「週刊プラグインレビュー」Brainworx / bx_XL V3
今月2記事目です。
最近、寒さにやられて体調を崩しており、スケジュール通りに働けないもどかしさにやられています。
皆さんも、これから年の瀬に入り、忙しくなることかと思いますが、どうぞ厚着とヒートテックを忘れずにでご自愛くださいませ。
さて、今回は、bx_XLv3を使ってみたところ、予想以上に小回りが効いていたのでレビューしようと思います!
それでは早速ですが、やっていきます。
プラグインレビュー!!
bx_XL V3とは?
bx_XL V3は、M/Sに対応したデュアルバンドコンプレッションと、bx_LimitterTPのリミッターセクションを合体した、現代のラウドネスに対応するマキシマイザーであるとのことだ。
全体的には、以前レビューしたbx_GlueにTPリミッターを実装してガッチャンコしました・・みたいな形である。
それに+αで各バンドの奇数倍音の歪みかたを調整できるXL機能が足されている。
どちらかというと、新作!というよりは、色々な機能をつまみ食いした複合系のように思えるが、実際に使ってみると、それぞれとはまた違った使い方が出来て中々面白かったのでご紹介したいと思っている次第だ。
機能面について
早速だが、bx_XL V3の各種機能について見ていこう。
まず、全体のシグナルルーティングはこんな感じだ。
ざっくりと追っていくと、インプットからゲイン、M/Sエンコーダー、MonoMakerセクションを通って、クロスオーバーに入っていく。
MID HiとMid Loに関してはM/SのMのMidの意味合い。
加えて、Side信号のみにもコンプレッションを加えることが出来る。
その後、それぞれXLで歪を付加したものをサミングして、TruepeakLimiterに信号が入るようになっているようだ。
それぞれ見ていこう。
コンプレッサーセクション
各バンド共通のパラメーター:
Band Button [Active]: バンドの有効/無効。
無効時はXLを含む全機能バイパス。XL%: 3次、5次高調波付加による温かみ追加するとのこと。
エイリアシングは専用フィルターで防止し、ラウドネスの増強をするための歪を増やしてくれる。XL [Active]: XLサチュレーション有効/無効。
Gain Boost: 後段のリミッターへの入力レベル調整。
Attack: スレッショルド到達後、コンプレッション開始までの時間設定。
Release: スレッショルド以下になってからゲイン復帰までの時間設定。
Threshold: リミッティング開始レベル設定。
Fader Link: 有効化でGain BoostとThreshold連動。Gain Boost増加でThreshold減少し、逆も同様。全体音量を維持したままでのリミッター動作調整が可能。
[Band] Solo: 各バンドソロ有効/無効。他ソロ有効時は自動オフ。
なお、複数バンド同時ソロはできないとのこと。Sidechain: 有効化でカスタムサイドチェイン信号によるコンプレッサー駆動をしてくれる。
クロスオーバーセクション
Crossover [Hz]: Mid信号分割周波数設定 (Mid Lo / Mid Hi)。分割信号は個別に処理後、位相整合の上モノラル合成。
Chain Icon [Frequency Link]: CrossoverとMono Makerの周波数連動。
Mono Maker: 指定周波数以下をモノラル化。
[Source]ドロップダウンメニュー: サイドチェイン信号ソース選択 (Side, Mid Lo, Mid Hi, 外部入力等)。
Sidechain Mix: 複数サイドチェインソースミックス。ノブ操作でソース比率調整。
Solo [Sidechain Mix]: ミックス後サイドチェイン信号ソロのモニターをする。
柔軟にサイドチェーンが簡単に組めるように設計をされていて、例えば、Side信号にMIDLOをチェーンする・・・みたいなことがワンクリックでできたりする。
グローバルセクション
Global XL%: 全バンドのXL%を一括調整する。
Global XL On: 全バンドXL有効/無効一括切り替えができる。ただ、個別のオフ設定をしている場合はそのOFFの設定は維持する。
Global Gain Boost: 全バンドGain Boostを一括で調整。
Global Threshold: 全バンドThresholdを一括で調整する。バンド間の相対差は維持しながらThresholdを調整できる。
TP Limiterセクション
TP Limiter Button [Active]: True Peak Limiter有効/無効。
Gain: リミッター入力ゲイン調整。全バンド合計信号に適用。
Ceiling: リミッティング上限設定。ブリックウォール特性。
Classic | Modern: リミッターモード切り替えられる。
Classic: セーフでパンチ控えめなリミッター。
Modern: 反応速度が高く、パンチ強い。現代的な音楽に適合するように作られている。Release: リミッターのリリースタイムの設定。
Channel Link: リミッターサイドチェイン左右チャンネルリンク量の調整。
100%: 完全リンクし、ステレオイメージに干渉しない。
75%: デフォルトの設定としてオススメとのこと
0%: 左右のチャンネルを完全に独立してリミッティングする。
概ね使いそうなあたりはこのあたりかなと。
特にオーバーサンプリングの設定や、裏の設定パネルなども存在していない。
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