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ローマの地下鉄でスマホを盗られた話

時は2025年1月。

ローマのテルミニ駅からトレビの泉へ向かう途中の電車内でiPhoneをスられ、被害届を貰うまでの流れをまとめました。
誰かのお役に立てたらと思います。

結論からいきます。

テルミニ駅、一番プラットフォームの奥にある警察へ行ってください。改札内です。

…向かい始めましたか?
それでは経緯をお話させてください…

まず、スリにあった人物は、アラサー日本人男性、中肉中背平均身長。新婚旅行でイタリアへ来ました。
ヴェネツィア→フィレンツェ→ローマと南下してきており、最終日はトレビの泉に行こうということでホテルを朝7時すぎにチェックアウトしました。

トレビの泉へ行くにはテルミニ駅からバルベリーニ駅へ向かう地下鉄に乗る必要があるのですが、とっても混雑しておりました。
しかし我々は都会で働く日本人。満員電車で鍛えられている日本人を舐めるなと言わんばかりに乗り込みます。
この大和魂が間違いでした。大馬鹿です。

乗ること10分。バルベリーニ駅に着いて、さあ降りようと夫を見ると、

「スマホ盗られた」

心臓が止まりました。だって盗られたのはiPhone16。買いたて。イタリア旅行で綺麗な写真を撮りたいからと買ったものでした。
失くしたり盗られたりしないようにスマホストラップをつけてはおりましたが、電車内でいじった後ポケットに入れておいたそうな。

ポケットに入れるなとあれ程注意喚起されているのに!(心の叫び)
…責めてもiPhone16は戻ってきません…
何より本人が一番ショックを受けています。かける言葉が見つかりません。
まずは出来ることをしなければ。

(ちなみにですが、意外なことに金具が切られていました。糸でできたストラップは意外と切りにくいのでしょうか?)

証拠のブツです

と、とりあえず降りようとホームに降り立ち、私の端末で「探す」を起動するも電波が弱い。
急いで駅の外に出ます。

結論、パニクった脳みそではiCloudのid・パスワードを思い出すことが出来ず、停止をかけることが出来ませんでした。もしくは、犯人が一枚上手で対策されていたのかもしれません。

やり方は、「探す」→「自分」→「友達を助ける」でした。詳しくは調べてみてください。悪用を防ぐためではあるのでしょうが、なかなかめんどくさいです。

盗られてしまった物はどうしようもない。戻ってくるわけもない。それなら保険金請求で少しでも損害を軽くしなければ。
保険金請求について調べます。

とりあえず盗難にあった証明書を現地で発行することが必要みたい。
現時点で7時45分、タイムリミットは11時。飛行機が15時に飛ぶため、空港に向かう電車、ホテルでスーツケースを受け取ることを考えると時間が全然足りません!

旅行中お世話になり続けているgoogle mapを開き「警察」や「交番」の単語で調べるもヒットせず。周りを見渡しても、駅の中にも警察や助けてくれそうな人はいません。

「イタリアには警察はいないのかよ?!」
そんな訳ありません。

なんとかそれっぽい単語で調べ、「Polizia di Stato - Ufficio Presidenziale」という州警察へ向かいます。しかし日本の交番に比べ、どう見ても普通の家です。ほんとに合ってんのか?

そこへ巡回中の警察2人組が通りがかりました。
携帯を盗難されたため被害届を出したい旨をGoogle翻訳を使って何とか伝えました。そしたら、「この受付はここでは出来ない。Polizia di Stato - Commissariato Viminaleへ行ってみて」と言われます。
徒歩15分くらいの距離でした。
解決の光が見えました!
グルァッツィエ!とお礼を言って走り出します。

到着しました。交番っぽい見た目ではありますが、ドアが鍵でしまってます。
ドアの前で困ってたら兄ちゃんが出てきました。
事情を話します。

「今二組の逮捕者がいて受付できない。Polizia di Stato - Commissariato Esquilinoへ行ってくれ」
ガチ?そんなんありかよ。
また徒歩15分くらいです。キレながら急いで向かいます。

到着しました。三度目の正直です。老夫婦の先人がいました。余談ですが、イタリアの老人はみなオシャレです。
おじいさんが言うには、受付は9時からとのこと。外で待つことに。
イタリアでは営業時間外は犯罪し放題なのか?
とんでもない国です。
8時40分くらいに到着したのでロスタイムが発生します。でもここで終わればワンチャントレビの泉行けんじゃね?と希望を持てました。

少し時間が経って、おじいさんに「飛行機の時間が迫ってて急いでいるんです」と言ってみたらOh!という顔をして、何やらインターフォンに喋ってくれました。
そうしたら警察が出てきて、「曲がり角の先にある交番へ行って」と言います。
またかよ?!しかも、曲がり角って、どこだよ。
イタリアの交番はほんとに分かりにくいです。
押し問答の末、目の前まで警察が連れてってくれることになりました。おじいさん、親切にありがとう。

次なる交番は9時からなんてケチなことは言わず、すぐ入れました。ホッ。いや当たり前だよな…。
とにかく事情を伝えたところ、受付のおねーちゃんはなんと、「テルミニ駅の中にある交番へ行ってくれ」と言いました。
信じられないくらいタライ回しです!
少しごねたけど無理なもんは無理みたいで、出発地・テルミニ駅へ戻っていきます。これまた徒歩15分くらい。

テルミニ駅に着いて改札の人に聞いてみると、「あそこに交番があるから」と改札外の交番を指さされます。行きました。無人で鍵が閉まってます。またも白目を向きながらキョロキョロしていると、しばらくして警察登場。またも事情を話すと、「一番プラットフォームへ行け」ですって。
もうそこで終わりなんでしょうね?!

ていうか改札への入り方はどうしたらいいの。
空港へ向かう帰りの切符は持っていましたが、ここで使ってしまったら実際に帰る時どうしたらいいの?ってことで困ってしまい、改札の入口に立ってた兄ちゃんに「警察に行きたいんですが」と言うと、「あそこにある」って先程の交番を指差されます。
そこから出てきたんですよ〜、私達…。しかし「No.」と。なんでだよ〜。

次なる策、出口から入ろうとしました。(イタリアの改札はデカキップに印字されたバーコードを読み込ませる形で、出る時は何もせず出れるのです)
当然ガードの兄ちゃんに阻まれるも、「一番プラットフォームに行きたいんです」と伝える。
そして当然「入口から入れ」と言われます。
まあそうだよな。イタリア、意外と融通がききません。

入口の兄ちゃんに再び話しかけます。
「一番プラットフォームに行きたいんですが」
「プレーゴ(どうぞ)」と言われ入場できました。
入れるんかい。言い方の問題か。発狂しそうでした。

一番プラットフォームへ入ってからも受難は続きます。
当然看板に交番の表示はなく、ホームを突き進むことに。
すると唐突にposteという文字とともに、日本の警察や市役所、郵便局や銀行のようなカウンターがあるテナントが現れます。
これだ!でも中に入れない。
ホームにいる警備っぽい人に尋ねました。「これは中に入れないの?」「外からしか入れないよ」
マジか。改札内じゃないじゃん。いったん改札を出てposteへ入り、番号札をとります。

穏やかな時間が流れます。
…いやなんかおかしいな。
待ってる人に聞きます。「ここは交番ですか?」「いや、郵便局だよ」
終わった。もっと先に交番があったんだ。焦った末の勘違い、致命的でした。ていうかposteってpostじゃんね。郵便局ですわそれは。
足がパンパンになりながらも再び駅構内改札へダッシュし、posteを通り越します。

とうとう見つけました。おまたせしました。ここが最終地点です。全ての道はローマに通ずと言いますが、全てのイタリアの警察はテルミニ駅の交番に通じているようです。(?)

ここまで来て気づいたのですが、イタリアの交番はどうやら鍵がかかっているのがデフォルトで、インターフォンで用件を喋らなくてはならないようです。

ドアを開けてくれたねーちゃんは親切で、話を聞いてくれた後「担当者を呼ぶから10分ほど待ってね」と。タライ回しがここで終わったことに気づきました。神に感謝です。

※焦っていて写真を撮る余裕がありませんでしたが、「テルミニ駅 交番」でGoogle画像検索をして頂いて、一番上にある写真が参考になるかと思います。くれぐれもposteにお入りになりませんよう…。

待つこと15分後、イタリア人には珍しく、お堅そうなおじ様が登場。ちなみにイタリアは革製品も有名で、職人がいます。このおじ様もきっと靴職人タイプなのでしょう。

中に通され、ガッツリオフィスっぽい部屋でお話を聞かれます。すると、1枚のプリントを出してきて、「これに書いて」と言ってきました。
これが盗難届のようです。個人情報、盗難の経緯、なぜ盗難と分かったかなどを英語で書きました。
書き終えておじ様に渡すと、今度はパソコンに打ち込んでいます。

待ち時間発生。でもなんだか不思議と余裕がありました。警察って安心します。
ただ、オフィス内のイタリア人は8割がおしゃべりしてます。待たされたけど暇なんじゃん。日本だったら市民からクレームが入りますよ。
でもこんな働き方なら楽しいだろうな〜、と思ってぼんやりしてました。

被害届が完成したようです。名前の確認があって、印刷をしてくれました。
ポンポンとハンコを押したあと、署名を求められます。原本と控とそのまた控があるようで、かなり枚数がありました。
一部を貰って解放されます。手続き自体はシンプルかつ早かったです。

全てが終わったのは10時40分。朝なのにもうヘトヘトです。空港行きの電車が11時20分発、ホテルはテルミニ駅近なので、若干余裕を持って手続きが終わりました。

道中、iCloudアカウントやApple pay、電話回線の停止にもチャレンジしましたが、これもまた苦戦しました。
結果的には4~5万損失が出るくらいで済みました。それでもキツいですが…。
長くなるので別記事にします。

反省点
⚠️激混みの地下鉄に乗ってしまった
→少しでも空いてる号車に乗るべきです

⚠️iPhoneをずっと握ってなかった、ポケットに入れてしまった
→今考えると、独り言をブツブツ言う変な人が夫の後ろにピッタリついてグイグイ押してました。私はそれが嫌でちょっと横にずれたら空間があったのでセーフでした。それでもなんかジロジロ見られていて、アジア人差別か?なんて思ってしれっとしていましたが、多分あれも狙われてたんだと思います。バッグとiPhoneをしっかり体の前で握っていたので諦めてくれたのか…。強引に奪われる可能性もあるので、地下鉄の改札に入る前からiPhoneはカバンに入れチャックをしめ、カラビナをつけるべきですね。イタリアでは注意を逸らす人と実行者がグルになってスリを行う場合があるそうです。完全にそれだと思いました。

⚠️イタリアに慣れ始めていた
→慣れてきた頃が一番危ないのは全世界共通ですね。言われるほど危なくないじゃんと慢心してしまいました…。

まだ良かったこと
🔅最終日に起こったため旅行中は楽しかった

🔅iPhoneは日本で買い直せばなんとかなる

🔅前日夜までのデータはバックアップされていたので、写真は無事だった

🔅損害保険が自動付帯のカードがあった為、10万までなら補償される
→携行品損害保険が付帯されているカードを複数枚持っている場合、保険会社側で按分してもらい、本体代のほとんどを補償で賄える可能性があります。
海外ツアーの予約をする時は携行品損害が付いているカードを使ったり、携行品損害が自動付帯になっているカードを持っておくと良いですよ。
携行品損害保険はほとんどが1つにつき10万円が限度額で、海外ツアーを予約するなどの利用条件があります。
今回私達は、自動付帯になるカードは持っていましたが、海外ツアーを予約したカードの携行品損害は対象外でした。
iPhone16は14万強なので、すこし足が出ます。残念🌀

まとめ
長くなりましたが、ここまでお読み頂きありがとうございました。
南イタリアはスリが多いとのことですが、本当にそうでしたね。チョコのお土産をホテル内に放置してたら食われたなんてこともありました

ベトナムでもそんなことありませんでしたよ!

これからイタリアへ行かれる方はくれぐれもお気をつけを、スリに遭ってしまってこの記事を読まれた方は、何とかなるので安心なさってくださいね。

そういえば、時間があればトレビの泉に行くとかなんとか言ってましたが、コインを投げて「また来れますように」と願掛けをする気がすっかり失せてしまったので問題ありませんでした。

イタリア、もう来ないからね〜

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