【基本編】どのようにして知識ゼロの状態から通販で売上を上げたのか?食品通販で成功するための押さえるべき4つのポイント
今までたくさんの通販事業者様とお話をしてきました。
多い時だと、年間に200-300社ほど。
特に食品通販をしているお客様で販売に困っている方が非常に多かったので、食品を通販で販売するときのポイントをまとめたいと思います。
■食品通販の4つのポイント
①商品企画
②価格戦略
③販売戦略
④リピート施策
についてポイントをまとめたいと思います。
【商品企画】お客様は『何』を求めているのか、まずは徹底的に顧客課題を理解すること
まずは販売していくにあたって、お客様がなぜその商品を購入するのか、つまり【顧客課題(顧客ジョブ)】を理解することが大切です。
基本的にお客様が商品を購入する流れは次の通りです
① 達成したいゴールがある
② ゴールを達成する上で、課題がある
③ その課題を解決するために商品を購入する
です。
ジョブ理論については別のnoteで解説しておりますので
参考にしてください。
食品ですから、基本的には『美味しさ』に対して価値を感じてくれて購入しますが、それ以外の顧客インサイト(例えば、糖質が気になる、時短、ほっこりしたいetc)を考えて顧客理解をすることが商品開発をしていく上で、何よりも重要だと思っています。
【商品企画】通販でスーパー、コンビニでは売れないものが売れる!専門化をすべき!
顧客理解、メインターゲットは誰なのかを理解したら、商品コンセプトを考えていきましょう。
■商品企画のポイント
① スーパー、コンビニには置いていないもの、売れないもの
② 通販で食品を購入するお客様は、スーパーやコンビニの売れ筋商品以外を求めている
③ 商品粗利が60%は確保できるもの
④ 自社の特徴(地域性、技術、歴史、仕入れ、強み、希少性、専門性、用途)が出せているもの
⑤ マーケットがあること
⑥ 大衆受けするものではなく、特定の購入者だけに好まれる商品であること
商品コンセプトを考えていく上で、USP(Unique Selling Proposition)を考えることはとても重要です。
顧客が求めていて、かつ自社の『独自性』となります。このUSPこそお客様が数ある商品の中から自社を選ぶ理由になります。
よくやってしまいがちなのが、 「・・ダイエットサポートができる」「糖質10%オフ」といったキャッチフレーズで商品を開発して販売すること。これは絶対に失敗します。
理由は、「通販で購入する理由がない」と言うことです。コンビニやスーパーで買えてしまうから。わざわざ通販で買う理由がなく、仮にあったとしても店舗品との比較になり、収益性が低くなってしまい売ることがとても難しくなるのです。
【価格戦略】商品粗利が60%以上をキープできるようにすべき
価格戦略は、企業価値やその商品価値を決めると言って良いほど重要です。
■価格戦略
① 通常の3倍くらいの販売価格をつけるのが理想
② 商品粗利は60-70%以上になるようにする
③ 商品容量などは調整してOK
ターゲットにするお客様によって、価格も変わってきますし、商品化した時の価値によって設定できる価格が決まってきます。
目標は店舗などで販売されている商品の3倍の販売価格を付け、商品粗利を60-70%以上をキープさせたいです。
なぜかと言うと、認知形成のためのプロモーション費用などが発生するからです。
事業計画、商品企画時にこの広告予算を考えずに設計すると、商品を知ってもらうための手段に費用がかけられなくなり、結果的に売れなくなります。
各カテゴリごとに基準となるような『内容量』ってあるかと思いますが、通販で販売する時には内容量を他商品と合わせる必要はありません。
商品粗利を目標値に近づけられるよう内容量を調整することも1つの手段だと思っています。
【販売戦略】通販で成功するためには小さなニッチマーケットでNo1をとる
前提として、通販で食品を購入するお客様が求めているものは「スーパーなどで販売されていないもの、売れ筋商品以外のもの」です。
お客様から選んでもらえるように小さなマーケットでも構わないので、ニッチマーケットでNo1が取れる分野を見つけて、販売していきましょう。
■ニッチマーケットを狙う理由
・大手企業が参入しづらいので、マーケットシェアを取れる
・利益率の高いビジネスになる
手間をかけた生産、細かな対応力が必要な配送などに対応すれば、競合が少なく、利益を残せるビジネスを作り出すことができるのです。
そのために、専門性、ニッチマーケットへの参入は小さな企業がするべき【弱者の戦略】だと考えています。
【販売戦略】(1)ビジネスモデルで専門化する方法
■分野専門店化
①メディア強化型・単品特化型:話題性のある商品とPR
②ギフト、イベント強化型:年間の販促計画と催事場の特定
③1番店型:実績訴求、検索対策の徹底
■用途専門店化
①目録などの祭事ニーズの喚起など、用途の追求
②自然検索される仕組みを作る
販売方法や取扱商品を限定的にすることで専門性を高めることができます。
【販売戦略】(2)市場リサーチをして、ポジショニングする方法
参入を考えているカテゴリの販売状況を踏まえて、ポジショニングを考えます。
モール型のECサイトを見ることで簡単にリサーチすることができます。
■リサーチするサイト
・楽天市場
・Amazon
上記の2サイトが食品通販の販売チャネルとして大きなチャネルとなっています。
つまり、この2つのサイトをリサーチすれば、どんな商品が今売れているのかがわかると言うことです。
■リサーチの方法・ポイント
① 商品カテゴリのランキングをチェックすること
② モールごとの検索窓で商品キーワードを検索した際の上位表示商品を調べる
③ リサーチする項目は、「素材」「開発技術」「形態・形状」「容量」「価格」など
各モールの検索窓から参入カテゴリ、商品を検索する。検索結果の1ページ目(もしくは上位表示されている商品)が今『売れている商品』なので、どんな商品が売れているのか調査しましょう。
併せて、リサーチして欲しいのが各商品を購入されたお客様の口コミ・レビューです。
口コミ・レビューには、「その売れ筋商品に何を期待しているのか」「なぜその商品を選んだのか」が言語化されているので、顧客の購買動機(顧客インサイトはユーザーの会話からじゃないとわからないと思っています)を知ることができるのでおすすめ。
【販売戦略】(3)参入を考えていたカテゴリの競合が強いと判断したら、別のカテゴリに切り替えるべき
リサーチをしてみて、競合に勝てないと判断したときは、そのマーケットへの参入を諦め、別カテゴリを探しましょう。もしくはギフト通販としての商品設計を考えるのも良いでしょう。
■ギフト通販で成功するポイントは?
ギフト商戦を強化するために「今までの商品をどう売るのか?」ではなく、「どのような商品をどの価格帯で販売、どのようなページで作成していけば良いのか?」を徹底的に分析し、梱包サイズや梱包デザインまでこだわって、売れる商品設計を実施すること。
ギフト販売については、また考え方があるので別のノートでまとめたいと思います!
【販売戦略】(4)販売チャネルはメインで狙うターゲットによって分ける
チャネルが変わると購入される顧客属性が変わるし、売れる商品も変わってきます。
販売チャネルはメインで狙うターゲットごとに分けていきましょう。
販売チャネルの考え方
① 20-50代をターゲットにする商品:ネット通販
② 60代以上:新聞、DM通販
【リピート施策】(1)まずは2回目の購入率をあげることが成功する通販を作り上げるのにとても重要
収益性を高めるためには、2.3.4.と継続的に購入してもらえる仕組みを構築しなければなりません。
なぜなら、1人あたりの顧客獲得コストが顧客単価と比べると高いからです。
食品通販の場合、1人あたりの顧客獲得コストは平均で3,500円。それに対して、1人あたりの顧客単価は平均で3,000-5,000円です。
上記の通り、継続購入をしてもらわなければ、利益を残すことが難しいと考えられます。
リピート購入してもらうためには、まずは2回目の購入をしてもらう必要があります。2回目購入率は何もしなければ10-15%。
なぜ、リピート購入してくれないのか。商品が「美味しくなかったから」なのでしょうか。仮にそうだとしても、リピート率が10-15%で考えた時、85%-90%のお客様が全員そのように思っているのも考えられません。
■なぜ購入してくれないのか?
① 美味しいけど、わざわざ2回目を買うほどではない
② 再注文する方法や企業情報がわからないから諦めている
仮に全体の20%が何をやってもて購入してくれない人であるなら、残りの80%のお客様にリピート購入を促進させる施策をしっかりとやっていく必要があります。KPIとしては30%ほど目指したいですね。
【リピート施策】(2)タイミングごとに適切なアプローチをする
お客様と接点を持てる手段、タイミングは限られています。
顧客心理は購入してから日が経つにつれて、変化してきますので、それにあわせてコミュニケーションをとっていきましょう。
■継続購入を促すためにやること
① 初回同梱物
② ステップメール
③ メルマガ
④ アウトバウンドのフォローコール
まとめ
細かい施策についての解説等は省略してしまいましたが、食品通販におけるポイント・全体幹をまとめました。
「商品粗利60%以上なんて無理だよ」と言うお声を非常にたくさんいただくのですが、通販で販売していく以上、ここは避けては通れない道です。商品設計が通販を成功させる上で、鍵を握っていると言っても過言ではありません。
内容量を調整したり、付加価値をつけたりなど試行錯誤して、実現させたいですね。
今度はギフト通販をする上でのポイントや、各施策などの具体的な考え方などをまとめられたらなと思っています。
参考文献
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?