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日本総研の都道府県幸福度ランキング2024を見ると、1位は沖縄県、2位は大分県、3位は宮崎県、4位は和歌山県、5位は鹿児島県と、南方の都道府県が上位を占める。
一方、首都圏の4都県はどの辺にランキングされているのかと言えば、28位に埼玉県、40位に東京都、43位に千葉県、神奈川県は最後尾の47位となっている。
これを見れば、首都圏の強みがある指標については、このランキング作成において大きくは加点が無いであろうことが容易に分かる。
ちなみに中核市で最もランクが高かったのは豊田市で、指標としては、選挙投票率(国政選挙)、財政健全度、自殺死亡者数、若者完全失業率、生活保護受給率、待機児童率、一人暮らし高齢者率、社会教育費等の指標が高かったらしい。
政令指定都市で最もランクが高かったのはさいたま市で、人口動態や所得、財政健全度、一人あたりの医療費、大学進学率、書籍購入額等の指標が高かったらしい。
しかし、この幸福度という怪しげな指標の地域における度合いが、それも上記にある書籍購入額や財政健全度等が個々の住民の幸福感にどう関連するのかはよくわからない。
さいたま市の住民が政令指定都市の中で一番幸せ!という分けではけっしてないだろう。中核市であろうと、政令指定都市であろうと、それらを超えて上位にランキングされた普通市もたくさんあるのだ。
本当に評価に使用した指標が全ての地域で望まれるている事業に関する指標なのかも分からない。
各指標の向上に向けた力の入れ具合は地域によってニーズも個性もあり、一律ではないだろう。
このようなランキングを作ること自体が各地域に個性を醸し出すことに対する挑戦であり、地方創生に逆行するステレオタイプを増長する行為だと思う。
ちなみに、外から見た”シティブランド・ランキング —住みよい街2023”では、さいたま市はトップ50位にも入らずに、69位と低迷している。
街の幸福度 & 住み続けたい街ランキング2024<甲信越版>においても、さいたま市はトップ20位に入っていない。
各自治体がこのような指標の浮き沈みに一喜一憂するとか、政治の主体が自らの成果をこの指標をもって誇らしげに自慢するとするなら、それは愚の骨頂だと思う。
このランキングとは別にデジタル庁の地域幸福度(Well-Being)指標があるが、これはウエルビーイングの因子を主観指標としてアンケート調査をするなど期待ができる。
ちなみにこの指標のダッシュボード上で首都圏の政令指定都市(さいたま市、千葉市、横浜市、川崎市、相模原市)における幸福度・生活満足度のカテゴリーにおける“幸福度”、“生活満足度”、“5年後の幸福度”、“町内の幸福度”、“周りも楽しい”を見てみると、どの地域もほぼ変わらない数値となっている。
この5都市において、生活環境に係る主観データをカテゴリーで見ると、その傾向もさほど変わらない。
その中でも、さいたま市と横浜市と川崎市の傾向は本当によく似ている。どの都市も適度な費用で住宅を確保することが難しく、身近な自然や空気、水のきれいさに首をかしげているようだ。
千葉市と相模原市の傾向もよく似ていて、上記3都市の2つの課題は、この両市ではさほど深刻ではないようだ。
そして上記5都市における行政施策等の客観データもその傾向はほぼ同じだ。
幸福度に関する主観指標を見る限り、首都圏の政令指定都市住民の満足度はさほど変わりはない。行政施策等の客観データもさほど変わらないとしたこれらの結果には“本当らしさ”を感じるし、頷ける。

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