空想設定txt.1 主題:ヒーローもの
アニメや小説展開を夢想した順不同なネタ・設定だけ
過去に思案した設定のテキストの公開。特に改編して
いないので見辛い可能性有。その当時
碌に小説などを愛読していたわけではないので文才は無い。
本編ではなく、飽く迄設定だけなので悪しからず。
txt最終更新:2019 3/10 約200KB *データ上の記録の為信用性は低い
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【相剋のサンタルシア -darken the resplendent-】
#fine
=メインキャラクター=
[九維]
glintを修理する間、隠密作戦用に開発されていたpale shadowを装着。
以降CIPC特別隊員と正式に認可される。
[空弘真]
葦原の役所で警備員をしていたが藤波署発足で異例の異動を果たし大八洲へ移住。
直前に先輩であった坤儀泰一が失踪し人材が不足していた藤波署に志願する形で配属。
以後は赤須を上司として大八洲を警邏する新米警官となる。規定に則った
適性診断ではフェルムの着用ラインをギリギリ通過しているものの機会に恵まれず、
また本人もフェルムを快く思っていないことから一度もフェルムを着用していない。
[九十九空音]
守護者でありつつも使命を全うせず自由奔放に遊離する少女。
基本的に誰にでも存在し得る境界線が"視えない"維に非常に興味を持っており、
個人的な関わりを持とうと接触する。来るべき厄災から世界を救済する存在を選出する
という本来の使命に沿って完成直後のglintに着眼し、それを扱うべき適格者を
探していた所、維を発見し彼女にglintを託す。
終盤で維と対峙しglintを損壊させるが、それは力量を試したのと
守護者の使命に従ったまでだが直ぐに態度を変え、その後に共闘するようになる。
[百部晃]
伝承を継承する一族、百部家の跡取り。歴史の編纂者たる百部家由来の知識と
恩人である誼から教わった霊妙の儀、さらに岸に師事して学んだ無上一刀流を
使いこなしフェルムを着用できない体質を持ち前の技量だけでカバーしている。
サイトレスの存在も文献で知っており常人でありながら僅かに感知できる。
洞察力や行動力に優れ、少年不相応な達観した見識や思慮を持つ。
現実的である一方で心の底では英雄に憧憬するなど子供染みた願望もある。
序盤は弘真に助力し、彼の立場を利用して聖域を調べていたが
サイトレスが顕現するようになると仮面の騎士として参上する。
~序章―1章~<主な舞台:大八洲>
-登場人物①-
○九源五郎
○九瑞穂
○九旭
○九沙羅
(九康春)
□風巻遼
□風巻雪加
□紅雨
(紅霞)
(紅鏡)
□葛静
□天塚紫陽
□霊代蓬
◇鉱方途
◇灰緑藍
◇ジャジャ
◇上林清音
△赤須智明
▽紫藤鶲
▽虎杖晨
▽沢瀉二葉
▽四之宮茜
▽皓月秋明
▽倉澤季史
▽岸一
▽渡会
▽名方刀美
▽見野吉利
■紫炎 [1]
維のglintを狙うも助けに入った晨と交戦し撃退される。
■キニス [1]
上層部(陽春)の命令でNEOの協同作戦に参加。一環としてアズハルの事件を援護し、
SP1との対峙で鶲達の足止めを務めた。
■アズハル [1]
フェルムの一団を使って各地の施設や工場襲撃を煽動する男。
一章~二章のメインヴィランの一人。
強い物、珍しいフェルムを集めて大規模テロを画策している。
■シェイク [1]
一章におけるNEOの事実上のトップ。鬼灯の計画に協力し
"第二段階"達成の為にNEOの存在を社会に認知させる。
■アディア [1]
シェイクに付き添いNEOの放送を担当した。
■虚魑魅 [1]
弘真が追う怪奇事件の犯人。
■鬼灯博士 [1]
■デッドハンド(試作型)
二話のヴィラン。この時点では未完成で人格データもインプットされていない。
物言わぬ機械人形だが戦闘用フェルムを凌駕する性能と装甲を持つ。
(プラウド・ロセウス)
(百済善導)
(連空輪)
(雨霧壮志)
(玉垣)
(浦安)
◆飛電 [1]
一章のメインヴィラン。自分の動向を探らせない為にアズハルを利用しようと
一話の終盤でアズハルを助ける。物語終盤、晃の助力でアジトを突き止め、
サイトレスを統御・増幅するコアを破壊される。
その後菜等の働きかけもあって大八洲から撤退。
■ラスカル・ブラックガード [1]
色々な事件に関与する小悪党。
〈miscreant〉
▽菜 [1]
最近事件が頻発し問題視されるNEOの動きが活発化している
大八洲の調査に光華と共に来た。葦原の調査員としての身分で
鉄線蓮であることは秘匿している。
▽光華 [1]
政府が派遣したエージェントとして登場。
アンノウンであるサイトレスの確認という菜とは別の使命も帯びている。
▽黄蓮
▽浅紅
▽雎鳩
▽柏槙
◇ジェスト
~2章~<主な舞台:大八洲、セカンドシティ>
-登場人物②-
▽フランド・クロウフット
セカンドシティで維達を迎えたCIPC長官。
▽スワード・ウォーデン
クィンクェに出張していたエージェント。秋明の指令で他国に散ったNEO構成員の
動向を探っていたがエドロスの足取りを察知し大八洲に帰国する。
結果的にそれはタロンの流した偽の情報であったが維達が不在の間、
大八洲を襲撃したリボークとその罠に立ち向かい、CIPCの窮地を救う。
その後、サイトレス対策のため一時残留し、アンナマリアとの出来事で
心なしか消沈する鶲と再会し、激励するように声を掛けると直ぐに葦原へ発った。
▽グラム・レッドウッド
◇ヘザー・アシェン
維達に護衛を依頼する。
△六連星戍
夕波署の署長。赤須にして天才と言わしめる傑物。
△卍巴(まんじともえ)
六連星の部下。
■リボーク
■タロン
(エドロス・エルデスト)
■ネイブ・フィルス
ラスカルの協力者。
〈mauvais〉
■ヒューム・パッフ
煙を操るヴィ・マギア。覚醒の進行が早く、各地でのサイトレス出現事件を
経て数件で融和に至った。適性は低かったが複数のサイトレスを取り込んだことで
急激に成長し強大な力を得る。
《reek mantle》
煙のマント。ヴィ・マギアの力を解放した状態で、この時に受ける攻撃は
殆ど無効化される。通常時とは違い複数種の煙を同時に操ることができ、
微細な粒子にまで変換する。当然、相手の気管に侵入させ窒息させることも可能。
■ラフィアン・レッチ
ヒュームに従う知能犯。
〈varlet〉
■サグ・マッグ
凶悪な重犯罪者。ヒュームの起こした事件の隙を突いて脱獄し逃げ延びた先で
サイトレスに襲われる。結果的に融和するが融合には失敗し、半分暴走状態で
辛くも自我を保っていた。サイトレスに誘発されるまでもなく元々あった
破壊衝動が勝り、制御を強引に奪ったことで結晶化を変質させ
それをそのまま武器として使うようになる。肉体組織も変容しており非常に頑強。
■アンナマリア(マリー・アン)
鶲の旧友。フェルムの適性を図り、人材を育成する養成学校で共に過ごし
戦友でもあり姉妹のような関係でもあった。数年振りに再会するが
別れ際の一件で遺恨が残っており敵愾していた。激闘の末、和解するも
ネイブの放った銃弾がヘリックスの力で強化され鶲を庇って致命傷を受ける。
〈Out of Order〉
規格外のフェルム。SP1の使う実戦用フェルムに匹敵、それ以上の性能を持ち
装備に依存しない汎用性の高さもある。しかし装着者の負担は度外視されており
玄人でも扱いきれないじゃじゃ馬。
◆ヘリックス・スワール
ヴォルテックスが予め"分身"を遅延覚醒する原種のサイトレスに宿し
現在になって甦った存在。本体であるヴォルテックスより劣るが
同質の渦の力を扱え、尖兵として情報収集目的で潜伏させていた。
素性を隠し普段はヘリックス・スワールと名乗り
世界に破壊と混沌を撒き散らしながら自らの野望の為の諜報を続ける。
~3章~<主な舞台:大八洲、天穹>
-登場人物③-
□アルーフ・ロット
天穹の観光案内人。CIPCとの合同調査で来訪した維達をガイドした。
実は"硝烟"の一員で彈炮に脅されて犯罪に加担していた。
△風車信太郎(かざぐるましんたろう)
逆浪署から派遣されている天穹の巡査。
△虎狼
無明の命令で侵入した秀道等と激闘を繰り広げるがオーバーテイクの罠に掛かり
重傷を負わされる。その後に到着したSP1に随行していた茜の治療を受け
一命は取り留める。
△無明
最後まで抗戦するがアースショックによって圧殺される。
◇鳳尾蕉
◇旭影
▽菜 [3]
天穹監獄にてSP1に同行し突入を援護した。
▽光華 [3]
監獄内非常通路でベリス、未央を見つけるもレンブラントの介入で見失う。
▽モリス・アントス
葦原各所に出現したサイトレスを殲滅し、同時にNEOの末端機関を壊滅させ
任務を終えると鉄線蓮を招集し議論を交わす。その後
大八洲で暴れるヴィ・マギアを鎮圧すると
密偵を続けていた菜と光華からNEOの不審な動きを察知したと報告を受け、
秀道等の天穹襲撃から即座に出立し、
鉄線蓮のリーダーとしてレベルナイン脱獄阻止作戦を敢行。
監獄内で暴れる各員と交戦しつつシラーを追い詰めるも逃してしまう。
直後に遭遇したフォリアに暗号を伝え間諜として自覚させた。
▽八葉
モリスに先んじて天穹へ潜入。路傍の無法者を無力化しながら襲撃されていた
監獄施設へ辿り着くと維達が苦戦したタービュラント、
レトログレード、オーバーテイクの三人を同時に相手し息を乱さず
軽くあしらい占拠された管理中枢を制圧し、大量脱獄を防いだ。
その後も監獄内の鎮圧を手際良く行い、最後までレベルナインを追撃したが
劍の横槍で逃亡を許してしまう。
▽シェパード
アゼリアと共に天穹に来着。監獄外の絶対防衛ラインに加わり
弘真達に協力し秀道逮捕に尽力した。
▽アゼリア
監獄内でタービュラントと交戦しフェルムを破損させる。その後、
脱出を図るルブラ、ショウマ、イズイと遭遇。グレイグの妨害に遭い
惜しくも取り逃がす。
▽エディ・スターライク
現場には現れず、葦原からの情報連絡をしつつ後方支援に徹する。
■秀道(シュードウ)
本名は波間秀道(はまひでみち)。NEOのプラウドから情報提供を受けて
レベルナイン脱獄計画に助力。サイトレス出現直後からヴィ・マギアに目を付け
覚醒したての適格者を集め、独自に組織していた。元々はハイテック社の
フェルム開発部門の技術者で未熟なヴィ・マギアを補佐すべく
特殊なフェルムを与えている。
■タービュラント
秀道が集めたヴィ・マギアの一人。他の三人同様にセカンドシティから
天穹の地下牢獄へ収監されていた過去を失った者。ヴォルテックスの持つ渦の力に
相似した大波を御す力に目覚める。しかし扱いが上手くできず専用のフェルム
"restless"がなければ制御できない。
アゼリアにフェルムを損壊させられた後、追撃した二葉によって倒される。
フェルムが破損していなければ二葉も危うく、強敵であった。
〈restless/tidal bore〉
■アースショック
秀道に従うヴィ・マギア。空気を圧縮し空間に圧力を掛ける力を持つ。
監獄侵攻時には先陣を切って暴れ回り先行し過ぎたために孤立したが
おかげで鉄線蓮と遭遇せず深部に到達。追いついた維、空音と交戦し
苦戦させるも空音の機転で能力を封じられ敗北した。
〈seismic smother/relentless pressure〉
■レトログレード
秀道に協力するヴィ・マギア。
封じられた・蓄積された力などを解放する能力がある。
様々な相手と何度か戦った後、秀道の脱出を援護すべく包囲網を抜けようとするが
晃に足止めされ晨との共闘で打倒される。
〈sunlit strain/unleash〉
■オーバーテイク
秀道を利用するヴィ・マギア。あらゆる要素を希薄にさせる能力を持つ。
忠誠心は薄く自分が窮地となるや秀道を見限り、脱出を図る。
CIPC、警察機構、鉄線蓮の敷いた包囲網を抜け無事脱出する。
その後の消息は掴めていない。
〈overwhelm/rarefaction〉
■ベイルファイア
爆弾魔のベイルファイアとして登場。この時点ではまだ正式にNEOにはおらず
情報交換だけを行っている。二章でヘザーによって"烽火の団"を壊滅に追い込まれた
直後であり、この一件の後にプラウドにスカウトされてNEOに加わる。
■劍
◆彈炮(ダンパオ)
天穹で悪事を働く武器商人。NEOとも関わりのある密売組織"硝烟"を以て
鳳尾蕉と取引しようとするも失敗。腹癒せにベイルファイアと結託し
鳳尾蕉の邸宅を爆破するがそれはダミーで最終的に旭影に処断される。
天穹内に武器を大量に密輸し武装市民や破落戸に与えたことで大事件が起こり
レベルナイン脱獄の発端を作り出した張本人。
▼シラー
▼ルブラ
▼ショウマ
▼イズイ
▼グレイグ
▼ベリス
▼未央
▼レンブラント
▼フォリア
◆リガー・スティール
ソーサリー・フォーサーに加入する前の破落戸だったリガー。
ヴィ・マギアに覚醒したてで数度目の脱獄を経て接触したシェイクが
レベルナイン脱獄計画の手助けにと協力を要請し、九名の捕らえられていた
絶対に敗れない牢獄を一部破壊した。その後の騒動に紛れ早々に撤退した為
誰とも鉢合わせせず放浪の旅へと出る。
-vol.1-
0 : この世の理(壱)
I : 紙上の空
長いダイアログの後、非番に張り込みを命じられた新米警官の弘真は
CIPCから送られた協力者、渡会の指示で中央公園で待機する。
暫く想念を回帰していると記念祭の会場予定地から突如として爆音が響く。
地下から何かが吹き上がったと見上げれば空に
無数の翳りが瞬きビルとビルとを渡り駆ける。
それはちょうど弘真が大八洲を初めて訪れた時にも目にした
鎧のような姿、"フェルム"を着た集団だった。
事件を察知した弘真はその場を離れるがその数分後には
張り込みの目的だった逃亡中の研究員が現れる。
そんなことも知らず、フェルムの集団を追う弘真は
既に廃墟となった高層ビルの屋上に辿り着く。
そこで自殺しようとしているように見える少女、維を止める弘真だったが
時を同じく、フェルムを駆って現れた謎の一団が各地を襲撃し始める。
奇しくも攻撃目標にされたビルは倒壊寸前となり、弘真はその衝撃で見失った維を
捜しながら脱出を試みる。階下に転落した維はアタッシュケースを布団代わりに
無傷で済んだが損傷したことで緊急認証シークエンスが起動してしまう。
空音の目論見通り"glint"の適格者となった維だがフェルムのオートコントロールに
振り回されビルから飛び出す。そして中空、
現況を理解しえぬまま夕焼けを背に維は今日を振り返る。
記念祭の準備に乗り気の九一家。源五郎の提案で維も参加することになった
"ライトフェルム"の試験運動兼デモンストレーションで使うフェルムを受け取る為
工房へ足を運ぶ。そこには誰もおらず後から空音と名乗る少女が現れ
強引に連れ出される。散々連れまわされた挙句、謎のアタッシュケースを渡され
空音はそのまま何処かへ消え去る。それから、起動した性能試験ガイダンスに従って
とあるビルの屋上を目指す。その縁から見えるらしい日没直前の星を見ようと
身を乗り出したとき、弘真は現れた。一方で
謎の一団が標的とする一つに"glint"があった。研究施設を襲った一員の報告で
持ち出された"glint"を維が所持していることが判明する。
そうして狙われた維は天性の資質から早くも"glint"を制御し始めるが
テロリスト、アズハルが放った刺客が立ちはだかる。
フェルムを使った初めての実戦に戸惑う維だったが"glint"の性能に助けられ
追っ手を振り切ることに成功する。小休止する維は渡会と共に追い付いた弘真と
再会し、渡会の説得で一団の逮捕協力をすることとなる。
通信用の無線を受け取り、維と弘真はそれぞれ別々に渡会の指定した地点へ向かう。
道中、維は茜の誘導を受けて迷うことなく目的地に到達するがそこは既に
蛻の殻となっていた。弘真からの連絡を待つ間、忍び込んだ紫炎と遭遇し
一触即発となるが先行して調査に赴いていたSP1が合流し維の窮地を救う。その頃
漸く不調だった通信が一時的に回復した弘真はアズハルの手下である
フェルム部隊に追われていた。路地裏に追い込まれ絶体絶命となる弘真の前に
謎の少年、百部晃が現れる。独特の構えで剣術を披露しフェルム部隊を一蹴する
晃と共に辛くも生き延びた弘真は
晃の情報によって通信が妨害されていることとフェルムの一団の背後にいる
アズハルとNEOの片鱗を知り、赤須へ報告する為に妨害電波の遮断を試みる。
晃の助力もありアズハルが占拠していた電波塔を破壊した弘真は
フェルム部隊との戦闘で壊された携帯電話の代用として通信施設へ向かうことを
提案するが晃はそこもアズハルによって制圧されていると言う。
一瞬だけ連絡を受けた維は弘真の安否を気にしながらも鶲達にCIPC本部へ連れられ
"glint"の説明や互いに情報交換をしつつ秋明が直々に立案した
アズハルの本拠鎮圧に乗り出す。一般人である維を気遣う二葉の申し出で
実際の作戦行動には鶲と晨の二人だけで行うことにしたが
二人を見送った維と二葉の背後に忍び寄る影があった。
その頃、通信施設に辿り着いた弘真と晃は予想より敵が少ないことに警戒していた。
晃が数人の見張りを無力化すると施設内は無人で通信設備を奪還するが
システムトラップが作動し通信が遮断されてしまう。晃は備え付けの
緊急用固定電話から鉱方途と連絡を取り遠隔ハッキングでトラップの解除を依頼する。
待つ間、弘真は外にあった車両の特徴的なマークから
工村祈子の事件で容疑を掛けられた犯人が発言した仲介人を思い出し
アズハルの実働部隊が運送業者に扮していることを見抜く。
茜の誘導でアジトを強襲した鶲と晨。案の定フェルムの集団が待ち構え交戦し
全員を拿捕する。しかしそこには首謀者アズハルの姿はなかった。
アズハルの足取りを見失った鶲達に本部から緊急連絡が入る。
その頃、通信を復旧し無事赤須に報告を完了した弘真は
渡会と赤須の情報でアズハルに次なる計画があることを知らされ
仮設空港に急行することになる。同時に維達もアズハルの目的が輸送機の墜落だと知る。
大八洲建都以降の最悪のテロとなった今回の事件。標的を記念祭会場に向け
コントロールを失った大型輸送機が急降下を始めていた。それに対し
CIPC主導の下、阻止計画が開始。鶲の"Revenger"によって墜落軌道を逸らしたが
依然として脅威は免れない。長大な滑走路へ軌道を修正し、それを地上で迎え撃ち
エネルギーの相殺を試みる。第一滑走路には二葉が立候補し完全着装の"arcus"で射る。
続く第二滑走路で晨が設置された跳躍台を使って飛翔し空中で余分な部分を切断、
燃料系統を寸断した。それでも勢いは衰えず最後の第三滑走路、維が
"glint"のフルシステムを発揮し輸送機を受け止める決心をする。
多少破損したものの何とか輸送機を食い止めアズハルのテロを防ぐことができた。
同時刻、逃走したアズハルを追って弘真と晃は運送トラックの列を発見する。
その中の一両にアズハルが乗っていることを確認し渡会が交通を封鎖して
追い付いた弘真達によって逮捕される寸前、アズハルは奇妙な男に助けられ
そのまま行方を晦ます。テロの騒動で記念祭は中止となるが
九家は疲れ切った維を温かく迎え、彼女の長い一日は幕を閉じた。
II : 不善なる旗標
役目から解放され久々の休日を謳歌する風巻遼は観光センターで雪加への
誕生日プレゼントを購入していたが沙羅と紅雨が路地裏に入っていくのを目撃し
焦っていた。二者を追っていくと角にある廃ビルに入ったので逢瀬と思い
引き返すが直後にビルが倒壊する。急いで駆け寄る遼だったがそこに二人はおらず
あるのは奇妙な機械の残骸だった。遼はそのことを気にして知人である赤須に相談する。
報せを受けた赤須も同様の事件が続発している現状に頭を悩ませていた。
当然のように弘真に報告が多発する周辺の捜査を命じ、やがてその中心にある
無人であるはずの屋敷が怪しいと見当を付ける。弘真がそこへ強制捜査として
踏み込むと巨大な装置が設置されており、そこから人型機械が出現した。
咄嗟に身を屈めてやり過ごした弘真はデータを盗み出し持ち帰る。
その後、徐々に実態を掴みつつあるCIPCの情報提供により一連の事件は
NEOのマッドサイエンティスト、鬼灯博士による計画だと判明する。
擬似フェルムを試作する鬼灯はその素体として様々な人間のデータを収集し
実験を繰り返していた。CIPCの妨害を危惧した鬼灯は完成までの間、
シェイクに護衛を依頼する。シェイクが手配したフェルム戦闘員が暗躍する中、
NEOの脅威を悟ったCIPCは政府の要請で派遣されていた菜と光華に助力を頼み
一時的な合同作戦を展開する。一方で維は鶲にフェルムの訓練を勧められ、
天塚紫陽の下を訪ねる。弟子は取らず、他者を遠ざけていた紫陽だったが
維の素質と内にある可能性を気取り、自然法爾流の基礎だけは教えると約束する。
報告を終えた弘真は晃と再会し、強引に調査の同行をさせられる。
晃は蜻蛉の杜を調べに来たと言い、その管理をする霊代宗家との接触を図ろうと
弘真の肩書きを利用するも門前払いされる。そんな矢先、
虚魑魅と名乗る怪しい人物が起こした事件と遭遇し弘真は捜査を引き継ぐ。
虚魑魅の行動を追う内、NEOとの繋がりを察知した弘真と晃は
独自に調査をしていた私立探偵、葛静の介入で足取りを見失うが危険を感じた赤須に
これ以上の詮索はしない方がいいと念を押される。不燃焼な形で捜査を終えた
弘真にCIPCの渡会から連絡が入る。大八洲のシンボルである霊堂が
NEOの一団に占拠されたという。現場に到着した弘真に知らされる、
信仰教団の教徒を人質に立て籠もる犯人は工村祈子の事件で逮捕され
拘留されていたはずのあの小悪党だった。弘真の説得と渡会指揮下の作戦部隊の
突入により男は逮捕され霊堂は解放されたが男は以前同様に教唆した黒幕がいると自供。
その正体は財界を牛耳る帝国連合政府の要人、カウフマン伯爵だった。
俄には信じ難い一方で良からぬ悪評も多いカウフマンに得心する赤須。
なればこそ手出しができない相手であることは明白で、どうしようもない
現状に弘真は無力を痛感していた。その頃維は紫陽も驚くほどに自然法爾流を
習得していた。本来形式が存在しない自然法爾流には適正がなかったが
維は半日も掛からず蘊奥に辿り着く。紫陽は維に「後は己心で鍛練せよ」と言い残し
道場から去って行く。それから帰路についた維はその途上で偶然にも
鬼灯が外へと放った完成したばかりのデッドハンドと遭遇してしまう。
glintをCIPCの研究施設に置いてきていた維は無防備で、自然法爾流を駆使しつつ
遁走しようとするが完全に標的にされ袋小路に追い詰められてしまう。
そこを救ったのは騎士を装うjusticiaを着込んだ岸一だった。
岸によってデッドハンドを退けCIPCに戻った維は
基本解析を終えたglintと専用の保管用ケースを受け取り
以後の管理を自主的に任せられる。それと同時に仮のCIPC特別隊員に任命される。
CIPCへの出入りや相互協力は自由で緊急情報も優先され
無量の待遇を提供されることとなった維だが未だ解明不全で貴重なglintを容易く
管理下から見放すわけもなく秋明は秘密裏に監視役として
九家の隣人である灰緑藍に協力を依頼し、緑藍は飼い猫である
ジャジャに維の動向を見守るよう指示した。そうとは知らず、維は
glintを狙うデッドハンドから身を隠すため一日だけ二葉の家に泊まることになった。
二葉との語らいでこの世界に根付く"闇"と来るべき脅威について
再認識し、平生を護るために戦う使命を教えられる。
その時、別の任務で鶲と晨が不在の間、CIPC本部がデッドハンドに襲撃される。
対抗できるのは宿舎に居た岸だけ。無標を手に一人立ち向かう岸が
無上一刀流の奥義でデッドハンドを撃破したかに見えたが
何度倒しても再生し立ち上がるデッドハンドに圧されていく。
劣勢と見た秋明が封印されていた自分のフェルムを着るべきか逡巡する須臾、
紫炎が突如現れ、デッドハンドを制止する。仲間割れではなく
岸との戦闘で破損したデッドハンドの通信装置の連絡を代弁するとして
鬼灯が遣わしたのだった。それによりデッドハンドは撤退。岸は事なきを得た。
秋明は鬼灯の手際からデッドハンドがまだ完全ではないことを推察し
調査を続けていた菜に追尾するよう頼む。NEOの拠点の目星を付けていた菜は
別行動中の光華と連絡を取り鬼灯が潜む隠れ家へ奇襲を掛ける。しかし
そこに鬼灯はおらずキニスが待ち構えていた。同じ政府側の刺客であるキニスは
無用な争いを避け早々に退散する。それを訝しむ菜だったが追わずに
鬼灯の本当の潜伏場所を割り出す。その情報を秋明経由で弘真に伝達されると
弘真は偵察に駆り出す。明朝、起床した維は二葉に連れられCIPCしか立ち入れない
調査区域を訪れる。郊外の外れにあるロストエリアに侵蝕されていた場所、
浄化を終えた後も未だ消えぬ闇の痕跡を感慨深く捉える維。小休止して
二人は踵を返すが道中で虚魑魅の急襲を受ける。他のNEOメンバーと同じく維の
glintを狙っているようだが虚魑魅は目的を判然とせず弄ぶように維を襲う。
持参していた二葉はspeciosaで、維はglintを着装し応戦する。
まるで亡霊の如く消失と現出を繰り返し攻防する虚魑魅に苦戦する二人を前に
NEOの緊急招集の令を受けて虚魑魅は去り、難を逃れた。
時を同じく、霊代宗家を訪問する光華は蓬と面会し蜻蛉の杜の実地調査を
申し出る。自らを鉄線蓮と明かし、事の重大さを理解した蓬はそれを快諾する。
弘真と別れ単独行動を取っていた晃はそんな様子を遠目に百部家の秘蔵する叢書を
帯出し歴史の節目を感じていた。一方でCIPC本部へ立ち寄った菜が突き止めた
鬼灯の居場所の候補、研究所跡地へ赴いた弘真は無人の施設内から
あの屋敷の地下にあった装置と同じものを発見。しかしやはりそこにも
鬼灯の姿はなかった。ダミーであることを目算していた菜は次なる候補地として
海上を指し示す。そう、鬼灯は小型舟艇で国外への逃亡を図っていたのだ。
大八洲に面する岸辺の湖海は雄大で迂回することとなるが向こう岸に辿り着けば
反対の天穹に渡海できる。最も広く、唯一である大海を渡航するのは困難であるが
成せば逃げ切ったことになる。国法の違う天穹では大八洲の法律で裁けない。
今取り逃せば鬼灯を断罪するのは遠のくだろう。CIPCが全力で鬼灯の追跡を
行おうとした矢先、解放された霊堂から広域の電波妨害が発生し
電波ジャックを行い各地の中継に割り込んだ。映し出されたNEOの指導者と名乗る
プラウド・ロセウスはNEOのその存在を実体無き悪と称し、堂々と宣戦布告する。
その数時間前、匿名の連絡が入り維に鬼灯逃亡阻止の指令が下る。
正体不明の相手からの要請に困惑する維だったが秋明が先んじて送り出した
茜と合流し報告を受けた二葉から緊急事態だと告げられる。民間人の維は
拒否することも出来たが自ら進んで受け入れ、作戦に加わることを志願する。
手負いの岸を治療する傍ら非常勤の通信士、見野吉利は水面下で進行する
鬼灯追跡作戦の人員に組み込まれ本部から通信で維達を誘導する。
先見する秋明は今後に起こる事件を予見し、政府からの圧力を避けるべく
CIPCの戦力を二分したのだった。鬼灯の残したデータを確保、処分する役目は
弘真が請け負い詳細は伏せられたものの各地に点在する施設を隈なく探していた。
同時に赤須が行方不明者等のリストを完成させその救助に渡会も追われることとなる。
港に到着した維と二葉、茜の三名はCIPCの運送大型車から装備を受け取り
各々完全装備で大海を望む。湾内には幾重にも設けられた防波堤があり、
足止めを食らった鬼灯の乗った舟艇もまだ目視できる範囲にあった。
都市が所有する高速船艇に搭乗し、吉利の案内で維達は鬼灯の舟艇に追い付くも
ボートから強襲するデッドハンドの妨害を受け、鬼灯に接近できずにいた。
茜は舟艇の操舵を邪魔し、二葉は鬼灯を捉え、維はデッドハンドと対峙する。
船上の激闘となったデッドハンドと維の戦いは不安定な足場を物ともしない
デッドハンドが優勢だった。glintを完全に使いこなせない維は感性と自然法爾流の
泰然さを持ち合わせて何とか渡り合うが驚異の生存力を誇るデッドハンドに
消耗させられる。二葉は吉利のサポートを受け動力の箇所を見つけ出す。
舟艇の動きにタイミングを合わせ射るために吉利のカウントに従う二葉だったが
その時、NEOの宣戦布告が始まり通信が遮断されてしまう。
同じくして茜と連携して戦闘していた維もデッドハンドの乗り込んだボート内で孤立し、
glintに損害を与えられてしまう。窮地に陥った維は意識を混濁させると
腕の表面に光り輝く奇妙な紋様が表れ始める。不可思議な記憶を垣間見て
正気を取り戻した次の瞬間、維は粉々に破壊されたデッドハンドを括目する。
自身がそれをやったと実感できないまま復旧した通信で茜に呼び戻され高速船艇に戻る。
二葉は自分でタイミングを見極め鬼灯の居場所を感知する。
一射二射と外れたが気持ちを整えた最後の最後で放った二葉の矢が動力部を貫き、
舟艇は爆散したかに見えた。そして事件はやがて収束し維達は帰還する。
だがその後の調査でも鬼灯の遺体や痕跡は発見できなかった。
宣戦布告から数刻。専用の高速列車で
一路、葦原へ帰国した菜と光華は画面越しに連ら首脳に事の顛末を報告し
政府は混乱が鎮まるまでCIPC並びに関係各所へ行動を控えるよう圧力を掛ける。
しかしその後にNEOの人員は表舞台から消え、社会の闇に潜んでいった。
次なる計画の時まで人々は多大なる不安の中、僅かな安息を取り戻したのだった。
III : 視えざる悪念
NEOの事件から一週間。平穏を取り戻した大八洲では源五郎が立ち上げた
細やかな催しが開かれていた。glintを所持していることは隠し、維もパーティを
楽しんでいたがあの日以来見かけなかった空音が突然現れ、警告をされる。
不可視の存在が闇より襲来することを。半信半疑で警戒する維は翌日、
旭が影のようなものに攫われる現場に遭遇しそれを追って行く。
維は生身の状態だったがglintはその存在に呼応するかのように遠隔起動し
影に囲まれた維の下へと飛来する。已む無くglintを装着すると特別なサーチモードが
作動し影の正体を捉える。それらは維を一瞥すると霧のように消え去った。
同じ頃、CIPCの調査隊が帰還しロストエリアの侵蝕が早まっていることを報告。
秋明はそれに対し情報局への通告は尚早と見て藤波署と協力して巡査を行う。
弘真も招集され担当するのは住宅街で、九家の邸宅もその範囲にあった。
そして公園で休息していた維と出会い同じような事件が相次いでることを知らせる。
CIPCでも例外無くその対処に追われていたが正体不明で認識できない相手に
どうすることもできず避難者の受け入れや救助、事後処理を行うだけであった。
任務から戻った鶲と晨を加えCIPC本部ではこの事態に緊急対策会議を開く。
そこには御意見番として招かれた蓬の姿もあった。不明な敵に対し
打開策は見いだせずにいたが晃が現れ、百部家の伝承の一端を語り始める。
晃の話によって視えざる存在、サイトレスの脅威を認識した面々。
秋明は尚更人手不足を痛感し民間の協力者を募ることを発案する。
最初は静や一般市民が警護や周辺の調査を申し出て警察との連携も強まる。
そして、黄蓮率いる個人調査団の"フォアフォース"も協力することになり
大八洲の警備体制は整いつつあった。glintの解析を継続していた倉澤は
通常のフェルムにはない機構の一つにサイトレスを感知する機能があると発見し
それを汎用装備に技術転用する発想を思い浮かべる。同時に第三工房に
帰来した九飄が持ち帰ったのは光を根源とする装置の試作型。帝国技研も
また、独自に装備の開発を進めていた。各研究機関は加速的に技術の水準を
飛躍させるのだった。そんな時、維は旭と共に飄を迎えに工房に足を運ぶ。
だが飄は一足先に帰ったと言われ、技術者から飄が設計した新作の試供品を渡される。
その頃、弘真は車椅子の赤須と共に本庁の御蔵真澄の呼び出しで
ハイテックコーポレーション支社を訪れていた。そこで、新型のフェルムと
簡易フェルムを提供される。それは政府が水面下で推し進めていた極秘計画の一種で
開発された対サイトレス用のフェルムだった。大八洲で逸早く現出したサイトレスの
対策として試験的に配備されるという。赤須は用意周到な対応に疑念を抱くが
それを接受する。しかし実員二名の藤波署では宝の持ち腐れであり赤須の提案で
CIPCへ送ることとなった。提供された新型フェルムに使われていた技術を転用し
倉澤が開発した補助装置"SPI"をサイトレス調査の際に限り、SP1隊員のフェルムに
装備することとなった。一方、九家では久しぶりに帰国した飄を歓迎し
風巻家も呼んで祝会を催す。しかし途中で大きな衝撃が大八洲を襲い
祝会立案者の源五郎は遼と共に結界の確認に向かう。
その道中で乗り手を失った車両が路上に雑然と並ぶ奇怪な光景を目にし、
只ならぬ気配を感じた源五郎は助けを求める難民の一団と遭遇し
同伴する紫陽と共に一路引き返し避難所へ向かう。
そんな状態が各地で起こっていた。突如見えない"何か"に襲撃された人々を救うべく
態勢を整えたCIPCと協力者達は避難誘導と救助を率先して始めた。
だが、依然として正体の掴めない襲撃者に手を焼く面々。
蓬の提案で善現符を張り巡らせることで避難所の安全は確保されたが
未知の脅威に対し各地の被害は生じるばかりで完全に後手に回っていた。
そんな時調査チームに回された維と静、護衛役の晨の三人は
サイトレスの襲撃がまさに行われている只中で平然とする奇妙な人物を目撃し、
秋明に報告をすると、居合わせた晃等の推測でその人物がサイトレスを
何らかの方法で指揮していると判断。その男の捕縛を最優先に決定する。
維達は追跡するがサイトレスの群れに阻まれ見失う。その後、
維は一旦帰宅し家族の安否や被害状況を整理する。直後、倉澤が大慌てで
飛び出し、秋明はそれを何事か問い詰める。すると倉澤はglintが内包する機能が
サイトレスを具体的に把捉しているものだと説明し、新装置の開発に着手したいと
工房へ赴くところだったという。それを聞いた秋明は大胆にも
維を中心に反撃作戦を練る。同時に、救助活動を行っていた鶲が
光明によって攻撃が止んだとの報告を受け、大規模な光源確保が始動した。
赤須指揮下の調査団合同の別動隊は急遽開発された可視装置を用いて
一時的にサイトレスを視認し何とか撃退していたが件の人物は見つけられずにいた。
その頃、蓬の許可を得て聖域に立ち入った晃は闇の強まりを感じ、
百部に秘蔵された道具を引っ張り出して岸へ挨拶をすると戦う決心をする。
救助活動を手伝っていた弘真は渡会と合流し遂にサイトレスを指揮する人物、
飛電の正体を突き止める。
岸からCIPCの一部に支給された特殊暗視装置を託された晃は仮面の騎士として
混沌の戦場へ降り立つ。
IV : 蛇蠍の檻
未だ収束しないサイトレス襲撃事件は渦中の
小悪党ラスカルがNEOの助力を得て大規模テロ行為を始める。
V : 雪に白鷺 / 共に希望を
Fin : 悪戯者の徒事 / 生滅の萌発・序
-vol.2-
0 : この世の理(弐)
VI : 常住坐臥な此の頃
VII : 枳棘の群像
VIII : 夙に在り、余沫の災殃 / 旭暉の乱 / 燃ゆる一葉
IX : 尉鶲は啼く / 危険な帰国者
X : 影の来寇
Fin : 束の間、この上なし。 / 生滅の萌発・中
-vol.3-
0 : この世の理(参)
XI : 明月
XII : 硝烟的雨《シァオイェンディユー》(硝煙の雨)
XIII : 潜む叛意~九人の大悪 / 鉄の蓮
XIV :
XV :
Fin : アリスマティックな彼女 / 黑いクレマチス
―
~Characters~
[九維(ここのゆい)/影の少女(ザ・フェイド)/アリウス]
本編の主人公。大八洲に住む九家三女。
血の繋がりはなく、実は九家に引き取られた養女である。
出生は不明で、幼少期にサイトレスの"影"と同化した状態で康春が発見し保護された。
影に包まれていたのは数か月程度でその間は無気力で最低限の挙動しか
行わない状態だったが瑞穂や旭の献身的な介護で正気を取り戻す。
真面目で困っている人を放っておけない性格。やや消極的だが芯は強く
物怖じせず、一度決めたことは必ずやり遂げる。
大八洲記念祭の最中運命的な出会いをした空音から特殊なフェルム
"glint"を渡され蜻蛉の杜を守ってほしいと頼まれる。フェルム入手後は
窮地を救ってくれた紫陽に師事して自然法爾流格闘武術を習っている。
CIPCで活動する際はコードネーム"night heron"(ナイトヘロン)を用いる。
儀式を経ずに先天的に光の刻印を持つが
同時に(過去の)サイトレスとの融合の影響で闇の因子も秘めている。
〈glint/glint buster〉
空音から預けられたフェルム。"進化"に重点を置き、搭載された
小型端末のプログラムを書き換えることで性能を変化させる。
〈pale shadow/pale shadow workover〉
CIPCで支給された黒色のフェルム。主にナイトヘロンとしての活動時に着用する。
外套のようなもので普通のフェルムはスーツの形状を基本とするが
これはマントを模している。
〈amabilis〉
新型の鉄衣をベースとした最高峰のフェルム。
|~Lost Side~
メインキャラクターの中では唯一烙印を宿していない。
最後の聖戦を経て真の意味で救世主アリウスとなった維は事象を超越し
世界の理から逸脱した。それによって一時失踪状態となるが
ロストエイジ後のエマージェントの出現を契機に世界に舞い戻る。
改修した"pale shadow workover"を着用し素性を秘匿しながら各地で
救済活動をするが力の均衡が崩壊し、闇の因子が暴走しかけていた。能力を失った
ルシアと違い、signum sanctusとthe fadeが一体化した高次元の力を使うことができ、
それによって烙印を持たずともエマージェントを消滅させられる。
《holy the brightness/signum sanctus》
光の刻印(聖なる印)が具現した力。発動時は体に白い紋様が浮かび上がる。
(力を使う際は発光する)最初は無意識且つ無自覚の内で覚醒し危険を無くすように
敵意ある存在を容赦なく撃滅したが聖域を巡り、心身共に成長したことで
使いこなせるようになる。救世主アリウスとしての前兆として人々に"救済"を
行うとき、左目が黄金に輝く。救済は浄化と同義で浄刹以上の
神聖を発揮し、サイトレスの魔性などを祓う。
《dark face/the fade》
ザ・フェイドの力が顕現したもの。"signum sanctus"とは正反対の性質があり
闇の因子を強く発現させる。サイトレスのちからと引き合い、
それを対消滅させるように相殺し己が力に換える。
真に力を発動したとき、右目が暗い炎に包まれたようになる。
《Alius Santalucia》
アリウス・サンタルシアとは維の真の字であり、もう一人の
サンタルシアとしての称号である。
[九十九空音(つくもそらね)]
謎の多い少女。常に飄々とし、自分は虚言癖があると主張する本性が掴めない性格。
目的は不明だが記念祭で警備が手薄になった工場から
試作段階の新型フェルム"glint"を盗み出し維に託す。
"NEO"とは敵対しており、空(から)の守護者と呼ばれている。
守護者としての名称はエニア。守護者として覚醒すると
空間と空間の境目を司る"境界の力"を御すことができる。
制約により、普段はその力を完全に引き出すことはできない。
何度か維と対峙したりするがサイトレスが本格的に出現して以降は
維を守るようになり親密な間柄となる。
|~Lost Side~
ロストエイジ編では主人公のような役割。守護者を解任したことで
vis terminusは失うがフェルムを扱う技能は随一となり、トトから専用のフェルムを
授かる。事件が落着してから紫陽に師事し自然法爾流を習い、
CIPCでの特殊訓練も受けたことで生身での戦闘能力も格段に向上している。
虚言癖は無くなりチームとの連帯感も高まっている。
主要ブランダー(烙印者)の中で最も覚醒が遅いが最終的に水の烙印を宿す。
〈guarder〉
空音がいつも身に着けているフェルム。可変型で通常は靴の形をしている。
追加パーツと連結することでスーツ形態や翼にして飛行することもできる。
〈pulcherrima〉
守護者としての空音に与えられたフェルム。
《Guardian No.9(九番目の守護者)/vis terminus》
守護者として備わる"境界の力"。物質や空間などの境界を捉え、その地点から
有効範囲までを操作する。具体的には空間を縮めて移動距離を短縮したり
物体(弾丸など)の飛距離を部分的に空間を延長することで長くしたり、
よく使うのは境界を歪めて攻撃を逸らすこと。落下中に縦方向の空間を省略して
着地の衝撃を無くすこともできる。多様な効果があるが何れも
1ブロックに相当して一つずつ発動するので一度に余りの広域は支配できない。
空間を対象とするため、自分以外にも適用されるが基本的には
その空間内を更に細分化して自己だけに能力を発揮する。これは守護者の掟で
関わりのない者をその範疇に置いてはならないとあるからである。
[空弘真(うつせひろま)/ザ・シェイド]
物語の語り部。大八洲に赴任した新米刑事。
(警察とは名ばかりで実際は治安維持を名目とする小規模団体の所属)
空音とは遠い親戚の間柄で叔父さん呼ばわりされる。
事件に巻き込まれやすく、現場で度々維を見かけることから気にかけている。
フェルムへの憧れはあるが着用する機会に恵まれず一度も着ていない。
隠れヘタレで戦闘力は皆無。後にCIPCとの合同調査を命じられ
ロストエリアへ初めて進出。その時は何の影響もなかったが
後々、サイトレスとの同化が始まる。やがて
ザ・フェイドと同質にして対になるザ・シェイドとなる。
シェイドとなると驚異的な能力を発揮するがその間の記憶は失われる。
|~Lost Side~
サイトレスの消滅でシェイドは消え普通の人間に戻る。フェルムの義肢で
活動的となった赤須が本庁勤務となり体制の変化で藤波署署長となるが
変わらず大八洲を巡査している。渡会に勧められた適性訓練で
フェルムへの適応が多少高くなり一部の簡易フェルムなら装着できるようになった。
様々な事件を通じ大きく成長しており赤須譲りの洞察と的確な判断力を身に付け
鶲から指南を受けて拳銃の扱い方も上達した。
《the shade》
纏わり付く影のフェルム。フェルムであってフェルムではない。
[百部晃(びゃくぶこう)/仮面の騎士/リジェネレイター]
伝承を語り継ぐ一族とされる百部家の跡取り。
権利争いを逃れるように数年前に家出し大八洲で隠れ住んでいた。
フェルムを着用できない特異な体質のおかげで幼少期から馬鹿にされていたが
努力家で一人山に篭って訓練に明け暮れ、その途上で
知り合った岸から無上一刀流を伝授され更に我流で磨き上げた戦闘術を隠し持つ。
普段は平和主義者で論理派を装い、揉め事は極力避けるが内心は好戦的。
自分を匿ってくれていた恩人である誼の頼みで維を見守り、度々騒動に巻き込まれる。
当初は使命感や正義感から悪との闘いをしていたが数々の闘いを経て
アームドフェラスを託されて以降は決意を改め、
自分の守りたいものを守るという我欲を貫く生粋のヒーローとなった。
|~Lost Side~
最後の聖戦中にリジェネレイターとして覚醒するも不完全だった。
その後は疲弊した心身を療養しながら各地の寺院を巡り
異変の調査を独自にしていた。エマージェントとの遭遇で
欠番で実際には存在しないはずの無の烙印に覚醒し、
リジェネレイターの能力を徐々に取り戻していく。
〈驪竜(りりょう)/驪竜 Mark-II〉
百部家の家宝の一つで霊刀とされる刀剣。後に数々の激戦で欠けてしまった刀身を
グラムが復元し、鍛錬できない部分を機械的に補った改修がされた。
本来の霊刀の力は弱まったものの柄にギミックを組み込んでおり実戦向きとなった。
〈themis〉
仮面の騎士活動時に着用する"justicia"をベースに開発された特製スーツ。
フェルムではないがそれに近い性能を得られる。但し、素材が異なる為
耐久性などは本物より落ちる。
〈Armed Ferrous(アームドフェラス)〉
フェルムのパーツを基にフェルムが装着できない対象者を
補佐すべく開発された支援マシン。通常は板状で、
反発する磁力によるホバー移動をスケボーの要領で行う。
基本的に移動用であるが戦闘に用いることもでき、銃火器のような扱い方から
第二級コンポーネント以下の数種類の追加部品と
接続・合体することで擬似的なフェルムにもなる。
"themis"にはない飛行性能を補完する目的でグラムが独自に作り上げた。
その原型は一般非公開の最新技術である
準フェルム"all types"シリーズのものを流用している。
《Regenerator》
ヴィ・マギアの可能性を持った因子の変異とヒーローとしての才覚によって
かつて存在した超戦士"リジェネレイター"の称号を冠することとなる。
リジェネレイターの特徴である超再生能力は完全に発揮されないが
限定的な条件下では常人離れした運動能力などを発現する。
生身でも鉄衣に等しいような戦闘力を得られるが
大きな力を引き出そうとするほど生命を削ることになる。
[ルシア・セレスタイン]
一世紀前の伝説上の人物。シャドウメーカー事件や高天原計画による
国家戦役を終結させ、当時知名度もなかったサイトレスの認識を
逸早く察知し、守護方陣(結界や神聖な力場)を完成させたことで
人々を魔から守り、聖なるルシア(サンタルシア)と呼ばれた。
一説では事故死であったり、寿命によるものであったりとその最期は謎が多い。
実際にはディスタントに転移しており、長らく次元の狭間を彷徨っていた為に
生前と同じ姿のまま二度目の侵攻の際に現実世界へ戻る。
大事な局面では率先して味方を率いる勇将となるが普段は見た目に反して
乙女チックで意外にもムードメーカー的存在。本来は(現代の)生者ではないが
次元の狭間の歪みと接触した結果、肉体の本質はほとんどなく
精神が失われない限りは生き続けるある意味不老不死の存在となっている。
|~Lost Side~
サイトレスを根絶する最後の聖戦においてaura de sanctusの力を使い果たし
神聖なる力は失ったが、シルヴェリウスに似た異端の者となる。
本編終了後、世界から異質を取り除く意味で自分も異なる存在として
現実世界を離れディスタントへ移住する。暫くしてシルヴェリウスが
現実世界に戻る手筈を整えると半ば強引に送り出され、再来。
未知のエマージェントに遭遇し生存本能を目覚めさせられたことをきっかけに
光の烙印を宿す。以降は維がナイトヘロンとなって暗躍する一方で
ブランダーを纏め、リーダーとして脅威に立ち向かう。
《aura de sanctus》
アリウスの"signum sanctus"同様に、根源たる神聖な光の力の一種。
"signum sanctus"が印として表れるのに対し此方は視えないオーラとして
身に纏う。この状態を維持するには多大な集中力を要するなど負担もあるが
サイトレスを視認できるようになるのは勿論、浄化して悪意を祓うことも出来る。
また、互いに信頼し合っている同士では一時的に感覚を共有し
サイトレスを目視させられる。さらに極短時間だがバリアのような使い方も可能。
[シルヴェリウス・ブランズ]
ルシアと同時代を生きた過去の人物。旧国家の軍事に携わる生まれで兵術に優れ、
剣術や砲術、射術から銃剣術に至るまで極め、神術を使うとまで噂された。
正邪戦役にも義勇兵を引き連れ参戦し、神聖軍を援護した。
ルシアと直接的な面識はなかったが傑物だった両者は互いに意識していた。
戦役の終結する間際にサイトレスに襲われ絶命したかに見えたが
邪悪軍撤退と重なり次元の亀裂に巻き込まれ空間を超越したことで生存。
一時期はルシアと同じ次元の狭間で彷徨するも、狭間を抜けディスタントに到着。
偶然出会ったゴードンに保護され"光の民"の軍勢に身を置く。
その後グレイベアードの時間軸操作の影響で不安定になった次元の歪に遭遇し
試しに踏み入れた所、現実世界へ着きルシア等より一足先に帰還する。
暫くはクィンクェに隠れ住んでいたがサイトレスの再来を目の当たりにして
再び剣を取り、立ち向かう。協力はするが何処にも従属しない主義。
戦略を重視した戦いで名を残し、冷静な智将として後世に伝えられていたが
実際は熱血漢で常に静かなる闘志を燃やしている。
生身で上位のヴィ・マギアと互角以上に渡り合うなど人間離れしているが
自らの術は人の極致であるとして奇異な道具を扱うことを除いては
"極限"に鍛練を積んだ普通の人間である。
優れた人間であること以外はルシアなどのような特異な力を持っておらず
通常、サイトレスを目視できない。しかし持ち前の感性の鋭さで
晃より多少劣るもののサイトレスを感じ取れる。後にサイトレス交戦用に
特製のRigを装備するようになった。
ルシア同様長らく次元の狭間に留まっていた所為で歳を取らない。
|~Lost Side~
ルシアと共にディスタントへ渡ったが異変を逸早く察知し、
グレイベアードに提案を持ち掛けて世界の橋渡しを行いルシアを送り届ける。
その後、アル=マリスが本来の自我を取り戻したことで闇の秩序が保たれ
現実世界に向かおうとしていたグレイベアード達と共に帰還。
到着後は離散し、孤独に戦う維に助力。軍部に属しながら新たな敵と対峙し、
後に風の烙印を宿す。ブランダーとしての適性は最も高い。
〈anepigraphic backsword〉
唯一所持していた無銘の片刃剣。柄と刀身の中程にある溝に特定の紋様
(古代文字のようなもの)を銘ずることでそれに関連した自然的な力を剣に宿す。
邃古の法具で経年によって幾度か呪術に利用すべく都度呪文が込められ、
且つ刀匠の手が加わり外観が変化している。
元来は自然と調和する儀式で用いられていた儀礼剣。
〈shot striker/fire charger〉
帝国技研がハイテック社の一部と提携し対サイトレスを想定して考案した新兵器。
葦原の精鋭部隊に実験的に配備される予定だったが巡り巡ってなんの因果か
シルヴェリウスの得物となる。本人曰く"拝借"したらしい。
形状を変化させる火砲で基本形態は弓に近く、扱いも弓を引く動作である。
通常火器を無力化するサイトレスに対抗して特殊な構造と特徴を持ち
その扱いも玄人向けで、有効に使うには決まった順番で手元のダイアルを回して
銃口を回転させる必要がある。
fire chargerは専用の弾倉でレッドシリンダーとも呼ばれる。
砲身の下部スペースに剣先を装着することで銃剣としても扱える。
-九一家/親族-
[九源五郎(―げんごろう)]
九家祖父。消息不明の康春に代わって一家を支える矍鑠な好漢。
若い頃は帝国連合の特務高官でそれなりの権限を持っていた。
[九瑞穂(―みずほ)]
九家の母。所謂未亡人の状態であるが決して弱音を吐かず気丈に振る舞っている。
後にガーディアンでも居場所を失った空音を居候と認め、保護者となる。
[九沙羅(―さら)]
九家長女。大八洲に引っ越して来た直後、当時観光案内などの仕事を兼任していた
紅雨と出会い恋仲になる。それから、友人同士であった飄の勧めもあり
結婚に至るがその数年後に康春が失踪してしまい、失意する家族に遠慮して
生まれた子供のことを隠していた。同時期に生誕した旭が成長すると
紅家が隣に越して来たこともあり紅雲の存在が露呈する。
[九飄(―ひょう)]
九家長男。稀代の冒険家を目指し、とにかく旅行することが趣味。
放浪癖があり、すぐ行方不明になる。行く先々で変わった贈り物を届けてくるが
そのセンスには家族も呆れている。放浪癖のせいで本人も無自覚だったが
実は第三工房の技術主任であり、電子装備に関連した装置を考案した。
光なき大地でも迷わないよう常に携帯するLQDは特別な手製で
工房の技術力が活かされている。研究目的での調査も兼ねているが
調査員ではないので簡易フェルムしか着用せず、ロストエリアは避けている。
[九旭(―あさひ)]#
九家次女(年齢的には維の方が上)。無垢と元気の塊というに相応しい少女で
好奇心旺盛。維とは血の繋がりがないことを知っているがそれでも特に慕っている。
フェルムへの憧憬も強く、維がフェルム手に入れてからは羨ましがっていた。
〈α-primula〉
[九康春(―やすはる)]
九家亭主。優秀な学者で逸早くロストエリアの広がりを脅威と感じ
長年、光なき大地を調査・研究していたが維を発見して数年後、突如行方を晦ます。
[紅雨(ホンユー)]
沙羅と婚姻した中国人男性。日本の移住歴は長く飄とは同級生。
サイトレスの脅威を身近に実感し、家族を守るために
ハイテック社の公募した新型フェルムのテスターに参加。
〈緋衣(ひごろも)〉
[紅雲(―ユン)]
沙羅と紅雨の娘。旭の五歳下の少女。
〈β-triteleia〉
[紅霞(―シァ)]
優秀な技術者であり、フェルムブランドの一つ"Ensis"でフェルムの設計を担当。
[紅鏡(―ジン)]
紅霞の夫。康春と昔から交友があり、研究を手伝っていた。
九家とは大八洲に転居した国籍の変遷と沙羅と紅雨の結婚によって親戚となる。
現在は康春の研究を引き継ぎ、研究所の所長として調査を続けている。
[風巻遼(しまきりょう)]
風巻家現在の家主。若くして早死にした先代から急遽家督を継いだ為、若輩で
相応に浅慮な一面があるが九家が担うべき宗家の使命も併任する秀才でもある。
(一方的な押し付けではなく風巻の先々代が今後はこれまでの家業を
風巻家が取り仕切ると申し出た為。源五郎等は自発的に協力している。)
[風巻雪加(―せっか)]
先代の残した娘。遼を襲った巨大サイトレスの襲撃事件をきっかけに守護者に目覚める。
そのまま欠番を補うべくガーディアン・トゥエルブに加入。
守護者の名称はトゥエルフス(十二番目)。
-大八洲の住民-
[葛静(つづらしずか)]
曾祖父の代から続く探偵事務所、暮泥探偵社のオーナー。大八洲に在所を
移して以後も以前と変わらず客足に悩まされているが侵蝕の影響や
サイトレスによって起こった怪奇事件の増加で仕事が増えたのを
内心嬉しがっている。コーヒー好きで日夜趣向を変えた飲み方を実践している。
〈thallos〉
通常の探査用フェルムとは別に市販されている生活補助用のフェルムを
個人的にチューンアップしたもの。
[天塚紫陽(あまつかしよう)]
現存する唯一の道場を守る寡黙な麗人。
自然法爾流師範でフェルムにおける機動格闘戦を確立した人物。
過去には鉄甲衆に所属していた優秀な諜報員。
道場は歴史の保存という名目で大八洲に転居したがそれに伴い
門下生は離れていった。現在は技術を後世に残すべく後継者を探している。
CIPC発足当初に勧誘されたが断っている。しかし、フェルムの研究には協力した。
[鉱方途(あらがねほうと)]
大八洲で何故か骨董屋を営む謎の男。店は廃れ切っているが情報通で
様々な相手に情報を取引している。情報提供に対し、普段は相応の報酬を要求するが
弘真には無償で情報を寄越すなど何かと協力的。晃とは師である誼や岸が
鉱と顔馴染みで個人的な連絡手段を与えている。
[霊代蓬(たましろよもぎ)]
蜻蛉の杜を守る(管理する)霊代家現当主。本当は次期当主で修行中の身であったが
高い感応能力を見込まれて祭り上げられる。
[灰緑藍(フイリュイラン)/テールヴェルト]
自称天才、他称変人の女の子。フェルムも使いこなし只者ではないが
何処まで本気なのか意図を汲めない。精神年齢が低く、よく旭や雲と連んでいる。
CIPCとは個人的な契約を交わしており維の先輩となる特別隊員でもある。
実は7番目の守護者でテールヴェルトと呼ばれていた。
〈viridi〉
[ジャジャ/靈(リン)]
大八洲に住む霊猫。緑藍の飼い猫のようだが時折維の前に現れては奇妙な行動をする。
猫の姿をしているが強力な通力を宿し、テレパシーで疎通ができる。
緑藍の危機などに呼応して覚醒すると特殊な霊体を生み出し、
力を振るう8番目の守護者として数えられる存在となる。
[東雲絢(しののめあや)/水(シュイ)]
連が特派した調査員。霊代家とは近縁で蓬の世話役でもある。
表向きは政府側の人間だが霊水を扱う十番目の守護者。
[善哉寺誼(ぜんざいじよい)]
大八洲東端にある古びた社寺"善哉寺"を切り盛りする青年。
学生時代の大先輩である康春を慕い研究所で助手をしていたが
康春の失踪後、善哉寺に戻る。その際、康春から維について聞かされており
陰ながら気を配っていた。単なる親切心で晃を匿い、居候させていた。
晃の申し出から維の様子を見るように頼む。
[赤須智明(あかすともあき)]
弘真が身を置く警察機構の大八洲支部支部長。正式には代理で
権限としては弘真と大差ない。数年前の事件で足が不自由となり
満足に動けないため、基本的に作戦の指揮を遠隔で執る。
情報収集能力や洞察・推理に長け、ヴィ・マギアであることを
見抜きながらも弘真に凍とコンビを組ませる。
[冬羽凍(ふゆばねとう)/コールドスティール]
葦原の情報管理局から派遣された弘真と協力関係にある捜査員。
実はヴィ・マギアでありその事を秘密にしていた。
〈santo splendere/B-armis〉
部分装着型フェルム。腕や脚部など部分的に装着し、性能を発揮する。
基本的に衣服として着用するフェルムとは異なる性質がある。
-CIPC関連人物-
[紫藤鶲(しとうひたき)]
CIPC隊員。精鋭のみが配属される特殊部隊"SP1"で機動隊長を務める。
訓練課程を全て首席で卒業し、筆記・実技共に最優秀の才女。
何事も驕ることなく咄嗟に的確な判断を下すことができる。
しかし優秀過ぎるが故に意図的な隙を作り出せない欠点もある。
仕事は冷静且つスマートにこなすが意外と庶民派で
ジョークも分かるレディとフランドが太鼓判を押している。
〈nobilis〉
主に中距離戦闘による進退を重視して設計されたSP1用のフェルム。
各部にそれぞれ近・中・遠距離対応の銃器
"short shooter"、"medium barrage"、"assault riot"のパーツを格納しており、
バレルやスコープを組み替えて換装する。
外部武装"Revenger"は戦術射撃兵器で砲撃支援と強力な狙撃を実現する。
〈Revenger〉
nobilisと接続することで起動する長大兵器。
通常は専用のトレーラーに格納されており、狙撃地点まで運搬する。
トレーラーはそのまま側面が開放され、車内で狙撃体勢を取り射撃する。
パーツは三つに分離可能で特殊コードで一時的に
自律した三種の支援火器とすることもできる。(制御範囲はnobilisとの距離に依存)
余りの威力の為、市街地等での使用は事前に許可が必要。
〈elegans〉
鶲の普段着であるフェルム。一般の既製品と違い、完全オーダーメイドで
性能も生活補助という範疇を超越している。完全着装タイプであるが
部品ごとに分かれており、それぞれが鞄に収まるサイズ。
〈Malva/flycatcher〉
激化する闘いの中で破損したnobilisの後継として新設計された鉄衣。
剣と盾が一体となったコンセプトのマルチウェポンユニット、
攻撃の要である"lilac"と防御に特化した"heliotrope"が特徴。
後に空中機動補助ユニットとして"flycatcher"が実装。
[虎杖晨(いたどりしん)/ザ・スウォード]
"SP1"の隊員。複数の刀剣を使いこなす無口な青年。
源流は無上一刀流に近いが我流であり、岸とも面識がなかった。
持ち前の身体能力と剣術でCIPC切ってのエースとなる。
〈argentea〉
SP1で支給された銀色のフェルム。機動性に重点が置かれており、
CIPCで使われるフェルムでもトップクラスの機動力を誇る。
その運動性能は跳躍や格闘能力にも活かすことができ単純に
戦闘力の向上に直結している。反面、標準装備に乏しく通常の攻撃手段が余りない。
緊急時には外部武装としてgladium ferricと同質の刀剣が数本装備される。
その際には刀剣の鞘代わりにジャケット(MLJ-SP)を羽織る形になる。
〈xifos〉
晨が元々持っていたフェルム。虎杖家に従事していた職人が作ったもので
装着者に合わせて調整されている。
〈gladium ferric〉
xifosに付属する特殊な鉄製の刀剣。専用の鞘に納まっており、その納刀時
鞘から伝送されるエネルギー(主にバッテリーの電力)を蓄積させ切れ味を上げる。
xifosに標準装備されているがxifos専用ではなくargentea等でも使用できる。
(但し鞘を固定する部位がないため、常に鞘ごと手に持っていなくてはならない)
現存する刀鍛冶が立ち会って製作された文化的にも貴重な業物。
〈myriad/countless〉
CIPCが独自に作り上げた試作型鉄衣。本来はCIPCに協力するようになった
紫陽の為に設計されたが"countless"の実装に伴い近接剣技が主体となり
適性のこともあって晨が装着する。数多の刀剣を指すcountlessは
普段、アームズパッケージと呼ばれる追随する自走コンテナに格納されており
myriad本体の操作で無数の刀剣が飛び出る。この時、分類別に配置し
一組ずつ取り出すことも可能で用途に応じて使い分けることができる。
〈無標弐式〉
myriadの展開するバックパック部にあるウェポンホルダーに納まる刀剣。
岸の所有する無標をベースとした特別製でmyriadの主力武器。
ウェポンホルダーはgladium ferricのギミックを基に改良が施されている。
[沢瀉二葉(おもだかふたは)]
"SP1"の隊員。おっとりした天然気味の博愛主義者で植物に詳しい。
いつの間にか方々に菜園を作っている。維が正式にSP1の特別隊員と認められて以降は
後方支援に徹することが多くなったが良き先輩として支えている。
〈gladiolus/verdant〉
二葉がSP1の活動時に装着するフェルム。
腰部にsahm(シャム)という剣のように鋭い矢を格納した箙が備わり、
脚部には予備の矢があり、留め具を外すことで瞬時に装填できる。
主装備にはqawsとarcusという二種の弓がある。
qaws(カウス)はgladiolus背面に折り畳まれて標準装備された弓でシンプルな構造だが
arcusは携行武器として使用する戦闘特化した弓で見た目はリカーブボウに近い。
掌に差し込む溝があり同時に6本まで持ち、射ることができる。
(一斉射撃の他、時間差で一本ずつ遅らせて射ることもできる)
後に改修され、剣の矢を放つ翠の弓"verdant"が追加装備として組み込まれた。
それに伴いsahmを含めたqaws、arcusは除外された。
〈speciosa〉
普段着用する女性型フェルム。最小で携帯可能なほど
コンパクトさがウリであり、伸縮して各部にフィットする。
[四之宮茜(しのみやあかね)]
CIPC専属のオペレーター。人員不足の為に"SP1"の連絡員も兼任する。
〈myrtus〉
SP1の外部活動時に着用。優れた耐久性と通信装置を常備する。
本来は戦闘用に設計されたものではない。
〈凌霄花〉
四之宮家に伝わる本来は儀典用に設計された珍しいフェルム。
職人による手製の為、名称も漢字が用いられている。
[皓月秋明(こうげつしゅうめい)]
CIPC創設者、皓月秀明の後継者。実質的な司令官で全体の指揮権限を持つ。
普段は怠慢で仕事は優秀な部下任せが信条の男。しかし、いざとなれば慧眼があり
フェルムでの戦闘経験も確かでそれなりの技量を持ち合わせている。
〈imperialis〉
傑作と称されるフェルム。数回の起動実験には成功したが
装着者である秋明との適合性もあって余りの性能を発揮し
過剰な性能による予期せぬ被害が発生してしまった為に
一時的に封印している。
[フランド・クロウフット]
CIPC長官。セカンドシティにあるCIPC支部を統轄する。
秋明は本部長、フランドは支部長というような立場だが
それぞれに上下関係はない。
本部に居座り続ける秋明と違って何かと前線に出たがる。
基本的には作戦参謀だが時には自らがフェルムを装着して戦う。
〈tonitrus〉
[岸一(きしはじめ)]
フェルムの近接武装挙動に取り入れられた無上一刀流皆伝の腕前を持つ。
CIPCには協力者という形で所属している。同じ武道家として紫陽を敵視している。
〈justicia〉
〈無標〉
岸が愛用する刀。無上一刀流を極めた証として授かった無銘の刀剣を
独自に鍛錬し研ぎ澄ました名刀でフェルムでの扱いも考慮されているせいか
一回り大きい太刀となっている。欠かさず手入れをすることで切れ味は衰えない。
[スワード・ウォーデン/ウェイワード・フェリックス]
CIPCの諜報員。過去に事件で左目を失い、現在は
フェルム用の擬似眼をベースとしたものを調整して義眼としている。
スワード・ウォーデンとはコードネームのようなもの。
基本的にスマートで冷徹だが交戦中、血を見るなどで感情が昂ると
形振り構わず必死となり、以前コンビを組んでいた鶲曰く「獣染みた戦い方」をする。
〈Light Arms/Light Armορ (オミクロンロー)〉
戦闘用に改良された簡易フェルム。部分装着で耐久性は戦闘用フェルムに匹敵するが
装着していない部分では生身同然の防御力となる。単一の装備ではなく複数で、
各部に分かれておりそれぞれに任務に応じた武器などを収納している。
当初は軽量化された装備という意味合いだったが後に光明を指す意義で
対サイトレス用の電子装備が標準化された。
[倉澤季史(くらさわとしふみ)]
CIPC総合管理者。主に事務処理を担当するが専門はフェルムの研究で
新型フェルムの開発に携わるなど技術班の陣頭指揮も執る。
[名方刀美(なかたとみ)]
CIPC所属の調査員。実働の主力であるSP1と違い本格的なフェルムは装備しないが
簡単な実地調査だけなら簡易フェルムでも十分可能で調査の事前準備などを担当する。
[見野吉利(みのよしり)]
よしりんの愛称で親しまれる派遣オペレーター。
[渡会(わたらい)]
何処にでもいて何処にでもいないCIPCの捜査員。
-セカンドシティの住民-
[グラム・レッドウッド]
セカンドシティ随一のメカニック(自称)。アマチュアだがプロ顔負けの技術力を持つ。
[ヘザー・アシェン]
政府から特権を与えられ依頼された事案に関しての裁量を行う高等審判者。
世界でも稀有な対象者でその苛烈な手腕や立場を弁えない態度から
"灰色の女"と称される。後にサイトレスと自然融和を果たしたヴィ・マギアとなる。
[坤儀泰一(こんぎたいち)]
藤波署元支部長。赤須の上司であり弘真が配属される半年前の事件を境に
失踪する。赤須は一さんと呼んでいた。
[六連星戍(むつらぼしまもる)]
夕波署署長。かなりの切れ者で赤須の元同僚。
実は御蔵真澄に代わる真の本部長でもあり警察機構の全権を握る。
[アンダーテイカー/ヴァレン・モーティシャン]
葬儀屋と呼ばれる存在。気分によって請け負う依頼に応じて標的を処理する
暗殺者の系統だがその活動は異色で個人的。何処からともなく生まれ育ち
過去の一切が不明。維とは真逆で先天的に闇の因子を持ち、
ヴィ・マギアの根源たる力を持つ。しかし強すぎる力の引力によって
精神破綻や記憶障害などを引き起こし暴走してしまう為
普段は"blackcoat"で抑制している。闇の因子が強力になると自分に降りかかる
重力変異の影響で歩行が重々しく足音が一際目立つようになる。(死の足音と称される)
その危険性から機関の最重要警戒リストにも載っている。
世界の理から外れた"超越者"と呼ばれる存在の一種で
本来は存在してはいけないイレギュラーな男。
〈blackcoat〉
pale shadowと似た特徴を持つ外套型フェルム。力の制御に特化した特殊なフェルムで
これ自体に大した性能はない。
-天穹の住民-
[鳳尾蕉(フォンウェイジャオ)]
天穹の一帯を支配する領主。
[虎狼(フーラン)]
地下監獄の看守。武闘派で無法者には辛辣な態度を取る。無明に忠実。
[無明(ウーミン)]
地下監獄を取り仕切る監視員。鳳尾蕉の部下でもある。
[焔摩(イェンムォ)]
天穹の下層街区を裏で支配する人物。鳳尾蕉とは敵対関係にある。
NEOとも協力関係にあり、天穹に亡命した鬼灯を匿った。
[瓜生采女(うりゅううねめ)]
焔摩の従者。
[青蓮(しょうれん)]
焔摩の配下。
[旭影(きょくえい)]
フェルムを使った仕事を請け負う傭兵。
[鴻鵠(ホンフー)]
帝国連合の首脳の一人。議員でもあったが数年前に退き、政界から姿を消した。
機関の存在も認知しており、霏や狠を雇って"白きテオリア"の奪取を目論む。
[霏(フェイ)]
旭影の同業者。隠密諜報を主な活動とし、殺生はしないのが信条。
[愚狠怨(ユーヘンユェン)]
無上一刀流を破門された男。過去の字"狠"という名を残し後は当て字のように命名した。
地下牢獄でレベルナイン同様捕らえられていたが、NEOの出獄作戦に紛れて脱獄。
岸とは修行仲間だが互いを敵視し、真逆の非道さから反感を買っている。
一時期己の技量を試すべく"糸遊"に加わっていた。
岸と同じく皆伝まで修めているが型に拘らず、完全我流で
脱力した状態で不規則に揺れつつ変則する挙動を主体としている。
〈无反(ウーファン)〉
無銘の妖刀。
[熙隆(シーロン)]
-クィンクェの住民-
[マーシー・ジェイン/辛幸(かのとゆき)]
帝国技研の上等研究員。クィンクェは職場であり、
本来は葦原で辛幸の名義で居住している。
[佩楯迅(はいだてじん)/アークシェイダー]
人知れず悪を裁く独善的なヒーロー。
〈E.H.G Faller〉
迅が特注したフェルム。三社ブランドの技術が結集した特別製で江麻が手配したもの。
背部に小型の展開翼があり高空からの落下時にグライダーと同様の働きをする。
見た目はマントを模しており迅の描くヒーローの理想像をモチーフとしている。
[大枝江麻(おおええま)]
CIPCと提携する"Gladio"の主任技術者。
[ビオシス]
[スノウフレイク]
[ブレイク・ウィアード]
かつてリベリスに賛同し国家反逆の大罪で囚われていたフェルム技師。
フェルムの技術を生身に転用するという斬新な技術を着想し
医療目的で開発を進めていたが実験材料として不当に扱われた
リベリスという集団を知り、反抗運動に参加。当初は穏健派の主張に同調し
支援するだけだったが後のレベルナインのような過激分子に巻き込まれ
彼等の要求するフェルムを与えてしまったことで大罪人となる。
その後リベリス壊滅時では逸早く情報を得て脱出したが逃亡先で
匿っていたリベリスの同志が密告したことで鉄線蓮に捕まり拷問される。
それがきっかけで人間不信となり以後、ロゼットとも連絡を途絶した。
レベルナインの投獄で組織的に消滅したリベリスの囚人は解放され
ブレイクも山中に篭るように俗世を離れた。しかしヘレボルスに化けた
ジェストの騙し討ちに遭い、継ぎ接ぎのように身体の各部機能を喪失。
それを補うべく完成間近だった生体融合型フェルムを被検するように
装着し半身をフェルムで支えることとなる。接続時の苦痛や虚無感を執念のリハビリで
超克し、フェルムを身体に馴染ませると全てに復讐することを誓って行動を始める。
ジェストが襲った理由はウィアードの一族が"運命"の存在であるからで
ブレイクの秘めた潜在的な力、運命の力を覚醒させる発端を作る為であり
機関の計画に基づいた行いだった。下山直後に修験に来訪していた劍と出会い、
彼の下で短期間だが修行を積み、フェルムの戦闘的挙動を体得する。
〈mark out/critical break〉
有機的な肉体と密接に合体することで機能する生体融合型フェルム。
mark outは通常形態で生身と遜色ない挙動や反応を可能とする生体補佐に特化している。
critical breakは後から追加した形態で専用の外付けパーツと連動し
より攻撃的、戦闘的な性能を発揮するようになる。
〈shamshir short sabre〉
柄は長く刃は短剣ほどの特製軍刀。シャムシールとあるのは刃が薄く片刃である
一部の特徴を受け継いでいるのと鞘が曲がったように見えるから。
主にcritical break形態で扱うがその際、刃先を滑らせ摩擦による火花を交えて
鋭く返しながら切り裂くという独特な剣術を多用する。
《force of fate》
潜在性超越者の一種と言われる適格者が持つ力。短縮して運命力ともいう。
-葦原の住民-
[斎堂保(さいどうたもつ)]
ハイテックコーポレーションの技術責任者。glintを開発した人物。
[神藤樹(じんどうたつる)]
ハイテックコーポレーション社長。
[甘來錏(あまくしころ)]
"Harpe"の最高技術者。独特なフェルム理論を持ち奇抜な設計を好む。
[新家伊奈(にいのみいな)]
ハイテックコーポレーション社員。錏の助手。
[苗代穂積(なわしろほづみ)]
ハイテックコーポレーション社員。
[桜月耀(さくらづきあかる)]
ハイテックコーポレーションで雇われているフェルムのテスター。
[御蔵真澄(みくらますみ)]
逆浪署の署長。紫陽の知人で同じくらいの麗人。凛々しく男性と間違われるが女性。
[御蔵十重(みくらとえ)]
真澄の従者。同じ苗字だが血縁ではない。
[霊代瑠璃(たましろるり)]
浄瑠璃様として崇拝される霊代宗家先代当主。数年前に老衰で
亡くなったとされていたが実は蜻蛉の杜の社殿に
封印されるようにして眠りに就いていた。
霊妙の儀を極めに極めた結果幾分か若返っている。
[霊代光音(たましろみつね)]
蓬の母。過去に善現符の霊力を増幅させる手法を考案し遍照寺に巣食っていた闇を
祓った実績を持つがその後暫くして病床に就き、今尚寝たきりである。
患いがなければ当代となるはずだった。
[鳳城玲也(ほうじょうれいや)]
鳳城結界を張った先代当主。鳳城家は以降途絶えており(遠縁などは存命)
結界の以後の管理は九家と風巻家(特に風巻家)に引き継がれている。
[ジャック・アウト]
帝国技研の協力者。常にカウンターを持ち歩き、何らかの拍子でカチカチと
カウントする。それが一定以上になると溜まった鬱憤を爆発させるように衝撃を放つ。
-NEO-
[紫炎(ズーイェン)]
東洋の暗殺集団"糸遊"出身の暗殺者。
常に単独行動で動くがその実績から"NEO"内でも一目置かれている。
身軽で、フェルムを相手にしても生身で渡り合える身体能力を誇る。
〈purpurea〉
[キニス]
陽春によって送り込まれた刺客。正式には"NEO"に在籍しているわけではない。
"glint"を狙い、維を度々襲撃する。
〈triumph〉
[アズハル]
"NEO"の一派で集団テロを煽動するアラブ人。捜査を担当した弘真に追い詰められ
データ採取の為、第三工房に搬入予定だったフェルムを奪って逃亡。
乱入した維との格闘の末、逮捕される。
〈integerrima〉
[シェイク]
"NEO"の幹部。本来は統率者を必要としない各自が独立した組織である"NEO"で
合同作戦の立案やその指揮を任されている存在。切れ者で狡猾だが
確かなカリスマ性もあり、慕う者も多い。
グレイベアードの台頭でNEOが変革し離散した旧人員を
新たに纏め上げ、アディアに指揮を託して行方を晦ます。
〈proteus〉
[アディア]
先天して聖なる加護があり、サイトレスを目視できる希少な人材。
そのことは本人も知らなかったが孤児であった所をシェイクに助けられ
共にNEOに加入する。
〈caerulea〉
[虚魑魅(からすだま)]
神出鬼没の殺人鬼。NEOにいるのは情報を得るためであって組織性は皆無。
事件を追っていた弘真等を翻弄するが、最後はSP1との共同戦線で捕縛される。
[プラウド・ロセウス]
"NEO"創設者とされるエドロスの後を継ぎ、一切を取り仕切る男。
が事実上NEOは組織であって組織ではないので実際に指示を出したりするわけではない。
中には存在すら認知していない構成員もいる。主に外事の役割を担い、
組織である"見せかけ"を運営する。陽春とは交友関係。
レベルナインの脱走を企て支援を申し出たのもプラウドであるが
結果的に協力体制は直ぐに崩壊した。
グレイベアードの出現は予見していなかったがすぐに取り入り、
腹心的ポジションを得る。(グレイベアードからは相手にされていない)
[リボーク]
幾度となく維や晃の前に現れ、邪魔をする下級構成員。
帝国技研から強奪したフェルムを戦闘用に調整し使用している。
誼を殺害したことを橋上の決戦で暴露し、逆上した晃によって斃される。
〈declarer〉
[タロン]
リボークの相棒。自称最高のハッカーでCIPCのデータベースに何度も侵入している。
が、悉く倉澤のプロテクトに阻まれている。
新生NEOでの粛清を免れ、劍の教えを守り生存した。
[ベイルファイア/ヘイゼル・ファチュアス]
アズハルのテロ組織と対立する国際テロ集団"烽火の団"を率いていた人物。
ヘザーの糾問により摘発され壊滅に追い込まれた後、残党が
NEOに吸収合併されたことで組織は解体されたが指導者の立場を離れて
単独のテロリストとなりNEOに参加。それまでは爆弾魔として名を馳せていたが
後にヴィ・マギアに覚醒。熱量を操作する能力を得る。素性を隠しているが実は女性。
結果的に"烽火の団"を壊滅させたヘザーに対し憤りはなく頭目を継いだ責任感から
解放されて寧ろ喜んでいた。それまで敵対していたがある一件を境に
結晶化が重度となり臨死する。維の"救済"によって助けられ以降は
NEOを離脱し、協力的となる。ヴィ・マギア覚醒当初は扱いに慣れていなかったが
次第に火薬を利用した戦法を交え熱量の制御を身に付けていき(炎を操るなどの)
生粋のヴィ・マギア以上の戦闘能力を獲得する。後の英雄連合に加わる。
|~Lost Side~
ロストエイジ編ではレギュラーキャラとなる。闇が晴れた後、
協力関係となったCIPCから特派調査員として外界の調査を任命される。
真っ先に未到達区域に辿り着き、遺跡を踏査していた所、火の烙印を授かる。
この時点では覚醒しておらず、エマージェントとの交戦時に
ヴィ・マギアの残滓と直結し炎熱の力を得る。ブランダーとなった当初は正体を伏せ、
篝(ゴウ)と名乗っていた。
〈griseus/griseus revamp〉
[劍(ジアン)]
天穹を本拠とする名うての殺し屋。紫炎と同じ形質の東洋技術を基礎とするが
八葉と同門で共に自然法爾流を体得した使い手。単独行動が常の紫炎と違い、
組織行動にも順応し、"NEO"で組織の為に尽力するように
同行した者達に手柄を立てさせ自分は支援に徹するなど組織内の育成に余念がない。
しかしこれはNEOに対する忠誠ではなく自分の思惑によるもの。
不可解な言動も多く、八葉や紫陽と伯仲する実力を持ち
何処か底知れぬ威圧感を纏っている。
フェルムを一着も持っていないのは自身に追従する性能がないからで、
その超人的特異性は第六機関の研究対象になるほどである。
グレイベアードが現れる前に組織を抜け、フリーの殺し屋に戻る。
思えば後進の育成をしたのも新生NEOを予兆していたからかもしれない。
東方の秘術である"異法力"で独自に鍛練し気を練ることでフェルムなしでも
鉄衣と渡り合う力量を得られる。非常に繊細で扱いが難しい反面
完璧に力を引き出せれば尋常ならざる実力を発揮できる。
同時に様々な武器を使い、戦闘を行うが装備だけに頼らず現地調達することもある。
フェルムを嫌っているわけでも着れないわけでもなく
足首に付けた保護用の簡易フェルムによって一時的にロストエリアの探査も可能。
[バックスライダー]
シェイク自ら交渉しNEOに加わった謎のヴィラン。過去にフェルムを扱う
指折りの調査団に属し独自のヒーローチームを結成していたが突如、裏切り
仲間を全滅させて放浪していた。理知的な側面がある一方、
獰猛で強い渇望と妄執に囚われがち。バックスライダーとは通り名で
仲間殺しのスライの異名を持つ。
[鬼灯博士(ほおずき―)]
"NEO"に亡命してきた科学者。違法な研究を繰り返し、その結果国中から
追われる身となるが自身の保護の見返りにNEOに技術力の提供をすることで
死亡者扱いと操作され、追っ手を振り切る。フェルムを専門とするが
現在は意思を持った機械の開発に専心し、図らずともNEOに貢献している。
新生NEO後も鬼灯の技術力は有益と判断され、権威を奪われたものの
研究施設は継続して使わせた。
[D-D(ダブルヘッド)]
鬼灯が作った擬似フェルム。人工知能を有した人型であり、
まるで人間のように行動する。三体のリーダー格。
[デッドハンド]
鬼灯が作った擬似フェルム。
"NEO"の邪悪を意識して凶悪な死刑囚の人格をコピーした為、粗暴な言動が目立つ。
何度も維等を襲撃するが最後は晃によって破壊される。
[クロックワイズ]
鬼灯が作った擬似フェルム。
常に時間を気にする繊細な人格だが三体の中では知識人。
[エドロス・エルデスト]
"NEO"を組織した人物。悪の結集を謳い、表面上は連繋のない悪人達を
裏では結び付け時には協力、敵対などをして犯罪助長を進める
現在のNEOの基盤を作り上げた。数年前に死去しているらしいが真相は不明。
実際は数年前の事故でディスタントに転移していたことが判明。
闇の勢力である邪悪軍に魅せられ、動向を探っていたが
ダアク大帝に見つかり処刑されそうになる。マドウの進言で生き延びた後、
情報を交換し隣接する世界が未だ光のある領域だと教え
現実世界への二度目の侵攻のきっかけを作る。
以降は邪悪軍に同伴していたがEvil Allianceとして進出した際、
NEOの総統に挿げ替わったグレイベアードによって消滅させられる。
[上林清音(かんばやしきよね)/クリスタルガール]
維の級友で品行方正で控えめな少女。変異性サイトレスに襲われ、
ヴィ・マギアと覚醒するも耐え難い破壊衝動や負の精神に辟易し憔悴していた所を
アディアに導かれ、そのままNEOに協力するようになる。
特異能力の特徴からクリスタルガールと呼ばれ、NEO内ではクリスタと名乗っていた。
《powers of crystalline》
通常は深刻化し心身を蝕む結晶化現象を制御し、その度合いによって
攻撃的な結晶を生み出す。それを武器にしたりそのままぶつける、或いは
土中から突き出させたりする。また、接触時に触れた相手の表皮に結晶を埋め込み、
内と外から結晶を暴発させて攻撃することもできる。結晶の使い方は多様で
状態が深刻なほど多量の高質な結晶を作り出せるが自身への負担も大きくなる。
基本的には氷柱のような形状で尖ったように現れるがある程度形質を変化させられる。
最大で99%の状態を極僅かな間維持でき、脳の中枢部以外をすべて結晶とすることで
圧倒的な防御耐性と超人的ボディへと変貌する。
[バーテックス/ジョシュア・エリアス]
新生NEOに加わったヴィラン。新生NEOの中核である幹部"四天の頂"でも
ずば抜けて高い実力を持つ。本名はジョシュア・エリアス。
全ての経歴を自ら抹消し、社会的には存在しない人物である。
平時から特製の法衣を羽織り素顔を隠している。
闇の因子を多く取り込んでしまった結果、人格が歪み
希望や正義といった概念を忌み嫌い、絶望の深淵を相手に突き付けるようになる。
《Josh Elias》
ジョシュアが異端者だった頃、ジョシュと名乗り旅をしていた。
正邪戦役においてアイザック等と共闘し邪悪軍を破った。
その後、アイザックの提案で異端の力を封印することに同意し
力を失うが数年後に異端の後遺症と思われる奇病を発症し隠居を余儀なくされる。
半年程で回復するも力を悪用せよと自身の内に語り掛けてくる
闇の存在に苦悩していた。そこへ、ディスタントからやって来た悪人
"ヴォルテックス"にヴィランの頂点"バーテックス"となることを強要される。
当初は拒否するも闇の奔流に抗えず、バーテックスの道を歩み始める。
[デス=ブラッド/黒橡玄三(くろつるばみげんぞう)]
新生NEOの幹部、"四天の頂"の一人。過去に鬼灯と同じ研究機関に在籍しており
鬼灯の実験素体として被験者を提供していたが最後は騙されて
実験過程だった"D因子"を注入される。当初はそれにより臨死状態となり
長らく昏睡していたが鬼灯が去った後、凍結された研究施設跡地で
突如覚醒し生き返る。しかし"D因子"によって色素が毒々しい紫色に染まり
凡そ人間らしくない身体となってしまう。血液に溶け込んだ"D因子"は
対外に放出されると数秒で気化し周囲の生物が呼吸などで取り込むと
死に至らせる。地肌が空気に触れると"D因子"が活性化し暴走してしまうので
常に全身をスーツで覆っている。その上で人工皮膚を付着させ通常は紳士を演じる。
当初は鬼灯への遺恨が残っていたが次第に自身が求める崇高な理念を追求すべく
グレイベアードに従い、ヴィランの帝国を作る野心に傾倒するようになる。
《Death Blood/dreaded factor》
D因子が溶け込んだ死の血は言わば致死性の高い毒であるが元々は恐怖の因子、
恐怖を誘発させる因子で投与した対象者に超常的威圧を伴わせ、
対する相手を否応なく戦慄させる。その独特な恐怖心で統制し種の支配者を
生み出す計画だったが不適合だった玄三への投与で予想外の反応が起きた。
凄絶な拒絶反応により臨死するも奇跡的に生還、それによって変異したD因子を
コントロール出来るようになるがその特性は感情に左右され
穏やかであれば神経麻痺する程度の毒性、激昂していれば瞬時に即死する
強力無比な劇物となる。
[ベイル・ディザスター]
新生NEOのヴィラン。"四天の頂"の一人で災厄を振り撒く、歩く大災害と称される。
ディスタントでは新参だったが荒廃した闇の世界を渡り歩き、時に
邪悪軍を時に光の民を殺めては力を蓄えていた。誰の命令にも従わない
自己中心的且つ身勝手な悪役で、災厄そのものと揶揄される。
しかし圧倒的な力を持つグレイベアードの前ではそれなりに控えている。
協力するのも単純に本能的な破壊衝動を満たしたいが為で行動に目的を持たない。
[エヴァン/アウトバニッシュ]
"四天の頂"の一人。先天的に超常能力を備えた気まぐれな女。
ディスタントで突発的に破壊を繰り返していた女性ヴィラン"アウトバニッシュ"が
こちら側に来た影響で変化を来し、見た目は男性である"エヴァン"となる。
《outlandish》
アウトバニッシュの持つ異様な力。存在する事象の前(過去)と外側の領域を司り
超越する。グレイベアードの叡智を以てしても全容を把握できず、本人も力の本質を
理解し切れていないブラックボックス的要素の多い特異な能力で
認識したある地点を起点に時空の超越を行うことで恰も瞬間移動したり
その地点に相手の攻撃であるエネルギー(運動量)を転移させ無効化するといった
事が出来るが何れも不確定且つ周囲の状況に影響される。
部分的な性質では異端者としてのジョシュアが本来持っていた能力に類似している。
[グレイベアード/ビッグ・グレー]
新生NEOを統括する首領。老人であること以外は不明で
旧NEOでは在りえなかった統制を強いる絶対的な支配者。
大賢士とも呼ばれ、全知全能に近い存在であるとされている。
ディスタントの住人で高位上層委員会の役員だったが
隣接する並行世界の事を知り、エドロスと入れ替わりでこちら側に来た。
その際マスターマインドの半身を褫奪し、"叡智の力"を使って時間軸を
操作することで事実上は本来の時間より前に到着している。未来を予知し、
過去にエドロスと接触、NEO発足を促した張本人でもある。
巨悪を煽動、創造した理由は次なる世界の革新を齎すためで、
人が人を超える可能性に期待しているが一般的に超人と形容されるであろう
特異能力を持つディスタントの人間であっても未だ不完全と見做し、
その理想は遥かに高い。唯一、ディスタントでは巡り合わなかったサンタルシア
といった人種に興味を持っており、それ以外の俗人は排他的に有象無象と見ている。
適格ではないグレイベアードが時間軸を操作した影響で自身の時間が止まっている。
記憶した他の能力を応用して肉体的物理的な若さは保っているが成長という
可能性を放棄したことになる。そのせいか常に"進化"する維を危険視している。
委員会時代で既に高齢でビッグ・グレー(大いなる灰白)と呼ばれていた。
当初は相手を支配する能力を多用していた為、
CIPC等と敵対した際にフランドは他人を操る能力だと解釈したがそれは一部分であり、
元々の力は高次の記憶能力とその再現性、そして得たものを自分独自のものへと
変化させる性質で、委員会としてディスタントの多様な能力を持った住人の力を
見聞し、実際に体験したことで記憶した力を再構築することに起因しており
事実上無限の能力を有する。膨大な記憶を完璧に補完するには"叡智の力"が必要で
以前からマスターマインドを狙っていた。が観測者として君臨するマスターマインドは
神に等しい存在でその当時のグレイベアードでは赤子同然だった。しかし
全世界とリンクし並列観測を行う一瞬だけマスターマインドは乖離し
半身が一時的に無防備になることを知り、力の強奪を決行。委員会の権限を利用して
マスターマインドの在所に忍び込むと機宜を見計らい結果的に半身から
"叡智の力"を獲得することに成功する。それによって飛躍的に進化し
超越者と同列あるいはそれ以上の能力を手にした。
[ホア・フロスティ]
グレイベアードが直々に勧誘したヴィラン。物質を氷結させる力を持ち、
国交を断絶するために巨大な氷壁と広大な凍土を作り上げた。
ディスタントの住人で自分のエゴに基づいた悪事を働いていたが
グレイベアードがその能力に目を付け、力を増強させ新生NEOの幹部とした。
-政府関係者-
[百済善導(くだらぜんどう)]
帝国連合の首相。実質的な権力のトップで、世界で宣教される宗教の教主でもあるが
滅多に人前で姿を見せず、実際の政策は連に一任している。
[連空輪(むらじくうりん)]
葦原を統治する国主。自分も含めて人間に嫌気が差しており悪事を働く
道理が飽和していると嘆いている。(人間が辿り着く悪逆の非道に飽き飽きする)
NEOは必要悪とする百済の指示で極秘に協力しているがNEOにも自分が求める
純粋な悪は存在し得ないと考えている。
[雨霧壮志(あまぎりそうし)]
大八洲の国主。元は若くして法務を任されていた秀才。
秋明とは同級生で昔馴染み。
[玉垣(たまがき)]
帝国連合首脳議会の議員。熱心な連派。
[浦安(うらやす)]
帝国連合首脳議会の議員。玉垣に同調し連派だが陰ながら壮志を応援している。
[和知大宗(わちたいそう)]
帝国連合首脳議会議長。
[蒼陽春(ツァンヤンチュン)]
天穹の国主。帝国連合でも重要な役職に就いており、顔も広い。
サイトレスの存在に執着している節があり、裏では"NEO"と通じている。
[花(ファ)]
陽春の右腕。主に他国との協定や連携、支援などを取り計らう。
[フロラ・グランデ]
セカンドシティの国主。王位を持った正統な後継者だがまだ若く、
お嬢様気質が抜けない。
[ソフィア]
クィンクェの国主。暫定的ですべての権限を握っているわけではない。
保身からか、正確な情報は公表されていないものの
その気品や人格から聖女の再来と謳われ市民からの支持は厚い。
[カウフマン]
伯爵と称される帝国連合政府の高等役員。議員としての発言力も高く
何より私設財団を有しており、莫大な財力を動かし政界を揺るがす権力を持つ。
フロラやソフィアといった新政権を我が物にしようと先導するように助力。
[グレイス]
情報管理局局長。
[ヴォルター・イェンス]
異端者の一人。自らのすべての経歴を抹消し、政府中枢に入り込むと
カウフマンに取り入ってその側近となる。
-鉄線蓮-
[モリス・アントス]
鉄線蓮を束ねる褐色の男。"棘の王"の異名を持ち、実力も相当。
常に冷静で知的な論理派だが融通が利かず柔軟な対処を求められる場面で
判断が遅れることもある。堅物であり、責任感が強く
メンバー一人のミスでも自分の過失と考える。
レベルナインの復活を阻止できず、その失態の責を問われ鉄線蓮から外れる。
後任に八葉を推薦し、全ての権限を剥奪されて葦原を去った。
後にCIPCにスカウトされ訓練教官に就任する。
〈dimorhos〉
二つの形態を持つ鉄衣。使い手はモリスに限定されていた為、鉄線蓮を去った後
彼の下に持ち出されたが一般市民となったモリスに鉄衣を扱う資格はなく
封印されていた。その後CIPCが接収しMalva等の開発の参考となった。
〈osteon〉
除名処分を受けたモリスのフェルム。元々所持していたもので
性能は劣るが既存のフェルムの中ではそれなりに高性能。
[八葉(バーイェ)/アルメリア]
素性は謎が多いが、鉄線蓮随一の実力を誇る。
紫陽の師匠でもあり、先代の師範から直々に自然法爾流を教わった。
劍と同じく老化抑制の秘術を習得している。
平時は若々しい美女の姿で救済の巫女"アルメリア"を名乗る。
〈amaranth〉
最高傑作と称される赤い鉄衣。
〈campanula〉
八葉(アルメリア)のフェルム。
[シェパード]
更新によって除隊が激しい鉄線蓮において"鉄甲衆"の頃から健在する古株。
その紳士的な仕種から"ジェンティール"の名で呼ばれている。
平時はフロラの執事的な立ち回りで彼女を護衛している。
〈scriptum〉
特殊な素材で作られた鉄衣。設計自体は旧式であるが所有者の更新に合わせて
パーツは最新のものに取り換えられている。
あちこちに模様のような刻印があり、最大稼働時はそれらが発光する。
〈sempervirens〉
シェパードのフェルム。
[アゼリア]
百済の秘書官を務める女性。常に冷徹であり自他共に厳しく任務とあらば容赦ない。
〈anemos〉
高速機動に重点を置いた鉄衣。
〈mirabilis〉
アゼリアのフェルム。
[エディ・スターライク]
フェルムに関連した工学に専心する技術者。鉄線蓮の諜報員としての
活動は主に裏方で情報管理や操作を行う。肉体労働は苦手で
最終的には自分の役割を代行する無人フェルムを完成させるのが夢。
帝国技研の中心メンバーでもあり、鉄線蓮は副職のようなものだが
技術的理解の高い人員として抜擢され、試験も研究成果によって通過が
認められている異例の存在。帝国技研では教授とも呼ばれる。
〈peruviana〉
ある程度の距離なら遠隔操作、無人稼働が行える鉄衣。
〈alatum〉
エディが独自に開発した飛行可能なフェルム。飛行するフェルムの実用化に向けて
研究が進められるミクロスラスト機構ではなく、原始的な方法で飛行する。
羽に当たる部分、飛翔翼を展開することで航行し
短時間なら空中に留まることもできる。原理はグライダーなどに近い。
[菜(ツァイ)]
何でも卒なくこなす中華系少女。ソフィアを尊敬しており、
鉄線蓮としての指令もあって彼女の側近となる。
〈kurkum〉
黄色の鉄衣。
〈天花〉
菜が普段使用する儀典用に調整されたフェルム。祭儀で使われるフェルムだが
アタッチメントパーツによって性能を変化させ最大限装着すると戦闘用鉄衣に匹敵する。
[光華(こうか)]
ちょっと幼稚な童顔乙女。天才気質で大人顔負けの理解力はあるが
言動や見た目から子供に間違われやすい。
アゼリア同様に要人警護の観点から壮志の専属秘書を務めるが
自由奔放故に実務はこなしていない。
〈astron〉
最新のフェルムに導入予定のミクロスラスト機構を試験的に搭載した滞空可能な鉄衣。
〈aster〉
光華のフェルム。
[ペレスキア/チルアイス(Chillaes)]
鉄線蓮の新参者。過去に"ベルギア"と名乗り小規模なテロルを煽動していたが
モリスによって更生し、その恩義と尊敬から鉄線蓮を目指す。
情報操作の試験で自らの技量を見せるべく自分の経歴を抹消する。(その際本名も捨てた)
幼少期のトラウマが生んだ破壊衝動の強いチルアイスという別人格がある。
〈hippeos〉
騎士の甲冑をイメージして作られた白銀の鉄衣。
〈cosmos〉
ペレスキアのフェルム。
[ロゼット・ウィアード]
モリスが抜けた後に入った新人。ブレイクの妹。兄と同じく
運命に翻弄される宿命を持つが"運命の力"自体は宿していない。
八葉に師事しているが当人からは余り相手にされていない。
〈gloriosa〉
政府から支給された新型鉄衣。
〈carnation〉
ロゼットのフェルム。基礎設計は連絡が途絶える以前のブレイクが送って来た
フェルムの資料データに基づいており構想は生体融合型フェルムに近い。
-レベルナイン(九人の反逆者)-
[シラー/ヘレボルス]
レベルナインの統率者。しかし支配を強要していないので実際は従わない人員も多い。
(シラー自身の統率力の欠如というより他の反逆者達の個性が強い)
互いが対等であることを前提とする反逆者においては
指令を行うとき、提案や依頼といった形で協力を要請する。
リベリス時代ではヘレボルスと呼ばれ、リーダーとはかけ離れた存在だった。
天のシンボルを持っている。
〈praestans〉
[ルブラ]
反逆者の中でも天性の通力が強く、唯一フェルムを着用していない。
海のシンボルを有する。
[ショウマ]
無鉄砲と履き違えた正義感を熱く宿す少年。
シラーの作戦には従うが基本的に自己中心的。
所持するのは日のシンボル。
〈helichrysum〉
[イズイ]
赤と青のオッドアイが特徴のミステリアスな少女。
よくショウマとコンビを組まされては彼の向こう見ずな言動に冷静なツッコミを入れる。
火のシンボルを持つ。
〈coccineus〉
緋色のフェルム。
[グレイグ]
リベリス時代に反抗活動の実動を買って出ていた過激派の一人で
自分自身が反逆者としての本分を遂げるのではなく他の反乱分子の命を対価に
それを護る用心棒のような立ち位置にいた。
根っからの仕事人気質で与えられた役割は完璧にこなす性分。
地のシンボルを所持。
〈lupus〉
グレイグのフェルム。生身でも十分強いため滅多に使用しないが
主に移動用の足として用いる。
〈saxum〉
可変するブロードソード。フェルムと同質の素材であり
生身の状態で振るうには相応の熟練が必要となる。
普段は"lupus"に格納されている。
[ベリス]
雲のシンボルを所有。反逆者では珍しく上流階級出身で令嬢だったが
ハイテック社の台頭で管轄していた企業が倒産し一気に没落した。
その煽りを受けて転落人生を歩み、一族が離散した直後に当時頻発していた
内戦に遭遇し、難民を同士として迎い入れていたリベリスに救助される。
〈coerulem〉
対空戦闘に長けたフェルム。
[未央(みお)]
(記録上は)最も新参の少女。所有するのは空のシンボル。
〈AER〉
試作型鉄衣。試作のミクロスラストも試験のため搭載されている。
[レンブラント]
風のシンボル所持者。リベリス時代の初期から参加しているメンバーで
鋼の意志と屈強な肉体を誇る鉄の男と称される。能力の影響で何度も
肉体が若返っている為、実年齢と異なり年老いた外見はない。
〈giganteus〉
複数のパーツと連結することで真の姿を現す巨大なフェルム。
[フォリア]
雷のシンボル所有者。実はリベリスに在籍していた同名の人物を騙るスパイで
レベルナインを投獄した際に政府から送り込まれた。同じ牢獄生活を送り、
高度な生体手術によりフォリアと同一の外見や特徴を持つため
古参であるレンブラントですら見抜くことはできなかった。
感覚的に違和感を感じ取ったルブラを除いて他のメンバーの欺瞞に成功しており
そのための努力も怠らない。徹底されており人格的にもレベルナインの一員であるが
ある条件下でスパイとしての自分を想起し任務を果たす。
基本的にはレベルナインの監視を務める。NEOの介入は予測していなかったものの
何れ脱獄し国家へ叛逆することを危惧していた百済からの密命で
適格者が選出され潜入することなる。本物のフォリアは最後の反抗運動時に
死去していたがリベリスでは不明のまま処理されていた唯一の該当者で
生還したと同時に投獄されていたと後付けされた。
〈leonis〉
-サイトレス・オーナー-
[飛電(フェイディエン)]
サイトレスを使役するように扱う謎の中国人。
方法は不明だが多数のサイトレスを従え、時にそれを売り捌く。
本来は自我がないはずのサイトレスをコントロールする術を持っているが
完全ではないらしい。フェルムがなくとも
独自にロストエリアへ侵入できる装置を開発している。
カウフマンに教唆され、大八洲にサイトレスの群れを放つ。
後に装置の開発は鬼灯によるものだと判明する。
[風雪(フォンシュエ)]
飛電の後継者。飛電が使っていた装置を更に改造しより強力なサイトレスや
多くの群れを統御することに成功した。一部に簡易小型化した装置を与え
サイトレスによる同時多発的テロを引き起こした張本人。
-ソーサリー・フォーサー-
[デリング・アッシャー]
ソーサリー・フォーサーを束ねるリーダー格。審判の代行と称し、
"裁き"を執行することに執着する歪んだ正義感の持ち主。
強者こそ絶対という規範のソーサリー・フォーサーの中でも抜きん出た才覚があるが
横柄なヘルモーズに対し、他人に強要する意思は全くない。
彼らが"魔術"と呼ぶ異能で、極めて特殊な制約を伴う封印契約という能力を持つ。
封印契約の発動には左右どちらかの手の甲に模様を刻む必要があり、
その刻印は"炮烙の蝋"という特別な道具で施す。当然ながら
火傷に似た激痛を発するが模様が消えると傷跡は残らない。
発動に応じて刻印を変え、一度使い切った能力は刻印が消え二度と使用できない。
模様は幾つかの古代文字などを組み合わせて合成したものだが契約前に
予め決めておく必要があり携帯する白紙だった"魔術書"はすでに埋め尽くされ
日々更新している。その為か思い立ったらすぐに記録する癖がある。
[ヘルモーズ/ナタン・エフライム]
力こそすべてが信条の悪漢。基本能力は"反射"で
相手の攻撃を倍にして返す単純なものだが力の本質は自己反射によって
エネルギーを蓄積しそれを一気に解放して放出することにある。
[ジャスパー・ホワイトネス]
闇に滅ぼされた亡国の王子。王族でも唯一の生き残りで身寄りがなかったため
身分を偽り別の人間として生活していた。柔和な性格で殺伐とするメンバーの宥め役。
媒介とする物体の持つ色に応じて異なる能力を発揮する。
[ウェド・マールト]
帝国技研を追放された天才科学者。ヴィ・マギアの実験にも少なからず携わり
その頃から異常な力に魅入られていた。ソーサリー・フォーサーに覚醒した
きっかけは他者と異なるが力を欲するが余り制御も覚醒段階も遅れていた。
当初はまだ覚醒していなかったためソーサリー・フォーサーには協力者として関与。
[リガー・スティール]
四度も脱獄を繰り返した凶悪犯。最終的に犯罪を犯すことよりも脱獄することが
目的になり、脱獄計画を練るのが趣味という変わった男。
そのせいか目覚めた能力も脱獄に関わるもので獄中で覚醒した経緯は一木と酷似する。
能力は"牢破り"(クラッシュアウト)。どんな場所(閉鎖的な空間)からでも
脱出できる異能でこれ自体に攻撃性はないが瞬間移動や壁抜け(透過移動)の
応用として用い、卓越した格闘技能によって相手を急襲する戦法を得意とする。
ヴィ・マギアとしての覚醒は誰よりも早く破落戸だったために試す機会にも
恵まれたが自身に対する興味は薄くNEOに声を掛けられるまではその有用性を
理解していなかった。その後、ソーサリー・フォーサーの同志を集めていた
デリングに会い、今までと違う"景色"を見るべく仲間となる。
[簓木白波(ささらぎはくは)]
振動や波の流れの波動を御す女。潜在性は未知数で予測では
渦の支配者、ヴォルテックスに比肩するレベルでもある。
[小手毬鈴懸(こでまりすずかけ)/スパイア]
稀な変異ヴィ・マギア。半結晶化が進行しており部分的に感覚を失い、
脳にまで影響を及ぼしているため奇妙な言動を繰り返すことも多々ある。
平時は小手毬鈴懸と名乗り慈善活動に勤しむ好青年だがソーサリー・フォーサーの
活動時は冷徹となり子供を殺めることも躊躇しない。
ヴィ・マギアとしての練度は高かったがソーサリー・フォーサーに適さないと
判断したデリングからは拒絶されるも白波の推薦で仲間に加わる。
実はディスタント出身。第一次侵攻の際に送り込まれ部隊撤退に伴い残留し、
潜伏していた。その後、逸れたサイトレスと接触し
ヴィ・マギアとして覚醒したことで記憶が欠落したが
ヴォルテックスの弟子で彼の力の一点を扱える。
-外側の範疇(カテゴリーアウト)-
[灰(かい)]
爆弾や火薬などで物を燃やすことに専心する危険人物。身勝手で短気、
少しでも気に障れば容赦なく周囲を焼夷する。常に小型火炎放射器を携帯し
材料さえあれば何処でも瞬時に簡易爆弾(手榴弾に近い)を作成できる。
能力が覚醒する以前から危険であったがある一つの火種から
連鎖して燃焼を引き起こす力を手に入れたことで本来は着火しない所に
火炎を発生できるようになった。
[犬桐里曲(いぬぎりさとみ)]
爆薬を仕込んだ特製のグローブで殴打する通称、"フェイタルパンチ"を武器とする。
当然諸刃の剣だが生まれつきの頑丈さが唯一の誇りである彼にとっては
一寸の恐怖すら及ばない。使用する爆薬は灰特製のもので灰を師匠と仰いでいる。
能力は反発力。自身に対する力(内外から与えられる力)を跳ね返すことができる。
跳ね返った力はその時点で効力を失うため、カウンターのように使うことはできない。
性質的には衝撃を吸収することに近い。事件後、修行を経て
反発力を蓄積し攻撃力として変換する技を会得。放った物にぶつけて
破砕しながら炸裂させる爆砕拳を編み出しだ。
《bounce back》
《fatal punch/blasting fist》
[花立楓(はなだてかえで)]
[入来院一木(いりきいんいちき)]
医師であるが度重なる殺人未遂により投獄されていた男。
高所からの文字通り"転落"に異常な関心を見せ、何かを落とすことに愉悦を感じる。
突発的に"沈下"させる能力に目覚めたことで脱獄し、零夜の誘いを受けて
カテゴリーアウトに加わる。今では長い監獄生活で多少更生したのか
普段は紳士的で猟奇的な面は和らいだが衝動的に他者を傷つける言動を起こす。
《sunk dropper》
一木がサンクドロッパーと名付けた自身の能力は大別して即効型と遅延型があり、
即効型は自由自在に瞬時に沈ませ、それは床だけに留まらず壁であったりしても
凹むような形で現れる。遅延型は配置するものと時限式があり前者は
落とし穴の要領で侵入者を落下させる。一木が激情すると周囲を穴だらけにし
自分以外の空間ごと沈下させる"falling sinker"によって崩落の限りを尽くす。
[深見浪華(ふかみろうか)]
[杜若菖蒲(とじゃくあやめ)]
[伯零夜(はくれいや)]
カテゴリーアウトの纏め役。上下関係はないが何らかの会合がある場合、主催する。
[祝部(はふりべ)/オーバーテイク]
零夜の従者。その存在感は薄く誰も気にも留めていない。
何らかの力を持っているようだが滅多に使わず、誰にも見せようとしない。
後に正体がCIPC等の捜査網を脱し隠遁していたオーバーテイクが
自分への認知を希薄化させた状態で偽った身分であると判明する。
ヴィ・マギアで最も早く第二級に到達している。
-master eleven-
[トレイド]
トーナメントEブロックのシード。神出鬼没の運び屋。
[クリアランス]
トーナメントBブロックのシード。俗に掃除屋と呼ばれる。
[アイアンウォール]
トーナメントAブロックのシード。天穹の地下闘技場で連勝しているチャンピオン。
[ブロードヒルト]
トーナメントDブロックのシード。四本の剣を使う異流剣士。
ブロック決勝でCIPCチームの晨と対戦。激しい剣戟の末、晨が勝利した。
[ロンデルサクス]
トーナメントCブロックのシード。石弓を巧みに扱う狩人。
CIPCチームの二葉と対戦。
[バック・フラー]
トーナメントGブロックのシード。私設自警団を組織した男。
[アキュート・キャレット]
トーナメントFブロックのシード。放浪する自称冒険家。
[黄蓮(おうれん)]
トーナメントIブロックのシード。浅紅、雎鳩、柏槙と共に民間調査チーム
"フォアフォース"を結成し、光なき大地の踏査をしていた。
CIPCの呼びかけに応じ協力する。
[浅紅(せんこう)]
トーナメントHブロックのシード。
〈serene〉
[雎鳩(しょきゅう)]
トーナメントKブロックのシード。
[柏槙(びゃくしん)]
トーナメントJブロックのシード。
-ガーディアン・トゥエルブ-
[キルカ・クィンタ]
位階三位にして守護者の筆頭で秀でたリーダーシップを発揮している。
戦闘能力に秀で、守護者が直接手を下す裁断や粛清を率先して行う。
[トト・クラヴィ]
二位の守護者。優秀な技術者でもありフェルムに関する多くの知識や高い技術を持つ。
守護者本来はフェルムを必要としないが空音のように"未熟"な者に対し
独特なフェルムを趣味の範疇として作り上げ与えている。
[煦煦(くく)]
位階一位である守護者の長。常に清浄の加護を纏い、超大な退魔の力を持つ。
[ヴィジタント]
下天の監視者と呼ばれる謎多き4番目の守護者。
[シルウァ/ダストワール]
[ドルグワント]
十一番目の守護者。
[シャーロット・バレンシア]
異端者にして欠番の守護者。
-邪悪軍/Evil Alliance-
[ヴォルテックス]
竜巻や渦潮といった渦の力を御すヴィラン。
粗暴で好戦的だが野心家で意外に知能犯である。
ジョシュアをバーテックスに導き、協力者と仕立て上げることで
Evil Allianceの頂点に立つことを目論んでいたが
ジョシュアが本来の自我を取り戻し、失敗に終わる。
レストと遭遇する際は事前にヴェイドの能力を奪われた報告を聞いていた為
対策として保険を掛けていたが予想を上回り、第一段階の能力は消失した。
グルルルルという野獣のような口癖が特徴。
[ドレーン・フォウム]
相手を弱らせたり、力を消失させる特異な能力を持つ女性ヴィラン。
[ミスツ・ミストレス]
霧の女王。邪悪軍拠点の大悪城を囲う魔の障壁と称される霧の壁を作り出し
絶対的に守護している防衛の要でダアク大帝も多大な信頼を置いていた。
[ヴェイド・アフレイム]
魔の深淵にある煉獄の炎を操る灼熱のヴィラン。
煉獄の炎には三層あり、それぞれ異なった性質がある。
レストとの交戦で"辺獄の炎"を失うが新たに二つの層を複合させる
業火の技を編み出し、天上の決戦で晃達と死闘を繰り広げた。
[スレイズ]
Evil Allianceに加わった孤高の狩人。ヒーローと目される人物を敵視し、
それを打倒し、討ち取った証を収集するという生粋のハンター。
超人的身体能力と様々な武器を使いこなす以外は目立った能力がないが
常軌を逸した精神力を持ち、あらゆる危険を顧みない。
過去にディスタントを守護していたヒーローの半数を討伐している。
[ダアク大帝]
邪悪軍を統べる者にして過去、影のサイトレスの大群を引き連れ
ルシアの神聖軍と戦った。大敗はしたものの大帝と側近は生き残り、
ディスタントで再起の時を待った。その後
残存勢力がEvil Allianceとして社会に溶け込み、新生NEOと結託して以降は
指揮権がマリスに移り、大帝は古参の将というレッテルが貼られる。
それにより一線から遠ざけれるが尊厳や実力は健在である。
[アイドネウス]
ダアク大帝の腹心にして一番の側近。
宛ら中世の騎士のような出立で剣術を得意とする。
空間を支配し、物体をその場に固着させたり動きを遅延させるといった
芸当ができレストにその能力を奪われるも先天の能力であったために再び発揮された。
[マドウ]
邪悪軍が擁する闇の賢者。魔道の力を探求しあらゆる術を使いこなす。
正邪戦役には参加せずディスタントに残った。
[フラガリア]
イル=マリスの配下。
[イル=マリス]
ディスタントに根付く闇の根源、その意思が具現した存在。
Evil Alliance(邪悪軍)の総統であり直接指揮を下す。
[アル=マリス]
イル=マリスと酷似する少女。実はイル=マリスの本体(邪悪が混在する超常の少女)で、
彼女が傷つくとイル=マリスも苦しむ。
[マスターマインド]
ディスタントを統御するように万象を観察する黒幕。
後にその正体が"叡智の力"で過去にディスタントへ渡っていた
百済善導であると判明する。グレイベアードに"叡智の力"を奪われて以降は
その後の指揮権をアル=マリスに委譲し
残った力を使い切って時間軸を操作し、ディスタントを離れる。
またその際、傀儡であるアル=マリスだけでは不十分と判断し、
アルスヴィズやジェストを協力者としてディスタントを自由に往来できるようにした。
以来は異次元の裂け目が出来るまではディスタントとの関係を断っていた。
-神聖軍/Dea Sedem-
[アナスタシア]
かつてルシアが最も信頼を寄せた乙女。ルシアから託された聖なる力と
呪術を応用して不老の存在となり、今尚ルシアの理想を実現すべく力を振るう。
神聖軍解散後、教会一派を纏め上げ信仰集団Dea Sedemを設立した。
その目的は撃退し鎮静したと思われた邪悪軍の動向を探り、対処をする為である。
神聖軍在籍時はまだ若く、実戦には参加していないものの
ルシアの侍女として同伴した。ルシアはナーシャと呼んでいた。
[エピス]
アナスタシアを補佐する神官の少女。
[ローシャ(ロージー・ピンクス)]
Dea Sedemの信者。闘争も辞さない強硬分子で好戦且つ高圧的。
[ディアンツス]
Dea Sedemの一員。神聖軍としての過去の記憶を持っておりその言動は謎が多い。
[プラウシェア]
Dea Sedemの教徒。強硬分子でもあるが不戦派でもある。
[ヴィクトル]
Dea Sedemの構成員。強硬分子でローシャを崇拝している。
[テレスフォル]
神聖軍に参加していた神官。末期に正邪戦役や神聖軍について記した手記を残す。
[シンマクス]
過去編に登場。聖なる鉄火部隊隊長で銃器の名手。特別に改造した専用の小銃で
(ルシアの補佐はあったが)視えないサイトレスを何体も倒している。
[ゼフィ・シクス]
過去編に登場。神聖軍の主戦力である"聖なる鉄火部隊"(通称聖火隊)の二番隊長で
自称ルシアの右腕。刀剣と小銃を使いこなし強大な邪悪軍と渡り合った。
[ニカ・マルクス]
過去編に登場。聖なる鉄火部隊所属の信徒。普段は消極的で小心者だが
いざというときは誰よりも強い意志を持っている。狙撃が得意。
[リベリウス]
過去編に登場。聖なる鉄火部隊三番隊長。実力はあるが野心家で神聖軍を
我が物にしようと度々画策し、ルシアを信奉するアナスタシアから
反感を買っていたが邪悪軍との決戦時では多大な活躍を見せ勝利に貢献した。
[ミルティア]
過去編に登場。ルシアの勧誘を受けて神聖軍に同行。
霊妙の儀の開祖とされ、何かを癒すことに長ける。
祖国ではその奇異さから魔女と恐れられていた。
[セルギウス]
過去編に登場。神聖軍最後の将として劣勢となった戦場に遅参。
剣の達人でサイトレスに包囲された神聖軍の窮地を救った。
[コノン・ラヨシュ]
ルシア復活と共に百年前の過去から時空跳躍した従者の一人。
[アガト・ランド]
コノン同様の過去の従者。維(アリウス)と対立した際のルシアに味方し
第三の勢力として台頭させた。
[テオバルト]
Dea Sedemの神官。アナスタシアの側近。
[赤衣(あかぎぬ)]
常に赤の外套を纏った謎の男。Dea Sedemの協力者らしいが
実際に神聖軍に加担しているわけではない。
何かとアリウス(維)を仲間に引き入れようとする。
[フューリアス・ブレイズ/アンシャル・シルシュ]
エピスによって匿われた客員。その正体は正邪戦役を生き延びた異端者で
最強と称される実力者。戦後大半がアイザックの提案に賛同し異能を封印したが
直前に消息を絶っており、長らくルシアとは異なる空間の
ディスタントとの狭間で彷徨っていた。数年前に現実世界へ生還するも
部分的な記憶喪失や感覚の消失を伴い瀕死の状態でエピスに保護される。
彼女の献身的な看護で生気を取り戻し、異端者のアンシャルとしてではなく
一個人としてDea Sedemに協力する。
-ディスタント関連人物-
[アクセント・クレイブ]
世界の80%程を闇に奪われた異世界ディスタントで光の救済を行う唯一のヒーロー。
ダアク大帝等とは幾度となく戦った因縁の敵であり
孤立無援の状態で"光ある世界"にする為、孤独に戦い続ける。
サイトレスを目視できるのは勿論、一時的に質量を与えて顕現化させ
周囲に視認できるようにすることも可能。
[ゴードン]
ディスタントで生存する"光の民"を導くリーダー。
[ユード=アルヴァレス]
イル=マリスと同位の所謂"神"に近しい存在。イル=マリスが悪であるならば
ユードは善を司る。しかし完全な正義ではなく、あくまで中立の為
自らが世界に直接干渉することは滅多にない。邪悪軍の増大によって
正邪のバランスが崩れたのでアクセントに積極的に力を貸すようになった。
[パーシアス]
[レスト]
光の民の少年。隔離拠点で暮らしていたが食糧確保の為に外出した時、
変異性サイトレスと接触したことで闇の力に目覚め、
万象の力を奪う存在"リーヴァー"となった。リーヴァーの状態になると
極度の暴走衝動に陥るが意識は保っており精神力次第で自制も可能。
しかしレストの誤った正義感によって善悪の価値が曖昧であり
"悪"と見ると見境なく敵意を向ける。
その想いはディスタントを救うことで、アクセントに憧れる。
《reaver》
ドレーンの能力に近く、それ以上に強大な性質を持つ、相手の力を褫奪する力。
一時的に弱体化させるドレーンの能力奪取とは違い、相手の力を完全に奪い取る。
対象者によってはその後、また能力に覚醒するケースもあるが
最悪そのまま能力を失うこともある。
フラガリア、ヴェイドやヴォルテックス、アイドネウス、ドルグワント等と交戦し
最終的に(自身の能力も含め)9つの能力を獲得している。
この内ヴェイドとヴォルテックスは一部の能力を、フラガリアは全ての能力を失った。
-神々の戦士達-
[ハーヴィ・グリーム]
[ヴァール・オレルス]
[サズ・ハール・ヘヴリング]
[フィヨルギュン]
[フレン・ファルマチュール]
[ブリンド・フェング]
[フォルセティ]
クヴェルドの仮の姿。
[フリッグ・フロージ]
[ユングヴィ]
[ラウフェイ]
-ゴッデス・ファイブ-
[カームノート]
ゴッデス・ファイブのリーダー格。神々の戦士達を束ね統率する頂点の人物で
神の代行者に相応しい力量を持つ。天教主と崇められている。
[ベルヴェルク]
ゴッデス・ファイブと関連する神々の戦士達を組織した創設者。
カームノートを表の支配者とするならば陰の支配者であり政府とも関わりが深い。
[彼の者(あ―もの)]
ゴッデス・ファイブの中でも極めて異質な存在。その素性はカームノートですら知らず
実体があることさえ不明。
[ガイウス・ハーディ]
正邪戦役を生き抜いた異端者の一人。ルシアに賛同し、終戦後も神聖軍の協力者として
各地の復興活動に勤しんでいたがジョシュと同様に異能の後遺症に苛まれ
祖国で療養する。その後、老化抑制の呪縛から人里を追われるようになり
旧交のある行商人の伝手で小都市の末端にある寂れた酒場をひっそりと経営した。
同じ頃、力ある者を探していたベルヴェルクの目に留まり神々の戦士達に勧誘される。
それを断ったものの次第に異能が暴走し始め、統御する術を教示するのと引き換えに
神々の戦士達の末席に加わる。訓練の段階で目覚ましい才覚を見せ、カームノートの
推薦を受けてゴッデス・ファイブとなる。実はベルヴェルクに会う以前に
雨霧壮志に助けられており兼ねてから問題視されていた政治の中枢に根付く
ゴッデス・ファイブの内偵を行うべく自ら志願して機会を待っていた。
[マリアム・オースティア]
異端者。
-選定者(選び定める者)-
[グルヴェイグ]
金色の鎧を纏った黄金の騎士。選定者の中でも特に高い位を持つ。
〈aurum〉
黄金に輝くフェルムのようなもの。データ上はフェルムと同質だが
明らかに材質や性能などが大きく異なる。
[クヴェルド]
グルヴェイグの配下。尖兵や監視者として先遣される。
[アルギュロス]
銀の騎士。選定者であるが、敵視するグルヴェイグに歯向かうように
選定された適格者に助力或いは敵対する。
[アルスヴィズ]
グルヴェイグと同格の選定者。狭義ではこの両者を選定者と称する。
[ハールバルズ]
力を失った賢人がアルスヴィズによって力を与えられ選定者となった存在。
[烏兎白鴉(うとはくあ)]
選定者(グルヴェイグ)によって選出された"選ばれし者"。
軽業を得意とし、どんな攻撃も寸前で見切る特質を持つ。
〈hoary raven〉
-ヴァントーズ-
[風月契(ふうげつちぎり)]
ヴァントーズとなって以降管理者となった少女。
欠番に維を据えようと考えている。
[ジェスト/シャオシー(笑戯)/異方晏司(ことかたあんじ)/フロード・テラー]
ヴァントーズなどではジェストと呼ばれ、
普段はシャオシー、異方、フロードの三者を使い分けて演じている。
嘘吐きほど信用できると触れ回り、流暢に話す際は常に嘘を交える。
多大な使命を帯びたヴァントーズでは例外的に独断が許されており
犯罪者を煽動したりと他人を弄ぶことを趣味とする。
虚言癖という点では空音に通ずる所がある。しかし両者には決定的に違いがあり、
空音の嘘は他人を遠ざける為の嘘だがジェストは他者を惹きつける為に嘘を吐く。
[デュプリケート]
各地の聖域を陰ながら見守る門番。聖域近辺にならどの場所でも瞬時に転移できる。
異質な大型フェルムと一体化しておりその様相は動く巨大な甲冑そのものである。
[白雲譲(しらくもゆずる)]
白雲研究所の所長であった白雲五四(しらくもいつし)の嫡子。
情報収集や管理を専門とし、ヴァントーズの拠点から後方支援を行う。
[蒼鷹(そうよう)/Mr.コバルト]
隠密に長けた傍観者。決して人前に現れず証拠の隠滅を徹底する秘匿主義者。
[山谷二三(さんやふたみ)]
第六機関の生き残り。当時の研究メンバーで事故から唯一生還した。
特別な使命はないが山谷もヴァントーズの数の内に入っており、
粛清を受けたことで空白の欠番が出来た。
[アリーシャ・アルベルタ]
山谷が抜けた後、契の誘われて加入した異端者。幼い頃に正邪戦役の場に居た所為か
見た目は少女のままで表舞台に立つヴァントーズとなる。
祝福の天使として人々を救うも内心は百年の人生で廃れ切っている。
-セントラル・フォース(中央第四議会)-
[花神日霊(はながみひるめ)]
葦原の姫君。
[元老王(ユェンラオワン)]
天穹の大老。
[プリムス・ウッドランド]
セカンドシティを取り締まるフロラの前任。
[玄黄(げんこう)]
大八洲を代表する賢者。
-unclear seven-
[アインアルハイ]
[エルキュール]
[アイシス]
[ストランド]
通称、鉄鋼のストランド。
[ベイパー]
[ラナンキュラス]
[疎/デビッド・トラクト]
-異端者(その他)-
[アイザック・オルト]
[ベル・リベカ]
[プリム・フェリア]
[ジョン・ヘクター]
[ラヴァン・シャーレメイン]
-正体不明(Unidentified)-
[アルデール]
かつて闇を滅した光の勇士。
[サントクロイス/十死の王/仮面(ファンミェン)]
エマージェントを束ね統率しているような謎の人物。
[巻上クロワ]
正体不明にして多くの事が露見している一般女子。他の超常染みた者とも違い
人間らしい外相や人格を有しているがあらゆる事象を制限する"不可侵"、
"不規則"などを使い対象を統制する力に長けている。
<violare>
[ヒネモス]
終日戦争を引き起こした張本人。アル=マリスと瓜二つの黒衣の少女で
眠っていたはずの禍殃の半身。
[禍殃(かおう)]
禍神と呼ばれる存在。組織上では禍津日(フォ・ジンリー)の名義を持つ。
-士師(六人士師)関連-
[ニール/OTH-113]
第一の救出者。失名者でコード番号で呼称されていたが
未到達区域で時代の遺物を発見し、イブに従って士師を組織する。
六人士師の代表だが人格者としての最高位であり、実力的にはシャムが勝る。
[シャム/GAR-331]
ニールに同伴する失名者。同じ施設で知り合い、共に脱走し、未到達区域まで
逃亡するが途上に受けた致命傷で他界。アブドとの誓約で転生し異なる力を得る。
死者なので契約したニールと一定以上距離が離れると生命機能が停止する。
遺物との同調が高く最も優れた力を持つがそれでも一度死んだ身という
欠点が強さを損なわせている。
[ハッド/E-BG]
第二の救出者。失名者だが登録番号はなく便利屋のBGとして施設に併設された
移動型コンテナで情報交換をしていた。気さくな兄貴分だが真の意味で
聖人のようなニールと違い、何事も億劫がって後回しにすることが多い。
施設では管理者側の立場にあったため、隷属関係にあった普通の失名者(ニール達)に
負い目を感じている。その罪滅ぼしも兼ねて棗の面倒を見ている。
[八子棗(やしなつめ)]
終日戦争を生き残った孤児。ハッドが保護者代わりとなり流れで
士師の集団に加わる。
[ジェデオン・ジード]
失地裁断委員会"ザ・ジャッジ"のリーダー格。
[ジェフサ]
"ザ・ジャッジ"の一員。
[サミー]
"ザ・ジャッジ"の一員。
[ザナージ]
"ザ・ジャッジ"の執行者。
[イブ/ZAN-128:10]
予言の御子と呼ばれた少女。外界で孤独に放浪していたが
ニール達に保護され行動を共にする。保護される以前の記憶が殆どない。
神託を受け、ニールに六人の士師を集めるように促した。
[エルオン]
イブの従者。
[アブド・エア]
始まりの士師。遺構の管理者で時代の遺物を監視していた。
-ハイ・オーダー-
[ルドヴィグ]
-鬼の一門-
-魔従士-
~Words~
【世界観】
繁栄極まる世の時代。過去、幾度か起きた戦争も収束し
全世界で恒久和平が実現し得る目前の世界。
技術も進歩し、人類の生活がより利便に豊かになっていく一方で
知らず間に闇が世界の端々を侵蝕していた。やがて、ロストエリアと呼ばれる
失われた領域は各地に現出し一点の光すら差し込まぬ闇が増大していく。
それは国際的な最重要問題となったがそれに抗う術はなく
並行して仮想首府計画に基づく人民の遷移が開始された。
光なき大地の広がりから逃れるように、人々は5つの実験都市へ大移住したのだ。
<光なき大地>
高度な文明の成長によって繁栄・発展してきた世界から外れた領域は
文化水準が高まるのと比例するように闇に蝕まれていき、
いつしか緑豊かな風景や生命が失われていった。闇の中は
自然光は勿論、人工の光源すら届かずブラックホールのように暗闇が延々と続く。
ここで有視界を得るには空間の色彩補正を可能とする装置
(市販品では暗視ゴーグルのような類似品で売り出されている)や
その機構を組み込んだフェルムが必要で、なければ
肉眼で探索するのは万人にとって不可能である。闇である以外は
ロストエリアと違い、方向さえしっかり把握できていれば人体への影響は少ない。
しかし通常はロストエリアとの境界線が識別し難い為に
いつの間にかロストエリアに迷い込んでしまいそのまま帰って来れないケースも多い。
ただ、闇の只中であると計器の類は利かなくなるので
視界を得なければ彷徨うのは必至である。
当初はロストエリアとなった場所が危険であり光なき大地自体の危険性は低いと
認識されていたが後に、遠隔地において闇の侵蝕から防護する術がない所や
効力が弱い所では反対にあらゆる脅威や恩恵が潜在し発動することが判明。
場合によっては致死に至らせることもあれば不治の病が完治したという報告もあり、
それが学術的に証明できない人智を越えた現象である以外は不明確だった。
これらは研究者によって光なき大地の影響とされ
ソーサリー・フォーサーの出現を確固たるものとした。
この空間内では光を源とするエネルギーなどが即座に失われ、
或いは強力であっても時間の経過で損失する。光源に頼らない物でも
微量に発光を伴う場合やそうでなくとも特に原動力となるものは失われやすい。
何より闇の侵蝕によって装置が正常に作動しなくなるので
長時間まともに活動することは不可能である。
<反転世界/ディスタント>
現実世界に隣り合うように並行して存在するといわれる架空の異世界。
光なき大地の侵蝕やロストエリア、サイトレスなどはこの世界の事象が
現実世界に干渉している影響だと考えられているが、実際は定かではない。
ディスタントは別次元に存在していた隣り合ったもう一つの世界で
世界の半分以上を闇に取り込まれている。一時を境に闇の部分が増大し、
光と闇という均衡が崩れたことで邪悪軍のような悪しき者達が現れ、
侵蝕が加速した結果、光を失った世界となる。その影響は
現実世界にも及ぼし、光なき大地の到来、ロストエリアの拡大が始動した。
すべてはディスタントにおいて
マリスといった闇の意識が力を振るうようになったことに起因するが
皮肉にも光なき大地の到来は人類の革新を早める結果となった。
ディスタントの住人は大なり小なり不思議な力を持っている。
<ロストエリア>
光なき大地によって侵蝕された地域のこと。
光なき大地の侵蝕が第一段階だとすればロストエリアはさらに進行した
第二段階といえる。ロストエリアでは完全な暗闇ではなく
日中であれば淡い光明が点在しぼやけたような視界が常に広がる。
(その地域に元々あった街灯などの光源も含む)
これはその地点の空間に歪みが生じた所為であり、
正常な人間がここに留まるのは短時間であろうと非常に危険である。
ロストエリア化した際に存在していた生命や構造物(建物など)はすべて
同一化しており、基本的には何の反応もない石像のようなオブジェクトとなっている。
取り込まれた人間の中には応答する者もいるが一様にして
自らの役割を果たすだけの傀儡でありまともな人間は生存していない。
このロストエリアの空間に干渉し、長時間の活動を補助するのがフェルムであるが
聖なる浄化を受けた者は短時間ならば生身でも往来できる。
<サイトレス>
ロストエリアに巣食う不可視の存在。どれほど視認性が高くても
影のようにしか捉えることはできず実体はないといわれている。
サイトレスが出現するようになると闇の侵蝕は第三段階と判定される。
凡そ100年前に出現した原種のサイトレスと称される存在は
現在確認されている個体とは異なり、構造物(人も含む)の陰影に潜み
人間の破壊衝動などを増幅させる。この時、如何なる手段を用いても目視できず
存在を感じ取れたのはルシアのような特異な人物のみであった。
<原態/原種>
原態とはサイトレスの根源たる闇の具現を表し、本来不可視のはずのサイトレスが
可視化されるほど濃密な質量を伴って顕現する。邪悪軍が雑兵とする
影のサイトレスも原態の一種であり、特別な人間でなくとも姿を捉えることができた。
通常の個体との違いは見た目だけでなく能力は比肩して高度且つ指揮に従う
恭順性や集団戦術を実行できる知性が挙げられる。ただし、
上位原態のような独立した自我は持ち合わせていない中途な存在である。
原種のサイトレスは最も低級で人間でいう赤子に相当する。
原種は干渉する力が弱く、直接作用できないので物質や生命に憑依する形で害を及ぼす。
<上位原態(じょういげんたい)>
進化したサイトレスの姿。"影"を形容する外形で音や言葉を発さず
無反応が常であったそれまでのサイトレスと異なり
人間のような、それすらも超越した高度な知性を獲得している。
さらに通常の個体と比較しても能力は格段に上昇し
一体一体に異なる個性、それを現す特異な力も発現する。
しかし反対に、自我というものを認識した所為か
ヴィ・マギアのような人間との融合は困難になり、寧ろ拒絶するようになった。
<フェルム>
光なき大地を歩行・踏査する目的で開発された強化補助スーツ。
概念としてはパワードスーツといったものに近く、
様々な種類があるものの基本的には特殊な金属素材を加工して作られ、
全身を覆う形態である。
フェルムには個人によって適性があり、人によって
スペック以上の性能を引き出す場合やまともに動作すらしない場合もある。
当初は戦闘を主観に想定したものではなくあくまで探索用の補助スーツだったが
サイトレスの存在が確認されると対抗手段として専用武装の携行や
可動性の向上などが施された。
一部では"鉄衣"とも呼ばれていたが後に、より実戦的に改良された
フェルムを"鉄衣"と呼称するようになった。
普段はスーツケースのようなものに仕舞って携行する。
<ミクロスラスト>
フェルムの飛行を可能にする目的で新提案された技術。
フェルム単体を浮かしたり飛行させるのであれば相応のブースターや
装置を取り付けウィングを備えれば良いが重量の関係とバランスの観点などから
着用した状態で装備を追加するのは避けられる。よって、軽量且つ小型である
飛行動力が希求された。
<仮想首府計画>
別名、別天津計画。主に日本が主導して発案、実行された極秘計画の一環。
表向きは急事に際して失われる首都機能を予め別所に移し
万事に対応できるよう汎用都市の建設及び実施試験であるが
元々は創世神話に魅入られた一部の学士が提唱した絵空事だった。
急激な首都の繁華に伴って生じていた"光なき大地"の前兆を観測した
当時の日本の首脳会議によって首都の移転を想定した一大計画が提案された。
その際、手法として参照されたのが学士の妄言に過ぎなかった別天津計画であり、
会議では多数が難色を示したが一部を引用して水面下では実施されていた。
最初は新たな都市の建設というだけで大した意義もなかったが
ロストエリアの拡大を実感し、危惧した帝国連合の誕生によって
人の共存できる国の樹立が望まれた結果、大幅な改革が推し進められ
現在のような住民などを丸ごと移し替えたような一連の国家となった。
計画上、全部で十都市存在するが現時点では第六都市までしか竣工していない。
<高天原計画>
白きテオリアに記された極秘計画の一つ。
<別天津計画>
複数の国家が寄り合い、文化の習合を経て新たな文明を作り出すことを目標とする計画。
一言でいえば「人類全体の理想郷」を創造することであり
これが提唱された頃は重要性が認識されず、全く相手にされなかった。
だが、現実にロストエリア化していく都市部を目の当たりにして
人類の大移住を発令せざるを得なくなった。
<シャドウメーカー事件>
現在ではフェルムの開発を一手に取り仕切るハイテックコーポレーション
(当時はエスペシャルカンパニー)が創業間もなく引き起こしたとされる事件。
その当時からフェルムのプロトタイプに当たる特殊な衣服を研究していた
エスペシャルカンパニーが試作品ながら"ski-A"の性能試験を行っていた所、
暴走した挙句空間を歪曲させ、原種のサイトレスを出現させてしまった。
公になる前にルシアによってサイトレスは消滅させられ大事にはならなかったが
後の調査でエスペシャルカンパニーを騙る第三者が不正に"ski-A"を起動させたと
判明し、その責任は事件に関わった影の製造者に問われることとなった。
<ハイテックコーポレーション>
過去、医療関係の技術や製品を展開する一企業として台頭した
エスペシャルカンパニーが帝国連合発足当初の「光なき大地」に対する
移動及び調査手段の確保を提案させるべく各産業に依頼が舞い込んだのを
聞きつけ、大胆にもその手段考案・開発の着手に立候補した。
具体的な立案より先に元々医療補助の目的で導入される予定だった
改良型パワードスーツシステム(未完成)の技術を転用しフェルムという構想を発案。
間も無くして特殊衣料の原型が完成し、その後最初期の試作型フェルム"ski-A"を運用。
その際、結果的にシャドウメーカー事件を引き起こしてしまったが
フェルムの開発には成功しすぐさま本格的な実用を追求した。
それから数年後、安全性が認められ探査用作業着としてだけでなく
日用的な強化スーツとして急速に広まり普及していった。
この他にもフェルムを独立して開発する企業や工房があるがやはり
一般的にフェルムのメーカー=ハイテックという定義が定着している。
<ブランド>
ハイテックコーポレーションが民間向けに委託販売を展開する上で設立した部門。
"Ensis"、"Gladio"、"Harpe"の三つがありそれぞれが独自の製造ラインと
技術を確立させている。"Ensis"はハイテック本社と提携している先端部門で
普及しているフェルムの殆どは"Ensis"製品である。"Gladio"は
エスペシャルカンパニー時代の開発担当者が存続する最古のフェルムブランドで
現在は主にフェルムの修理や改造を請け負いながら初期型フェルムの
復刻を行っている。"Harpe"は民間以外の軍事的意味合いが強い使用者に
特化した部門で普通は一般に出回ることはない。
<帝国連合>
唯一無傷で存続する現日本を帝国と据え、それらに連なる連合国家群のこと。
文化の垣根を越え、共生というテーマを掲げて
実験都市開発に積極的に取り組み現在の国家基盤を作り上げた。
これに属しない国々は大小様々あれど異国と見做され、
余り歓迎されない気風が定着しつつある。
<葦原(第一都市)>
帝国(日本)が正統に管轄する実験都市。
帝国連合の首都といっても過言ではなく、その土地面積・開発費用・人口
どれをとっても最大である。また、政治的重要施設などが
多く集中しており帝国そのものともいえる。故に出入国には厳しい監査がある。
<第二都市(敷島)>
完成当初は敷島と呼称されていたが管轄が変わり、
帝国からして異国の台頭勢力が取り仕切ることで
一般に、セカンドシティと呼ばれるようになった。
所謂、異国の街であるが帝国連合の人々にとっても徐々に受け入れられている。
<大八洲(第三都市)>
オオヤシマと呼ばれる三番目の実験都市。
セカンドシティより面積は小さいがCIPC本部が設置されており
フェルムの工場も多い先進都市でもある。
その支配体制は中日国家であり、風土もそれぞれの文化が混ざり合った形式に近い。
<民間調査公団>
通称、CIPC(CivilInvestigationPublicCorporation)。
"光なき大地"の調査を行うべく派遣される調査員が多数在籍する組織。
民事組織であるが政府公認で様々な援助で後押しされている。
本格的なフェルムを扱う訓練を唯一実施している。
主な任務は光なき大地の踏査やロストエリアの調査であるが
依頼があれば個人的な要請にも応える。
民衆からの認識は便利屋というより旧来の警察機構と類似しているといえる。
<天穹(第四都市)>
他の都市と異なり、神聖な加護があるわけではないが特殊な防壁によって隔たれ
ロストエリア化するのを阻止している。穹窿大塔と呼ばれる巨大な塔が象徴であり、
その最下層地下には脱出不可能な監獄がある。
また、法律的治安的にも独自の体制があり穹窿大塔を中心とする政府機関が
実権を握り、次いで監獄の管理機構が警察のような役割を果たしている。
<クィンクェ(第五都市)>
新しく興された都市。葦原やセカンドシティで受け入れきれなくなった人民が
移住し、保護された難民が数多く居住する街区優先の都市で、シンボルである
巨大な管制センター以外に目立った建物などはない。未だ空白の場所が多く
大多数はフェルムの工場が占めている。
<鉄線蓮(てっせんれん)>
元々は鉄甲衆と呼ばれていた政府直属の特務機関。
その任務の機密性から審査は峻厳であり、実際に任務に就く
実働の八人は数年に一回は更新(査問・試験)される。
全員が専用の"鉄衣"を着こなし、使いこなす凄腕揃いで
過酷且つ特殊な訓練を経ているため個々の戦闘能力も高い。
主な任務は要人の警護や諜報活動、フェルムの取り扱いに関する査察、
ロストエリア(サイトレス)の監視である。
表向きは政府の機密組織として扱われているが
徹底した情報規制とメンバーの異常なまでの身体能力の高さなどから
サイトレスと敵対し対策を講じる集団であると思われる。
本来は六つだが花弁が八つある鉄線の紋所が象徴となっている。
<九大浄刹(きゅうだいじょうせつ)>
汚染や侵蝕されていない浄化された場所、或いは元々神聖であった土地。
百済が定める上では九つあるとされ、その九箇所以外は不浄の領域だといわれる。
正式に清浄であると認められているのは聖域や結界で守られている
第一~第五までの実験都市とそれらの守護の根源たる場所(蜻蛉の杜、遍照寺)、
旧国家群の跡地と神殿だけである。
<蜻蛉の杜(せいれい―もり)>
葦原と大八洲の境目にある森林地帯。聖域とされている。
蜻蛉の杜を中心として葦原や大八洲を包む一帯は神域と呼ばれ
ロストエリアの侵蝕を退けている。
<鳳城結界(ほうじょうけっかい)>
九大浄刹の一つである遍照寺を中心にセカンドシティとクィンクェ、
その周辺を囲うように張られた見えない結界。
善現符の効力がある限り永続し、蜻蛉の杜の神域と同様に
ロストエリアの侵蝕を防ぐ。
<善現符(ぜんげんふ)>
霊験のある護符。主に遍照寺とその周囲に魔除けとして大樹に貼り付けられている。
これによって遍照寺の聖なる加護が拡大し、セカンドシティやクィンクェを
覆えるほど広範囲に退魔の力を及ぼしている。一見するとただのお札だが
表面は木綿(ゆう)でできた奉書紙を基本とし、その内側に
オリーブの葉を霊水に漬けて呪力を込め、乾燥させて霊草としたものを敷き、
また反対側は灼たかな紙で挟む多層の札となっている。
その為、普通のお札より少し厚い。善現符の作成は代々善哉寺家が行っていた。
<神殿>
霊跡で、現在は使われていない。地下に大きな空間があり、かつては
神聖軍の集会などに使われていた。最奥に異次元を繋ぐ巨大な門がある。
<旧国家>
滅びた国家都市の纏まり。廃墟となっているが秘密裏に神々の軍勢が占拠していた。
古いものほどロストエリアに侵蝕されやすい傾向があるにも関わらず
この地域だけ無事なのは謎のままである。
<聖なる刻印>
先天的な資格を有する者が蜻蛉の杜での儀式を経て、刻まれる神聖なる証。
これを持つ者はフェルムによる視界補強がなくてもサイトレスを目視でき、
神秘の力が邪悪を退けるといわれている。刻印は主に手の甲に刻まれるが
普段は見えず、悪意を持った危険(サイトレスなど)やある条件下でのみ
浮かび上がる。サイトレスとの一体によって力を得る"ヴィ・マギア"と異なり
その者の根源的な潜在性が顕現した力であり時には悪にも善にもなる。
<実体のない組織(Non Entity Organization)>
通称、NEOと呼ばれる巨悪のシンジケート。"糸遊"(ミィヨウ)もその一つに過ぎない。
かつては悪名のある組織の単なる集合体でしかなかったが
現在は光なき大地やサイトレスに関する情報を積極的に収集し利用しようと企んでいる。
<藤波署(ふじなみしょ)>
弘真が所属している警察機構の大八洲支部。規模は最も小さく実動人員は弘真程度。
大八洲ではCIPCが本拠を構え活躍しており、余計に知名度も低い。
<夕波署(ゆうなみしょ)>
警察機構のセカンドシティ支部。
独自の治安機構を持つ天穹と協力体制にある。名称は敷島の頃の名残。
<逆浪署(さかなみしょ)>
警察機構の葦原支部にして本部。政府直下の組織であり公的に
全土の捜査許可が認められている。
構成員の半分近くは治安が完全には作用していないクィンクェに駐在している。
<第三工房>
葦原に構える伝統の職人が集う工業。その人材は多種多様で扱うジャンルも多彩。
近年はフェルムに関連した装備の開発を担っている。
<帝国技研>
帝国連合技術研究所の俗称。東は第三工房、西は帝国技研と称され
数々の技術研究や開発に携わり功績を上げた。
サイトレスへの対抗手段として政府直下の命令が下り工房に先駆けて
研究を続けた結果、電子装備の実用に成功し以後
電子装備関連の装備品の開発に注力している。
<情報管理局>
帝国連合の首脳直下、連合政府が設立した情報の統制を目的とした官庁。
事務的な機能が多く民間との関わりにおいては大きな市役所のようなものである。
CIPCとの提携で入隊試験も実施している。
<第六都市>
完成間近ではあったが本土から見て、外側に位置していた為
侵蝕が進行し全域がロストエリアと化している。
<第七都市>
仮設の段階である。
<第八都市>
建設予定の都市。計画書に名があるだけで以後の第九都市、第十都市も
未定のまま建都の目途は立っていない。
<高速列車>
正式には高速度特殊灯光列車。
第二、第三都市完成直後の帝国技研が主導して開発した交通機関。
光力の消失であらゆる動力機関が停止する
光なき大地を通過する為の移動手段として考案され、国交の要となっている。
遮光フレームで内蔵光源の光を漏らさず動力を稼働させるが
如何にしても闇の侵蝕が装甲を透過してくるので短時間で通過しなければならない。
よって新幹線以上の速度を維持し且つ完全な移動と輸送専用に特化することで
運行されている。基本的に長距離で大量の物資の運搬をする時に走行し
滅多に人が搭乗することはない。一部の列車は従来通り人が乗ることを前提として
運行されるがその搭乗券も一般的ではないため、普通の市民にとっては
高嶺の花のような存在である。この他に民間が立ち上げた特設ツアーで
大型汎用フェルムの走行車両に搭乗し別の都市へ向かうという方法もあるが、
その都市だけで社会は相応に成り立っているため態々危険を冒してまで
外へ出向くのは限られた人間となる。通常は物資等の運搬目的で運転され
非常時の移動手段に用いられる為、景観を楽しむような内装設計ではなく
窓も極力遮蔽されている。車両内自体の内観は豪奢なものもある。
<ヴィ・マギア>
ロストエリアで失踪したサイトレスに憑依された人物が発現した特異な能力。
またそれらの能力を持った者のこと。
元々の研究では不老長寿を超える長命術の一種として人間に適合する
未知の素体(サイトレス)との融合によって生まれた副産物であり、
実験を重ねて精度を上げれば結果、寿命や病と無縁な"超人"が作り出せると
提唱されていた。だが、実際は融合は不完全なものに留まり
多くの場合で人格の欠損や肉体の消失といった欠陥を表面化させたに過ぎなかった。
これにより計画は失敗に終わったが一部の対象者はサイトレスとの共生を
実現し、後天的に魔法を操るような特殊な能力に目覚めた。
研究成果を極秘に入手した"NEO"ではヴィ・マギアを扱える者、その素養がある
者を発現者又は発現可能者と呼称し、人材確保と育成に注力している。
しかし結果的に特異性を発揮した人種であっても徐々に結晶化という弊害が起こり
その生物的限界は能力を行使するほど早まると判明した。
<ソーサリー・フォーサー>
完全なるヴィ・マギアを自称する集団。通常のヴィ・マギアが
サイトレスとの融合によって生じるものであるのと異なり、
ヴィ・マギアのような能力を持ちながらサイトレスとの干渉を絶っている
或いはサイトレスの支配力が及んでいない者が大半で
同じように実験によって得られた特質であるレベルナインなどとも異なる。
これも光なき大地の影響といわれている。サイトレスとの実験の過程で偶発した
間接的な影響のヴィ・マギアに対し、ソーサリー・フォーサーを名乗る者達は
ロストエリアの影響を直接的に受けて能力を発現したといえる。
自分達を純粋適応者とし、それ以外の人々(不完全なヴィ・マギア含む)を疎外している。
実力主義であり、扱う力が強大な者ほど敬服される。
強力だからこそ結晶化の進行も早いが普通のヴィ・マギアと違い、
能力を使わない通常時は極端に鎮静化し、低減する。(無にはならない)
<Rebel Nine>
国家転覆などを企てる反逆の意思がある者達、その組織である
"リベリス"で君臨する中心核であった九人の通称。生まれながら又は後天的に
特異な能力を持ち、それらはヴィ・マギアとは異なる
人間由来の可能性を体現したものである。
しかし、天性的な特異な能力といっても微々たるもので優越種の計画に際して
人体実験を施されなければ常人と遜色なかった。
リベリス壊滅時に天穹の最下層にある地下牢獄に投獄され
長い間拘束されていたがプラウドとシェイクによって解放される。
その際、同じく天穹に所在していたNEOのヴィ・マギア研究施設を襲撃し
シンボルを奪う。それにより出獄当時は協力関係にあったNEOを
敵に回し、全世界への反逆を宣言してリベリスのアジトへと帰還した。
リベリスの構成員はともかくレベルナインには共通して
過去の人体実験の影響で歳を取らない或いは老化の進行が遅いことや
長期記憶が常人よりも保持されるなどといった特徴がある。
これらは異端者とも共通する点であるが本質は似て非なるもの。
<リベリス>
まだ光なき大地がそれほど拡大もせずロストエリアがなかった時代に
別天津計画の一つとして優越種を生み出す実験が秘密裏に行われ、
犠牲になった者の家族や関係者が中心になって組織した反社会集団。
圧倒的に被験者の数が足りなかったため、当時貧困層にいた下等市民に
被験者となることを持ち掛け不当な実験の犠牲となった。
原型はテロルを行うテロリストに過ぎず、反政府運動を続けていたが
各地で賛同者を吸収し、組織が膨れ上がると共にその組織形態や理念などは
単なる反抗的な集団ではなくなった。全盛期は政府も手を焼いていたが
中心メンバーであったレベルナインの投獄をきっかけに鎮静化され、
解体に追い込まれた。(その直前に鉄甲衆も動員した政府の一大作戦により、
リベリスのアジトが大打撃を受けレベルナイン達が救援に来た所を捕縛された)
レベルナインが復活した今では組織としてのリベリスは消滅し、
レベルナインに賛同する協力者がひっそりと支援を続けている。
<シンボル>
レベルナインが解放時に奪取した力の制御装置。
本来は不安定なヴィ・マギアの力をコントロールする為に作られたもの。
それぞれの力を表象するもので、見た目はブローチなどの単なる装飾品に過ぎない。
異端者の装身具と同様の効果があり装置本体の球体を装具に付けることで安定する。
<優越種>
人類が永続して繁華し存続するには生存に適する絶対的な人類が必要という
考えの下、現在の人間よりも優れた(単純に能力や才覚が優秀という意味だけではなく
生存する可能性が高いかが重要視される)人種を、人工的に作り出す実験で
使われた名称。レベルナインは勿論のこと、ヴィ・マギアに関しても
この実験成果によって研究が進捗したと報告されている。
結果的に計画は凍結されたがレベルナインは成功例であるのと同時に
制御不能という大きな失敗でもあった。
<白きテオリア>
別名、観想の書。白い装丁で黙秘される機密の書物。
これに描かれた預言の成就こそ機関の使命であるとされている。
<自然法爾流(じねんほうにりゅう)>
自然であることが信条に置かれる流派。現存する武門の系統で
知名度は余りないが文化的価値とその潜在性などから評価を受け、
フェルムの挙動の参考にも扱われた。格闘武術としての認識が強いが
本来は瞑想を基本とした精神修行の手法であり、肉体の鍛錬とは別に
精神を極限まで鍛えることで如何に力を追求できるかという主題が根底にある。
究極的に言えば型は存在せず、奥義は自然体であることに尽きる。
徒手空拳の格闘の他、武器を交えた戦闘技法や武力を行使しない方法まで
細分化されているが通常は格闘を主体とする自然法爾流格闘武術である。
それには大きく分類して六つの型がある。
|静謐の挙(せいひつ―きょ):基本形。背筋を張る、直立不動の型だが
個人に応じて違いがある。何れにしても気持ちを落着させる初動となる。
この動作を行うと相手の出方を見る受け手となる為、
先手を取る場合は敢えてしないこともある。心を重んじる自然法爾流では
高度な戦闘中に精神的有利が求められるのでこの型を合間に挟むことが多い。
|攻法(こうほう):格闘武術以外でも用いられる攻めの型。
攻法と呼ばれる技や形式は様々あれど自然法爾流においては
自ら働きかける一連の動きを表わす。従って後手に回る防御や受け身、
カウンターなどは攻法に該当しない。自然法爾流では殴打は
物理的に殴るのではなく衝撃を与える手段として捉え
相手へ力という衝撃力を送り、相手の防御という忍耐力を崩すことが基礎となる。
|守勢の腕(しゅせい―かいな):通常は大きく振り広げた両腕で空間を制し、
相手の動きを牽制しつつ広い間合いで防御姿勢を取る。
腕とあるがそれ以外の部位で受ける場合もある。
|無量の武技(むりょう―ぶぎ):体格や適性などから細かい違いがあるという
実践的な型。基本は一対一の組み合いを想定しており柔軟性はあるが
他用途への応用は難しい型。例えば比較的小柄である維の場合、
低姿勢で相手を往なす"柔の武技"が適している。
紫陽が使い、一般的な武技の一つである"範の武技"の挙動が
フェルムの機動データの一部として取り込まれている。
|壊崩/破却(かいほう/はきゃく):自然法爾流で最も攻撃的とされる型及び技。
相手の力の支点を見極め連続してそこへ攻撃を与えるものだが
最大の特徴は呼吸と動きを合わせることで自分の消耗を抑えることにある。
これを仕損じると体力を失って技が途切れたり大きな反動が生じる。
少しでも余計な力が入っていたりすると跳ね返ってくるため諸刃の技ともいわれる。
熟達者となれば目視するだけで支点を見抜けるが基本的には
関節であったり攻撃力の起因となる部分に集中すれば良い。
それを一度に集約して放つ"破却"は余りにも危険な技であり現在は禁忌とされている。
|六出の動(りくしゅつ―どう):雪のように泰然とし、相手の動きに合わせながら
最小の力を以て最大の威力を発揮する最終の型。達人でも扱うことは至難とされ
完璧に使える者は現師範代の紫陽くらいである。
<無上一刀流(むじょういっとうりゅう)>
切り上げ(上段)、切り下げ(下段)、切り払い(中段)の三種を基幹に
一刀の刀剣のみで行う戦闘を洗練する流派。
刀身の面を重要視しており、「折れない刃は扱い方に在り、防ぐ剣は使い様に在り」
という格言の通り刀の使い方次第で剣の寿命となる刃毀れや折れを回避でき、
使い方は防御にも影響するという。つまり構え方は殊更重要である。
また、切れ味を最大限に引き出すために角度の研鑽を究めている。
基本的には両手で刀剣を持つが十分に扱えると皆伝を受けた者に限り、
片手で使うこともある。(実際岸は片手での基本型を確立している)
ただし、如何なる場合でも他の刀剣を同時に扱うことは一刀流に反する。
自然法爾流と同じく特別な型は自己流で個人の技量に依存する。
主な基本形から派生した剣技(の動作形態)は以下に列挙される。
|白刃の剣(はくじん―つるぎ):常に抜剣した状態で戦う剣技。
|抜剣佩刀(ばっけんはいとう):主に帯刀した剣を居合いで抜刀する。
動作終了と同時に再び納刀するのが基本。
|斜影の一太刀(しゃえい―ひとたち):斜めに構えた鞘から抜刀する剣技。
抜刀後は鞘を腰元に戻し、抜き身が基本となる。
|斜交いの刃(はすか―じん):最初の構えは斜影の太刀と同様だが抜刀後は
鞘と交差させて剣を斜めに交わす。鞘と擦り合わせて鋭い攻撃をするには
高度な技術を要し、逆手持ちや横番いに等しく使いこなすには相応に技術がいる。
|拝礼剣(はいれいけん):騎士の振る舞いから胸元で剣を掲げる構えを基本とする。
その構えは初動のみで以降は敵との間合いに応じて変化する場合が多い。
最初から抜刀していることを前提とする。
|逆手持ち(さかても―):柄を逆にし刃を腕に隠すようにして扱う。
変則的な動きや小回りのある防御に秀でている反面、極端にリーチを失う。
|横番い(よこつが―):納刀した状態の剣を横に持ち、主に胸部前面に
突き出すように構える。そこから抜刀し鞘を織り交ぜて攻撃を行う。
この時鞘は防御に回り、攻手となることは禁じられている。(二刀流に類するため)
番いとは剣と対になる鞘を指す。
|先の一刀(せん―いっとう):鞘を前面に持ち手の柄側を相手に突き出すように抜刀する。
その初動は弧を描き相手に向かって振り下ろす形で繰り出される。
また鞘を逆にし鞘の尖端を相手にそのまま突き出す牽制として用いることもある。
|後の初太刀(ご―しょだち):相手の攻撃を受けてから反撃するカウンター。
受ける面は直前の動作に影響し抜き身であれば刃の側面で往なすように、
納刀であれば鞘で防ぐのが基本。
|三の太刀(さん―たち):一度、二度はフェイントで三度目で切りつける剣技。
後の初太刀と合わせて回数を減らす場合もある。単純な
時間差攻撃ではなく一度ごとに練度を上げて攻撃をより鋭敏する意義もある。
|返し刀(かえ―がたな):一方へ切りつけた刀をすばやく翻して他のほうへ切りつける
という既存の動作同様の剣技。無上一刀流ではこれを抜き身でやるか納刀でやるか
で違いが生じ、両立し二度目で変化させる技法もある。また、岸は
他方へ切りつける際に手元を回転させ刃を返す高等技法を多用する。
|無刀氷刃(むとうひょうじん):通称、太刀いらずともいう納刀状態で扱う剣技。
鞘を主体とする殴打が基本。
|十束の奮迅(とつか―ふんじん):十束の範囲分の間合いを詰める或いは
その間を怒涛の攻撃を行い間合いを詰める連続攻撃。蘊奥の極意の一種で
具体的な動作は使い手に差がある。
|霜楓(そうふう):岸が編み出した独自の奥義。先の一刀と斜影の一太刀を織り交ぜた
構えから高速抜刀し連続でΣを描くように切りつける。直後に返して納刀、
素早く斜め上に居合いし上段の切り払いを行い、反転させて切り返しそのまま
緩急を付けて追い越すように突進、過ぎ去る際に一撃を浴びせ納刀する。
霜楓は最後の突撃を指し、一連の動作は事前動作に相当する。
故にその部分だけ若干動きが変化することもある。
|残鶯(ざんおう):晃が独自に昇華させた奥義。基本抜刀姿勢の一つ、半月の構えから
横番いを模し、素早く切り上げ手元を捻りながら真っ直ぐ振り下ろす。
刀身の側面と刃を交互に切り刻むように微調整を加えつつ高速で縦に一閃。
応用として横に薙ぐパターンなどもある。何れも動作は短縮されており
迅速且つ繊細な斬りが要となる一撃必殺の剣術といえる。
|閃影(せんえい):晨が我流で生み出した奥義。
<霊妙の儀>
主に霊代、鳳城、善哉寺の三家を中心に伝承される神道の極意。
儀式的な意味合いが強く本来は伝聞されるだけの一種の文化様式であるが
極めた者は実戦に組み込むことも出来ると言われている。
基本的にそれぞれ効力が異なる呪符・霊符・秘符を使い分ける。
|開合の拍:柏手の要領で手を合わせるか開く動作。礼賛の象徴とされる。
<刀剣>
現存する刀剣で日本刀に近しい形状のものは
残留応力を生かした官給軍用刀が主流である。
フェルム向けの武器としての刀剣自体は豊富だが
フェルム同士の肉薄する近接戦闘や対応する装備による銃撃戦が主体となる中、
実体剣を実戦で用いるのは稀である。また、その多くが
非殺傷運用に推進されて刃が返されていたり扁平な物。
<トーナメント>
フェルムを公式競技と捉え、その扱う優劣を競う大会。
本土(第一~第三都市)以外の地域でまだ完全な知名度ではない
フェルムの宣伝と光なき大地に対する調査員の増強を兼ねて
CIPCの協力もあって開催された。
<master eleven>
トーナメントにシード枠で参戦した計十一人の猛者の通称。
正式にはチームではないが各人の繋がりはあり、面識もある模様。
実績はあるがCIPCではないらしく、多くが無所属の調査員である。
<カテゴリーアウト(外側の範疇)>
条理を逸脱し追放された者が集う組織。
NEOと同様に確かな組織形態はないがその反逆の意思はリベリスに類するほど。
基本的には互いが不干渉であり、有事の際には協力する程度の認識が強い。
その為仲間意識は薄く各々が勝手に行動する。
人員も正確に把握されていない。
<ガーディアン・トゥエルブ>
守護者を擁する組織、及び十二人の守護者自身を指す。
その情報の殆どは秘匿されている秘密結社のような組織。
それぞれに役割となる使命が与えられ、代々守り継いでいくことが多い。
根源的な目的に超常に対する観察と対象となるものの保護がある。
通常は傍観者のような役目で直接干渉することは珍しい。
因みに空音もこの所属となるが数々の独断行動が黙認されている。
組織理念としてはヴァントーズと似通っているが実はディスタントから
やって来た異世界人による組織であり、闇が増大する以前のディスタントから
迷い込んだのが始まりとされている。ディスタントの住民の中でも特異な
能力を有した者が適正とされ稀に雪加のように後天的に授かる場合もある。
<神々の戦士達>
総勢十人で構成される"神"への忠誠を誓った戦士の集団。
常に入れ替えの選抜決闘が行われるような非常に厳しい組織。
女神の裁断に従い、失われつつある自然の復活を掲げ政府に反抗する。
しかし明確なテロリズムがあったリベリスとは違い、
神々への崇拝から生まれ、カルト教団を妄信するかのような狂気の一群ともいえる。
自然と一体となり神々の力の一部をその身に宿すという
技法を体得しており、生身で戦闘用フェルムと渡り合う。
しかし過酷な修行を経て戦士と認められるのは一握りである。
ゴッデス・ファイブを含めた全体を神々の軍勢と呼称する。
葦原上層の独占を悪とし、神域の解放を求めている。
<ゴッデス・ファイブ>
神々の戦士達の中でも極めて優秀な五人の頂点。神々の戦士達から崇拝され、
神の代行者と称される。旧国家群を支配しておりそこを活動拠点としている。
有事においては協力するという同盟を結び、活動を支援する
セントラル・フォースと繋がりがあり、その行動は黙認されていた。
<セントラル・フォース(中央第四議会)>
政府中枢にある評議会の通称。選出された四名の首脳で評議を行い
国家全体に影響を及ぼすような重要な事柄を決定する。
この評議会に参加することは最上の権限であり、普通は
首相であっても滅多に介入できない。
<unclear seven>
極度の特殊性を持った上位原態七体で構成される。
その実態は上位原態との完璧な融合を果たしたヴィ・マギアであり
より強大な力を得た代わりに姿形や思考は人の原型を留めていない。
"unclear seven"とは山谷が命名したプロジェクトの名称である。
<ヴァントーズ>
かつて第六機関と呼ばれていた研究機関。計画自体の頓挫によって
離散したが現在はロストエリアに取り込まれた第六都市を拠点に暗躍している。
秘密裏に進行していた上位原態の研究でどの者よりも早くに
実験を成功させ、"unclear seven"を結成。研究成果を試すように各地の
ロストエリアへ侵入させる。しかしこれは山谷教授単独の強行であり
そのすぐ後に正規のメンバーによって全てが抹消される。
以後は光なき大地とそれに干渉した人類の行く末を見守り
各々の使命を果たすべく行動するようになった。
存在性を認められないサイトレスとの深い関連性を持った第六機関は
社会的に危うい存在となり、帝国連合発足時の働きかけで組織は解体。
その後、政府の梃入れもあって監視するための組織"ヴァントーズ"となる。
傍観し観測することを主な任務とするが真の目的は白書に則った
預言の成就であり"光"と"闇"の調和を望んでいる。
闇に加担する意思の強いジェストを特別視するのも善悪に依らない
理想があるからで闇を表わすサイトレスやディスタントの軍勢、
それに対する力を持ったヒーローや助け、支えとなる光の存在に
均衡的に助力しある時は味方、そして敵と立場を変える。
<白雲研究所>
第六機関の前身。100年前に共生国家主義を唱えていた独立国家群(旧国家)の
研究者数名が立ち上げ、その中心人物であった白雲博士に肖って設立。
主に当時の異常現象を観測し様々な角度から分析・解析することで
新たな技術を確立するという具体性を捨象した目的で活動した。
末期では正邪戦役に関わり、サイトレスの探知に成功したことで
サンプルの回収を行い、ヴィ・マギアの原型を作る。
その研究成果などは第六機関に引き継がれている。
サイトレスの闇のエネルギーともいうべきものに可能性を見出した白雲博士は
なにかに憑り付かれたように実験を行い、自身が被験者として融合を果たす。
しかし不完全であった為に力の奔流が起こり、研究所諸共破滅する。
白雲研究所は存続したものの計画の頓挫に伴い組織は崩壊、
枝分かれするように第六機関に分派した。
<異端者>
正邪戦役を生き延びた十三人がその時点や直後に特異な能力に目覚めた者。
個々が異なる力を持つが、共通して成長の著しい減速や記憶の欠損、
力を使った後遺症に悩まされている。研究者によれば異端者の覚醒は
正邪戦役で出現した邪悪軍が通過しその場に残留していた次元の亀裂、
ディスタントとの狭間に直接触れた為に起こった蓋然反応であるとし
同じような先天性ヴィ・マギア等とは全くの別物である。
戦役直後の異端狩りによって殆どの異端者は幽閉、処罰などを受け
消息を絶っている。その内数名はヴァントーズによって密かに救助され
異端者としての異能は失い後遺症が残ったものの穏やかな生活に戻った。
<第二級(セカンドクラス)>
サイトレスやディスタント、闇(光の消失)との繋がりによって成り立つ
異能を獲得していた者がその力の根源が断絶されて以降、
再び或いは新しく覚醒し、手にした力。正確には第二級異力と呼ばれ、
異力は常識では測れないちからの全般を指す。普通は単に第二級と呼称する。
広義では"外側の範疇"の能力も含まれるが基本的には以前に
能力を持っていた者を対象とする。
異端者に於いては再度特異な力に目覚めているので、さらに第二級に
覚醒した場合、第三段階(サードフェイズ)として区別されることもある。
<失名者>
<未到達区域>
未踏領域とも呼ばれる。連合諸国から見た外側の末端にある場所。
光なき大地が拡大する以前の状況とは異なり地図上にも環境的にも
本来存在しないはずの地域でロストエイジ以降の終日戦争などを生き延びた
人類が点在して居住している。
<時代の遺物>
<士師>
未到達区域の生存者達を統率し導く者。実態は各拠点の長である。
<六人士師>
時代の遺物に導かれ超常的力を手にした士師の内、6人の中心的存在を指す。
具体的にはニール、ハッド、シャム、棗、ジェデオン、アブドの六名で
後にアブドと入れ替わってイブが六人士師に数えられる。
<ザ・ジャッジ>
失地裁断委員会。ロストエイジを経て消失した土地を調査することを
主な任務とする組織。
<正邪戦役>
光なき大地が認知される以前の世界で起こった大規模な戦争。
発端は東西南に分かれての三つ巴による末期の世界大戦だったが
その戦火が拡大すると共に謎の軍勢が乱入する。謎の軍勢は
後にサイトレスなどといった"影"の存在や闇の力を持った集団であり、
邪悪軍と名乗り戦地を混沌に陥れた。戦争は終わることのない
長期になると思われたがルシア率いる神聖軍の参入と
異端者たちの出現によって辛くも邪悪軍は退けられ、大戦も収束していった。
<邪悪軍>
サイトレスを意のままに操り、各々が闇の力を有する正体不明の軍勢。
人ならざる存在も混在し、唐突に現れた点を踏まえても疑問は多い。
その構成員はディスタントの別次元から現れた者が大半。
正邪戦役で敗北して以降は身を潜めていたがロストエリアの増大に
伴いサイトレスが再来したことで再び活動を開始する。
表向きはNEOなどと協力体制にあり社会に溶け込んでいる。
100数年振りに境界が繋がり、再度現実世界へ侵入した際に
Evil Allianceと名を変え、新たな組織体制となり世界の暗黒化を始動させる。
<神聖軍>
聖なるルシアに賛同する信徒たちの軍勢。神聖なる加護を尊び、
何よりも退魔の心得を持つ教会関係者が多く戦時の経験は浅いものの、
未知なる敵(サイトレスや邪悪軍)に対しては大きな働きを見せた。
そもそもは戦乱の拡大を防ぐために組織され、当初は少数であったが
次第に一大勢力と比肩する大集団となる。
ルシア亡き後、その志を継いだアナスタシアによりDea Sedemとして再編された。
<光の民>
ディスタントにおける闇の影響を受けていない健全(清浄)な人々のこと。
大半の人類は暗黒によって邪悪軍の尖兵となりサイトレスの憑代として生命力を
失ってしまったが難を逃れた者達も少なからずいる。それらを纏め、
レジスタンスとしてゴードンが率い、人類最後の城砦"クリスタルライト"を拠点に
闇の侵攻を食い止めている。
<光都>
ディスタントに存在していた首都。大陸一つを国家とする一国主義の下
委員会の議院制度と共和制を両立した大国で"光"を様々なエネルギー源としていた。
しかし、マリスが復活したことで闇が増大し、光は徐々に消失した。
<高位上層委員会>
光都で選出された国家権限を持つ委員による議会。
<英雄連合(Heroic Federacy)>
ディスタントとの融合が進み、現れた反乱軍と
この世界にいた神聖軍(Dea Sedem)が結託したことから出来上がった
ヒーローの称号を持つ者、英雄と称される者を中心に結成した正義の一団。
<光子通信>
正式には量子光電波光子変換通信。
ロストエリア内で唯一外部と連絡できる手段。
受信者はLQDを媒体とする機器が必要で送信側もウェーブコンデンサーを介して行う。
特殊な電波形態の為、理論的にも暗号化通信と同等かそれ以上の秘匿性を誇る。
調査団を中心に普及しておりCIPCは大型の波動凝縮器を複数設置している。
同一ロストエリア内での通信は比較的安定し、消費光力も少ないが
一定以上距離が離れると不安定になりやすい。波動凝縮器を相互に関連してあれば
ある程度の遠隔地でも安定且つ低燃費な通信が可能で
CIPC以外でも積極的に設置する働きがある。
<波動凝縮器(Wave Condenser)>
一種の中継装置(ルーター)で、主に光子通信によるデータの損失を低減し
高品質な通信を実現させる。光子通信に波動を混ぜて伝送することで
高速化しロスを減らすと共に通信の安定化も図る。
しかしながら機器自体も、稼働コストも莫大で
満足に運用するには相当のリソースが必要。
<フレームプレート>
俗に変身装置と呼ばれる。型のついたマシンに入り
前後に分けられて保管されたフェルムを対象者に装着する装置。
半自動であり、初めはその様相でプレスされる恐怖心もあるが
速度や勢いはなくセーフティバーがつっかえとなり、安全性も熟慮されている。
通常は板状の箪笥で、回転式ロッカータイプのものなどもある。
<終日戦争(しゅうじつせんそう)>
終日(ひねもす)の乱とも呼ばれる。世界がロストエイジに突入する
直前に起こった大乱で、外界が滅び去った大きな要因の一つ。
<ロストエイジ>
失われた時代。世界崩壊後の文明を表し、光なき大地を区切りに
内外の環境は大きく変化した。
<エマージェント>
ロストエイジ後の世界で出現するようになった異形の存在。
<烙印>
エマージェントに対抗し得る力を秘めた紋様。アリウスなどに宿っている
光の刻印(signum sanctus)と同じような原理で宿主に力を与える。
自然の理と密接な関係があり、五行といった属性要素に基づいて影響し合う。
烙印がある者は、烙印の保有者という意味でブランダーと呼ばれる。
<正体不明>
ヒネモス等の不明確な実態無き存在。何処から現れたのか何もかも不明で
"人間"ではないことだけが分かっている。学者の見解ではunclear sevenに似た
特徴があるというがサイトレスが消滅した後に出現したのもあり、
関係性はないと思われる。
<ハイ・オーダー(high-order)>
ロストエリアを管轄する軍団。非常に統率の取れた組織で各地で
監査や取締を徹底している。ロストエイジ以降台頭し、外界における
警察機構に成り代わって活動している。
<魔鬼(まき)>
世界を崩壊させた"力"が具有の相を以て顕現したもの。魔鬼の呼び名は
古来より対峙してきた鬼の一門が付け、正式な名称はない。
その正体はかつて日本で妖怪などと称されていた悪鬼の類、その根源たる
悪意が具現した存在で実態は変異したエマージェントと同質。
<鬼の一門>
未到達区域東端の隠れ里で人知れず暮らす部族。俗世と関わりを絶っており、
そのおかげかロストエイジの被害は免れた。
<魔従士(まじゅうし)>
魔鬼を操り、またその力を取り込むことで異常な能力を得ている者達。
<<フェルムの飛行>>
フェルムは跳躍という意味で空中を跳ぶことはできるが
元来、滞空機動は不可能とされていた。元々地上探索での運用を想定して
設計されたフェルムに飛行能力などあるはずもなく、
技術的な問題からも困難とされた。しかし、飛行して探査範囲を高低に広めれば
より安全で効率的な探索手段となると提起され飛行可能なフェルムの実現が
期待されるようになった。最近になってハイテック社と帝国技研、第三工房等が
共同開発に乗り出し、ミクロスラスト機構が発案され実用化に向けて開発が続いている。
<<九家の親類関係>>
紅家とは婚姻による親戚だが風巻家とは少し複雑な事情がある。
元々、九家と風巻家は同じ家系で統一された九条一族であった。
以前は普通の一門だったが日本が帝国と称されるようになって
変革する歴史の裏で帝国の権勢を支えてきた名家であり、
様々な文化的遺産(刀鍛冶など)を知識や技術として或いは物品として受け継いできた。
しかし、帝国の発展とは相反するように次第に家系は衰退し
後継者の存在すら危ぶまれた。そこで、九家の先祖が
九条一族を分派することを提案し、九家とする一派を正統なる宗家、
風巻の一派を分家として互いを存続させようとした。
風巻の呼び名は当時の当主による。口伝された内容によれば
当主と次期当主の仲違いから始まった縺れともいわれており、
当初は競争意識もあったが現在は友好的な親戚に落ち着いている。
<<御三家>>
九条家(九家)、鳳城家、霊代家の三名家のこと。
<<二極の天才>>
それぞれ神事や呪いの扱いにおいて右に出る者はいないとされた
先代の管理者である鳳城玲也、霊代瑠璃(浄瑠璃)の二人を指す。
さらに人智を越えた秀才としてかつての九条家当主、九条皎がいた。
<<ヒーローの定義>>
広義では多数が認めるであろう正義を為す人を指し
狭義では人をも超越した特別な能力を持つ者を表わす。
フェルムの登場で誰でも身体能力の向上が容易となった現代では
単純なヒーローの概念は希薄化しつつあり、善なるヒーローが
対峙する絶対的な悪も必然的に減りヒーローそのものの存在性が消失した。
しかし、同一の社会を構築する隣接世界ディスタントでは
明確な脅威が出現し救世の為に戦うアクセントは英雄視されている。
結果として、絶望的な状況を打開するには英雄の存在も不可欠であり
さらに現在サイトレスの目撃が増加する中、本当のヒーローが必要とされている。
<<フェルムの購買>>
フェルムの販売はハイテック社が認可するブランド先の各支店が主に執り行う。
個人で取り扱うこともできるが一定のライセンスを要し、
その多くが研究チームへの貢献を見返りとされる。
一般に民間人がフェルムの購入・使用(所有)を行うには制限はなく
殊、諸事情でフェルムが必要であると判断された場合には金銭の支払いを経ずに
手にすることもできる。競技的な価値観が伴っていない頃は
光なき大地の調査を目的とした各企業しか採用しておらず
開発費の関係から当初は高値で、高級=庶民には手出しできない代物となっていた。
現在はフェルムを日用的に取り入れる運動が活発となり多くの生産ラインが
確立し安定した製造が可能になったことで飛躍的に普及している。
<<ヴィ・マギアの創生>>
古くは100年前の正邪戦役末期からサイトレスという未知の存在に遭遇し
そのサンプル等を回収することに成功した当時の第六機関がサイトレスの
実態を調べるために多くの実験を経て、一部のサイトレス(原種)が人間の脳波と
同調し破壊的側面を促進させるといった心理的要因を生むとして
人間とサイトレスの関係性を見出したことで次なる可能性を提起することになる。
それから数十年後。機関から派生した研究組織が継続して研究を引き継ぎ、
限定的な条件下でサイトレスと人間に高い親和性が認められるケースを発見。
それは偶然の成功例だったが、そこからヴィ・マギアの原型ともいえる
"優越種"の理念が生まれる一因となり、秘密裏に研究は続けられた。
<<サイトレスとの融和の問題>>
サイトレスとの高い適合を示したヴィ・マギアにおいて
安定した結果が得られても幾つか問題が残っている。その一つに
結晶化が進行するという報告がある。結晶化とは文字通り体の表面が徐々に
結晶構造を持った物質で覆われ、鱗のように発生する現象で
最終的には周囲の地形を巻き込み肥大し、氷像(結晶に閉じ込められた状態)となる。
結晶化には痛みを伴わないが完全に結晶で覆われた部位の感覚は失われる。
全体を呑み込まれると一種の仮死状態となり意識は消失する。
進行速度は個人によって異なり必ずしも起こるわけではないが
ヴィ・マギアとしての能力が高い対象ほど発生しやすい傾向にある。
これは能力が高度である為に均衡が取れず、元々の限界を超越してしまったことで
サイトレスの因子が暴走した影響といわれており、より強い力を持つには
人の身では耐えられないことを表わしている。
しかし、清音のような結晶化をコントロールできる特異な例もある。
<<ヴィ・マギアとフェルムの因果性>>
ヴィ・マギアを発現した超常的な人種にとってフェルムは適性ではない。
<<異端者の特異性>>
異端者の発生は正邪戦役の只中。当時より凡そ100年経った現在においても
それほど老いはなく健在である。それには異端者に由来する特異性が影響しており
その発端は第一次侵攻以前に送り込まれていた原種のサイトレスが異端的行為
(本来はしないはずの共食いなど)を経て著しく進化した結果、可視化するほどに
顕在しそれに襲撃され、生き延びたことがきっかけである。ともあれば
言わばヴィ・マギアの始祖であり、より強くディスタントの超常的影響を受けたことで
多大な老化抑制、成長減速を齎したと考えられている。事後、アイザックによって
殆どの異端者は異能の大本を消去し異端者ではなくなったが闇の侵蝕が進行し、
ディスタントとの繋がりが強まりつつある現在で本能的に異能を想起させ
表面的には後遺症の発症という形で弊害を生み、内面的には異端の残滓が
外敵(サイトレスなどの闇の存在)に対する防衛手段として力を蓄えていた。
それが異なる存在(ジョシュの場合はヴォルテックスといったディスタント側の存在など)との接触によって覚醒が促され新たな能力に目覚めた。
しかし、異能を放棄した以降は異端者の特異性(老化抑制など)は発現していない。
<<フェルムの各部>>
フェルムの装着はハンドメイドの場合一つずつ付けるが
多くの場合、金型のようなフレームプレートで一度に装着される。
-フェイス-
顔に当該する部分。部分装着型には該当しないものもあるが
基本的なフェルムならば備わっている。
通常の眼球と同じ役割を果たすナチュラル・アイとその左右に視界モニターが存在。
設定に応じて表示の切り替えはでき脳波か自動或いは手動で変化する。
装着した感触はヘルメットに近いが慣れれば違和感はなくなる。
外観の装甲に反して厚みはあり、重さはあまりないが強度は高い。
基本的にはスーツと一体化している為被るという印象は薄い。
-ボディ-
フェルムの中心部。
-アーム-
左右の腕。これも基本のスーツ型なら一式なので普通は分離することはない。
-レッグ-
靴の部分も含まれる。
-リア-
-フロント-
-サイド-
サイドパーツはオプショナル(選択部品)の中でも必要性が最も低い服飾部品が大半。
<<フェルムの動力>>
<<フェルムの特殊機能>>
一般にあるフェルムとは別にサイトレスへの対策が考慮されたフェルムには
幾つか特別な機能が採用されている。その一つが通称、サーチャーと呼ばれる
サーチモードである。これはサイトレスの発する特定的な光の周波数に
近似し共鳴するように微弱な電波を発生させ、同調した際にサイトレスの
現在位置などを探知する仕組みでサーチ中はLQDによる通信が行えない。
<<ロストエリアでの光源確保>>
サイトレスに有効な武器、電子装備は光による効果を持っているが
本来、光なき大地では光明が消失する状況である。
しかし幸いかロストエリアでは空間が歪曲している為に光が使用できる。
ただし、何の工夫もない普通の光明では元々存在する淡い光と同化してしまい
光源としての働きは期待できない。よってフォトンデバイスのように
特殊な光を用いて灯りを保たなければならない。この光源はロストエリアで
活動する際の生命線であり、補給も容易でないことから注意しなければならない。
<<サイトレスとの戦闘方法>>
対応するフェルムの装着及び電子装備携行が前提。
基本的に二人以上のチームでオペレーター(或いは指揮官)と連携して交戦する。
CIPCでは集団行動を鉄則とし、オペレーターを含む四名が推奨される。
まず、サーチャーを使ってサイトレスの位置を特定する。
虱潰しに行うのはLQDの消耗と徒労が過ぎるので予め地域を絞り込む必要もある。
大まかな場所を捕捉したらその情報をオペレーターに光子通信で発信。
(外部との光子通信による通信はLQDの消耗が激しい為長時間の使用は避ける。)
この時にオペレーターが不在であったり通信を行えない状態であれば
有視界の独力で捜索するしかない。(その場合、一度撤退することが推奨されている)
オペレーターが情報を精査し位置を確定したらマーカーが設定される。
これはオペレーター側から送り返された情報に付与されフェルムの
視界モニターで表示させることができる。
マーカーが付いていれば常に移動しているようなサイトレスでも捕捉でき、
ジャミング効果が発生しない限りは見失うことはない。
(ここでいうジャミングは基地側への妨害工作、フェルムの故障等、
サイトレスの特異能力による阻害も含む)
フェルムには通常、暗視モードと可視モードが備わっている。
通常の視界表示形式と異なりそれらは対サイトレス用に追加された機能で
暗視モードは殆どのフェルムに組み込まれている。
ここで、暗視か可視かによって大きく基本対処法が分かれる。
暗視モードのみの場合、各種ランプの携行が必須となる。
視界をランプの照明で補いながらサイトレスを追い込むが
可視モードと異なり常に死角ができてしまうので熟練者でも注意が要る。
可視モードがあるフェルムではその機能中、マーカーの方向を向けば
常にサイトレスを目視できるため利点は多い。
~Ferrum Data~{標準装備□|特殊装備◇|外部装備■|機能◆}
-試案/汎用-
〈ski-A〉
最初期のフェルム。きちんと作動するかの試験の為に作られたので装備はない。
〈metal layered jacket(MLJ)〉
CIPCで採用されている簡易フェルムの一種で、鉄の多層構造でできた上衣。
基本的には実動員以外の一般構成員に支給される。
あくまでフェルムの一部分なので耐久性はそれほど優れていないが
防弾チョッキより強度があり尚且つ素材が軽薄で活動に支障がないことが利点。
〈MLJ-SP〉
"metal layered jacket"のSP1仕様。耐久性の強化だけでなく
各人に合わせた調整(例えば晨は鞘が備わっているなど)がされている。
〈all types I〉
誰でも気軽に着用可能なフェルムというテーマが据えられた
"all types"シリーズの一号目。試作段階であり技術も非公開となっている。
〈archetype〉
主にCIPCなどで入隊試験の実技で使われるフェルム。
本格的な適性判断でも用いられる。
評価試験用の設計の為、最低限の機能しかないが基本的なフェルムの動作は習える。
□試作型Sword Marks -M111-
銃と剣の一体をコンセプトとした次世代主力武器の試作品。
〈緋衣〉
衣服という原点に回帰した次世代型フェルム。
紅雨の為に急遽開発されたので未完成な部分も多い。
〈α-primula〉
紅霞が提案する次世代フェルムの一号。
〈β-triteleia〉
紅霞が提案する次世代フェルムの二号。
〈thallos〉
〈elegans〉
〈speciosa〉
〈myrtus〉
〈tonitrus〉
〈integerrima〉
〈declarer〉
〈osteon〉
〈campanula〉
〈sempervirens〉
緑のフェルム。
〈mirabilis〉
〈alatum〉
〈天花〉
〈aster〉
〈cosmos〉
〈gloriosa〉
〈AER〉
滑空機能や航空機構を持ち合わせていなくても単独で飛行する運用で作られた鉄衣。
ミクロスラストの原型ともいうべき小型のマイクロエンジンを脚部に組み込み、
無抵抗流体フレームを採用したことで空気抵抗を極限まで減らし滞空を可能とする。
〈grandifolia〉
〈innoxia〉
〈Light Arms〉
□Redress γ
◇salvific splendens
〈Light Armορ〉
〈armatae vestimentum〉
-個人用-
〈glint〉
専用の小型端末を通して戦闘データなどを随時記録し適宜、自動調整が行われる
進化するフェルム。単に学習するだけでなく、製造元のフェルムブランドに
自己発案し、最適化された設計図を送り、完成したパーツを自動転送によって
取り込みフェルムそのものも変化していく。緊急時にはパーツの状態で
各部フローターが遠隔起動し所有者の下へ急行する機能もある。
装甲自体が特殊な発光素材を利用していることから対サイトレスを
主観に想定して開発されたフェルムといえる。
□Several Sword Marks -M113-
glintの標準武器にして主武装である新鋭の銃剣。
archetypeでも採用されたM111をベースに素材から見直し改良を施した。
原型より大きく変化しておりM111では従来の銃剣同様に砲身の下部に剣先が
備わっていたがM113はスライドする機構によって銃形態(砲身が表れる射撃形態)
から剣形態(砲身が内側に格納され刀身が突出する近接形態)に変形する。
このギミックはそれほど複雑ではなく中核に沿って組み込まれている為
多少の破損で変形不能になることはない。
□Arms Enfold
Several Sword Marksを格納するホルダー。単なる鞘ではなく納めることで
様々な効果がある。二種類の状態がありそれぞれ銃形態と剣形態に適する。
その転換は鯉口付近にあるダイヤルのようなものを回すことで変化する。
銃の場合はMTTと連動し設定されたバレルタイプの調整・部分換装を行え、
弾丸の自動装填も可能。(鞘自体への搭載量は限られるため基本的には手動で行う)
剣の場合は刀身の研磨や樋に霊水を流し切れ味を向上させることができる。
"Ardor Blade"実装後は改良が加えられ三つ目の転換で電子の充電が可能となった。
□Wired Hook
腰にベルトのように巻き付いた標準装備。伸縮自在の鉤で主に姿勢制御に利用する。
ワイヤーと尖端の強度は高く寸断される可能性は極めて低い。しかし振動によって
不安定になる場合も想定され機能的に伸縮する限界が定められている。
(スペック上ではかなりの長距離まで伸びる)
逆に射出することで態勢を固定したりもできる。
■Ardor Blade (electronic bladed/Type principial)
別名、Eブレード(電子刀剣)。対サイトレス専用の武器で特殊な電子を帯びている。
人体には大したダメージが無く(出力を上げるとスタンガンの要領で
感電させることは可能)刃自体も扁平に近い為、刺傷用途では効果は薄い。
◇Midgettype Terminal(MTT)
glintに付属する小型端末。使用していない時はさらに小型化できる。
これはアタッチメントとして独立しており単品での運用も可能。
操作は遠隔起動やフェルムの細かい(挙動などの)設定、データのバックアップから
現在の状態の管理、主にglintに関する情報閲覧を行える。
DOX-systemとは相互的に作用していて端末の紛失はシステムの不具合を招く。
◆DOX-system
glint特有の自己進化プログラムに基づき学習するシステム。
周囲の状況や情報に合わせて臨機応変な対応を取り、
戦闘の予測や助言などをする戦術支援機能もある。
高知能AIの作用で普通のガイドとしての応用もできる。
〈glint buster〉
"glint"のセーフティを解除し、強行状態となった強化型。
この状態では学習機能などが一切排除されているが性能を最大限発揮することができる。
また動力不安定の問題で通常時は使用できないエアフロートクラスターも使用可能で
機動力は格段に上がった。
◆Air Float Cluster
ミクロスラスト機構の実験候補であるエアフロートドライブを組み合わせたもの。
単純な計算ではミクロスラストと同等以上の機動性を発揮できる。
各部に内蔵してあるため小回りの利いた機動を実現し、短時間なら滞空も可能。
〈pale shadow〉
隠密作戦用に設計された外套を模したフェルム。匿名の条件で
CIPCに協力することになった維に授けられ、以後"ナイトヘロン"の象徴となる。
機動性が重視され、軽量化が徹底されているが外套自体は厚く銃弾でも貫けない。
□Short Dagger Edge
外套の内側に装備される鉄線が繋がった短剣。剣といっても
小さいナイフのようなもので殺傷能力は低い。投擲可能で主に牽制に使用。
左右に二本ずつ計四本装備。鉄線は強靭だが切断には向かない。
□obelus
先の尖ったアクセサリー。中身は強固なワイヤーロープが仕込まれており
投げ縄のように扱うことができる。使い方はShort Dagger Edgeの延長のようだが
括り付けて短剣の回収などに用いることもでき単なる登攀道具ではない。
■-13944- LE Rifle(ver.S)
CIPCで支給されるLE Rifleのショートバレルバージョン。
カラーリングはpale shadowの基調に統一して黒色。
ショートレンジを想定して調整された以外は普通のLE Rifleと同性能。
使用弾丸はST21n、ST21"decimIV"、光弾系。(光弾の使用は特殊カートリッジが要る)
◆foggy cloak(BC)
靄が掛かったような視覚効果を周囲に与え、電子機器を一時的に狂わせる
チャフの効果も持つ、外套の作用。電子攪乱片と同質の強力な磁気電波を
発生させジャミングを行う他、外套自体が電子攪乱片を引き起こす素材で
構成されている為布切れとなった部位がチャフの代用となる。
ジャミングと靄による隠遁は任意だが
永続して可視性の低い衣料と光を吸収する構造で隠密性を高めている。
◇strengthened boots
脚部に備わるパーツ。pale shadowの素材の中では最も重く着脱可能で
緊急時にはパージする。役割としては高所からの着地の衝撃吸収や
跳躍力増強を基本とし運動のバランスを保っている。
これ自体に威力はないが装甲は頑強なので足技として使える。
〈amabilis〉
聖なる力に目覚めた維の為に設計された最新フェルム。新型鉄衣と同様の機構を持ち、
性能も戦闘特化の鉄衣に劣らない。
◆plural micro thrust
各指ごとに収まるよう最大限の小型化をしたミクロスラスト機構。
〈guarder〉
基本形態は靴。変形し、Aパーツ群と合体すると翼の飛行ユニットや
全身を覆う通常のフェルム同様のスーツ形態になり、
Bパーツ群と合体するとvaried shield系が使用可能となる。
パーツ群がない場合は滑走移動のできるシューズなだけで戦闘能力はない。
escutcheon cannonを除くと、射撃武器がないが盾の性質を変え、空音の技量も相俟って
相手の弾を弾き、その弾丸を跳弾させて当てるという芸当ができる。
非常に高度で高性能であるがデータは秘匿され"glint"開発に着手する前に
斎堂保が個人的に作った実験的なフェルムが原型となっている。
"glint"の計画が持ち上がったために完成直前で破棄される所を守護者が回収した。
その後、空音専用にトトが改造を施し、現在の形となる。
■varied shield
guarderの特徴といえる盾型の装備。通常はフェルム展開時に背面に
板状になって備わる。可変し、盾は勿論のこと鎚型・槍型・棒型に変化する。
また、そのサイズも調節できる。棒型を少し変え、buckler sabreと結合すると
長柄の武器となる。盾の状態では大小だけでなく性質を変化でき、
すべてに盾としての機能が伴っているが表面を滑りやすくしたりといった
微細な変化を部分的に起こす。
■buckler sabre
小手のように小さめのバックラーからサーベルが飛び出す仕込み盾。
◇escutcheon cannon
varied shieldを最大開放して行う秘密兵器。大盾状態でなければ発動できず
エネルギーチャージ開始時から盾は動かせず変化もできない。
◆slide shoes
高速移動を可能とする靴形態。最高速で高台から飛ぶと一時的に滑空できる。
他の形態に移行すると素足となってしまうが
専用に作られた靴を履いた状態で二重履きすると問題ない。
◆protect scale
踵にある起動スイッチを踏むと一定時間全身を包む保護バリアを張る。
靴形態でしか出来ず、その間はデバイスを使用できないが耐久性は抜群で
銃弾の雨をも防ぐ。想定されていない使い方だがバリアの強度を高め
そのまま格闘に転ずることで攻撃にも利用できる。また、一部分に集中可能。
足技に限り、"slide shoes"の突進力と合わせると脅威的な破壊力を生む。
一度使用するとクールタイムに最低6時間は要る。
後の改良で盾形態でも使用できるようになり有効範囲も広がった。
◆call mobile
携帯電話を模した専用のデバイス。通常機種と同様の使い方もでき、
何よりもパーツ群を呼び出すことができる。パーツ群の転送は
空音の守護者としての能力"境界の力"が関わっている。
〈pulcherrima〉
◇barrier shaper
〈themis〉
■驪竜
〈Armed Ferrous〉
■驪竜 Mark-II
〈viridi〉
〈santo splendere〉
□B-armis
〈nobilis〉
□short shooter
□medium barrage
□assault riot
■Revenger
〈argentea〉
優れた機動性を誇る戦闘用フェルム。
フェルム同士の白兵戦を主眼に置いており、装備は刀剣類のみという極まった作り。
その分、装甲材質の強度やバランスなどが機動力を維持したまま高水準で
設計されており運動性能だけでいえばフェルムトップクラスといえる。
□one-handed sword
argenteaの標準装備である片手剣。パーツごとに分かれて格納されたスペアと
chromium koncerzと交差するように格納された二本がある。
スペアの連結はその場でも行えるが完全結合出来ない為に
接続部が脆くなる可能性がある。(通常は整備班によって出撃前に仕上げる)
□chromium koncerz(iron estoc)
通常装備される背面の格納部に収納されている刀剣。
基本的な性質を持った刀剣で使用頻度も高い。
試作段階ではiron estocと呼ばれ、材質等も異なっていた。
後に強化が施されcountlessの一種に加わった。
□wolfram stilett
脚部側面に左右一本ずつ備わる短剣。copper stickと
二本を連結させることで両刃の長剣として扱うこともできる。
□cobaltic falchion
コバルトの合金を加工した銀白色の幅広の片刃剣。
日本刀のような反りがあり片刃であることからもそういった刀剣に近い。
右腰から提げた鞘に納まっており、納刀時は刃の逆側が畳まれるように細くなり、
抜刀すると幅広になる。鞘も対フェルム用に加工されたもので打撃武器ともなる。
□copper stick
左腰部にある棒状の部品。単体では武器とならず
他の装備の連結部品とすることで効果を発揮する。
またカバーされた側面が特殊合金仕様で研磨できる。
■equip ligature
追加装備分の外部武装などを一纏めに結束する帯。
molybdate claidheamhはバックパックに備えるがそれ以外は
これに括り付けて携行する。鋼の紐であり、全て外した状態で
copper stickと組み合わせることで投擲可能な錨のように扱うこともできる。
■mercurial sword-breaker
水銀を素材のベースとする珍しい短剣。ソードブレイカーの名の通り、
相手の刀剣類を破損させることに特化している。
■golden kris
argenteaの秘密兵器である致命的な殺傷を与える短剣。
刺傷は極小の範囲だが抉るように刃が食い込み傷口を完全に縫合することができない。
これは殺傷性武装に相当し実際の使用には認可が必要となる。
小型なので携行も容易だが特殊装備に該当し、標準的には装備されない。
金を基本材質とするが合金の為、色味は鉄に近い。
■neodym flamberg
特殊装備の一種。波打つ紋様から強力な磁力を発生させる。
■molybdate claidheamh
フェルム用に調整された大剣。titanic gladiusよりは扱いやすく
標準装備に当該するが基本は携行せず、
通常装備の刀剣の代替として装備することが多い。
■titanic gladius
大剣に等しい重量級の刀剣。argenteaが使う最大級の武器で
携行にも専用の大型バックパックを背負う必要がある。
また満足に振るうにも腕部の出力制限を解除し全開状態でなければ扱えない。
■samarium rapier
サイトレスの認識が広まった以降、追加された新兵器。
極めて短いが特殊なレーザーが照射され、不可視のサイトレスに有効な
発光を刀身に纏う。レーザー自体はサイトレスにのみ効果がある。
◇piercing fist
炸裂用ブラスナックルを拳に嵌め、高速振動と同時に重層の炸裂装甲が火力を生み、
打撃による貫通力を高める武装。AoA全開時に使用するとより効果が高く、
フェルムの外面装甲を貫く破壊力がある。炸裂用ブラスナックルは
両肩の収納スペースに1個ずつ格納されている。
しかし拳頭部位の損耗が激しい為、酷使はできない。
晨の性格上肉弾戦を余り行わないので武器を失った際の奥の手といえる。
◆Armload of Arming(AoA)
両腕を展開解放して行う大出力状態。腕部にあるのは攻撃の起点が腕に依存する為で
これにより単純に刀剣を振り抜く速度が上昇し、無手でも戦闘能力を向上させる。
また、本来の用途とは異なるが膂力(出力)の増強にも繋がり
巨大なものを受け止めたりすることもできる。
◆leg cylinder
脚部にある円筒装置。主に高速戦闘時の姿勢制御を行う補助部品。
起動時にはAoAと同じく脚部が展開する。
◆mudhook thrust
手足に内蔵された機動機構。推進剤を噴射し高速機動を実現する。
〈xifos〉
■gladium ferric
〈myriad〉
■countless
■無標弐式
〈gladiolus〉
□qaws
■arcus
□sahm
■verdant
〈凌霄花〉
〈imperialis〉
〈justicia〉
■無標
〈purpurea〉
□violacea
紫色の偏波コート。
〈triumph〉
〈proteus〉
〈caerulea〉
〈dimorhos〉
〈amaranth〉
〈scriptum〉
〈anemos〉
〈peruviana〉
〈kurkum〉
〈astron〉
〈hippeos〉
〈carnation〉
〈praestans〉
〈helichrysum〉
〈coccineus〉
〈lupus〉
□saxum
〈coerulem〉
〈giganteus〉
〈leonis〉
〈aurum〉
~Weapons/Item/Mechanical~
〔電子装備(Electron Equip)〕
サイトレスなどに有効とされる特殊な光を照射する或いは蓄光する装備品。
〔フォトンデバイス(LQD)〕
電子装備に標準内蔵される機器。LQDはLightQuantumDeviceの略である。
量子光:QL(Quantum Light)を主なエネルギー変換とする。
設計者は九飄で第三工房の主要技術者たちが開発に携わった。
<型番>
武器の名称は対応するアルファベットの順番の数値を基本とする。
そこに数字だけの分類と英字を組み合わせた分類とに分かれ
数字を型番の認識番号とし、名称に付与される。
これらの法則は帝国技研の習わしであり工房製の装備には該当しない。
表記上はGUNが付いても呼称では含まない場合も多い。
<-81- N4 GUN(エヌフォー)>
最も普及する拳銃。型番を含めるとハンドガン。
<P9S -T1512-/P919 -2015L-(ピーナインエス/ピー919)>
主にCIPCで採用されている拳銃。型番を含めるとピストル。
<MAG14 -2113-(マグ・フォーティーン)>
型番を含めるとマグナム。
<S8 -1520- GUN(エスエイト)>
散弾銃。型番を含めるとショットガン。
<-13944- LE Rifle(エルイー・ライフル)>
小銃。型番を含めるとミドルライフル。
<S212 M138 -9145- GUN>
型番を含めるとサブマシンガン。通常呼称はM138と区別するために先頭のS212と呼ぶ。
<M138 -9145- GUN>
型番を含めるとマシンガン。
<G18E -1414E->
手榴弾。型番を含めるとグレネード。
<-11817UE- B2119/Matchlock "regenesis">
火縄銃を模した銃器。所謂骨董品だが一新されたマッチロックは
最新鋭に匹敵する高性能。
<-1315R- T118>
迫撃砲。
<AMR01/AMR02>
対物ライフル。
<Light -T8181523- ER(ライトイーアール)>
対サイトレス専用の武器、光照射器(lightthrower)。
<ST21/ST21n/ST21"decimIV"(エスティー21/デキムフォー)>
幅広く使用される対人用非殺傷銃弾。
元々暴徒の鎮圧用に考案されたものでCIPCにてより実戦的に強化した
ST21nが開発され、更に装甲などの遮蔽を物ともしないdecimIVが開発された。
簡単にいえば蓄電した鉛の弾であり、衝突によって強力な電撃が発生する。
しかし、直撃しても健康体ならばこれにより落命する危険性は殆ど無い。
接触した瞬間に破裂し電撃に転換されるので薬莢が残ることもない。
従来のスタンガンは射出型であっても電極を撃ち込む必要があったが
特殊加工された金属の重層と放電する仕組みによって銃弾単体で
スタンガンと同様の効果を生む。それによりコストは跳ね上がったが
現代における有用な兵器と認可した政府の援助により製造ラインは確立している。
<光弾/強化光弾/flash bullet/FB2>
既存の曳光弾を改良・小型化し9mm程度の銃弾に構築したもの。
普通に撃てば照明にしかならないが対サイトレス銃器には必需の
一種の電子装備である。光弾は工房製のものでそれをベースに
帝国技研がflash bullet(FB)を作り上げた。
<lead bullet series(LBS)>
鉛の弾を基本とする系統。従前の技術に倣って復刻するような形で製造された。
中には鉛を素材としない銃弾もあるがどれもがオーソドックスな弾である。
無論殺傷に有効で、殺生を控える傾向にある現代においては余り使用されない。
あくまで対物用の銃弾として使用することが前提とされている。
<リュクノス>
帝国技研が民間と共同開発した発火装置を応用した特殊光源装置。
大型化されたものは高速列車などに搭載されている。
〈steely photonic instrument(SPI)〉
CIPCが倉澤を中心に独自開発した対サイトレス専用装備。
SP1が使うことを前提としており各人のフェルムに最適化している。
当初はサイトレスを一時的に捕捉するだけで時間の制約もあり
おざなりな性能だったが次第にバージョンアップを経てLQDに匹敵する
精密さを獲得した。
〈Rig luminary vision(Rig:LV)〉
ハイテックコーポレーションが開発した特殊暗視装置。バリエーションも豊富で
眼鏡のようなものからゴーグル、小型の装置本体を取り付けて多くの装備にも対応する。
光なき大地を視認する為の製品で一般販売もされたが隠された機能として
サイトレスを可視化することが出来る。しかしそれを知る者は開発設計に携わった
数人のみであり政府の圧力もあって公表されることはなかった。
=Scenario=
≪維の流れ(本編順)≫
-序章:glint争奪(フェルム奪還編)-
九家の日常:旭と連れ立って学校へ向かう。
帰途:フェルムを悪用する犯罪者に遭遇。
記念祭:当日。九家が総出で参加する祝宴の場に遅れる維。
{日課の野良猫に餌を遣るはずが猫が見つからず探していたため}
一家と合流し宴も早々に切り上げると道中で空音と出会う。
意味深なことを言い放つ空音を追って工場へ
工業区:廃工場で空音を発見。glintの入ったケースを渡される。
~サンタルシア編~{主な登場組織}
-序章:フェルム奪還編(プロローグ)- {CIPC}
-第一章:サイトレス襲撃編- {サイトレス・オーナー}
-第二章:ヴィ・マギア編- {NEO}
-第三章:レベルナイン編- {レベルナイン}
-第四章:トーナメント編- {master eleven}
鉄線蓮と協力し、レベルナインの暴動を鎮圧した維達。
一方で葦原ではフェルムを用いた大規模なトーナメント大会を催す宣言を行う。
-第五章:ソーサリー・フォーサー編- {ソーサリー・フォーサー}
master elevenを打ち破り見事大会を制覇したチーム『ナインズ』。
維不在のまま閉会式を終え、帰還した面々だったが大八洲は大変な事になっていた。
-第六章:新しき復活(NEO)編- {NEO(新生)/ガーディアン・トゥエルブ}
活動を再開したNEOの一員によって結界は崩壊し、街中に溢れるサイトレス。
フェルムで応戦するCIPCを余所に空音に連れ出された維は
異世界からの敵について告げられる。
-第七章:ヴァントーズ編- {ヴァントーズ/Evil Alliance/選定者}
-第八章:サンタルシア編(本編)- {異端者/Dea Sedem}
現実世界に戻ったルシアは維を敵視し
世界の様相はアリウスとルシアの陣営に分かれる。
さらにそこへ闇の勢力も加わり三つ巴の戦乱へと発展していく。
~ロストエイジ編~
サイトレスを根絶させ光を取り戻した世界。
ディスタントとの繋がりも薄まり、徐々に"異能"も消滅していく。
すべてが安寧に巻き戻ると思われた矢先
遂に帰還した泰治の口から衝撃的な事実が打ち明けられる。
闇に包まれていた一帯は外界と遮断され歴史から忘却された
文明であり、本来の人類は既に滅亡した時代であったことを。
そしてのその内側にあった主要都市は失われた"外"の領域を求め
混沌は依然続いていた。そして、"外"の領域を消失させた天敵が
静かに忍び寄っていることを人々はまだ知らない。
-外側の範疇編-
中央議会に乗り込んで演説する泰治の言葉を真に受けない首脳陣。
だが日霊と玄黄は危機感を抱き警鐘を鳴らす。
そんな頃、消滅したはずの異質な力を持った者たちが覚醒し始める。
-神々の領域編-
-六人士師編-
『志士と死士』
-外伝(backward):正邪戦役編-
『序幕:紛擾』
『大戦の予兆』
『聖なる集い』
『暗黒の軍勢』
『戦火極まる』
『聖女と大帝』
『夜が明ける』
『終幕:終熄』
-外伝(a time of present):five ENcounter-
『暗く白い灰の夜/have star fall』
『red and blue or yellow』
『不滅のビスタ』
―
【へろへろセブン -HERO HEROINE 7-】
―ちょっとした未来、或いは遥か先のお話。
新たなスポーツとして普及したフェルムマキナ。
そのスーツを着れば誰しもヒーローになれる!という触れ込みで日常に溶け込んだ
それはいつしか、スポーツの域を逸脱していた。スーツの悪用が横行する中、
誰かを助けたいと正義に燃える少年が立ち上がる時、運命は動き出す。
~Chara~
-HERO/HEROINE 7(へろへろセブン)-
[鬼部平一(きぶへいいち)/リジェネレイター]
特異な金属アレルギーでフェルムマキナを着用できない体質。
アーマライザーが起動したことで適合者となり、ヒーローとして覚醒する。
だがフェルムマキナと違って不安定なアーマライザーに度々悩まされ、
主人公の割に活躍の場は少ない。
[紫藤鶲(しとうひたき)/ミスツ・ミストレス]
ヒーローとしての才覚の覚醒は遅いがフェルムマキナへの適性が高く、
試合ではチーム一の成績を誇る。
どれでも着こなせるがEnsisのものしか着用しない。
当人は肌が合わないとの理由で頑なに拒否している。
以前は『ミストラビリンス』に所属していたが派閥争いに辟易し脱退する。
FM:Ensis-200S/Ensis:βts1"Cascade"/Ensis:α210"Mistqueen"/
[白綾環(しらあやたまき)/クールレディ]
チームのリーダー的存在。姉御肌ではあるが知的美人を気取りたい為に
空回りすることも多い。平一がヒーローとして覚醒する以前から
クールレディと名乗り、正義の味方をしていた。
FM:Gladio-109F2/Gladio-178(CL)/Harpe-100CL"Splendor"
[虎杖晨(いたどりしん)/ザ・スウォード]
寡黙な少年。親族は皆幼少期に他界し、遠い親戚の老人が開いていた
古い道場で暮らしている。達観しており、滅多に心を開かない。
常に鞘袋などを肩から掛け、刀剣(模造刀)を携行する。
独自に極めた流派を後継した無明一刀流剣術皆伝の腕前を持つ。
フェルムマキナへの関心は薄かったが硲に道場を破壊されたことで
当初は復讐心からフェルムマキナを着用する。
その後二葉に諌められ、チームの一員として正式に加わる。
FM:Ensis-101(typeV)/Harpe-27ECA"Swordedge"/Falchion-02S"Glaive"
[沢瀉二葉(おもだかふたは)/ソール・プラウ]
元『一花』所属のプレイヤー。才能はあったが優しさ故に競争心がなく、
試合で勝ったことがないためにチームからは非難されていたのを
楓が擁護し、菖蒲との勝負に辛勝(菖蒲は手加減していた)して自由を与えられ、
楓と共に脱退する。以来、フェルムマキナとは無縁の生活を続けていたが
ヒーローを目指す平一らとの出会いを経て誰かの為に戦う決意をする。
自身に不思議な力があることは自他共に周知のことだったが
実際にヒーローとなるのはチーム内で最後である。
FM:Dagger-12C(R)/Ensis:α166(TT)/WB-266"Solplow"
[四之宮茜(しのみやあかね)/ヴィジタント]
応援するサポーターとしての活躍が多かったが
ファントムスーツの完成で五人目のヒーローとなる。
FM:Dagger-04(DO)/Dagger-10DD"obelisk"/phantomsuit"visitant"
[神藤優輝(かんどうゆうき)/ユーキ・レヴナント]
中性的な青年。
FM:Harpe-08(ver.4)/Falchion-03R(YF)/Crystal-"Bravery"
-敵対者たち-
[土師真理(はじまり)]
イオと結託し、廃れていたフェルムマキナのチームを煽動する黒幕。
トーナメントを復活させ、争乱を激化させた。
容易く相手の懐に入り込むものの自身の素性は決して明かさない。
常にマスクを付けており、
名前や口調から女性といわれるが真偽は定かではない。
[イオ]
MeteorBlandの創立者。見た目は幼いが飛び級で博士号を取得している天才少女。
[伯零夜(はくれいや)]
[マーシー・ジェイン/辛幸(かのとゆき)]
慈悲の女神、慈愛の聖女と呼ばれる新進気鋭のチーム『ハピネス』のリーダー。
[瓜生采女(うりゅううねめ)]
[江麻(えま)]
[ふぇしー/フェザーシープ]
チーム『ハピネス』の助っ人。どう見ても着ぐるみだがかなりの腕前を持つ。
[葛暮子(かずらくれこ)/マスター・シェイド]
"四天の頂"の一人。旻天の暮子の異名を持つ。
チーム『ブラックネス』のリーダーで最高位の実力者とも称される。
現在は一線を引いて監督や後進の指導を主に行っているが実力は健在である。
[硲道則(はざまみちのり)]
現『ブラックネス』のリーダー。暮子の後釜で実力はあるが、
正式には認められていない。正々堂々の勝負を好まず姑息な手段を多用する
悪質な奴で敵味方問わず、好かれていない。特に相手の精神を追い詰めるような
嗜好があり、暮子はそれを悪辣極まりないが勝利への非情さと捉えている。
[在原闇次郎(ありはらあんじろう)]
[臼杵(うすき)]
[ダークウォーカー]
暮子が退いて空いた枠を埋めるべく代理で参加した助っ人。
闇次郎の知人となっているがその正体は闇次郎すら知らない。
[深見浪華(ふかみろうか)/ウォーターハイド]
"四天の頂"の一人。蒼天の浪華の異名を持つ。
チーム『ミストラビリンス』リーダー。奇才の女王とも呼ばれ、
トラップ系の試合や迷宮攻略においてはずば抜けた才覚を発揮する。
トップへの執着心も強く長年暮子を敵視していたが
衰退する傾向にある試合で勝負になる相手がおらず、好敵手を求めている。
その時、新参者だった央が台頭し、幅を利かせると対抗するように
配下を集め、互いの競争心はやがて内部分裂を引き起こす。
[浅海芳恵(あさみよしえ)]
[沽野心(うるのしん)]
[Mr.ジェントル]
[十河央(そごうあきら)]
『ミストラビリンス』から分裂し『凍星の一党』を立ち上げ、独立する。
[鏡野氷花(かがみのひょうか)]
[スモークダスト]
その独特のプレイスキルから央がスカウトした
絶対に実名を明かさない末期の中二病野郎。
[牛丸丹三(うしまるたんぞう)]
[杜若菖蒲(とじゃくあやめ)/サンアイリス]
"四天の頂"の一人。昊天の菖蒲の異名を持つ。
チーム『一花』のリーダー。フェルムマキナはあくまでスポーツの延長とし、
好戦を良しとしない平和主義者。
純真無垢、天真爛漫を形容するような人格者で時には厳しさも持ち合わせている。
[新家伊奈(にいのみいな)]
二葉たちが抜けた後に加入した新参者。フェルムマキナの経験も浅いが
天性の資質があり、プレイヤーとなって間もないが菖蒲も一目置いている。
[苗代穂積(なわしろほづみ)]
[高麗秧(こまさなえ)]
[梧桐雪代(ごとうゆきよ)/スノウエンジェル]
"四天の頂"の一人。上天の雪代の異名を持つ。
チーム『銀雪会』のリーダー。常に温和且つ柔和で天使と称えられる。
[祝部蓬(はふりべほう)]
[日沖雄志(ひおきゆうし)]
[庵原香子(いはらこうこ)]
[寺村英俊(てらむらひでとし)]
チーム『余沫の団』リーダー。
[青方秀二郎(あおかたしゅうじろう)]
[犬養羊次(いぬかいようじ)]
[芦澤荒生(あしざわあらお)]
[池谷(いけがや)]
-協力者たち-
[白楊一秋(しらかわいっしゅう)]
暮泥探偵社を営む男。
[桜月耀(さくらづきあかる)]
暮泥探偵社で働く助手。
[花立楓(はなだてかえで)/リーフストーム]
二葉の友人。二葉とは幼馴染であり良き理解者。
当時の『一花』では副長を務めており、実力も相当だった。
[赤須智明(あかすともあき)]
方丈町に左遷された敏腕刑事。フェルムマキナを悪用するプレイヤーを取り締まる
特別公安部(実質一人)で日々、不可解な事件を捜査している。
[市原(いちはら)]
[葉陰三三(はかげさんぞう)]
-その他-
[鬼部善久(―よしひさ)]
平一の父。フェルムマキナを販売する小企業で働くセールスマン。
[荒木田(あらきだ)]
大きな試合において、司会進行を務める審判。各地で目撃される為、
同一人物がいるのではないかと噂されている。
[浄瑠璃(じょうるり)]
推進協会の会長。様付けされる。
[渡会(わたらい)]
[和知大宗(わちたいそう)]
推進協会の会員。
[伊庭(いば)]
[入来院一木(いりきいんいちき)]
[ウトウトさん]
推進協会公認のマスコットキャラクター。
~Word~
<九市(ここのし)>
第一から続く九つ目の実験都市。現在最も活気があり繁栄している。
<方丈町(ほうじょうちょう)>
九市近隣の小さな町。人口は少ないが有数のフェルムマキナ生産工場が多数あり、
九市に設営された競技場などの施設と繋がった街道もある為、
プレイヤー達の溜まり場となっている。
<フェルムマキナ>
その名称は機械金属を意味するが元来、素材そのものを意義していた。
<有機質金属>
フェルムマキナを構想する元となった物質。本来無機質である金属が
有機体と同じ反応を示すある特異の金属元素の塊で
生体金属とも呼ばれ、当初は架空の概念とされていた。
<アーマライザー(Armorizer)>
有機質金属によって構成される擬似フェルムマキナ。
生きた金属体であり、装着者の精神状態に強く影響を受ける。
<ヒーロー>
いわゆる正義の味方を指す英雄の偶像を形容するもの。
平一が思い描く理想像同様、そのままの幼稚な意味だったが
ロストの出現後、ヒロイック・ファクターが明るみとなり
ロストと戦い人々を守る存在として用いられるようになった。
<試合(ザ・ゲーム)>
主にフェルムマキナを使って数人の個人或いはチーム同士で競争する
遊び感覚のスポーツの通称。ルールはローカル性に富み、
地域ごとにクセがあるがオーソドックスなものでいえば
街中をコースに見立てたレースや指定したポイントにある対象物を
どちらが先に確保するかといったことで勝敗を決する。
基本的にはフェルムマキナでの暴力行為は禁止されているので
アウトローな集団に対峙しない限り、乱闘は避けられる。
代表的なものではコースを走破するタイムを競うレースを基本とし、
それから派生した旗を争奪するレースなど多彩。
大規模なものでは各チームが迷宮(迷路)を設定し、
それを互いが攻略する迷宮攻略が大盛況だった。
違法な裏試合では格闘による決闘が主流となっている。
<プレイヤー>
主に"試合"を行う者達のこと。フェルムマキナ所持者を通称する
総称としても用いられる。
<暮泥探偵社(くれなずむたんていしゃ)>
およそ一般的ではない事件を専門に扱う探偵事務所。
<推進協会>
フェルムマキナ関連の技術や運動、トーナメントなどのイベントに至るまで
一切を取り仕切り管轄・運営する団体。
<トーナメント>
フェルムマキナ流行直後に盛んに行われていた大規模な試合形式。
現在では規模が縮小される傾向にあるが、当時はどのスポーツ競技よりも
注目され国際試合が組まれるほど熱狂的だった。
<アリーナ/コロシアム>
トーナメント開催に使われる会場。
どちらも決闘場を模しており
アリーナは正規、コロシアムは無法である意味合いが強い。
<バーシル(バーシ)>
主催者の意向によっては大会参加者や観覧に際して料金が発生する場合もある。
未成年である者も多いため、実際の貨幣を扱うのではなく
その単価として流通する銀貨の通称で、丸い硬貨ではなく四角い金属
あるいはプラスチックであることからシルバー・スクエア(銀の四角)と暗喩される。
一般的に金属としての質が高い(実際の銀が使われているなど)ほど
価値があるとされる。単位は"v"、記号で表記すると□で表わされる。
入手手段は様々で最も手っ取り早いのは定期的に開かれる大会に参加して
優勝もしくは実績を残したりすることで賞金として得られる。
大会に参加しない観覧のみの見物客であっても
フェルムマキナの工場見学やイベントなどで貰えることもあり
個人間の取引も含めれば多岐に渡る。
また、正式に認可されたプレイヤーはこれを引き換えに
新たなフェルムマキナを購買することが可能であったり、特典が付くケースもある。
<四天の頂>
トーナメントで上位四名の優れたプレイヤー達の俗称。
数々の伝説となっている。
<ブランド>
フェルムマキナ業界を牽引する三大トップブランドの
Gladio・Ensis・Harpe、中小企業などが手掛ける
DaggerやFalchionといった一部の人気があるものの他、
特殊な製造過程で作られ、主に悪役が使うMeteorBland(MB)がある。
また個人が作ったフェルムマキナとしてCrystal、WhiteBland(WB)がある。
<輸送機爆発事件>
第三実験都市完成直後に物資の運輸などを担当していた小型輸送機が
航行してほどなく原因不明の爆発に巻き込まれ機体が墜落した事故。
また、離島で開催された実験都市体験ツアーの
定期便に運悪く乗り込めなかった7人の少年、少女が
同時期に目的地へ急行する予定だった当機に特例として同乗した記録がある。
意識不明の重症だったが奇跡的に一命を取り留めた少年たちを除いて生存者はおらず
後に彼らに共通して特異な作用が判明する。
<ヒロイック・ファクター(英雄因子)>
輸送機爆発事件で生還した少年達(平一たち)に共通して発見された
後天的に発現した因子。医師からすれば生死の境を彷徨ったことによる
特質な現象と解釈されるが実際は人智の及ばない超常的な意思による。
ヒーローへの覚醒には必需な要素で、ロストに対抗できる証でもある。
この因子の所有者はある限定的な瞬間に人間離れした力や知能を発揮したり
感覚を究極に高めることができ、通常においてもロストを可視できる。
具体的な因子による影響は7人の個人差があるが、共通する基本的な特異性として
常人と比較すると自然治癒力が高いといったことが挙げられる。
<ロスト>
不可視の存在。人類に害をなす悪意の化身。
様々な個体があり、人間や動物などに寄生し精神的に"融け合う"ことで
同化を行いその文明社会を徐々に侵食していく。
珍しい個体では物体限定で憑依するタイプのロストも確認され、
有機的な反応を持たない代わりに幾つかの物質と融合するなど汎用性が高い。
稀に宿主がロストを"飼い慣らす"ことがあるが
そうした場合でもいつの間にか意識を乗っ取られているケースが多い。
通常、ロストを実際に視認できるのはヒロイック・ファクターを持ったヒーローのみで
融合が進行している対象を"浄化"し、ロストを消滅させるのもヒーローにしかできない。
<リバーサー>
ロストと完全に一体化した生命あるいは物を指す。
この段階に達すると普通の人間でも目視できるようになり、
物理的な干渉に制約が無くなる為現実世界に及ぼす影響は計り知れない。
基本的にはこうなる前に浄化するのがヒーローの仕事である。
<第二級特異発現>
――
ヒーローシリーズ第一弾【Regenesis】~ヒーローを、起動せよ~
首都移動計画の一環として発展した実験的第九都市、九市(ここのし)。
そこは先進的に取り入れられたドーム型居住区域や地中可動施設によって栄えていた。
しかし、九市近郊より突如出現した正体不明の見えざる化け物"ロスト"が
市街を襲撃し、人々を襲う怪事件が起こる。
それに対抗すべく異常現象の研究を推進していた白雲博士が開発した
電子装備を導入したことで可視化し、専門の対策組織である"VIS"の活躍で
鎮圧、以後も出現を繰り返すロストも次第に減少し、束の間の平和が訪れた。
それから数年後。電子装備が実用化され 九市に進出した巨大企業
ハイテックコーポレーション主導の下、それらを応用した
Eアーマー(Dスーツ)が普及し始めていた。
~Character~
[鬼部平一(きぶへいいち)/リジェネレイター]
平和を望む少年。内向的で怠惰な生活を送っていたが幼馴染の耀が巻き込まれた
事件をきっかけに他人と向き合う決意をする。同級生の環に導かれて
学校裏に隠された遺跡で先人が残した手記と妙に凝ったペンダント、そして
厳重に保管されていたブレスレットを発見する。
それにより超越勇士リジェネレイターとなる。
リジェネレイターは先進的なメタリックのボディアーマーを身に纏い、
漆黒のマスクで素顔を隠す。リジェネレイターである間はその姿を
維持し、どんな攻撃を受けても破損することはない。
《リジェネレイター》
絶対不滅のヒーロー。
超再生体であり、本来なら瀕死のダメージを受けても瞬時に回復する。
―<再生能力>
超再生体として標準的に備わる能力。
―<魂の光明(ソウル・オブ・ライト)>
リジェネレイターの動力源ともいうべき力の源。リジェネレイター(平一)の
生命力と気力が失われない限り無限に生成され、その上下限は精神状態に影響する。
危機に瀕すると力の大部分が再生能力に回るため、その間の戦闘能力は低下する。
―<見通す眼("スキャナー")>
リジェネレイターのフェイス(顔面部)が作動し、左目に当たる部分が全開になると
青白く光り輝き、対象を探索するサーチ機能が発動する。索敵だけでなく
レーダーとしての役割もあり人物以外も探査対象にできる。
――<狂熱の赫瞳(オペレート"アベレイション")
/救済の金眼(オペレート"サルベイション")>
"見通す眼"とは逆の右目が真に開眼することで発揮する。
スキャナーのような探知能力ではなく、"狂熱の赫瞳"は一種の暴走状態に陥ると
自動的に発動する。圧倒的な力を得る代わりに自我を失い見境無く暴れる。
一方でヒーローの本質を理解し自覚した時、"救済の金眼"が発動する。
どちらもリミッターを解除したように凄まじい動きを可能とし、
"魂の光明"が無限大に増幅することで威力、生命力共に強大となる。
―<光輝の掌(ハンドスプレンダー)>
リジェネレイターの"力"を具象したエネルギーの光を掌に集中させる。
"魂の光明"を一点に集約したもので力を纏った拳で殴ったり、
掌から光の波動を放つ他、何も無い空間からエネルギー状の剣を作り出したりできる。
また、力の反動を利用してミクロスラストの代用とすることも可能。
―<リングサーベル>
腰部に二本備わる投擲兼近接武器。通常は広刃の長剣だが"光輝の掌"の
エネルギーを流し込むと瞬時に輪となり、投げればブーメランのように戻る。
―<ショートソード>
脚部、上腕部に片側ずつ二本装備されている短剣。針のような形状で、
その後端にワイヤーが繋がっており投擲して引っ掛けることも可能。
―<ミクロスラスト>
ボディアーマーの各所に内蔵された推進機関。小型でありながら
絶大な推進力を噴射し踵や腕、背面などに備わったメインスラスターを
点火することで柔軟な機動を可能とする。
―<爆裂する追跡者(テイルブラスター)>
脚部と肩部に備わる射出装置から発射する誘導兵器。
見た目は小さなミサイルだがターゲット以外に誤って着弾しても爆発しないなど
精度は非常に高く、追尾性能も高い。リングサーベルやミクロスラスト同様
リジェネレイターの能力ではないので外面が破損すれば使用不可となる。
[桜月耀(さくらづきあかる)]
平一の幼馴染。
[白綾環(しらあやたまき)/クールレディ]
《クールレディ》
最新型コンバットスーツに身を包んだ正体不明のヒロイン。
―<リーチロッド>
[虎杖晨(いたどりしん)/ザ・スウォード]
無口で無表情な少年。本来は家業を継ぐ身だが、
幼い頃に病死した母の遺言で自由な生活を送っている。
学校には通わず、祖父の残したモペッドに乗り配達業をしながら一人暮らしを続ける。
平一と同じマンションに住む隣人。度々平一の部屋からの騒音に悩まされている。
常に持ち歩くゴルフバッグに10本以上の刀剣を収納している。
その内真剣は一振りのみでそれ以外は模造刀や木刀である。
曾祖父の代から刀剣類の所持許可を与えられており、携帯する際の
ライセンスの更新として毎年検査を受けている。
半年に一度は帰省して道場での鍛練をし、習いに来た弟子と試合を行う。
―<竹丸(たけまる)>
竹と白樫を合成して作られた木刀。
ストックがなくなった際に代用する木刀などにもこの名が付けられる。
―<柏槙(びゃくしん)>
赤樫を檜で加工した木刀。檜が素材に使われている為、"香る"木刀であるが
強度も模造刀に引けを取らない。
―<鳳尾蕉(ほうびしょう)>
高濃度の有毒性を持った蘇鉄を加工した木刀。刃の裏返しに毒物が摺り込まれ、
傷口に直接触れると神経の麻痺を引き起こす。
ただし、含有される毒性は致死性ではなく軽易なものである。
―<虎狼(ころう)>
品質の良い模造刀。晨が最も使用する刀剣でもあり、消耗が激しい。
一般的な日本刀を模した模造刀でシンプルながら耐久性は抜群。刃毀れもあまりしない。
同じ種類の模造刀をストックしており幾らか世代交代している。
―<雎鳩(しょきゅう)>
美しい装飾が特徴的な模造刀。刀身が短く、柄が長いという薙刀に近い
形状をしており、守りのための武器といえる。
―<東雲(しののめ)>
刀身が扁平な非殺傷用の模造刀。
―<暁天(ぎょうてん)>
剣先が非常に鋭利で突いたり刺したりするのに向いた模造刀。
晨の所有する刀剣の中では一際長大。
―<旭影(きょくえい)>
本物と見紛うような作りこみがされた高級な模造刀。
力負けしなければ大木を斬ることも可能なほど丈夫で
無明と対照的に鈍い色合いが特徴。
―<無明(むみょう)>
旭影と対を成す高級な模造刀。
―<驪竜(りりょう)>
虎杖家に伝わる家宝、"霄壌鞘"に納められた真剣。
刀剣自体も大変貴重であることから滅多に使わず、晨の切り札である。
霊水で研ぐことで決して折れず、万物を両断する刀となる。
《ザ・スウォード》
晨が"依頼"を受けた時に変装する姿。ハイテック社製の改良型コンバットスーツ
をベースとしたモビリティアーマーを装着し、身体能力が向上している。
アーマーを着用し素性を隠している以外は普通の人間で
リジェネレイターのような特異な能力は持ち合わせていないが
秀でた剣術と冷静な分析力で悪に立ち向かう。
ミクロスラストと同機構のスラスターを搭載し、機動力は高い。
専用の新型モビリティアーマーであるが音声出力の不具合で
声色は機械っぽくなる。
―<ブレードケーシング>
背中に取り付けられた刀剣を収納する鞘。
主に驪竜を納め、鞘で覆うことで耐久性などを強化する。
鞘は全体を包むのではなく、片刃であるが納刀時に剣先が固定され、
その部分だけ両側に納まる。
{外伝では}
孤高の剣術使いとして反抗勢力に協力。
英雄連合を率いる平一を止める際、生身の状態で
刀剣が何本も入った鞄を放り投げ空中で落ちてくる刀を抜刀し続け様に一閃した後
使い捨て、最後の一本を柄頭を押して一振りするといった離れ業を見せた。
[沢瀉二葉(おもだかふたは)/ソール・プラウ]
《ソール・プラウ》
{外伝では}
外伝の主役。英雄連合、邪悪軍どちらにも属さない反抗勢力を楓と共に纏め上げる。
[花立楓(はなだてかえで)/リーフストーム]
[杜若菖蒲(とじゃくあやめ)/サンアイリス]
[梧桐雪代(ごとうゆきよ)/スノウエンジェル]
[葛暮子(かずらくれこ)/マスター・シェイド]
《マスター・シェイド》
闇の呪力を操る魔術師。
[深見浪華(ふかみろうか)/ウォーターハイド]
[千代見(ちよみ)]
[白雲博士(しらくも―)]
[山谷教授(やまたに―)]
ロストを支配し、利用する邪悪軍を組織する。
[アストロン]
[フラガリア]
[鬼部藤花(きぶとうか)]
平一の母。
[虎杖菱(いたどりりょう)]
晨の父親で国会議員。有数の権力者であり発言権も強い。
以前は祖父の後を継いで実家の道場で剣術全般、剣舞や殺陣の指導を行っていたが
晨を後継者とし、自身は政界の道へ進んだ。
首都移動計画推進派で九市への移住も率先して名乗り出た。
~Word~
<九市(第九実験都市)>
<首都移動計画>
有事の際、様々な弊害を抱えた首都に成り代わる第二、第三の首都として
その機能を別の都市へ移し変える遠大な計画。
目標である新たな首都の建都が完成するまでの間、首都の機能を試験的に
仮想首都となる実験都市で移転させ、実際に市民を生活させることで
シミュレートしている。現段階では一~九までの実験都市があり、
その内第一~第六都市は成果が芳しくない為凍結され、
資源等は残りの都市機能の維持に充てられている。
中でも第九実験都市、九市の社会は非常に上手く回っており
このまま増築して第二首都とする意見が挙がるほど期待が向けられている。
<ロスト>
肉眼では見えない未知の存在。ロストとは便宜上そう呼んでいるだけで
正式な名称ではない。ロスト出現の前兆であった異常な磁場の乱れを
観測した白雲博士が逸早く行動に移し、普段は不可視の存在であるロストが
特定条件下の光源に晒されると姿を目視できることを発見する。
そして予ねてより開発を進めていた電子装備を完成させ、
磁場を観測しデータとして可視する機構を加えることで
ロストへの必需対策道具となった。
<電子装備(Electronic Equip)>
磁場の変化を察知し、データ化して視認することでロストを
デジタル上では確認できるようになったが当初は観測手段に過ぎず、
それをデジタル領域と接続した専用のスコープを装着し、
スコープ越しに視覚化に成功する。さらに、ロストが光を遠ざけるように
活動することに着目した白雲博士は特殊な光線を放射する装置を取り付け、
対ロスト用の電子装備第一弾である"レーザースコープ"が誕生した。
その後、VISの要請により実践的な装備が開発され
銃弾ではなく光の弾丸を発射するライフルや磁場を一定の周波数に同調させ、
安定化させる装置を装備しロストの活動や出現を阻止した。
<VIS>
実験都市全体の警護やあらゆる事態に対処すべく結成された機密機関。
<ハイテックコーポレーション>
急成長を遂げた九市に目を付け、本社ごと移転。
白雲博士個人から電子装備の技術を買い取り、Eアーマーなどを開発。
九市の日常に溶け込み社会や生活を支える巨大なスポンサーとして、
新しい娯楽を提供する大企業として君臨する。
その急進振りは九市の発展をさらに加速させ現代に至る。
<Eアーマー/Dスーツ>
電子装備の技術を応用した「電子工学とファッション性の融合」がテーマの
高機能パワードスーツの総称。根本的な部分は電子装備がベースとなっているが
設計思想や構造、概念などは全く異なる。ただし、支援補助としての
運動能力強化機能などは備わるがあくまで衣服の一種類として、
魅せる為の娯楽的な部分が多い。一般にどちらも同じ形態であるが、
Eアーマーは玄人志向で、Dスーツはポピュラーな民間用となっている。
<コンバットスーツ>
Eアーマーの強度を底上げし、補助アクチュエーターの増加など
あらゆる面で進化したEアーマー。戦闘目的で開発されており、次世代の
軍事兵器と目されている。その為、普通は民間人が手に入れられる代物ではなく
市場に出回ることもない。開発は試作段階で今の所、ハイテックコーポレーションの
正式テスターに選ばれた対象者だけが所持を許されている。
<モビリティアーマー>
コンバットスーツの動作・機動面だけを残し軽量化を図った可動型Dスーツ。
所持にはライセンスが必要となるが地中可動施設に併設された
コース内では自由に走行可能。
ハイテックコーポレーションはスポーツとして普及させる目論見であった。
外伝【】
本編(邪悪軍壊滅)から一年後。最終決戦時に時空異次元の狭間に吸い込まれた
平一達は六年もの間彷徨い、成長した姿で帰還する。しかし、
ヒーロー不在の時に現れた未知の"敵"、そしてヒーローでありながら
悪事を働く集団などの存在を知り、平一はヒーローを再び集結させ
立ち向かおうとする。(vol.2)
その同じ時系列、未だ異次元を彷徨っていた二葉を中心に
別次元のヒーローと滅びたはずの邪悪軍、それらに抵抗し
生き延びようとする反抗勢力の三つ巴が引き起こす空白の争乱を物語る。
―
第零弾【リベンジsKILL】
[境野良司(さかいのりょうじ)]
同年代で唯一スーツを着用できない不適合者。
ハイテックコーポレーションの主任研究員である父と
メカニカルスーツの設計技術士である母を持ち、機械に詳しいことだけが取り柄。
周囲が普及するメカニカルスーツを使いこなす中 疎外されており、スーツを
羨望する毎日を送っていたがスーツの起動、千回目の挑戦で挫折したことで諦観し
何事も無気力となってしまった。鶲との出会いがきっかけで
技術者としての才覚を見出していくが最後までスーツを着ることは無かった。
[紫藤鶲(しとうひたき)]
良司の父親の友人(同僚)だった父を殺した黄蓮を探す最中
新たに発見された父の遺言に従い、良司と接触する。しかし
良司が有力な情報を持っていないと分かると一線を引くが、逆にそれによって
良司に興味を持たれてしまう。以後、何かと遭遇する良司の隠れた才能を
指摘し、良司を技術者へ導くきっかけを与える。
メカニカルスーツへの適性が高く、高度な技能を併せ持つ。
愛用スーツは新作の特注品、"Ensis-200S"。カラリーングは青紫で
露出が特徴の女性型には珍しいフルコーティング(全身を覆い隠す様な形態)仕様。
部分的に外面を薄くしたり収納することもできる特殊な可変タイプ。
[黄蓮(おうれん)]
スーツを悪用する集団を煽動し、暴動を起こさせた張本人。
走行起動中のスーツの電脳中枢にハッキングして停止させるなどの
技術を持つがスーツへの適合性は低い。
[浅紅(せんこう)]
黄蓮に従う謎の少女。スーツは特別な"Gladio-S7S"。
[ヴェルト・バック]
フェルムマキナの独占を目的にハイテックコーポレーションを
乗っ取ろうと画策する異邦人。
スーツは"Harpe-19V"。
[フラー・フットマン]
ヴェルトに雇われた巨大なツーハンデッドソードを振り回す異邦人。
スーツは"Harpe-3XC"。
[ジャンク]
ヴェルトの部下。スーツは"Gladio-F600"。
[サクス]
ヴェルトの部下。手製の木剣を売り歩いていた。
スーツは"Ensis-10I"。
[ブロードヒルト]
ヴェルトの部下。スーツは"Harpe-IIIt"。
[ロンデル]
ヴェルトの部下。スーツは同型のを改造した"Ensis-107(C)"。
<フェルムマキナ(Ferrum Machina)>
ハイテックコーポレーションが発見した機械金属、"フェルムマキナ"と
それを利用して作られる鉄と機械の衣服、"鉄衣"の総称。
メカニカルスーツの根源たるものだが謎も多く、素材は解明されていない。
<メカニカルスーツ>
旧来はフェルムマキナの俗称であったがこちらが定着している。
<エンシス(Ensis)>
常に先端を行くメカニカルスーツのブランド。
ハイテックコーポレーションとの技術提携が強く、新製品の開発も
率先して行われる為、流行の中にあり一般の注目も高い。
<グラディオ(Gladio)>
メカニカルスーツのブランドの一つ。最初期のメカニカルスーツ販売を担った
先駆者であるものの技術の革新に追従できず、製品は
スタンダードタイプのメカニカルスーツに集中している。
今では"お古"と見做されているがその完成度の高さから
古参の愛用者達から親しまれている。
<ハルパー(Harpe)>
一部ではエンシス以上の人気を誇る玄人志向のメカニカルスーツブランド。
一般向けの販売を行っているがその実、真の顧客は軍事関係者であり
実戦用に改造されたメカニカルスーツなどを専門に取り扱う。
<ハイテックコーポレーション>
―――
≪hero project≫
達人系:普段は普通の人間と何ら変わりないが、ある限定的な状況で
超人に匹敵する技能を発揮する。
超人系:標準的な戦闘力が高く、通常の身体能力も常人を遥かに凌駕する。
ある程度の飛行が可能な場合も多い。
超常系:身体機能はさほど高くないが精神感応が高く、心によって
パワーを発揮するタイプ。
憑依系:平時では超人や達人に劣るがその身に、力の源となる
現象を宿すことで大いなるパワーを得る神秘のタイプ。
パートナー:自分が率先して戦うのではなくサイドキックとして援護するもの。
~Character~
-英雄連合-
[ユード=アルヴァレス]
全てのヒーローの始祖と呼ばれる存在。大いなる敵に立ち向かうには
仲間の存在が必要不可欠と考え、英雄連合を組織する。
あらゆる存在の頂点に立つ最強のヒーローで
強大に膨れ上がったアル=マリスを封印する為、自ら異次元に飛び込んだ。
<カテゴリ:超人系/主な能力:不死身、異空間を移動できる>
[ゴードン・クリアランス]
外洋支部のリーダー。広大な範囲に点在する各地のヒーロー達の司令塔として
指示を出す最高司令官。
<カテゴリ:達人系/主な能力:ヒーロー(ヴィラン)などの特異な対象者の
現在位置や状態を把握できる>
[アクセント・クレイム]
外洋支部を主な活動拠点とする最高峰のヒーロー。
一般的な正義の味方を象徴する人物だが正義に徹する様は
悪からすれば冷徹、冷酷な人間である。
ヒーローとしてはスタンダードな超人タイプだが
自分用に特製したガジェットを使いこなし、その実力は群を抜いている。
<カテゴリ:超人系/主な能力:飛行・怪力・標準的な身体能力の向上>
[ズィマー=マロース]
氷点下の大地で生まれ育ち、自然と一体になることでその力を引き出す
失われた民族の生き残り。
<カテゴリ:憑依系/主な能力:自然との同調で氷(雪)を操る>
[ジンドウ・タツル]
大東支部のリーダー。人の道を極め、仏神の加護を受けた超越する者。
決して悪意を持ってはいけないという戒めを刻み、善行に身を窶すことで
神の加護を維持している。
<カテゴリ:達人系/主な能力:神の加護が宿っている間、
一時的にあらゆる攻撃を跳ね除ける>
[煦煦(くく)]
ジンドウに付き従う精霊。マドウによって召喚、使役されていたが
ジンドウのことを認め、彼に同伴するようになった。
<カテゴリ:パートナー/主な能力:多少の物体を浮かせ、雷の力を仲間に付与する>
[マドウ]
魔道を追求する異端の魔術師。秘術によって延命し不老不死に近い存在となっている。
<カテゴリ:超常系/主な能力:様々な超常的魔術を扱える>
[鬼部平一(きぶへいいち)/リジェネレイター]
大東支部を代表する若手ヒーロー。
<カテゴリ:超人系/主な能力:急速治癒、精神に応じて戦闘力増加>
[峰野襷(みねのたすき)]
大東支部の司令塔。極まった力は持っていないが数々の従軍経験などを活かし
作戦の立案を行いヒーロー達を支援する。
<カテゴリ:達人系/主な能力:特殊技能なし、兵器・銃火器の扱いに長け戦術を熟知する>
[斎堂保(さいどうたもつ)]
生まれながらにして強力な神通力を持った斎堂一族の長。
「有力あれば他を助けよ」という先祖の教えから英雄連合に参加している。
<カテゴリ:超常系/主な能力:強いサイコキネシスを制御する>
[切影(きりかげ)]
修練を極めた忍者の末裔。
<カテゴリ:達人系/主な能力:多彩な忍術と高い敏捷性、魔を断つ刀を振るう>
-新世代のヒーロー(候補)-
[神藤優輝/ユーキ・レヴナント]
体の表面や触れた物質を結晶として再構築し武器とする。
結晶化した状態の効力や耐久性などは結晶深度によって変化し、
深いほど強い。が、結晶深度が限界まで達すると自身全体を結晶が覆い
人としての機能を停止してしまう危険性が伴う。
<カテゴリ:超人系/主な能力:結晶化して強化・武器の生成が可能>
[四之宮茜/ヴィジタント]
<カテゴリ:憑依系/主な能力:物体などを通り抜けて瞬間移動できる>
[虎杖晨(いたどりしん)/ザ・スウォード]
<カテゴリ:達人系/主な能力:剣術を極め、特殊スーツによって人智を超えた動きをする>
-邪悪軍/悪役同盟-
[アル=マリス]
邪悪なる意思の集合体。
[ダアク大帝]
邪悪軍総帥。
[山谷教授(さんや―)]
邪悪軍を組織した人物。ダークディメンションに囚われていたダアク大帝を解放し、
この世に悪を跋扈させる原因を作った張本人だが邪悪軍の本拠地である移動要塞、
ブラックフォート完成後に消息を絶つ。後に研究成果はDr.フォールに引き継がれる。
[ヴァリア・グレイヴ]
アクセントの宿敵。超人系に匹敵する力を持った特殊専用装備"Fウェポン"を
使いこなし打倒アクセントに執着するヴィラン。邪悪軍に参加しているが
単独行動が多く私情を優先する。他の悪役と違い、明確な目的はなく
アクセントのような好敵手との闘いを興じているに過ぎない。
[アキュート・キャレット]
山谷教授が自身のボディガードとして雇っていた傭兵。
特異な能力を一時的に無効化する魔石を持ち、ヒーローを罠へと陥れる。
教授の失踪後は独立し、邪悪軍に協力する形で各勢力を渡り歩く。
[アイドネウス]
ダアク大帝に服従する邪悪の騎士。
[ミスツ]
霧を司り、自分本体が霧で構成されている超常系ヴィラン。
[ヴォルテックス]
主に竜巻や暴風を操り、圧倒的な破壊を繰り返す凶悪な超人系ヴィラン。
能力分類では超常でもあり憑依系でもあるが素の状態でも強く、
超人系ヒーローでさえ苦戦する強敵。
[Dr.フォール]
全知の存在を目指す悪の科学者。教授失踪直後に邪悪軍に加わり
参謀として活躍するが邪悪軍の衰退を推し量ると見切りをつけ、
悪役同盟を組織する。事実上の悪役同盟のトップだが、他のヴィランとは
利害の一致という協定だけで信頼や上下関係などがあるわけではない。
[Mr.ランペイジ]
Dr.フォールが人体実験で生み出した改造人間。
オブザーバー(監視者)という外部の制御ユニットを憑依させ、
二重人格として戦う異質なヴィラン。
[デス・ブラッド]
触れれば死に至るという"D因子"を含む血液を体中に巡らせる男。
普段は紳士的な振る舞いをするがふとしたきっかけで狂気を振り撒く非常に危険な奇人。
自分を慕う部下は大切にするが悪役同盟の中でも他人は即座に切り捨てる。
[ヴェイド・アフレイム]
マロースを敵視するヴィラン。炎の悪霊に憑依され、焼死したが
怨念の化身として復活し、猛り狂う炎を制御するまでに至った。
[スレイズ]
元ヒーローにしてヒーロー専門の殺し屋。
[アイアンウォール]
意思を持った機械。
-その他のヒーロー(無所属)-
[フェイド]
暗黒の外套に身を包み、闇に紛れて邪を討つダークヒーロー。
[アンダーテイカー]
報酬次第で悪にも手を貸す異端のヒーロー。
[ザ・マスク]
数種類の不思議な仮面を被ることでそれぞれに応じた特異な力が発現するヒーロー。
英雄連合に勧誘されているものの風来坊で、在所に拘らないため断っている。
しかし正義感は強く、窮地にあっても人命救助を優先する。
平時はお調子者でお喋りだがヒーローとして活動時はクールを気取っている。
-その他のヴィラン-
[トレイド]
アンダーテイカーの同業者。彼を敵視している。
ヒーローを嫌悪し、アンダーテイカーと違ってヴィランや民間人を相手に取引する。
-民間/協力者-
-Extra-
[彼の者(あ―もの)]
―――――
-Subtitles-
「神の見た景色」→「紙の見た景色」
「電光の街」→「水上の蛍火」
「游魚の群れ」→「スカイダイバーズ」
「灰色の猫」→「キャット・ザ・サンドリヨン」
「慈悲の女神」→「ノット・マーシー」
「彼女が望んだ未来」→「彼が欲した結末」
「organizer」→「disorganize」
「ダーク・ガール」→「グレイ・ボーイ」
不生の超世
derision of clown
perverse tricker
household
gray eminence
繍花のように
cold heart
noctilucent
scuds of rain
archenemy
straw man
heat devil
随神の王
白楊が告ぐ
凍星の一花
acharnement pursuer
entire
cast aside
雁来紅の落ちる時
雪渓の虹
two of a kind
伯労
outburst
伏するは天
verge on black
verge to a close
dread the grave
cold fish
lapse into despair
lapsed believer
not even exist
layer out
ugly customer
deathward
outwards
evanescence
ordinal point
black fate
not in the cards
hard lot
鏡面の君
latter end
leg bail
辰の黥面
掩翳の霓
晴れぬ蒼昊
deathlessness
second strike
潜竜は巡る
jack around
jack of all trades
wind to a conclusion
bleak future
snowy world
renegade
terrestrially
transverse
empyrean
sublime
烏鷺
烏夜
群羊
downcome
明浄
deader than a doornail
uptake
worshiper
fight for real
―
=Characters=
ルード・トラス
―――