旅は成り行き任せに

#実践記録  2021/07/23(金)

5時半過ぎに起床。
3時間ほどしか眠れていない。
興奮していてたのと…
まとわりつく暑さでなかなか寝付けなかった。

福井の宿だけは押さえておいた。
「ゲストハウス 絆」
フツーのビジネスホテルとは違う…
いかにもなところ(笑)
福井市からは距離があるが…
人との関わりを求めるのが旅の醍醐味。
自分のテリトリーに居る人たちから離れて…
知らない土地の人たちと接する。
人と関わらないようにするために人と関わる。
こういう矛盾が起こるのもまた旅。

たび,タビ,TABI。

この語りは,『孤独のグルメ』かのように。


◆ 北陸新幹線
初めての乗車体験。
窓から見えるお墓すら晴れやかだ(笑)

長野~金沢間は,2015年3月に開業。
まだ6年しか経っていない。
福井・敦賀までは,2023年末の完成に向けて工事中。
もう少し待てば,福井にも楽々行けたかもしれない…
決心が鈍り…
いやいやフクイサウルスに会いに行こう。

福井行きを決めたのにはもう一つ理由がある。
クラスに恐竜好きの子がいるからだ。
この子が国語ノートに恐竜の仲間集めをしてきて…
それをみんなに紹介したところから私との関わりが変わった。
前から行きたかったのはあるが…
今かなという氣にさせてくれた。

さて,北陸新幹線。
やたらとトンネル内を走っている時間が長い。
新北陸トンネル(金沢~敦賀間)はもっと長くなるそうだ。
技術者集団の方々に頭が下がる。
現在,先に挙げた敦賀までの区間。
北海道新幹線(新函館北斗~札幌間)。
九州新幹線(武雄温泉~長崎間)
JRTTが,3線3区間の建設を進めている。
完成したら,移動スタイルが変わるだろうな。
地元の方々の暮らしも。

◆ 移動中
目的の石川県は「西田幾多郎」生誕の地である。
ホームで小学館版学習まんがを読む(笑)
自分の一生を漫画にしたら…
今は何ページ目だろうか?
序盤? から中盤?
どうしようか…
書くことがあまりなかったら(笑)

先日の道徳研修のまとめ。
自身の関わるコミュニティについて。
よい教室の条件とは?
いくつかノートに書き込みながら考えを深める。

◆ あんころ餅
石川県名物の圓八「あんころ餅」。
乗り継ぎのタイミングで購入。
「本日中に召し上がって下さい」
原材料なしなので,その日のうちに。
「赤竹小豆」という聞き慣れない名が。
調べてみてもよく分からない。
縁起物として(赤飯などと同様に)扱われていたようだが…
フツーは,「青竹」なのに「赤」?
中国由来ということで何となく察しがつく(笑)

小豆の国内シェアNo.1は,北海道(十勝)である。
90%以上。
輸入量が近年増えているのがカナダ産。
なんと,品種は「エリモショウズ」だとのこと。
緯度や広大な土地など,北海道に似ている。
栽培に適しているのだろう。
今や中国産を抜いたとか。

さて,あんころ餅の感想を。
驚いたのは,餅の主張の弱さ(笑)
考えてみれば…
あんこを使った食べ物って,他の主張が強い。
あんぱんでも,パン生地が氣になる。
柏餅や大福も外側の餅にまず意識がいく。
あんころ餅の控えめな餅加減が何とも言えない。
なぜこんなに主張せずに居られるのか。
でも,あんを味わいながら程よく餅の甘味や食感もやってくる。
これほど「あん」を主役とした和菓子があっただろうか。

もともとは,宮中の公家の間では,ガガイモの葉を煮出した汁で練ったお餅を味噌汁に入れていたとされる。
つまりは餅がメイン(始まり)。
それにも関わらず,江戸中期からあんにくるまるようになってから…
あん,恐るべし。
あんが餅を手玉に取ったのだ。
「あんころ」は,「あん衣(ころも)」から来ている。
または「あんの中で餅を転(ころ)がす」とも。
文字通りだ。
あなたは私の掌の中よ,と。

なめらかな舌触り。
こんなに爪楊枝で一生懸命にあんを食べたのは初めてだ。

◆ 宿の御主人と①
あわよくば行ってみたい店があった。
電車の待ち時間に電話。
やはり予約でいっぱいだった。

今晩の酒肴はどうしよう…
宿の御主人に電話で相談。
繁華街からは離れている宿なので…
行くあてはあるのか。
2件ほど小料理屋があるとのこと。
ただ1件は19時頃には締まる。
もう1件居酒屋があるが…

『地元のお酒と料理が食べたいんですけど…』
「私が居酒屋の店主に言っておきますよ」

よし。
あとは,最寄り駅から宿まで交通手段。
バスが出ているようだが…
訊くと,やはり18時頃には終わっていると。
タクシーだと3000円。
しかし,なんと…
チケットを発行してくれるとのこと。
500円になるそうだ。
7割引き(笑)

地元のことは,地元の方に訊くに限る。
というか,聴くしかないのだ。
素直にならざるを得ない。

◆ 見通しのなさの露呈
「恐竜博物館」は,予約制だったようだ…
家族連れの長蛇の列。
現地に着いてから知る(笑)
一体この辺境の地に何をしに来たのだろうか?
自分の計画性のなさを痛感。
まぁ,想定内だ(笑)
さて,こうなった時に何をすればいいか。
お土産屋さんへ。

スタンプを購入。
自分の名前+恐竜のイラスト入りの。
もう一つは「ありがとう+トリケラトプス」。
ここでもない限り買わないだろう。
教室でも役立つ。

永平寺にもよろうかと思ったが…
16時半に参拝終了。
最寄りの駅に着いたのは,16時22分。
これまた無理やん(笑)

わざわざ福井県まで来たのに,一体…

◆ 福井名物に舌鼓
おいしいものを食べれば帳尻が合う(笑)
もう何百年も前からある真理。
空いた腹という最強を連れて,駅前の店へ。
「八兆屋」

福井が蕎麦王国だなんて知らなかった…
「越前おろしそば」が驚くほど旨かった。
冷たい蕎麦(冬でも)たっぷりの大根おろしに削り節(刻みねぎも)。
駅一体型の居酒屋? でこのクオリティー。
ぜひとも名店で食べてみたい。

この店では,おろしにワサビを混ぜ合わせていた。
おろしの辛みが相まって上手い。
また,削り節もいい。
兼ねてから思っていることだが…
“分けて”出してほしい想いがある。
例えば,カレーのルーと御飯。
カレーの割合,混ぜ具合等は自分で調節したい。
だからこそ,つゆと削り節とで分けているのがたまらなくよかった。
ただ…
大根おろしとワサビは一緒にしなくてよい。
勝手な想像だが…
越前おそろしそばは,辛みの強い大根おろしを使うそうだが…
十分な辛みのある大根ではないのではないか。
そのごまかし?
そう受け取ってしまう。
ここも分けてほしかった。
そうすれば,一口ひとくち,味の調節ができる。

日本酒は「黒龍」を注文。
竹筒でとっくりが冷やされている。
「あんころ餅」もそうだが…
自然な風味が香ってくるのよい。
あんころの場合は,竹の葉。
フルーティーな香りがすーーっと鼻を駆け巡る。
酒だけだと,ちょっと感じが強い。
口内に香りが漂い続ける。
でも,肴と合わせるとちょうどいい。
一番においしいと思ったのが鯖の「へしこ炙り」。
塩漬けにして,さらに糠漬けしたもの。
炙られていることで香ばしさもある。
黒龍にぴったりの味付けだった。
他の地酒はどうだろうか?
福井県は,山もあり水も豊富。
米の栽培も盛んなだけあって,川沿いに酒蔵も多い。

◆ 宿の御主人と②
最寄りの駅へ到着。
何もないとはこのことだ…
駅前のロータリーの地図を眺めながら待つ。
タクシーが来た。
運転手さんといろいろと話をする。
独特のイントネーション。
福井出身だが,海沿いだとのこと。
寺が多いわけも分かった。

ゲストハウスに到着。
門が立派。
「KIZUNA」
まさかの英語表記。
庭も広い。
木々に囲まれた石畳の先に西洋風の建築物。
周りのお宅との違いが凄まじい(笑)
御主人もどこか異国の香りを放つ。

訊くと,海外で美術館を回るのが好きなようだ。
部屋中に絵画やらシャレた調度品が立ち並ぶ。
異国の建築物への憧れもあったそうだ。
「以前は和式の家だったんですよ」
拡幅工事に伴い,十数年前に建て替え。
がらりと洋風なつくりに。
玄関とリビングは吹き抜け。
でも,畳部屋も仏間もある。
西洋風な家なのだが,不思議と和を感じた理由が分かった。
明治から昭和にかけて,西洋の影響を受けた建築物を写真で観たことがある。
日本の大工たちが見様見真似で建てたものらしい(笑)
和洋が入り混じった佇まいに。
この家から放たれる不思議な感じの訳が分かった。

その後も,オリンピック開会式を観ながら1時間ほど。
恐竜博物館も永平寺も行けなかったが…
笑い話に変わったらどうでもよくなった(笑)

◆ 地元の居酒屋「ことぶき」
地元のお客さんのたまり場。
お姉さま方に絡まれる(笑)
カウンター席で店の大将とママと話しながら…
日本酒をいただく。
よりローカルな地酒。
越前「関西」。
常連さんに1合奢って頂いた。
越前の和紙も頂いたり…
値引いてもらったり…
あれで3000円はないだろう(笑)

地元の方と話すと分かることがある。
駅前でたまたま見かけたチアリーディング。
福井商業高校「JETS」。
映画『チアダン』のモデルだったようだ。
「諦めないでどんな時も 君ならできるんだどんな事も」
サンボマスターの曲に合わせて皆にエールを贈っていた。
チア(声援・掛け声)でリード(先導・先に立って引っ張る)する人。
もうこの概念からして素敵だ。
私も元氣を頂いた。

和紙の話には,感じ入った。
「地元の卒業生は自分の卒業証書を梳くのよ」
この話題になったのも恐竜博物館のおかげか。
お土産コーナーに恐竜の立体パズルがあった。
なんと,そのパーツの一つひとつに和紙が施されていた。
これは見事だなと思っていた。
「恐竜の化石を観ていたら,買っていたと思います(笑)」
心が動いたことだから,人との会話が弾むんだな。
明日は,「和紙」の工場に行くことを決めた。
おい,金沢行きはどうなった(笑)


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