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遊戯王おじさんがデュエプレに浮気した話
1.はじめに
こんにちは、なごにゃんです。
寝ても覚めても遊戯王のことしか考えていない筆者ですが、ここ数週間、デュエプレことデュエル・マスターズ プレイスに浮気していました。
マスターデュエルをほっぽらかしてた訳ではないのですが、たまには違うゲームも遊びたくなったということで……。
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2.デュエル・マスターズの原体験
そもそも皆さま、デュエマをご存知でしょうか?
聞いたこともないよ〜という方はおそらく少数で、筆者と同年代(20代後半〜30代前半)の方であれば一度は触れたことがあるのではないでしょうか。
「遊戯王とデュエマ、どっち派?」でたびたび戦争が起きていたあのデュエマです。
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地域によって戦局は様々だったようですが、筆者の小学校ではゆるやかな共存が図られていました。
私自身は遊戯王派ながら、コロコロの発売日はそれなりに楽しみでしたし、公園🛝に遊びに行く時にはデュエマのカードも持ち歩いていたものです。
異種トレード――いわば為替取引も活発に行われていましたが、光っているドラゴンであれば何でも重宝されるカオスな市場だったので、しばしばクズレアの掃きどころとして悪用されていました。
筆者は食い物にされる側で、未だに《聖なるバリア -ミラーフォース-》を《ミラフォース・ドラゴン》で巻き上げられたことを根に持っています。
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イヤと言えなかったあの日
いずれにせよ、デュエマとは長い付き合いで、高校生~大学生の頃には競技の場に身を置いたこともありました。
遊戯王中心だったのでそれほどお金はかけられませんでしたが、安くて強いデッキをいくつか用意し、遊戯王の環境に飽きた時にはデュエマに逃げるという遊び方をしていたものです。好きなカードは《至宝 オール・イエス》で、もっとも精力的に遊んでいたのはこれが流行したエピソード2~3(2012年~2013年)あたりでしょうか。おぼろげな記憶です。
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……なぜ、やめてしまったのかですが。
やったことのある方ならわかると思いますが、TCGの掛け持ちは修羅の道です。
金銭面の問題で安いデッキしか組めなくなるのもそうですが、双方の環境・ゲーム性を把握し続けるのが困難で、中途半端に両者の知識が混ざると変なことになります。
一例として、小学生の頃の筆者はデュエマのドローソースを過大評価しており、デッキタイプを問わず《エナジー・ライト》を採用していました。水文明のほとんど入っていないデッキにすらタッチしていた記憶がありますが、《強欲な壺》がぶっ壊れのゲームから来たのならそういう志向にもなるでしょう。
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逆に、デュエマ中心の友人は《地割れ》を非常に高く評価しており、「《デーモン・ハンド》の最強版だ」と喜んでいました。後に制限カードを経験する優秀な1枚ではありますが、《デーモン・ハンド》とは本質を異にするカードであることは言うまでもありません。
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このように、まったく性質の違う2種のTCGを並行してプレイすると、認知が歪むことは多々あります。
大人になってからはさすがにここまで倒錯することはありませんでしたが、「これは遊戯王の話か、デュエマの話か」と逐一判断基準を切り替えることが脳の負担になっていることは間違いなく、片方の情報がもう片方にとってノイズになる経験をした人は多いのではないでしょうか。
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ハッキリと意識はしていませんでしたが、「自分の脳みそではどちらかに専念した方がよい」と判断したのか、無意識的にデュエマの方からフェードアウトしていったのが筆者の遍歴です。
この時、判断が少し違えば切り捨てられたのは遊戯王の方だったのかもしれません。
3.デュエプレをやってみよう!
デュエマのことはちゃんと好きであり続けたので、「デジタル版がリリースされる」という報せは当然キャッチしていました。
まさに私のような層がターゲットのアプリだろうと心躍り、そのうちインストールしようと思っていたのですが……。なんか気づいたら5年経っていたんですよね。
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始めるのを躊躇していた理由もあるのですが、それは長くなるので後の項で語ることにしましょう。
ひとつだけ申し上げると、5周年キャンペーンも終わった妙な時期に急に始めたきっかけは、偶然目にしたぬるぬる侍様のnoteに他なりません。
「デュエプレ、そういえばやろうと思ってたんだよな〜」
と懐かしみながら読み進め、なんだか途中からプレイしている気分になってモチベーションが上がり、読了する頃には「デュエプレ PC版」でググっていました。素晴らしい記事です。
これからデュエプレを始めようと思っている方は、まずこちらの記事をご一読されることを強く推奨します。
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いやあ。
小学生みたいな感想ですが、デュエマって本当に面白いですね。
気づいたら童心に帰って夢中でストーリーモードを進めていました。
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初期デッキでCPUとやりあっているだけで、公園で繰り広げられた数々の名デュエルが頭をよぎります。
この初期デッキが輪ゴムで止めてありそうな紙束で、CPUが「溜めた方がよくない?」というシチュエーションでもガンガン殴ってくる程よいおバカなのがまたいいんですよね。あの頃の友達とデュエルしているようで、目頭に熱いものを感じながら遊んでいました。
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そして、ある程度進めたところで「レンタルデッキ」を見つけます。こちら、ぬるぬる侍様も言及されていましたが、これだけのためにゲームをインストールする価値のあるレベルの神制度です。
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文字通りデッキの貸し出しをしてくれる機能なのですが、
最新弾のレアカードを軸にしたデッキを、
常時5種類の中から選択して利用でき、
ソロモードでもランクマッチでも制約なく使えて、
ゲーム内通貨などの代償を払う必要がなく、
回数制限もない!
という非常にユーザーフレンドリーな仕様で、度肝を抜かれました。
筆者は勝手に「この中から五者択一であり、選ばなかったデッキは使えなくなる」と勘違いしていたので、「ドギラゴンにするかライゾウにするか」で10分くらい悩んでいたのですが無駄な時間でした。
なんなら「1パックも剥かなくてもこれでランクマ登れるんじゃないの?」というくらいには完成度が高く、実際登頂報告もあるらしいので驚きです。
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特にこの【ドギラゴン・ガチャ】は非常に強力なデッキで、環境最前線を走る《蒼き団長 ドギラゴン剣》が2枚も入っており、そのサーチカードも投入されているので安定してゲームに絡めることができます。
現代フィニッシャーの破壊力を体験するには十分であり、これが常時無料で使えるのは恐ろしく太っ腹だと思います。
ほどよく歯抜けになっているのも心憎い調整で、ある程度やりこむと「もっと強い完成形の【ドギ剣】がほしい!」と思えるフェーズが来るので、購買の導線としても上手く機能していると感じました。
(※ レンタルデッキは編集不可なので、枚数調整をしたければ自前のカードを用意する必要があります。商売上手ですね。)
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……ちょっと前まで少年時代の追体験をしていたはずが、気づいたら遥か未来のガチカードで無双する大人げないおじさんになっていました。児童館で見かけた《ボルバル》使いの高校生もこんな気持ちだったのかなあ、と一気に歳をとった気分になりつつ、これはこれで楽しいので目をつむることにします。
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ひとしきりCPUをボコボコにして満足したところで、ゲーム内資産が溜まっていることに気づきます。
ぬるぬる侍様のnoteを参考に、慎重に剥くパック・分解するカードを選定しながら、初めてのランクマッチ用のマイデッキを作ることにしました。
(※ あちらの記事でも言及されてますが、このゲームは高レアの分解がマズく、低レアの生成はもっとゲロマズいので手なりでポイント消費してると詰みます。代わりに低レアを重ねれば高レアに交換できるので、長い目で見れば、運が下振れても総資産に大きく影響しにくいのは面白い調整だと思いました。このへん、もうちょっと丁寧にゲーム内の説明が欲しかったですね……。)
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まず、必要カードがほぼ単一パックに固まっており、高レアも《超神星マーキュリー・ギガブリザード》のみである【青白グレートメカオー】を選定しました。……その《マーキュリー》が1枚も引けなかったので全部生成することになりましたが、幸い低レアは全部そろっていたのでヨシとしましょう。
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これ、すごくいいデッキです。
あとで触れますが、紙のデュエマでここまで高水準な種族デッキが生まれるのは本来もっと後の時代のことです。前半期のデュエマは「下手に種族で固めてシナジーを狙うよりグッドスタッフの方が強い」状態で、紙の【グレートメカオー】にもあまり強い印象はなかったので、大幅アッパーにより紙と別物になっているこのデッキには驚きました。
理想的なムーブとしては、
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この《サリア》を立ててデッキの回転率を上げ、
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《オボロカゲロウ》《ナムロック》《ピラミリオン》といった軽量メカオーを横並べさせつつデッキを掘り進め、
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4ターン目か5ターン目にこの《パトロール・ファンクション》で大量ドロー、
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0コスの《スパルタンJ》と1コスの《マーキュリー》をたくさん叩きつけて、相手の反撃手段をケアしつつ過剰打点でフィニッシュを狙います。
この「いっぱい並べてたくさん引いて最後にドーン」な感じ(語彙不足)、いかにもデザイナーズの種族デッキという感じでわかりやすく強力です。あまりに展開力が高く盤面が溢れそうになるので、小粒をまとめて盤面を空けるためにも進化GVの《マーキュリー》が重宝しました。そんな贅沢な使い方あるんだ……。
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【メカオー】ってこんな感じだっけ……? と思って調べてみたら、やっぱり紙にこんなデッキは存在しません。
核となる《サリア》はオリカですし、《スパルタンJ》にはG0がなく、《マーキュリー》にはシンパシーがありません。その他のほとんどのカードにもアッパーがかかっており、紙と同じと言えるのは《オボロカゲロウ》くらいではないでしょうか。《メチャゴロン》に関してはS・トリガーがないうえにキカイヒーローという別種族でした。
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……書いてて思い出したのですが、この時期の種族って「プッシュされる種族」と「そのサポート種族」にわざわざ分かれてたんですよね。グレートメカオーに対するキカイヒーロー、グランド・デビルに対するディープ・マリーンのような。
子どもながらに「なんで分けるの?一緒でいいじゃん」と思っていたのですが、デュエプレでは実際にそうなり、サポート種族がすべて廃止されてメイン種族に統合されているようです。やっぱり作った側も失敗だと思ってたんだな……と妙に悲しい気持ちになりました。
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いずれにせよ、大胆な調整を受けたデジタル版【メカオー】の使用感は良好で、しばらくはこれでサクサクランクマッチを登っていました。単純な構造のようで、序盤のマナ埋めや《マーキュリー》が絡まない時の殴り方など意外と考えることが多く、実戦で楽しみながら学ぶことができたのはとてもよかったですね。
……一方で、ある程度のランク帯に達し、レンタルデッキと対面しなくなる頃には勝率に翳りが見えてきます。というのもこのデッキ、執筆時点の環境デッキとあまり相性がよくないんですよね。
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最大母数の【ドギラゴン剣】系統に対しては、小粒ラッシュに対して《スパルタンJ》の無限ブロッカーが刺さる……と言いたいのですが、速すぎてこちらが用意をする前にボコされるんですよね。
あと、ふつうに《スパルタンJ》のパワーを超えながら殴ってくるので、これが有限回の壁にしかならず対策として機能していない印象です。
実際には盾に《電磁王機ウェービィ》が何枚埋まっているかの勝負になりがちで、環境トップに対して分の悪い運ゲーになってしまう立ち位置の悪さを感じました。
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また、これはデッキとしての弱点でもあるのですが、《パトロール・ファンクション》の着地に成功するまでリソースがカツカツで、妨害されるとロクなゲームになりません。
これを執拗に叩き落としてくる【青黒ハンデス】対面はどうしようもなく、ポン置き《サリア》を《学校男》《デモンズ・ライト》であっさり取ってくることも含めて非常に相性が悪いです。
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さらに、せっかく「《スパルタンJ》×《マーキュリー》で反撃を封じて殴り切る」のがコンセプトなのに、これらでケアできない防御手段を持っている【白単】系統はどうやって勝てばいいのかわからない難敵です。
勝ち確だと思って殴ったら《ミラクル・ミラダンテ》3枚を宣言されてとんでもないことになり、画面の前で「何それズルじゃん!」と騒いでいました。小学生か?
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一応【5c】系統のような「遅くて防御面を呪文トリガーに寄せているデッキ」に対しては5分以上に戦えるのですが、その母数があまり多くないこともあり、体感としては「最新デッキに包囲される型落ちデッキ」のような肩身の狭い感じになりがちでした。
道中ミラーマッチに一度もならなかったこともあり、環境のトレンドから外れていることを実感した次第です。
【メカオー】で遊ぶのはこのへんにして、自分も【ドギ剣】【白単】【青黒】のどれかを使った方がよさそうだと感じたのはゴールド帯に差し掛かったあたりだったと記憶しています。
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かなり悩んだのですが、最終的には【青黒ハンデス】を選択しました。
この中でもっとも安価であることが大きな理由ですが、さんざん苦しめられた《ミラクル・ミラダンテ》を無視できることが決め手かもしれません。ヘイトはデッキ選択を左右します。💀
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調整しがいのあるデッキで、道中何度もカードを入れ替えましたが最終的にこんな感じに落ち着きました。ピン差しの《ゴースト・タッチ》が味です(?)。
大まかな動きとしては、
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これら大量の軽量ハンデスをぶつけてテンポを取りつつ、
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盤面に展開される脅威は《ウアラク》《学校男》《シャッフ》などを使って丁寧にさばいていきます。
序盤はリソースに繋がらない軽量カードを大量にプレイすることになるので手札が枯渇しがちなのですが、そこで偉いのが《ワルスラー研究所》です。
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これの展開に成功すると、「相手の展開はこちらの軽量カードで簡単にいなすことができ、こちらはカードを使うだけで手札が増えていく」という一方的なコントロール状態になります。楽しいですね。
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最後は万にひとつも反撃の可能性を残さないよう、シールドには触らず《S級宇宙 アダムスキー》によるライブラリアウトでフィニッシュします。
とにかく「相手にやりたいことをさせない」のが一貫したコンセプトであり、やや人を選ぶと思いますがカードゲームの醍醐味を味わえる良デッキだと感じました。
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環境的な立ち位置もよく、ほとんどすべてのデッキに対してハンデスが刺さりますし、シールドを割らずに勝つのでコンセプトレベルで【白単】に優位がとれます。相変わらず【ドギ剣】系統には轢き殺されがちでしたが、それでも【メカオー】以上には抗う手段があり、おおむね五分の相性と言えたのではないでしょうか。
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また、【メカオー】では苦戦しなかった【5c】については、ハンデスを主戦法とした都合上《タイタニス》が重くなってしまいましたが、よっぽど変なタイミングで踏まなければ即負けはないので割り切ります。
不自然な手札1枚残しを《タイタニス》と看破して立ち回るなど、読み合いの要素が生まれて楽しかったです。
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また、最高に面白かったのはミラーです。
何も考えず先に軽量ハンデスを撃つと手札が枯渇するので、プレイできるカードがある場面でもパス合戦になったりします。
しかも、中核となる《ワルスラー研究所》に「1枚しか存在できず、後から出した方に張り替えられる」制約があるため、これも機を伺わず先出しすると張り替えられて負けに直結します。そのため、普段であれば即埋めしていい2枚目以降の《研究所》をキープしてさらに張り返すプレイングが大事になるのですが、逆に《研究所》の維持に固執するとそれはそれでライブラリアウトの危険が生まれるなど、ミラーならではの要素をいくつも見つけることができて興奮しました。
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このデッキ選択は、本当に正解でした。
手になじむ上に、これまで苦しめられていた相手にも面白いように勝率を出すことができて、無課金10日目でニュー・ディビジョン/オール・ディビジョンの両面でマスター達成することができました。初心者をキャリーしてくれる強デッキが簡単に組めるのは良いゲームである証拠です。
試行錯誤している段階も楽しいですが、勝てるデッキにたどり着けた瞬間は何にも代えがたい喜びを味わえますね。
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繰り返しになりますが、快適なデュエプレライフの滑り出しをサポートしてくださったぬるぬる侍様には感謝しかございません。皆さんも、こんな記事どうでもいいのでまずそちらを読みましょう。ね?
4.デュエプレを5年もやらなかった理由
最後にこれに触れます。
正直、ひとえに誤解によるものです。
改めて説明しますと、デュエプレはデュエマをベースに作られたオリジナルのDCGであり、デュエマそのものを再現しているわけではありません。
(※ 原作との相違点についてはデュエル・マスターズwikiに専用ページが作られているため、ご興味がおありの方はご一読ください。)
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誰やねん
ルールは簡略化され、多くのカードにテキスト変更(強化・弱化双方)が施され、原作にはなかった大量のオリジナル要素による調整が図られています。
キャラゲーとしても原作キャラよりオリキャラ・コラボキャラが目立つ作りで、「あの頃のデュエマの追体験」という文脈では楽しめないのではないか、と考えてしまったわけです。
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こんなのヒドラじゃない( ;∀;)
しかし、これはもったいない判断でした。
ごちゃごちゃ考えずとっとと始めておけばよかったと思います。
当初こそ「デュエマっぽい別ゲー」であることに拒否反応がありましたが、これは食わず嫌いであり、冷静に考えると必然性のある変更ばかりでした。
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紙のデュエマは、その気になればいくらでも複雑にできるゲームです。
「10体以上のクリーチャーが盤面を埋め尽くす」「大量の効果処理がスタックする」「ループの省略が公式ルールに織り込まれている」など、デジタルの処理限界を超えそうな挙動が多すぎます。
これらの対策としての簡略化、「盤面制限」「名称ターン1制限」を設けるのはまずもって仕方のないことと言えるでしょう。
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評判のあまりよくない「マナシステムの変更」「探索の導入」についても、デジタルで紙と同様の挙動をとっていてはテンポが悪すぎるので妥当だと感じました。
ただでさえ、多くのDCGはマナを自動チャージされるポイント制にしているし、デッキを丸ごと確認するような挙動は廃していることがほとんどです。
そんな中、ちんたらタップマナを選び、デッキ確認(=シールド確認)が可能なスクショ推奨UIにすることはゲーム体験の面で後れを取ると判断したのでしょう。
紙のルールをそのまま落とし込んでも、ネイティブなDCGに快適さで勝てるわけがないのです。
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続いて、原作からカードの能力変更が多く行われている点についても、むしろ評価点として挙げてよいと感じました。
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デュエプレでは時代を先取りしすぎたパワーカードに
かつて、紙のデュエマは【除去コントロール】系統の長期政権下にありました。
そもそも殴る(=シールドを割る)ことのリスクが大きいゲームなのに、それに見合わないほどビートダウン系のカードが弱く、コントロール向けの強力なカードがひしめていたためです。
種族デッキ・デザイナーズデッキの調整もハッキリ言ってヘタクソで、デザイナーの意図を汲んで新弾のカードを集めるより、昔からある汎用パワカでコントロールした方が勝てるという時期が年単位で続いたのです。
小学生環境が赤入りのジャンクデッキで満ちていたのと対照的に、「殴らず溜めてじっくりいたぶる」ことがオトナの結論でした。
(※ ワンチャンスを狙えるアグロ系統はいつの時代も環境にいましたが、真っ当に盾を刻むミッドレンジデッキは多くの環境で死滅していました。)
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……もはや、知識・資産不足ゆえの小学生ビート環境は再現し得ないものです。現代に同じカードプールがもたらされたら間違いなく除去コンで溢れ、「あの頃のデュエマ」とは程遠い光景が広がるでしょう。
何よりこの時代に、新弾のテーマが使い物にならない、古いカードで睨み合うだけのゲームは選ばれません。サ終まっしぐらです。
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非合理な懐古主義をバッサリ切り捨て、コントロール向けカードのナーフ、デザイナーズデッキのアッパー調整を積極的に行ったことを高く評価したいと思います。
結果として、当時見向きもされなかったテーマデッキが花開き、真っ当に盾を刻むデッキも肯定されるゲームになったのですから、その手腕は見事と言わざるを得ません。
(※ 強化しすぎてカチ壊れた《ダイヤモンド・ブリザード》のようなカードもありますが、紙でなし得なかった種族デッキ環境を作ろうとした結果として好意的に受け止めます。)
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最後に「オリキャラ推しすぎ問題」ですが、これはデュエマのキャラの弱さの裏返しなので仕方ありません。長年キャラ売りをして来なかったIPですから、シンプルにキャラの知名度が低いんですよね。
実感として、「デュエマは好きだけどデュエマのキャラは知らない」層はかなり多く、よくて「勝舞とか白凰とかザキラとかならわかる」状態ではないでしょうか。勝太編以降のサブキャラになると空白地帯と言って差し支えなく、プラマイ零ちゃんをデュエプレのオリキャラと勘違いしていた人も多いそうです。
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「デュエマ版デュエルリンクスみたいのが欲しかった」と嘆く声もありますが、それでは一部の原作ファンにしか訴求できないでしょう。
求心力の低い原作キャラは最小限に抑えて、華やかなオリキャラや強力な他社IPに頼った方がよいという判断は商業上仕方のないことだと思われます。
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長くなりましたが、以上、筆者がデュエプレを始めなかった理由で、今となってはどれも誤解だったと思えます。
何事も、斜に構えて触れずにいると損します。
ちょっとでも興味を持った時点でインストールしておけばよかったとだいぶ反省しています……。
5.おわりに
いかがでしたでしょうか?
特に遊戯王と関係のない自分語りでしたが、ひさびさに違うカードゲームに触れて気分転換になりました。
OCGの競技勢だった頃には「思考のノイズになる」という理由で情報を断っていたデュエマですが、ほぼマスターデュエル専のカジュアルプレイヤーと化した今となっては雑にいろいろ触ってみるのも悪くないかな、と思い直しました。何よりこのゲームめちゃくちゃ面白いです。既に女の子スキンのためにちょっと課金しようか悩み始めています。
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今から始めても決して遅くないので、読者の皆さまも、マスターデュエルの環境に飽きた時のためのサブゲームとして用意しておくのをぜひオススメします。
お読みいただきありがとうございました!🐉