物語詩:喧嘩した林檎と三日月
浴衣の準備に手間取り
夏休みの夜祭りでの
待ち合わせにちょこっと
遅刻しただけなのに
あいつは怒って私をおいて
境内の方へ行ってしまった
怒ったふりして僕は
彼女から離れてしまった
浴衣姿が大人っぽくて
恥ずかしくなったからだ
お小遣いで御目当ての
オモチャを買った後
心配になってきたから
人混みを掻き分けて戻り
探しに行く
『あっ⁉︎いたいた!
遅刻してごめんなさい
でも一人にしないでよね!
あれ?おもちゃの剣?
何か三日月みたいだね』
「うるさいなぁ〜お前も
りんご飴買ってんじゃん
そろそろ花火が
始まるから行こ」