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【コラム】いい寿司屋は玉子が美味い。いいアイドルは…

みなさんこんにちは。
私は小さい頃、お寿司屋さんに行くと必ず玉子を最初に注文していました。
今でもお寿司にいくと中盤に玉子を1度挟むことが多いですね。
食通の方は、初めていくお寿司屋さんの良し悪しを玉子で見極めるんだとか。
お魚だけではなく玉子にもこだわってるお寿司屋さんって、なんだか信頼できるような気がします。

さて、食通ではなく、”アイドル通”を自称する私にも、初見で筋のいいアイドルを見極めるポイントがあります。
それは歌でも、ダンスでもなく、ライブのMCです。もっと具体的にいうと、MCで他のメンバーがしゃべっている間の所作です。

他のメンバーがMCをしている時間は、自分が主役ではない時間です。しかし、人前に立って多くの視線に晒されていることには違いありません。この時間をいかに活用するかがセンスの問われるところです。

慣れてないアイドルさんは、緊張の糸が切れて真顔で立っているだけのことがたまにあります。これではファンの人にアピールをすることはできません。せっかくのアピールタイムを無駄にしています。

この時間の有効的な使い方としては、例えばレスが挙げられます。客席を眺め、知ってる顔を見つけると、指を差して大袈裟に驚き、クシャッと笑ってみる。背伸びしながら客席の後方をキョロキョロ見渡して、「後ろまで見えてるぞ」と表現してみる。カメコさんに向けてポーズをとってみる。これらはMC中によく見る光景です。

他にも、真面目なリーダータイプのメンバーであれば、話しているメンバーに体を向けてよく話を聞き、「うんうん」と相槌を打っている子もいます。
言葉に詰まったらすぐにフォローする姿はとても頼もしいです。

あるいは年下の妹キャラが、話なんてそっちのけでイチャイチャじゃれ合っている。そんな姿に萌えるファンも多いでしょう。

そして、もっとセンスのいいグループになると、個々のキャラクターの表現だけではなく、グループとしての客観的な見え方まで意識できるようになります。
例えば、4人組で右端の子がお話をしているとき、右から2番目と3番目でイチャイチャしちゃうと、黙って立っているだけの左端の子がハブられているように映ってしまう。なので、機転を利かせて、4番の子にもちょっかいをかけてイチャイチャの輪に巻き込む。それを見かねた右端のMC役が「ちょっと話聞いてるー?」とツッコミをいれて、オチが付く。
こういう立ち回りが自然とできるようになると、仕事のできるプロのアイドルって感じがしますね。

ここからさらに磨きがかかると、唯一無二の個性が出せるようになります。これはかなり難しいです。

私が今まで印象に残っているアイドルのMCでいえば、まずは全員が隙あらばボケてツッコむ芸人顔負けの応酬を見せた大阪☆春夏秋冬。

次に、TDCホールで行われたAKBグループの大舞台で「アダルトサイトに架空請求された話」という長尺のエピソードトークをぶっこんでしっかり笑いをとった元HKT48の村重杏奈。

そして、中止が危ぶまれるほどの大雨のなかスタートしたライブの1曲目で、急に空が晴れ上がり、MC中にメンバーカラーの虹が出るという奇跡を起こした豪運のももいろクローバーZ。

MCだけで人々を笑わせ、感動させ、時には運も味方につけ、圧倒的なインパクトを残せるようになれれば超一流のアイドルといえるでしょう。

とはいえやはりアイドルの本分は歌とダンスなのです。努力をすればどんどん成長していくでしょう。そこにみんな時間を割いています。
だからこそMCに注目するのです。自然体の時間だからこそ、慣れやセンス、プロ意識の度合いが現れるのです。
あるいは他のグループが力を入れない部分で差をつけてやろうという貪欲さが光るのです。

この記事を読んだアイドルさんが取ってつけたように張子の虎みたいなMCをするようになったら話は変わってくるのかもしれませんが、今のところはこの指標は信頼できるものだと思います。
デビューしたばかりでパフォーマンスが未熟でも、MCの筋がいいアイドルは最終的に伸びて売れる傾向にあります。

マグロはどこのお寿司屋さんも美味しいですが、いい寿司屋は玉子のセンスもいいんです。



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