詩「雨のうた」の授業①②

●板書してある詩を音読。音読の声は悪くはない。『スイミー』の発表会まで持っていけたからだ。また、楽しくて成長を実感できた授業だったから。

●「何か氣がつくことはないかな?」大きな問いから入ったが…反応がイマイチ。狙いがあってならいいが…こちらに発問の用意がないのは明白。何を読ませたかったのか。呼び水となるような誘い仕掛けを張るなら…もっと教材研究しないといけない。

●「全員参加」を保障できるような展開にすべきだった。全員を土俵に上げられていない状態で、何を問おうが反応はイマイチになるに決まっている。育てておければ、この限りではないが、2学期のスタートを考えれば…。

◎すずさんだけ、「自然のものと人口物」とを分けて考えられていた。

●もう1行付け足す授業はどうであったか。その場で考えさせず、翌日までに考えてくるようにしたのはよかったと思う。「全員に発表してもらうからね」と、布石を打てれば、考えたことを発表することの土台作りにつながったかなと思う。

●複数のアイデアを考えられるようなワークシートにすればよかったかな。いくつか書かせて、とっておきに〇をつけさせるなど。1つでもいい。1つだけ。大きく違う。複数を考えているうちに、イメージが鮮明になってくると思う。

●ICTの活用が生きた場面でもあったかなと思う。これぐらいの内容であるならば、一氣にドンっと共有できたらおもしろい。

●「かさで□□□□ かさのうた」シリーズがいろいろと出されたのは面白かった。「かべでがんがん」などもおもしろい。その子の生活体験が創作に自然と表れている。言われてみれば、聴いている子たちも「たしかに!」となる。

●杉渕先生の一文解釈の授業記録を読んでいて…なるほどなと思った。「雨」という言葉からどれだけ連想させられるかに取り組まれていた。

大雨、台風、暴風、にわか雨、天氣雨、小雨…これくらいしか、出てこない、と。どのような意見ならばよかったのか、例を挙げている。

・校庭が大きな池になる。
・靴がずぶ濡れになる、靴下もびしょびしょになる。
・道路が川になっている。

など、「大雨」の状況を表現できない。子供たちの思考力のなさを嘆いているのだが、そのまま私自身にも刃が突き刺さった。なんと、表面的な授業をやろうとしているのか。

『雨にまつわるエピソードを教えて!』と私の方から例を挙げた。

・水たまりをよけようとしたが、誤ってバッシャーン! もういいやと水たまりにツッコんでいった話。
・スポンジで水たまりを無くして、無事に陸上競技大会を開くことができた話。
・雨のおかげで相合傘ができて嬉しかった話。

具体を話し出すと、子どもたちも語りたくなってくる。そのタイミングで、グループごとに交流させるようにした。隆成さんが始めは「ない」と言っていた。でも、きょうじさんや丈さんがどんどんしゃべっている横で、私が共感を示していると、ぽつぽつと語り出した。傘からわざと手を出して、どれだけ濡れるかを調べた話はおもしろかった。腕を伝って、水が流れて来る描写なんかは、生々しい。そういった話になってくると、俄然おもしろくなってくるが、まだ彼はそれに氣づけていない。

先生の授業記録に助けられたな。この詩では、何を想像させればいいのだろうか。ただ好きなところを伝え合うのでは…力がつくとは思えない。それは分かるが、実際にはどんな力をどのようにつけていけばいいのか。そうしたことが曖昧なままである。

●先生の記録でもう一つ氣になる点がある。「雨のうたとは、何か。分からない子が、多い。答える子も、音。このレベルで、止まっている」さて、この詩における「雨のうた」とは何なのか。まずは、私なりに考えてみたい。なぜ、「音」ではなく、「うた」と表現したのか。

・雨の音が歌みたいに聴こえたから
・リズムがあるから と教科書には書かれている。さらに付け足そう。
・音と音とが重なり合って、合唱にようになっているから。
・音だと、ただ音が鳴っているだけでいいが、うたの場合は、メロディーがある。
・雨の音が、たまたまメロディーになっていたから。

「音」と「うた」の違いを考えさせることで、言葉のディテールにまでこだわれる。語感を掴むのにもいいかもしれない。「音じゃダメなんだ!」「うたと表現してこそ、この詩なんだ」「それならば、このように読んだ方がよさそうだな」「歌っているみたいに音読しよう」となるかな。

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