「雨のうた」の授業③➃

●「どうして『雨のうた』という題名何だろう?」という問いと、「『雨のうた』とは何か?」の問いは質的に違うか。題名の検討の場合は、このタイトルの妥当性を考えることになる。つまり、詩の内容と照らして、題名としてどうかということを考える。一方で、「雨のうたとは何か?」というのは、もう少し範囲が広くなるのかな。雨が歌うはずないのだが…雨の歌とは何を意味するのか?

●今回は、後者にかかりつつも、前者を問う形をとったかな。まずは、大きな問いを投げかけた。いきなり、絞って発問してしまうと…考えが狭まる。また、切り返した時の「あっ」という驚きや発見がなくなってしまう。

●「どうして『雨のおと』じゃないんだろう?」という切り返しは、かなり有効だったと思う。子供たちの発言リレーの中で、「音」に関する意見が出たところで、すっと発問できた。詳細に覚えられていないのが残念。録音して文字起こししたい。

●今回の話し合いを通して、おもしろかったなと思ったのが、「音の場合だと、雨は一粒。でも、歌の場合だといろいろな音が重なっているということ。しかも、継続的に。テンポやリズムもある」だから、歌なんだと。音楽の要素から考えていた子たちもいたし、理科的に考えている子もいたかなと思う。楽器の演奏に例えると、イメージしやすかったようだ。

●彼らの頭の中で考えていることを思い浮かべ、どんな例示をすればイメージがより鮮明になるか、思考がもっと促されるか、そうしたことを考えながら子どもたちへの切り返しをしていた。どこまで機能していたかは分からないが、意識して切り返しをした。子供の視点に立ちながら、言葉を選んでいく意識感覚。

●4回目の授業では、雨の程度を話題に上げた。
弱 ・・・ 強
それぞれ、どんな雨かを考えていった。
小雨、霧雨。
強い方は、豪雨、台風、嵐など。
「この詩の場合は、どれぐらいの強さの雨だと思いますか」
自分の判断なので、どれを選んでも構わない。根拠と理由を上げられればOK。

●「小雨」の具体化にも迫った。運動会が出来るくらいの雨。みずたまりができないくらいの雨。降り始めの雨。Tシャツのしみが小さい雨。など。小雨のイメージを広げた上で、音読するようにした。具体的に、ありありとイメージをさせてから読む。表現の仕方の指導は、そこから始まって来るはずだ。

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