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散文詩:朝の光

生き苦しい夜に
時計の針を回してみたが
朝は早くは訪れなかった

沈み行く夕陽に
どうか留まってくれと
祈ってみたが
あっという間に
暮れてしまった

長い夜を過ごしている
この孤独な身を一体誰が
知ってくれるのだろう

私は一度だけ
出来うる限りの声で慟哭し
湯呑み幾杯分の涙を流した

そうして明けた朝は
目を開けられぬほどの
眩しい陽が
目蓋を強く優しく
温めてくれたのだ

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