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恋愛詩:寒桜

五十を目前にして
人生に疲れている私には
冬間の色彩の減り様は
死への近道へと誘う
季節の思いやりなのでは
と妙な感傷を抱かせる
結婚も出来ず
給料も上がらず
不安しかない将来と
決定づけられた
より一層の孤独は
想像する必要もなく
常に傍に居座っているのだ

詩人にでもなった気分で
そんなもの思いに耽りながら
家路を歩んでいると
最近越してきたらしい
同世代のご近所さんが
お帰りなさいと
笑顔を寄越してくれて
独り身らしい彼女の背後には
寒桜が翼の様に枝を広げて
開花していた

寒桜〈#花言葉〉あなたに微笑む

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