちの間で
煙たがれ、距離を置かれるが新任の修道女アリスと出会い
徐々に心を開いていく。アリスとコンビを組むことを条件に
少女は第三十二回目の聖戦に初めて参加する。
―
[ウェルター]
本名:アージェント・ラス・リェーフ
異名:風の守護者(かぜのガーディアン)
身長:172cm程度
年齢:20歳くらい
国籍:紅蓮のアース
所属:聖魔教会パナギア → 多国籍連合機構"ボーデュア"
髪型:赤/ショート |瞳:琥珀|
得物:素手/大剣
「戦いの代価、ツケごと支払ってもらおうか。」
最強の傭兵セーブル・アルマースの弟子。
以前、一時的にパナギアの修道士として聖戦に参加するも
多勢に包囲され、窮地に陥る。その時、セーブル率いる傭兵団の活躍で
危機を脱し、恩義に報いるためにも数年の修行を経て
セーブルと同じ組織、"ボーデュア"の傘下となる。
セーブルと再会を果たし、強引に弟子入りして名を轟かせ
若年の傭兵の中では抜きんでて優秀と称されるようになった。
外見とは裏腹に冷静な判断力がある淡々とした性格で
報酬よりも依頼者の人格を見極めて依頼を引き受ける。
至近距離での格闘技術に長けており、武器を用いずとも普通に強い。
[カイナ・イル・アナト]
本名:レジーナ・アル・ナアシュ
異名:特になし
身長:157cmくらい
年齢:約17~19歳
国籍:辺境
所属:サルタイアー
髪型:桃色(変装:栗毛)/インテーク風 |瞳:茶色|
得物:弓/短剣
「終戦のための聖戦を私は戦う」
ロスト・エデン方面に存在していた亡国の王女(候補)で
城塞からの脱出の際、歪曲崩壊を目の当たりにし、故郷を失う。
今は亡き故国の理想を掲げて、サルタイアーの民間との混成大隊による
解放作戦に民間人として参加。その時の功績を讃えられ、
数年後にサルタイアーの修道女となって聖戦の使徒に任命される。
第三十四回目の聖戦にて、アリス不在のバルカと出会い、
サルタイアーとクロスレットの共同戦線で共闘する。
以降、バルカと遭遇する機会も増え、クロスレット・サルタイアー
両方の判断から同盟を結んだことで新生コンビとなる。
[レシェフ・ミザール]
本名:ヘレル・セイリオス
異名:光輝の主(二代目)
身長:149cmくらい
年齢:12歳?
国籍:中央都市グランダム
所属:聖魔教会パナギア
髪型:金髪/ |瞳:黄色に近い|
得物:杖
「僕でよければ、力を貸します!」
先代、光輝の主ルキウスの末裔。まだ幼い少年だが幼少期に
戦災孤児だったのをミザール一族の養子に迎えられた。
英才教育を受けて、パナギアの聖堂教会に預けられる。
[マレット・ヴェア]
本名:〃(偽名の可能性も)
異名:バレットマスター
身長:158.21cmくらい
年齢:約20歳
国籍:久遠のアース
所属:アニューレット
髪型:淡黄褐色/短いポニーテール |瞳:碧眼|
得物:銃器
「ミッションコンプリート。」
パナギアから直々に推薦され、アニューレットに配属した銃火器のエキスパート。
教会の関係者では珍しい銃器の扱いを主流に、ライフル等を専門とする。
近代的な電子戦やハイテクな機器を利用して戦う異端者だが
近接戦闘もそつなくこなす優秀な使徒である。
久遠のアース出身者の生き残りでもあり、本当の親を知らない。
[カーディナル]
本名:不明
異名:灰色の悪魔
身長:約175cm
年齢:40~50程度
国籍:紅蓮のアース
所属:ラウンデル
髪型:白髪/オールバック|瞳:赤色|
得物:爆発物
「芥。雑多たる灰塵を、焼却してみせよう。」
枢機卿と呼ばれるラウンデルの最高神官(実質の最大権力者)
生まれてすぐ、特殊な体質によって白髪となったがあまり老けては見えない。
昔はその容姿から白銀の悪魔と呼ばれていたが、爆発物を取り扱うようになってからは
灰色の悪魔と称されるようになった。(灰しか残らないため)
[ヴェルフ]
本名:サント・アルベール
異名:蒼のマラキア
身長:173cmくらい
年齢:推定21歳
国籍:不明
所属:ラバルム
髪型:青/ |瞳:深緑|
得物:銃剣
「間合いなど関係ない。視界に入れば対象は捕捉できる」
ラバルムの特務隊長で、カーディナルの懐刀。
鮮やかに銃剣を使いこなし、どのような状況でも対応できる適応力がある。
[イザール]
本名:不明
異名:不死身の副長
身長:160cmくらい
年齢:不明
国籍:中央都市グランダム
所属:聖魔教会パナギア
髪型: |瞳:紫|
得物:十字架
パナギアの神祇官。出張と称して関係ない聖戦に度々参加している。
個人情報が秘匿されている謎の人物で、その行動も不可解。
背中に巨大な十字架を背負い、それを武器としているが
どんな状況からでも生還するため不死身の副長と呼ばれるようになった。
(副長というのは神祇官に由来)
神祇官としての役目以外に聖戦を調停し、中立の立場で聖戦に参加する。
正体は男装している唯一の女性神祇官だが、
男勝りな豪胆さも相俟ってそれを知る者はいない。
[ミコト・タチバナ]
本名:立花尊
身長:?
年齢:?
国籍:旧東京(現在:ロスト・エデン)
所属:無所属
髪型:
得物:棍棒
~サブキャラクター~
:フレット
ちょっと影の薄いサルタイアーの名誉神官。当時のバルカの上官に当たる人物。
(数年続けて主教補佐の座に就いているため表彰された)
:ヘラルド
パナギア直属の聖堂神官(聖堂教会に属する神官)
バルカをサルタイアーにスカウトする。
:アロン
クロスレットの神父にして、実質的なクロスレットの最高権威者。
:アリス
クロスレットに新しく配属された新米修道女。
:リベル
:タンタレア
:セーブル
最強の傭兵と謳われるボーデュアの中心人物。
統治者の存在しないボーデュアの実権を握っているがそれを有用しない。
何よりも、自由であることを尊重する。
―
=用語=
[教会]
主に聖戦を行うために組織される結社のこと。
三種ある概念の正教会、聖堂教会、それ以外の教会の違いはあまりないが
正教会は正統に位置する純粋な教会としての概念で
聖堂教会は第八聖堂を本拠地としている公認の教会、
それらに当て嵌まらないものが普通の教会となる。
[聖堂/第八聖堂]
教会の拠点となる場所。
第八聖堂とは、単なる聖堂に非ず、教皇が定めた八つの聖堂のことで
通常の聖堂の人員が他の都市と連携して生活する一方、
第八聖堂は単体で、都市としての機能を持った一つの国である。
言わば、独立国家のようなもので聖戦の拠点としてこれほど好条件の施設はない。
大聖堂はパナギアの本拠地で、最も尊厳のある美麗でいて壮大な聖堂であり
聖戦関連の事象を運営・管理するために運用される。
[聖戦]
[使徒]
教会に所属する人員の中でも、聖戦に参加するような存在を使徒と呼ぶ。
聖戦の参加者としての称号であって、階梯を決定するものではない。
本来は機能しないが、聖戦に動員されているかの是非を区別するために呼称する。
[修道士/修道女]
使徒以外に、教会の構成員は修道士及び修道女と称され教会に従属する。
(便宜上、使徒も含めてそう呼ばれることもある)
神官と比較すれば、半人前なのだが
教会に属した人間なら平等に扱われる称号なので
民間にとっては、修道士も神官も同じようなことである。
[神官/神父/司祭]
一定の修道士の過程を完了し、教会に正式に認知された者は神官として
教会に属することになる。単純に修道士の上位に立つのが神官だが、
一人前と認められた以外にその役職の目立った差異はない。
神父は神官のさらに高位の者を指すが、神父の地位に就くものは稀である。
また、神父は名称の通り男性(修道士)しか昇格できない役職で
修道女は神官以上に地位の向上を望めない代わりに修道士よりも
最高神官になれる可能性が大きい。(個人差はある)
司祭は正教会における神父の役割を担う高位の神官を指し、
一般的な神官に比べ、特別視される。司祭は女性でも容認される。
ちなみに、最高神官は司祭と同義である。
[オフィサー(監視者)]
聖戦の監視者。決して戦いには介入しない傍観者で
運営する役割を担う教皇一派から派遣される。
[聖者/聖女]
広義では、聖戦の主役たる主導者を指す。
[傭兵]
修道士や神官以外に聖戦に介入して闘争の代行をする者たちのこと。
そのため、俗に代行者と呼ばれることも少なくない。
基本的には報酬を目的に、依頼されれば一方の教会の味方をしたり
敵対したりもする。この世界では、後述の"ボーデュア"以外
傭兵を主体とする組織はなく、傭兵といえば"ボーデュア"を連想させる。
[教皇/神祇官]
教皇はすべての教会の絶対的な支配者。
神祇官は教皇の代理人のようなもので副次的な立場にある。
[聖魔教会パナギア]
教会の元祖とされ、教皇が擁する結社。
サルタイアーやラウンデルに二分されているが
狭義では、パナギアが教会の事を表す。
パナギアの活動・目的は聖戦の管理、監視などだが
場合によってはパナギア自体も聖戦に参加することがある。
[サルタイアー]
聖魔教会パナギアに属する正教会。聖魔教会の象徴や
代名詞といえる聖堂教会で聖魔教会パナギアと同一視されることも多い。
(実際、本拠地であるパナギアと繋がっており、
表面的な意義ではサルタイアーがパナギアとされる)
[クロスレット]
新設されたばかりの教会。別名、十字教会。
[ボーデュア]
多国籍連合機構と称される、傭兵によって構成された組織。
教会とは別の目的で運用する結社で、お互いに敵視している。
依頼によっては協力することもあるが、聖戦への介入は独立して行う。
[ラウンデル]
聖魔教会パナギアに属しながらもサルタイアーと敵対関係にある異端の教会。
[ラバルム]
ラウンデルの高位の神官等によって組織された特殊部隊。
[アニューレット]
精鋭の使徒で構成された特別部隊。教会の垣根を越え、混成部隊となっており
その人選の決定権や派遣するのは聖魔教会パナギア(教皇)であり、
主要構成員もパナギアの神官で、特に秀でた者が部隊の隊長に任命される。
[名も無い国]
[グランダム]
[辺境]
[アース]
紅蓮のアースと久遠のアースに分別される。
[ロスト・エデン]
―――
~聖戦の軌跡~
□第二十八回 「悪魔、来たる。」
<ラウンデル/パナギア/ボーデュア(終盤)>
主要参加者:ファクト,ウェルター,カーディナル,セーブル
ウェルターがまだパナギアの修道士だった頃、
聖堂神官の一人、ファクトが先導する師団に属するウェルターは
ラウンデルの戦略によって部隊と分断され、孤立してしまう。
徐々に迫る包囲を果敢に一掃しようと奮闘していたウェルターの前に
ラウンデル最高神官のカーディナルが姿を現す。
護衛の親衛隊を退け、大剣を向けたウェルターだったが
カーディナルが予め用意した火薬を燃焼し、戦場を炎上させる。
火柱が噴き上がる荒野の中で、二人は真っ向から勝負を始めた。
大剣を強引に振り回し間合いを詰めるウェルターを余所に
顔色一つ変えず、余裕の笑みを浮かべたカーディナルは
数回、ウェルターの猛攻を回避すると 途端に足を踏みならした。
すると、地面が真赤に染まり炎が噴き出て、堪らず後退りするウェルターの
背後を取り、多量の爆薬をばら撒いた。発火すると同時に凄烈な
爆音と、熱量がウェルターを襲い火炎に閉じ込められてしまう。
そこへ代行者として駆け付けたセーブルが土を巻き上げ炎を鎮火し、
ウェルターを救出する。周囲を見渡したウェルターには
カーディナルの姿は既になく、灰となった塵だけが戦地に残った。
 ̄― ̄
ツキトオボシク ~Der letzte Vertrauen
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
春先に転校してきた謎めいた少女、月崎ツクモは
登校初日に校舎の屋上から転落する生徒を目撃する。
同じクラスメイトに先程の生徒の面影を連想したツクモは放課後、
屋上へ向かったがそこには見知らぬ女性が居た。
白衣の女性から「"境界"に近づかないほうがいい」と忠告を受けるツクモだったが
翌日、喋る黒猫が現れて 世界の歪み を正すために協力してほしいと頼まれる。
"境界"と呼ばれる不可思議な領域に具現する歪み。
少女は自身の正体すら分からないまま異変に巻き込まれていく。
~登場人物~{*1は一章限定 *2は二章からの追加キャラ *3は三章から}
月崎ツクモ
生まれてからすぐに記録を抹消され、自分の過去を一切知らない。
名前も誰が付けたか分からない偽名で、本名は不明。
どこかの屋敷で養われていたが、中学校に編入したのをきっかけに自立。
家屋を与えられ、一人暮らしをしている。
様々なことに関して無知であり、非常に無口で滅多に感情を表に出さない。
[クロ]
人語を話す黒い猫。実際には喋っているのではなくテレパシーのような感覚で
ツクモの脳内で会話として成立する。一見するとツクモの妄想みたいだが
実在はしているし、感情もある。因みに、クロとはツクモが名付けた。
本人曰くダンディなオスらしいが、ハードボイルドを気取っても空回りしている。
江月乙子
謎だらけの白衣の女。学校に出入りしていることから関係者らしいが教員ではない。
大体、屋上でだらけている。上無村で生活していた一族の末裔のようなものらしく
"歪み"の調査をしていたが空間から弾き出されて意識を失う。
真相を探るため再び八雲町を訪れ、学園の周囲に歪みが集まりやすいことから
学園の屋上を陣取って監視を続けている。
証聖者のような風体だが関係はないらしい。
真神三冬
同じクラスの女子生徒。ツクモに気さくに話しかけ(勝手に)友人となる。
無射玄之助
隣のクラスの男子生徒。テンションの起伏が激しい変わり者だが
冷静さと熱血漢的な面を併せ持つ半リアリスト。
殉教者に襲撃されて以来、段々と本性を露にし、
ちょっとのことでも気に入らなければ破壊衝動に駆られる
不安定な精神が垣間見えることとなる。
それは恐怖心からくるものではなくはじめから持っていた
"感情"で証聖者としてエピファネイアを顕現できるようになって
高い能力を発揮し、征服者をも圧倒する。
妹川耀
一学年下の後輩。八雲神社の神主の娘で上無村についても詳しい。
エピファネイアもおぼろげながら理解していた。
常陸清藤*2
学園の新入生としてツクモと同日に別のクラスに編入した少年。
織居ゆや
高等三年生の先輩。
竹葉斎
新しく八方市八雲町東警察署に配属されたなりたての女性警察官。
その正体は偽装した身分を利用して警察内部から機関からの指令を遂行する
情報機関工作員である。(偽名である可能性が高い)
大平実
学園の堅物教頭。
山城逢
学園の女生徒。数年前に失踪し、休学扱いとなる。
浅間市子
担任の女教師。
菅沼啓次
学園の男子生徒。殉教者に唆されて友達を騙し、その後消息を絶つ。
岡重貴志
学園の生徒。第一の犠牲者。
恵川久美枝
証聖者として八雲町を巡察していた女性。
高上祐乃*2
普段は普通の大学生だが国際派テロリストの顔を持つ女。
半場樹を支援したこともあり、その行動範囲・関係は広い。
衛守一人*2
学園の理事長。第一~第四を統括して管理していた。
教育関連の出資者でもある。
雲出麻人
学園の校長。八方市の市長も兼任しており多忙のため学校を留守にすることが多い。
御厨理
本名は真束樹(まづかたつる)。前科持ちの死刑囚だったが
協力者の手回しとエピファネイアの歪みを使って無罪釈放となる。
晴れて娑婆に出た樹はエピファネイアのちからに惹かれて八方市へ赴き
八雲町に滞在することになる。その際、
御厨理という弁護士を殺害し、御厨理を騙って潜伏している。
死刑判決の事由は大量殺人を行ったためだが、捕まった時点で
既に殺人に飽きており、殺人に代わる本能を解放する手段を欲していた時、
偶然出会った殉教者の一人にエピファネイアについて知らされ
獄中で歪みを顕現させることに成功した。
主に敵意や悪意に満ちた衝動に従って行動しているが
何も考えずに狂乱するのではなく表立って出歩くのを控えるなど
意外にも頭脳的な一面が窺える。
玄之助とは親戚の間柄で、玄之助にお前は自分と同じ側の人間だと告げる。
晦一
征服者の称号を持つ亡者。
卯建葉稚*2
証聖者の一人。
御野総賢*2
殉教者の小グループを率いる小物。
程度の低い連中に対しては優れたカリスマ性を発揮するが
少しでも力が勝る相手が現れると途端に弱々しくなる。
久井慎太郎*2
後城八代
証聖者の中でも極めて高い能力を有し、一人で殉教者の大軍を
相手にできるほどの腕前を持つ。取り分けて秘密主義のため、
素性を知る者はおらず、後城とだけ呼ばれている。
彼杵友也*2
初代征服者として万象の理を制し、不老不死となった少年。
絶大なちからを手にした満足感と悪しき欲望から世界を歪ませた結果、
そのちからと称号を剥奪され、不老不死ではなくなり堕落する。
中立の立場を装って殉教者に協力している。
新座志紀*3
蒔絵珠洲*3
氷見*3
天羽美含*2
讃良*3
[シェハキム(シェハクィム)]
殉教者の幹部。各地に赴いて素質のある人間を勧誘(誘惑)し、
殉教者のメンバーを増強する役割を担う。
普段は御笠巽という名前で活動している。
[ラキア(ラクィア)]*2
年配の女性殉教者。エピファネイアのちからを使って
若返りに成功しており、見た目は20代前半だが実際は60歳近いらしい。
数年に渡って自身の能力を極限に蓄積する瞑想を編み出し、
社会から隔離された豪邸で一人、暮らしている。
[ヴィロン]
殉教者のリーダー格。エピファネイアの最終段階に到達しており、
現時点で征服者に最も近い人物。ちからを応用して、不老不死となり
既に死んでいるはずの存在だが、活力溢れる威容を誇る。
威圧的な雰囲気・外観から初めて相対する者は例外なく恐れ敬うといわれている。
=用語=
八方市
都心から少し離れた場所にあり、周囲を森林や山地で囲まれ、
人里らしさを感じさせない自然が同居した都市。
八方第四学園
八雲町に存在する唯一の教育施設で第一~第三は八方市内に点在する。
本校である第一学園以外はそれぞれ分かれており、
第二は小学、第三は中学、第四は高等学校となっている。
第二、第三は八方市の人口の減少に加えて需要の希薄化により
衛守理事長の判断から廃校となる。
辛うじて第四学園は一年前に校舎を新しくしたばかりだったので
取り壊しを免れた。因みに第一学園では膨大な数の本を保管する
図書館をメインに開放しており、学園以外の人間も出入り自由である。
八雲町
八方市の一画にある小さな都市。本作の舞台となる場所。
槻間荘
八雲町にある古めかしい宿泊所。
上無村
かつて八方市の外れにある森林地帯の奥地に存在していた集落。
数々の奇妙な伝承が残る。
[征服者(ジナ)]
上無村の伝承にある世界を"征服"する存在。征服とは、強制支配ではなく
完全なる統治の意義で、征服者は万象を超越した存在でなくてはならない。
[イノセンツ(罪無き者)]
ちからをもたない普通の存在。なんの変哲もない民間人に対する呼称で
エピファネイアのちからをより高めるために殉教者は
イノセンツ狩りを行う。(個人差はあるがエピファネイアの格式を昇格させるには通常、
時間がかかるがイノセンツの魂(生命)を代価として捧げることで急速な進化を遂げる)
[殉教者(マーターズ)]
エピファネイアのちからを悪用することで"征服"を目的に活動する集団。
構成員の殆どが狂信的な価値観を伴って善悪を判断するため
彼らにとっての正義が一般的な悪に等しいものとなる。
一部を除き、構成員はフードのついた黒衣を深々と着用している。
[証聖者(コンフェッサーズ)]
エピファネイアを秘匿し、世俗から隔絶することでちからを封印することを
目的とした集団。最近では、殉教者の増加によってイノセンツが被害に遭うのを
阻止すべく行動しており、一般に正義の味方的な形容が適している。
が、最大の目的はすべてのエピファネイアに関連するちからを根絶することであり、
一概に英雄視されるものではない。また、基本的に他者との干渉を避ける
傾向が強く隠居する人員が多く、現代に実在する証聖者は少ない。
黒を基調とする殉教者と比べ、証聖者は白色によって統一されている。
[エピファネイア]
奇跡的現象の顕現を意味する"歪み"の象徴。
実体は無く、見えざる霊的な存在とそれに憑依された対象を指す。
第二段階はセオファニアと呼ばれ
最終段階、テオファネイアに昇華する。
エピファネイアを発動(発現)させる者を対象者と呼ぶ。
エピファネイアの異能のちからは以下に分類されるが
同じ階梯のものでも人によって能力が異なる。
:スピリトゥス・メンダキオルム(偽りの霊)
階梯は1。最も初歩のエピファネイアで浮遊した状態で空気中に遍在する。
条件として暗闇を好み、域内ならどこにでも現出する。
能力は物体を浮遊させたりする程度で、大したちからでもないが
汎用性が高いためあらゆる状況で応用が利く。
|発現対象:殉教者など
:ウァサ・イニクィタティス(不法の器)
階梯は2。精神干渉を基本とするエピファネイアで、
シェハキムのように極めれば見えない衝撃波を放つこともできる。
シェハキムより質は低いが総賢も同様に発現でき、
スピリトゥス・メンダキオルムしか行使できない手下たちの憧れとなっている。
|発現対象:シェハキム,総賢
:ウルトレス・スケロルム(犯罪の復讐者)
階梯は3。暴力的な物理干渉を主体とするエピファネイア。
感情が暴走した対象者などに発現しやすく完全に制御するのが難しい。
樹の言動によって精神が不安定になってしまった玄之助が
証聖者としてエピファネイアを発現させるも暴走した結果、
本来のエピファネイアからウルトレス・スケロルムに降格してしまう。
また、同じく情緒不安定だった慎太郎も一時的に発現に成功し、
総賢を圧倒する力量を見せるが数時間経って、意識を失う。
対象者の一人である氷見はほぼ完璧に制御しており、その能力も高い。
|発現対象:(玄之助),(慎太郎),氷見
:アエリアエ・ポテスタテス(空の軍勢)
階梯は4。証聖者となった玄之助が発現させたエピファネイア。
玄之助のものと志紀のものでは反対の性質を持っており、
それぞれの心象を体現しているといえる。
|発現対象:玄之助,志紀
:プラエスティギアトレス(奇蹟の模倣者)
階梯は5。主に証聖者が扱うエピファネイアで時間を掛けて"奇跡"と一体化し、
心を研ぎ澄ませることで発現する。イノセンツであるゆやも一瞬
似たようなちからを発揮し、殉教者を圧した。
|発現対象:久美枝,(ゆや),葉稚
:クリミナトレス(中傷者)
階梯は6。殉教者としてエピファネイアのちからを使い始めた樹が
顕現させた能力で、全力を発揮したシェハキムも一時的に発現させていた。
ウルトレス・スケロルム以上に物理的干渉を行えるエピファネイアで
実体の存在しないエピファネイアのちからの中では極めて高い濃度を
保ち、具現化することができる。
|発現対象:シェハキム,樹
:テンタトレス・マリゲニー(悪の誘惑者)
階梯は7。
|発現対象:ラキア,美含
:アポスタタエ(背教者)
階梯は8。証聖者の中でも特異な存在である後城が天性の才能と
努力の末に顕現させた高位のエピファネイア。
強大なちからを行使できるものの、制約も大きく
使う度に心身を蝕まれ、最終的に死に至ることもあるという。
まさに殉教者寄りのエピファネイアだが殉教者でかつて
この階梯に辿り着いたのは若き頃のヴィロンのみである。
元証聖者である讃良も以前、発現していた。
|発現対象:後城,(讃良)
:インフィデレス(不誠実な者)
階梯は9。通常のエピファネイアの中では最も上位に位置し、
絶大なちからを誇るが、寿命を削る諸刃のちからでもある。
複数のエピファネイアのちからを取り入れたことで
不老不死(に近い)存在となったヴィロンだからこそ行使できる。
後にインフィデレスに近いエピファネイアを理(樹)が顕現させるが、
負担が大きく、ちからを解き放った瞬間に力尽きた。
|発現対象:ヴィロン,(理)
:アドべントゥス・クランツ(到来の冠)
階梯は10。最大級のエピファネイアで征服者にしか扱えない。
|発現対象:一,(友也)
:レクス・パルーシア(再臨の法)
階梯は0。本来は存在することのないエピファネイア。
エピファネイアに個人差と上限や下限があるものの、成長し、進化する
エピファネイアはこのレクス・パルーシアだけである。
|発現対象:ツクモ
-subtitle-
~Episode1/異境生誕 370
:月夜に踊る -sceadu 50
[本編/説明・導入]{主要人物:*ツクモ,学園勢}<敵:なし>
:遠く、遙かな -weg 50
[本編/日常]{主要人物:学園勢}<敵:なし>
:今昔流離 -boda 50
[サブ/説明]{主要人物:クロ}<敵:エピファネイア(情報のみ)>
:殉教者たちの呻吟 -hearm 50
[戦闘/事件]{主要人物:乙子,三冬}<敵:偽りの霊,(殉教者)>
:信頼の果てに -wyscan 50
[本編/事件]{主要人物:耀,玄之助}<敵:殉教者>
:clear blacker. -snaw 70
[戦闘/異変]{主要人物:斎,(後城)}<敵:シェハキム,(不法の器)>
:見えざる観察者 -snaca 50
[本編/日常・異変]{主要人物:ゆや}<敵:なし>
~Episode2/signs of doom 400
:黄昏 -morgen 50
:キラク -buan 40
:白い氷雨 -hwit 50
:想い、繋げて -hring 50
:black shiver -ende 60
:悪夢と魔女 -cwen 50
:翔る -lyft 50
:不在の監視者 -hafoc 50
~Episode3/終極世界 420
:聖者の夜 -steorra 50
:殺意狂乱 -bana 50
:征服者 -cyning 50
:悪鬼奇譚 -deor 50
:深淵、落ちて -botm 50
:白銀 -seolfor 60
:望まれぬ終わり -eage 50
:晨明 -nama 60
―――
 ̄― ̄
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
【銀のAter】(アーテル)
荒れ果てた世界の中央に、最後の首都となった"ヘオフォン"は存在する。
〔登場人物〕
:黒衣の少女{クロ}
本編の主人公。黒色の衣を纏い、黒髪に黒い瞳の"黒"を体現するような
容姿が特徴の少女。故に、知人からクロと呼ばれることが多い。
過去に生徒としての称号を保持し、登録されていた失踪者の一人、
夜月ツクモ(やづき―)の偽名を使って、学園に潜入する。
学園では登録者のつくもが中等部二年だったので逢と同席することになる。
夜月ツクモは平凡な女生徒だったがテスト項目はすべて完了していたので
クロはそれらを省略して学園生活を送ることができた。
:浅月ユウ(あさづき―)
謎の少年。クロを導くように学園潜入の手助けをしたりする。
その後、自身も初等部の新入生として編入するが幽霊部員ならぬ
幽霊生徒状態で学園側もその素性を正確に把握できていない。
-学園の関連人物-
:久間逢(くまあい)
学園の中等部二年研修生。クロと同じ組に配属され、学園を案内する。
:ローシャ・アルベルタ
学園の高等部三年実習生。"実戦"を経験している数少ない優等生で
お嬢様気質。他人を見下すことが多く、自分を過信しているように見えるが
実際は慎重で、思いやりのある実直な娘。人付き合いが下手で
本来思っていることとは正反対の言動をしてしまい、エリートに
分類されるランクA保持者の為、周囲から距離を置かれている。
その所為か、信頼できる友人は少ない。
:紫緑青(ツー・リュイラン)
学園の初等部一年訓練生。入学して間もなく、基礎測定テストによって
特待生として推薦を受け、いきなりランクCを獲得した。
旧中国方面に当たる出身の生き残りで多文化共生国家である
"ヘオフォン"では遺伝の差を越えて、言語を理解している。
:綾霧聖架(あやぎりせいか)
学園の理事長代行。自主参加の生徒会会長も兼任している秀才で
ほぼ学園全体の権限を掌握しているといっても過言ではない。
ありがちな理事長の孫、とかではなく単に、校長不在時に
能力を買われて理事長の補佐をしていたところ、理事長もいなくなって
結局代行という形でそのまま学園に残っている。
-その他-
:バルカ・シャンディーニ
:ヴェルフ
反抗組織"Nightless"に属するイレギュラー。
~用語~
[ヘオフォン]
4つのエントランスからなる閉鎖された最後の首都。
ドーム状のエントランスの内側を長方形に4つのエリアが区切られ、
広域に渡る要塞のような外観でそれぞれの区画が独立して機能する。
地下も複雑に広がっており、そこは住民が普段、
生活する居住区、"テアトルム"となっている。
(テアトルムは劇場という意味だが、地下の居住施設が広いホールの
空間で、劇場のような景観を模しているため。)
このように鎖国状態にあるため、外部からの侵入や外出することは
厳重にチェックされ、正式に容認されないと出入りできない。
ヘオフォンは幾つもの文化が共存する独立した文明国家で
多数の言語、人種が共生している。それを一つに統合して
人民の統一化を図ったのがヘオフォンの社会性である。
後述の学園もそのために必要な環境だといえる。
<中央区:セントラル>
4つの区画の中央に位置する5つ目の地域。
天まで高く聳える"タワー"と呼ばれる建造物とその周囲、一定の範囲を
中央区と呼ぶ。神話性に富んだ話だが、"タワー"を天上まで届かせれば
人間はそれこそ天国の形容に相応しい領域へと到達できる、
そういった観想から"タワー"は日々高層となっていく。
中央区の象徴である"タワー"の地下施設は政治的に枢要な会議の場であったり
国家としての要人のための居住エリアとなっている。
<学業区:アトリウム>
ヘオフォンの南側に位置する区画。
<商業区:マーケット>
ヘオフォンの西側に位置する区画。
<工業区:ファクトリー>
ヘオフォンの北側に位置する区画。
<娯楽区:パラダイス>
ヘオフォンの東側に位置する区画。
[学園]
学業区のシンボルともいえるヘオフォン唯一の教育施設。
初等・中等・高等に大別されるが優秀な生徒は
さらに、ランクによって階位を授かる。
ランクは生徒全員が初期から取得するEからA、その上のSまである。
Sランクに近づくほど学園側から認められた優秀者になるが、
基準を比較されることで競争心と共に嫉妬などの生徒間の弊害が生まれる
可能性も考慮し、普段はランクというものを表立って象徴化しない。
ランクはあくまで学園側が生徒を見定めて、階梯によって
教育方針を決定するための一因に過ぎないので生徒自体が誇示することはないが
やはり噂となって流布されるのも当然である。
ランクがB以上の生徒は"実戦"に駆り出されることもあり、
危険性を伴うが学園は生徒の自主性を尊重しているのでもちろん拒否もできる。
特徴として、個別に先生が存在しない点が挙げられる。
そもそも教職員全体が少数なので生徒の総数と反比例して年々減っている。
というのも、ヘオフォンの政治形態が独特な発展をしているため
大人である教師たちは普通、学園よりもまずタワー建設や
外部の仕事を受け持つことが一般的で学園の役職に就く人物はあまりいない。
生徒の情報は登録によって管理されており、入学・転入・編入時に
生徒認証を行い、事前にヘオフォンで情報が照合できる"住人"かどうかを
確認し、合致した場合のみ生徒として迎えられる。
(この世界では他に教育施設がないので編入や転入の本来の意義は適用されない)
不正行為を防ぐため、一度登録された情報は随時更新されるが
クロの(ユウの)偽装工作が察知されていないなどセキュリティに難はあるが
通常ならば正常に探知することができる。
そもそもヘオフォン自体が牢獄のように厳しい入出制限を設けているため
ヘオフォンへ非公式に入れた時点で、例え悪人だろうと"優秀"なので
体裁を度外視するこの学園では問題にならない。
生徒手帳の発行はないが学園の敷地に入った瞬間から生徒の認識はされる。
学園の校舎の一部はアトリウムの環境と同じく開放されていて、
異種文化の学習や言語の読解について勉学するスペースを自由に利用できる。
余談だが、学園の生徒の大半が女生徒であることは
誰の計らいでもなく、男性は"タワー"建設や外部調査に
派遣されやすいからであって、少ないながらも男子生徒も在籍する。
[ロストアース]
ヘオフォンの外側、外界の領域は失われた大地(ロストアース)と呼称する。
ロストアースでは生態系が崩壊し、気象など様々な事象が歪んでいるため、
非常に危険で何が起こるかわからない。野生で、生き残った動物たちも
ロストアースに取り残されたことで凶暴化してしまいヘオフォンを
襲撃する事件も発生しており、未知となった世界を探索するためにも
ヘオフォンの学園では特別な訓練を積ませて資源発掘等の任務に就かせる。
[紅蓮のアース]
ロストアースの一部分。地表が赤く染まって見えるため紅蓮のアースと呼ばれる。
ロストアースよりは人工的な介入によって多少、道路のような行路が
できているため通行は容易く、他の都市とのやり取りや商人たちは
ここを通ってヘオフォンを訪れることが普通である。
[久遠のアース]
ロストアースの奥地に広がる深淵の領域。
まさに未知そのものだが、限られた資源や荒廃して現出した
新たな資源を入手するにはここへ到達することが最終的に必要となる。
[イレギュラー]
[失踪事件]
厳正な管理によって統治される"ヘオフォン"で、近年学園の生徒を中心に
突然失踪する事件が多発している。神隠しにあったかのように
姿を晦ます。
―――――
【銀のAter】
=概要=
また、度々演出としてフラクトゥールの書体を模した手紙が、映り込む。
だが、文章自体がぼやけていたり焼かれていたり破れているため
崩した書体と相俟って、きちんと読み取ることはできない。
これの差出人は決まってHelvetica Myriad(ヘルベチカ・ミリアド)で
ラテン語でスイスを意味するヘルヴェティアに由来するヘルベチカと呼ばれる
サンセリフのローマ字書体と同じくミリアドというサンセリフの欧文書体なのだが、
それらの摸倣フォントの名称を繋げ、人物名のように見立てた偽名である。
手紙の内容はラテンの聖書、ヴルガータなどが引用される。
毎回サブタイトルの末尾に古英語が付く。
《サブタイトル》
Episode1「そうして、世界は終わる」
猫の通り道 - weg wudu
天の庭 - buan talu
亡者幻影 - ne nama
singan lyft
獣は踊る、美女揺れて・前編 - deor ond cwen I
獣は踊る、美女揺れて・後編 - deor ond cwen IInoht mōna
昏冥の狢 - sceadu
Episode2「来訪者と悪鬼たち」ut boda
cyning
dēoflas
Black Shiver - ende ondswarede
―――
ブラックレター
incipit
explicit
――――――――――
-Profile-
[ヴェルフ] *10959文字
本名:不明 {偽名:明上惺(あけがみさとる)}
身長:178~182cm程度
年齢:20歳前後の外見
国籍:旧日本(現在の"久遠のアース"方面)
所属:地方の自警団 → Nightless → 無所属
<容姿>
当初はクロと同じような黒いローブを着用していたが
ヘオフォンで生活するようになって、
黒色や淡灰色、灰色など暗色の服装を好むが外観自体に拘りはない。
青い総髪を束ねてフードに隠している。琥珀色の瞳。
<性格>
極端に消極性と積極性を併せ持つ。気分が移ろいやすく、飽きっぽいが
依頼された仕事は完璧にやり遂げる。"Nightless"の活動は基本的に
朝や昼だが彼は夜の方が活動的になる。
任務遂行のため、自身を偽り続けた結果、本心がおぼろげになり、
二重の側面を見せる表裏一体となった。さも多重人格のように豹変する。
表の人格、明上惺の状態では
寡黙で目立たない印象の平凡な生徒(青年)だが、
裏の人格である、ヴェルフは好戦的で、障害になるものを排除するために行動する。
哲学など様々な思想が介在した独特の思考を持ち、言動もバラバラだが
通常では、冷静な判断をする
<生活>
地下居住区の東南に位置する民家に下宿している。
他に住人はいないため、寝泊まりするだけの場所である。
<能力>
曲芸じみた運動能力を有し、俊敏さを併せ持つ一撃必殺の暗殺タイプ。
体力はそれほどあるわけではないので長期戦は不利となるが、
総じて基礎技能は高い。武器を滅多に使わず、
場所や環境、相手の動きを見極めてあらゆる要素を活用して戦闘を行う。
右腕と左腕では筋力などに差があり、右利きの所為か
見かけの細々とした身体と異なって右手の握力は常人のそれを上回り、
左腕は大して際立った特徴はないが繊細な動きをする際には
ある程度の筋力すら重く、質量の少ない左手だからこそできる動作もある。
ユウが偽装工作した登録者は数名いたが、その中の一人 明上惺のデータを
改竄し、学園の特別候補生として
ヘオフォンの表舞台を往来することが可能となった。
本編では数少ない男性キャラクターでもある。
 ̄― ̄
【Glazed hoar -blacker colder.】
グレーズドホアー ブラッカーコルダーは斎藤樹のライトノベル。
主に、グレホア(GHBC)と略される。諸説あるが「黒く寒い、硝子の霜」と訳す。
本編の合間や章節間の外伝では、本編の世界観とは別の"外部"での出来事を描く。
リアルな側面とは異質に、幻想が混在する二つの"世界"が、謎を抱えた
キャラクター達によって綴られていく。
=梗概=
都心の外れに位置する異次元の混在都市、綾霧町。
ある一時を境に外界と隔絶され、閉鎖した世界となったその街の空に
"ヘオフォン"と呼称される巨大な穴が生まれ、そこから異形の化け物が現れた。
それが夢なのか、現実なのか 朧のまま― 救世主は集く。
―Character
月崎零
本編の主人公。嘱託暗殺を実行する遂行者。
暗殺組織"AMO"に属する Code658.アスワルド(Asward)の称号を有する黒衣の少女。
月崎零 とは偽名で、その素性は謎である。(自分も知らない)
最年少でAMO暗殺特務部隊の隊長を務める。
標的の雲出金義を追って綾霧町を訪れるが既にヘオフォンの影響で
影憑きとなっていた雲出をグレーズのルベウスに排除されてしまい
任務が達成できずに連絡も途絶した。先行して綾霧町に潜入していた
協力者から、情報を収集するため彩園学院に編入するよう指示を受ける。
真束耀
彩園学院に通う女子高生。
江月乙子
真神神社の女神主。普段は怠慢な態度を取るが、いざというときは頼れる。
神道に奉仕する者にしては巫女服などとは無縁で白衣を着用することが多い。
その研究者のような風貌から博士と称されるが実際に博士号を取得している。
彩園学院研究所の特別顧問兼主任。後城とは同級生だった。
後城玄次郎
綾霧町付近の派出所に厄介払いのため、配属された刑事。
刑事なりたてに関わらず優秀すぎる手腕を評価されたものの
大胆な行動と真相に迫り、裏事情を逸早く察知してしまう危険分子だと
警察上層部から判断が下り、部署を次々に盥回しにされる。
[カーディナル]
紅の執行者。中立の第四委員会の直属として傍観している。
深紅のコートを纏い、様々な事象に介在する正体不明の人物。
[ルベウス(赤)]
カーディナルの懐刀にして"赤"の称号を持つNightless殲滅部隊隊長。
[ウェルター]
主に殺人委嘱を請け負う組織"グレーズ"の殺し屋。
幹部の役割を担うほどの実力者だが自身が関心を持った対象にしか
本当の実力を発揮しない。主に中距離戦闘を得意とし、
ヒット&アウェイの戦法を用いて、間合いを支配する。銃火器も効果的に使用する。
鳳仙
"グレーズ"側に雇われた中華系マフィアの用心棒。
外伝で登場し、零と幾度か交戦する。
近接戦闘のプロフェッショナルで素手の状態で十分強い。
[ヴェルフ]
外伝で登場する凄腕の殺し屋。狼を形容させる殺意の塊。
[ローシャ・アルベルタ]
彩園学院の理事長。
[紫緑青(ツー・リュイラン)]
彩園学院の生徒。
足次百子
彩園学院の生徒。
遠間那由
彩園学院の給仕等雑務をこなす幼女。
初代学院長の世話になった遠間家の子孫で、
その縁で学院のボランティアを行っている。
[ルディ・グライス]
彩園学院の教員。数少ない教師の一人で
多国語を流暢に話す才女。美人なアメリカ系の
女性なのだが、職場に恵まれず転々としており、
最終的に彩園学院に落ち着いた。
雲出金義
世俗を離れて綾霧町に隠居している。
[バルカ・シャンディーニ]
外伝に登場する女性諜報員。前日譚以外の零が登場しない
外伝シナリオでは、主人公として扱われることが多い。
AMOにスカウトされたプロのエージェントで零の上司のような立場だった。
[カイナ]
本名はマレット・ヴェア。IIOの諜報員として活動しているが
多重スパイで、誰の味方もしない。
星
中国方面の旧市街出身で
零を中国語に倣い、リンと呼ぶ。
[ヴァイナス]
"グレーズ"の創設者。優秀な狙撃手で退役後に
訓練施設の教官をしていたが施設に来訪した星と出会い、
星に感化されるようにグレーズを創設。
― ~Word~
:世界観
世界は度重なる冷戦の延長として勃発した情報大戦が終結し、
一時的な平和を取り戻していた。その際に設立された幾つかの組織は
身を潜め、静かに、しかし着実に世界の中枢を掌握しようと暗躍した。
そんな"外側"の世界とは異質な綾霧町は土地の関係から、隔絶され
異常な現象が続発する不可侵領域と化した。
三度続く冬の季節、綾霧の地は奇妙な歪みに囚われ、
濃霧が予兆となり、ヘオフォンから現れる"敵"によって混沌は拡大していく。
<情報大戦>
複数の諜報機関による裏舞台の戦争。直接的な紛争ではなく、
主に情報工作での妨害や複雑な牽制合戦が行われ、世界は混乱した。
それまで、情報技術を推進し、発展してきた世界の国々にとって
電子的な多発事故が発生したことは大規模な損害を生み、
事実、物理的な戦争よりも甚大な見えない被害者が続出した。
停戦のきっかけは持続的な攻撃手段が実行できず実行側も疲弊していたからといった
単純な理由だが、いつ再発するかわからないため
各国の政府は情報に関与する組織の見直しと管理を徹底するようになった。
<綾霧町>
綾霧の街、綾霧の地と称される物語の舞台となる場所。
都会から少し離れた位置に存在し、人口もさほど存在しない
小さな町だが、人々の往来は激しく、移住をする住民も多い。
住民が根付くことなく風来した多彩な文化が混在する特異な領域で、
幾つかの施設と併合された学校など異色の発展を遂げている。
綾霧の地では、昔から奇妙な現象が発生しており、
ヘオフォンが具象する以前から住民たちは濃霧に苛まれたりしていた。
<ヘオフォン>
天空に開いた大きな穴。周囲を雲が渦巻き、螺旋の深奥に暗闇を覗かせる
そこだけが常に夜であるかのように世界を黒く染めていく。
ヘオフォンは通常、閉じた状態であり(視覚的には大して差はないが)
Nightlessが出現する際に開く。恐らく、どこかの別次元と
繋がっている一種のワームホールのようなものなのだが
なぜヘオフォンが顕現したのか、Nightlessが現れるのかは謎。
ヘオフォンの影響でNightlessが出現する他に、
三度の冬、冬冬冬夏といった異常な気象が綾霧町だけに発生する。
これは北欧神話におけるフィンブルの冬と同様の状況といえる。
最初の冬は大して寒さも感じない穏やかなもので
二度目の冬は霜つく冷たさで
三度目の冬は雪が降り注ぎ、一面を白くするほど
四度目に夏が来て、それまでの寒さから一変して積雪を溶かしていく。
これは、Nightlessの活動期間が夜間に集中することが多く、
冬季では太陽高度が低く夜が長くなるためNightlessに適した環境となった結果
起こった現象ともいえる。四度目に到来する夏は、Nightlessの活動が極端に減るが
冬眠と同じ感覚でちからを蓄えるために必要な準備期間でもある。
<Fourth Commission>
第四委員会。中央委員会とも呼ばれる。数名の権力者によって構成される。
情報大戦において、様々な組織に協力し、火種を広げた黒幕達。
何でも見通しているようだが、Nightlessの出現は予知していなかった様子で
カーディナル等に討伐部隊を編成させるなど迅速な対応で
Nightlessを自分たちにとっても危険分子と認識している。
<Assassination (Mercenary) Organization>
AMO及びAOは第四委員会が選出した特級のエージェントで構成される。
傭兵と同じような組織形態で雇用者の目的に左右され、活動内容は多岐に渡る。
第三者が依頼して(嘱託)実行するという規定が根本にある。
<グレーズ(Glaze Agency)>
AMOと敵対する形で存在する殺し屋集団。AMOに所属する構成員が
諜報員であるのに対し、グレーズの人員は殆どが殺人を目的に行動している
殺人鬼達で、警察や様々な柵から逃れ隠れ住むために綾霧町の一部を
拠点として利用している。ヘオフォンの具象によって出現した
Nightlessと閉鎖された綾霧町で当初は動向を探るため静観していたが
後にNightless退治に積極的に参加。時にはAMOと共闘することもあった。
<Nightless>
ヘオフォンから出現する実体なき存在。
"影"に形容される不可視の象徴で"空白"こそナイトレスの本質である。
Nightlessが人間の精神に感応し、その人間(生命体)を乗っ取る現象を
"影憑き"と呼び、影憑きとなった者はどこにいても影が濃く見える。
対象者によって違いはあるが、影憑きとなった人間は
超常的な異能を身につけ、それを発動する度に心が蝕まれていく。
完全に制御することは不可能で一度でも乗っ取られると
Nightlessの有する強大な力を手にするのと引き換えに
やがて存在自体が消失し、影だけになってしまう。
その最終段階に到達するとNightless化し、人間という概念すら失せる。
Nightlessからすれば、影憑きの行為は人間でいうところの
食事に値し、生きるためのエネルギーを吸収しているのと同義である。
影憑きは成長段階であり、影憑きの対象となった人間が
Nightlessの主体となるため、攻撃しても人間の方にダメージを与えるのみ。
出現したばかりのNightlessは姿形が存在せず、まったく見えないが
時間が経過したり、影憑きとしてエネルギーを蓄え、成長すると
外観がはっきりと目視できるほど濃密になり、
それらは主に人間が恐怖を抱く対象(鬼や得体の知れない化け物など)と
外観を変化させ、単純にちからが強いものほど巨大化するが
中には小型で成長するNightlessもいるなど個体は様々。
成長する怪物という点で、あらゆる生物の頂点に達することができる。
<救世主>
進化途上の歪んだ世界を正す、真の生命。
救世主は単に世界を救う英雄ではなく、万物を超越した
生命の最終過程における特別な称号であり、
神格化した対象に対して用いられる。
<アステリアの巫女>
真神神社の記録にあったヘオフォンの到来とナイトレスという存在。
さらに、綾霧の伝承にアステリアという単語が登場した。
アステリアの巫女とは、異変の原因であるヘオフォンを
封印することのできる唯一の存在で、綾霧の地方に古くから伝わる
"歪み"と戦う戦士の代表格で、それが現代における巫女に属する概念だという。
<彩園学院>
綾霧町唯一といっていい施設で、広大な敷地を誇り、
スーパー並みの品揃えで有名な売店など
ここにいけば大抵手に入る。学院なので、当然
学業を専門としているが娯楽区画も存在し、
いっそのこと居住できてしまうほど。
関係者も数人しか知らないが学院の地下に
研究区画が存在し、日々綾霧の謎を解明するため研究している。
<真神神社>
綾霧町と他の地域との境目に位置する寂れた神社。
<電子武装(E-armed)>
影憑きとなった存在に対して強力な武器ほど有効ではないので
(対象者を殺してしまうから)新たに開発されたNightless専用の武器。
それらを電子武装といい、彩園学院研究所が実用化に成功させた。
(主に乙子によるもの)初期段階の目視できないNightlessに効果的な
"光"による攻撃手段を基礎とした武器(装置)。
<外の世界(外部)>
技術の発達や改革により、何よりも重宝されるようになった情報が
数年前の情報大戦で問題視され、物理的な干渉手段を支持する動きも活発化していた。
しかし、先端技術を推し進め繁栄を持続させようと必死になる国にとって
情報はもはやなくてはならない概念だった。しばらくの沈黙の後、
各国の表明は変わらず、依然として情報を主体に国家を形成するもので
対策と考案された手段もその場凌ぎで監視を徹底させたに過ぎず、
結果として低調な進化を続ける事態となった。外の世界に存在する
IIOが諜報合戦を誘導し、情報大戦を再発させようと画策している。
<情報統合機構(Information Integrate Organization)>
通称、IIO。第四委員会の半身ともいうべき組織で外の世界において
半分近くの実権を握っているといっても過言ではない。
《武器》
E-armed:typeA
最初期の電子武装。Nightlessの実態を把握するために
データ計測用に開発された。Nightless出現から僅か3週間程度で
乙子が電子部品の余剰パーツを利用して組み立てた。
見た目は懐中電灯に近いが、構造は複雑な回路が混じり、
中身を見れば小型コンピュータと思えてしまうほど。
ポインターを合わせ、スキャンを実行し調査するが
姿の見えないNightlessでは捉えてもポインターを合わせ続けるのが
困難で、同時にレーダーを併用してデータを取得した。
<E-probe>
電子探査機。レーダーのようなもので武器、ではないが
Nightlessを探知・認識するのに重宝する。
自律稼働するものと制御するタイプの2種類ある。
小型化したE-Detectorも後に開発され、
ペンライトの形状で生徒などに無償配布した。
<E-bullet>
光弾と呼ばれる電子光学を応用して開発された電子の弾丸。
極限に圧縮した真空管状の物体を小型化し、弾丸の形成の際に
内部に組み込むことで対象物に着弾、または破裂した瞬間に
光を発しながら放電する。射出時の摩擦を軽減するため特殊な素材を
利用しており、現行の銃火器等では扱えないため電子装備という
専用の射出装置が必要となる。
<E-armed:typeB SK-novem>
9度の試作を重ねた電子武装のプロトタイプ。原型となった
typeAから大幅にモデルチェンジし、現行の銃火器に近い外観となった。
アダプターを使用して電力供給を行い、ある程度の照射を行いつつ、光弾を発射できる。
因みにSKとはShadow killer(影殺し)の略。
<E-armed:typeF infidels>
プロトタイプである SK-novemの完成品。ローシャが設計した光学モジュールを
搭載することで光源を供給せずとも、短時間なら光を照射できる。
勿論、光弾にも対応しており、携帯性と持続性を追求した優れモノ。
<ベレッタE94SS>
通常普及している拳銃の中からベレッタをベースに電子武装用の
光電装置を内蔵した特製の銃。事件を察知した後城が乙子から預かった
電子武装の部品を用いてカスタマイズした簡易的なものを後に
乙子が改造を加え、Nightlessに有効な光弾に対応した。
<八重叢雲(E-blade)>
通称、八雲。日本刀を模した電子の刀剣。
斬り込んだ際に、内部の電子部品が反応して放電現象を起こし、
強烈な発光と共に加熱し、対象を燃焼させる。
熱と電気の力が作用している危険な武器で使用者の安全性は乏しい。
零は構わず、振るうが乙子が配慮して取っ手に絶縁体と熱を吸収する
素材を追加したことで危険性は低下した。
部品は、電池と同じ形状だが電力としての性能は電池の比ではない。
Nightlessに対抗して太陽光に近いエネルギーを物理的に与えるための武器である。
――― Scenario
Episode00「Unknown -少女-」
外伝:船艇、海上の激闘(過去)
零が綾霧町へ到着するまでのAMO派遣から移動手段である
小型船艇内部で繰り広げられる闘争。
Episode01A「Awakening -元始-」
本編:導入
Episode01B「Interline -空白-」
外伝:補足説明など
Episode02A「Specialist -対象-」
Episode02B「Out over -天地-」
外伝:航空機、空中の乱闘(過去)
/―――――
冠雪の夜、雲間に隠れた月が光を失って明けを待つ綾霧の街に、
幾つかの影が暗中を過る。街外れの神社で掃除を行っていた一人の女生徒"真束耀"は
帰りがけに黒いコートを着た少女が怪しい集団に取り囲まれている現場を目撃する。
騒動の仲裁に入ろうと耀が飛び出した直後に少女は対峙していた謎の集団を
殺害し、早々に立ち去っていた。翌日、そのことが気になって神社の女性神主
"江月乙子"に相談した耀は帰宅すると、見知らぬ男が部屋に居た。
"氷見"と名乗るその男は目撃者である耀を処理しにきた ある組織の構成員だった。
同時に、別の組織から派遣された黒衣の少女が耀の窮地を救う。
/―――――
世界から朝が消えたその日、"生存"を求めて聖戦は開幕する―
地元の小さな寺院に通いつめていた巫女になりたい女子高生、真束耀は
神社で祀られていた神木の枯れ枝が奇妙な光を放つのを目撃する。
耀が小枝を手にとって確かめると光は上空へと飛んでいき、消えてしまう。
不思議な出来事に遭遇した同日の夜、夜空に無数の星が現れ、耀には
それが文字のように見えた。 朝方になって、目覚まし時計が鳴り響く
室内はまだ薄暗く、外の景色は夜そのものだったが、耀は気にせず学校へと登校する。
しかし、学校は無人で、いくら時間が経っても日光が差すことはない世界に
違和感を覚え、友人と連絡を取ろうと携帯電話を開くと
『聖戦が開始されます』という文字列にカウントダウンが点滅し、
数字が0になった途端、どこからか鐘の音が響き 空っぽの街に静けさだけが残った。
不可解な現象に苦悩する耀の前に、一匹の黒い猫が現れた。
――――――――――――――――――――――――――――
>>>
complement
>>>
目的・概要
クロ(旧称)というキャラクターを定着させる。
要旨
8月の雪、快晴の空。この街は異常だ。不可解な現象がよく起こる。
人物
□星(シン)
中国生まれの在日学生。ほぼ日本人といってもいい。
親戚の伝手でホテルに勤務することになるが、次第に騒動に巻き込まれていく。
□江月乙子
ホテルの上層階に宿泊する謎のマッドサイエンティスト。(自称)
□雨霧終夜
前科持ちの元囚人。冤罪で投獄された善人(?)でポケットハンドの常習犯。
□月崎零
記録上存在しない少女。
□バルカ・シャンディーニ
□真束耀
□後城玄九郎
□緑青(リュイラン)
□ローシャ・アルベルタ
□マレット・ヴェア
□ルディ
□ヴァイナス
□カーディナル
□マーティ・ハリー
本名はマーティン・ハロルド。
「風のアークシャウト」「風のグランストレート」「風のレイブレード」など
多数の技名があるが大体のものに"風"がつく。
~Word~
<グレーズ・アース>
―――
×
かつて襲った大災害から数年が経ち、人々は地上の恩恵を忘れ、天空を目指した。
高層都市ヘオフォン― そう呼ばれる天に最も近い領域が建造された世界には
 ̄― ̄
【トガツク】(仮
月崎耀は光月学園に通う高校生。
普通の日常を送る彼女には一つだけ悩みがあった。
それは最近、毎夕のようにポストに投函される謎の手紙。
意味不明な文字列と記号が並び、見知らぬ差出人からの手紙に
違和感を覚え、友人に相談するがその翌日に友人が失踪してしまう。
同日、困惑する耀の前に、不審な男 後城が現れる。
男から失踪事件について聞かれる耀だったがショックを受けていた
耀は思わず逃げ出してしまう。それから数日後、
学園に転入した黒髪の少女との出会いが耀の運命を大きく変えていく。
―
機密文書"T-01" 通称、白きテオリアの奪還を命じられたエージェントの少女は
作戦の途中で自分と瓜二つの女の子を目撃し、彼女を尾行している内に
目標を見失ってしまう。組織に失態が露見することを恐れた少女の相棒が
自らの保身を優先して密告したことで少女は組織を追われる身となる。
―
時代は進み、政府はさらなる発展のための教育の場を重要視し、
教育の延長として学業施設が多数存在していた。
そんな世界、地方の学校である
壹粢学園(いつしとぎがくえん)は閉鎖された農村の外れに
建てられた無人の学園だったが、教育社会が推進されるに
あたって改修工事が行われ、開放されることとなった。
6度目の転入を繰り返し、壹粢学園に編入された高校生、
波間芳仁は
しかし、怪物が現れる学園と噂されていた。
―
(月崎)クロ
黒衣を纏った情報統合機構に属する若きエージェント。
IIOでの名称はコード299.Asward(アスワルド)で、それ以外に固有名称を持たず
自身の名前や過去について知らない。コードをアナグラムし、
トーラ・ルドワァスという偽名を使うこともある。
学園では黒津天羽と名乗った。(命名は氷見)
月崎家の一員となってから、耀にクロと呼ばれ"月崎クロ"となった。
(名義的には黒津天羽のまま)
身体能力は非常に高く、適応力に秀でているためどんな環境でも
即座に把握し、地形を活用して機敏な戦闘を行う。
月崎耀
光月学園高等科に所属する高校二年生。
転入してきたクロが身寄りのない孤児だと知り、家族になることを申し出る。
耀と那由も両親のいない孤児のようなもので麗華に引き取られるまで
絶望する毎日を送っていた。明るい性格で他人を惹きつけるのか、
近所の住民たちに世話をしてもらっていた。
月崎那由
耀の実妹。素直な良い子で姉(耀)想いの優しい妹。
誰もが羨むような理想的な妹で、家事(料理など)もできる。
唯一のコンプレックスは背の小ささとかなのだが年齢相応といえば相応か。
無垢であるが、なんでもこなす天才でも文句を一言も言わない忠実な
妹でもなく耀と喧嘩するときもある。(が、すぐに仲直りする)
真束麗華
月崎家の親戚で、耀の義母にあたる。娘の九十九が亡くなって
精神的に病んでしまったが、遠い親戚から耀たちを引き取る話が
持ち掛けられ、これを機に心を一新するために引き受ける。
その後、耀と那由を自分の娘のように育て、家族の愛情を取り戻した。
真束九十九
麗華の娘。事故で亡くなったがどこかクロに面影がある。
実際は、クロのもととなった"オリジナル"で、
GILによって拉致され、被験者として扱われた。
原義的には真束九十九こそクロである。
後城玄
警察特別機関情報特務課の課長。
元々は保安任務に就いていた警察官だったが
すべて完璧に仕事をこなすもののやり方が大胆なため
問題扱いされ、違う部署に回される。
色々と盥回しにされたあと、厄介払いに配属された
新設の情報特務課の課長として行動している。
足次乙子
光月学園の保険医兼耀のクラスの担任。
怠慢な態度とさっぱりした性格から生徒の人気は高い。
実はGILの研究チームの主任を務めており、クロとの関係も深い。
(クロ自体は面識はない)
氷見聖人
IIO支部長。GILの調整した最高傑作であるクロを溺愛しており、
クロも氷見を信頼しているため保護者の名目以上に親子のような関係である。
「純真こそ至高」という考えを持っており、
クロに不要な知識を与えることを一番不愉快に思っている。
耀からロリコンと言われるが、"作品"としてのクロに対する興味のみで
実際の氷見聖人は冷酷な性格である。
耀との出会いで変化したクロに"作品"の限界を感じた氷見は組織の中でも
早々に見切りをつけてクロを裏切り者と認定した。
綾霧
警察特別機関情報特務課所属の現役大学生。
大平
警察特別機関情報特務課で雑務をこなす不運な青年。
相摸樹
同じクラスの男子生徒。
中学の途中まで月崎家と隣同士で幼馴染だった。
各務鏡花
耀の親友。
[オーラム]
謎の出資者。複数の巨大企業の陰から実権を握り、IIOを組織した張本人。
情報こそ命より尊い価値あるものという考えから、
IIOに優秀な諜報員を集め、世界すべての機密を収集し、
独自に秘匿(保有)することで全世界の統一化を目論む。
IIO構成員からはMr.と呼ばれている。その素性は謎だらけ。
波間芳仁
魔人"ナミヨシ"
~Word~
□光月学園
通称、光学。校長である江月一によって私設された地方の学校。
□Information Integrate Organization
情報統合機構。通称、IIO(ツーオー)は
オーラムによって組織された諜報機関。
機関に属する者は総じて固有のNoを与えられる。
(それらは小惑星が由来する。)
そのNo codeは階位を表しているわけではないため順列による関係性はない。
□警察特別機関情報特務課
俗に情務課とも呼ばれる。警察内部の極秘機密を取り扱う。
活動内容は異質な事件の調査や広い範囲での情報収集、
時には探偵の真似ごとなんかもする。構成員は三人のみだが
凡人の大平を除き、課長の後城と課長補佐の綾霧は大変優秀である。
警察の上層部がIIOの動きを察知し、情報を事前に管理することで
保身を図ろうとしたのがきっかけで生まれた部署。
□General Information Laboratory
総合情報研究所。GILはIIOの構成機関の一つで
遺伝子研究や科学技術の応用など幅広い分野で
より実践的な実験を行うための研究機関である。
□背教者
俗に亡者などと呼称される。IIOおよび関連する組織を自主的に
脱退したものに対する称号で、「裏切りは最大の罪」
というオーラムの方針によって背教者は選出されたIIOの諜報員により、
処理される。端的に言えば逃げ出した者は始末されるという仕組み。
背教者を処理する構成員を救いを与える者という意味で救助者と呼ぶ。
救助者に任命されるのは精鋭の中でも取り分けて秀でた存在で
クロが如何に高い技能を有しているかが窺える。
以前は厳重な管理体制だったため容易に脱走できなかったが
最近になって緩和された規制の所為か、背教者が続出している。
□光学部
耀が立案した光学の部活動。当初は未だ謎の多い土地である光学近辺の
調査・探検を目的としていたが徐々に活動内容が拡大し、
光学を飛び出して様々な冒険などを行う特別な部活となった。
二章終盤の時点で、耀が校長に直談判して申請許諾を得て
三章冒頭で強引にクロを勧誘し、数名の部員とともに活動開始した。
自由を尊重して、生徒たちによる自主的な部活動を逸脱した
行動制限を緩和する条件として部室を特定的に持たないと約束したため
部室は存在しない。家が近いという理由から副部長(耀が決めた)の
樹の家を借りて、計画を練ることが多い。(他に使用されていない会議室など)
―――
第一章:IIO/黒衣の集団/連続失踪事件/出会い:始まり
第二章:裏切り/嘘/囚人/結束/仲間/信頼/恐怖:歪み
第三章:GIL/過去/真実/思い出/別れ/決意/涙:変化
第四章:組織/再会/光学/夜/氷雨/死闘/生者:終焉
第五章:新生/旅人/異界/彷徨/敵/味方/傍観者:転移
<完全プロファイル>
[アスワルド(code.299/Asward){クロ}]
性格:寡黙(他のことに関心があまりない)/無知(純粋)
容姿:細いネコっ毛,セミロングの総髪に近い形|黒髪/瞳|黒黒色
服装:暗色系/黒衣(黒色のコート)
年齢:17(外見的には14,5歳程度)
身長:約155cm(見た目小さめ)
所属:IIO(C1)→IIO/無所属(C2)→無所属/光学部(C3)→無所属(C4)...
得物:短剣,刀,銃器など(初期・標準装備は携帯用短剣)
<生誕~別離、偽りの果て>
少女は北東の小さな田舎町で生まれた。
ありふれた家族の普通の日常はそれから間もなく崩壊する。
少女誕生から半年ほどが過ぎた頃、とある研究機関の研究者だった
父が大規模実験のため呼び出され、地方の大学教授として講師をしていた
母も家を離れる結果となった。実家の親戚に預けられた少女は
まだ幼く、両親をきちんと認識しないまま二度と会うことはなかった。
当時、突発的に発生していた地域紛争に巻き込まれ
少女は故郷から母の居た大学へと住所を変え、
辛くも戦火を逃れたが親戚はほとんど消息を絶った。
その件を聞きつけ、父も少女の下へ急行するが
道中で交通事故に遭う。残された母親と少女は
大学の一室を借りて衣食住を共にしていた。
しかし、平穏な生活が続くことはなく
母は数年前から患っていた病気で他界してしまう。
こうして少女は孤児となった偽りの記憶を刻まれる。
真実は不明だが、IIOの総合情報研究所で優秀な遺伝子を
基に生み出された一種のクローンのような存在だと思われる。
<IIO接触>
記憶情報では、孤児として数年間孤独に生き続けた少女を
保護する形でIIOの氷見が少女と接触。
そのままIIOに所属することで自分の居場所を見つけた
少女は僅かに違和感を覚えながらも組織に忠実となる。
人体的な実験を経て、特殊技術を編み出し
少女は半分、人工的に誕生した。少女は若年でありながら
大人を凌駕する身体能力を持っていたが、特異性を大きくしないために
敢えて力量を抑制することで目立った変化は見られない。
内面的な部分では、生存への執着が異常であり、
無意識でも死を逆行する意志と、それらを支える精神性、
どんな状況からも生還する非常識な存在となった。
これは、人間の生命本来の自然の在り方を追求し、
下手な人体改造や際立った優秀な点ではなく
本能の部分にある、"生きる"という概念自体を
体現化したものであり、少女は常人に比べ脅威的な生存能力を有している。
複雑な情報体系によって導かれた生きるための生命。
それがこの少女であり、人間そのものの姿なのだ。
<名を持たぬ少女>
唯一、少女の欠陥といえる点は感情の希薄化である。
人間性を失った機械のように、少女は外見相応の愛らしさも
生者としての活力も持ち合わせていなかった。
GILの視察に来たオーラムはそのことを指摘し、少女を
より人間らしく人間であるままに感情を呼び起こせと研究員に通達する。
感情を刺激するため、あらゆる手段を尽くそうとしたが
痛みを与えることは深刻な傷害になり得るので禁止された。
オーラムが求めたのは究極の人間である。
人間としての理性や知性がなければ人間ではないし
人間を超越し過ぎた存在もまた、人間とは呼べない。
だが、万物の頂きに到達するような至高の存在を人間とするなら、
優れた技能がなくてはいけない。それは、単純に人間が得られる
運動神経や知識に留まらず、生命体の本能、"生"への活力こそが
あらゆる人間の淘汰から生存し、滅びの運命を変革できる存在だと
オーラムは考えた。その答えとして、少女は生きているのだ。
決して死ぬことがない少女はまだ、自分を知らずにいた。
<少女期間>
少女は遺伝的な工作などで老化を非常に遅延された存在であり、
普通の人間に比べ老いる速度があまりにも遅い。
しかし生きる時間は同一のため、まるで不老不死になったかのように
少女は生きている。
―
〈パラダイムタイムチャート〉:観察者Aの視点
0.IIO機関暗躍/月崎家の日常
1.アスワルドがIIO機関から派遣されて光学近辺へ到着
2.背教者パルテノペ{code11}が光学に潜伏
3.救助者に任命されたアスワルドがパルテノペに接触するため光学に潜入(情報収集)
4.耀の苦悩/連続失踪事件のニュース
5.友達に相談する/情務課、動く
6.鏡花がいなくなる/尾行者後城
7.困惑する耀/後城登場
8.パルテノペと対峙するアスワルド
9.逃走したパルテノペを追って、月崎家付近へ向かうアスワルド
10.帰宅した耀とアスワルドが遭遇(すぐに消える)
11.撤退後、情報の露呈を防ぐため耀の監視を命じられるアスワルド
12.後城が課に戻って報告/思慮に耽る耀
13.パルテノペの潜伏場所が判明し、急行するアスワルド
14.深夜、廃工場でパルテノペと戦闘
15.樹が偶然その現場を目撃してしまい、アスワルドの注意が逸れる(樹はすぐに去った)
16.アスワルドが油断した隙をみて、パルテノペの仲間
背教者ローランシア{code162}が現れる そのまま撤退
17.証拠隠滅の機会を探るためIIOから新たに派遣された
傍観者マリア{code170}に樹の監視を任せ、パルテノペの処理は一先ず
先送りとなり、アスワルドは引き続き耀の監視を命じられる
18.翌日、月崎耀に関心を抱いたオーラムの直接的な命令により
光月学園に通うこととなったアスワルド
19.光学、乙子が耀を呼び出し、職員室に行くとそこには後城が居た
20.後城の情報を聞いて鏡花が生存していることを確信した耀は
放課後、最後に鏡花を見た公園の空き地へと赴く
21.ブランコに一人の少女、服装こそ違えどそれは以前遭遇したアスワルドだった
22.同時刻、何かの視線を感じた樹は耀と話をするため月崎家に足を運ぶ
23.アスワルドを引き留める耀の脳裏に過る酷似するおぼろげな面影、(真束九十九)
不思議に思ったがアスワルドはまたしても姿を消してしまった
24.帰宅後、待機していた樹が耀を出迎え、互いに情報交換
25.第三の失踪者(隠蔽される)/後城、綾霧、大平の三人が本格的に調査を開始する
26.次の日、学園の転入手続きをするアスワルドと氷見(保護者は氷見)
27.アスワルドとの戦闘で負傷した傷が完治したパルテノペが
ローランシアと共に光学を襲撃(乙子等の働きで生徒に被害はない)
28.体育館に退避した生徒の中、耀は倉庫へと歩く鏡花の姿を発見する
29.鏡花を追って、体育館倉庫に踏み入れた耀はローランシアの仕掛けた罠にかかる
30.後城たちが駆け付けるが耀が人質にされ、手出しできない
31.様子を見ていた氷見がアスワルドを送り、生徒の中に紛れ込ませる
32.制服姿のアスワルドが一瞬の隙を縫って、耀を救出/同時に、後城たちも動く
33.パルテノペが目的を達成し、ローランシアと共に撤退
34.アスワルドにお姫様抱っこされる耀 事件収拾/氷見が逃げたローランシア
の先回りをし、質問する その後、何事もなかったように見逃す
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